和食検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




和食検定の概要

和食検定は、日本の食文化を正しく理解し、正しく伝えるための基本的な知識の普及と、和食の文化を継承し、発信するために必要な専門知識と実務知識の理解度を測るための試験です。初級レベル、基本レベル、実務レベルの3つのレベルがあり、受験資格は、実務レベルのみが設定されており、基本レベル取得であることが必要です。正解率によって、各レベルの級の認定を受けます。

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和食検定試験の公式テキスト

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和食検定のおすすめテキスト

1.「和食検定 入門編」(日本ホテル教育センター)

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2015/4/1)、出典:出版社HP

この本は、和食検定初級レベル準拠テキストです。

2.「和食検定 基本編」(日本ホテル教育センター)

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2011/10/1)、出典:出版社HP

この本は、和食検定基本レベルの公式テキストです。

3.「和食検定 実務編」(日本ホテル教育センター)

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2011/10/1)、出典:出版社HP

この本は、和食検定実務レベルの公式テキストです。

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目次 – 和食検定 入門編

はじめに

2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

このことは、世界中の人々に和食が評価されたこと、そして日本人がその重要性を再認識し、和食文化を普及、教育、改善、保護、継承していく使命を課されたこと、さらに日本人が諸外国に対しても正しい情報を発信していかなければならないことを意味します。

こうした背景を踏まえて、業界関係者だけではなく、幅広く内外の若い人や一般の人々を対象に、日本語と英語を併記した和食学習への導入教材として「和食検定・入門編」を編纂しました。

世界中どこの国にもその風土や自然環境に根ざした食文化があります。自国の食文化に誇りを持ち、祝祭日、記念日や大切なお客様が来られたときに丹精を込めて食事を作り、心からのおもてなしをすることは世界共通の習わしです。

幸いにも山海の自然に恵まれ長い歴史を持つ日本では、豊かな地域色と食材をもとに、調理技術の向上とともに素晴らしい食文化が培われてきました。加えて世界中の食材や食品が導入され、とりわけ洋食の影響を受けて和食は独特の進化を遂げています。

一方、今や世界中の人々が異国を旅する時代となり、訪れる国の文化伝統に触れて感動し、また次の目的地へと移動しています。日本を訪れる外国人の数は、政府の観光政策により年間目標4000万人に拡大しつつある中で、和食の人気度は興味関心事の常にベスト3に挙げられています。

しかしながら、私たち日本人がどれだけ和食のことを知り、どれだけ人々に説明できるでしょうか。洋食が普及した現在、若い人々の和食離れも起きています。他国民と同じように、日本人が日本人として世界に出て行ったときには、和食文化の素晴らしさを誇りを持って紹介できるようにしたいものです。

自国の伝統文化に誇りを感じる日本人は、外国人からも国際人としての日本人として評価され尊敬されます。和食に携わる業界人のみならず、世界に立ち向かう全ての日本人が、自国の伝統文化、とりわけ和食文化に興味関心を抱き、コミュニケーションの一つ、また話題の一つとして取り組んでもらいたいと思います。

こうした願いをもとに、当財団は2011年に和食検定を立ち上げ、これまで「基本レベル」と「実務レベル」の試験を実施してまいりました。本書「和食検定・入門編」は、グローバルな視点から、多くの人々への啓蒙と国際文化交流の一助となることを念願し、まとめています。自己啓発の一つとしてご活用ください。

本書制作にご協力いただいた全ての方々に感謝するとともに、和食の造詣の深い方々のご指摘、ご意見を頂戴できれば幸いです。

一般財団法人 日本ホテル教育センター
理事長 石塚勉

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2015/4/1)、出典:出版社HP

目次

はじめに

和食検定実施要領

第1章 和食文化
1 和食文化とは
(1)和食文化の成り立ち
(2)和食の基本

2 一汁三菜とは
一汁三菜の世界
【一汁三菜の世界図】

3 和食文化誕生
(1)日本の地理、地形、気候から見る和食
1)気候の特徴
2)豊かな水
3)海流がもたらす豊かな魚食文化

(2)特徴的な項目で見る和食文化の流れ
1)米文化の変遷
米から造られる酒
2)料理の変遷
道具(器・箸)
日本人と肉食
3)調味料の歴史
日本人とすし

復習

第2章 和食文化の継承
1 地域の食材と郷土料理

地域の食文化を担う郷土料理
47都道府県の郷土料理
【日本の主な郷土料理名】

北海道・東北地方
1北海道/石狩鍋
2青森県/いちご煮
3岩手県/ひっつみ
4宮城県/はらこ飯
5秋田県/きりたんぽ鍋
6山形県/いも煮鍋
7福島県/こづゆ

関東地方
8茨城県/鮟鱇鍋
9栃木県/しもつかれ
10群馬県/おっきりこみ
11埼玉県/いが饅頭
12千葉県/鰯のごま漬
13東京都/深川丼
14神奈川県/けんちん汁

北陸・中部地方
15新潟県/のっぺい汁
16富山県/鱒のすし
17石川県/治部煮
18福井県/小鯛の笹漬け
19山梨県/ほうとう
20長野県/おやき
21岐阜県/朴葉味噌
22静岡県/鰻の蒲焼
23愛知県/味噌煮込みうどん

近畿地方
24三重県/てこねずし
25滋賀県/鮒ずし
26京都府/おばんざい
27大阪府/箱ずし
28兵庫県/ぼたん鍋
29奈良県/柿の葉ずし
30和歌山県/めはりずし

中国・四国地方
31鳥取県/蟹汁
32島根県/鱸の奉書焼
33岡山県/ママカリずし
34広島県/牡蠣の土手鍋
35山口県/ふく料理
36徳島県/そば米雑炊
37香川県/あんもち雑煮
38愛媛県/じゃこ天
39高知県/皿鉢料理

九州・沖縄地方
40福岡県/がめ煮
41佐賀県/須古ずし
42長崎県/卓袱料理
43熊本県/辛子蓮根
44大分県/鰤のあつめし
45宮崎県/冷汁
46鹿児島県/きびなご料理
47沖縄県/チャンプルー

土産土法

2 行事と和食
(1)冠婚葬祭と料理



(2) 年中行事と料理
【主な年中行事】
正月
お節料理/雑煮
鏡開き
節分
春彼岸
花見
夏越の祓
土用の丑
十五夜
秋彼岸
十三夜
七五三
冬至
大晦日

(3)暦と料理
1)暦とは(太陰暦・太陰太陽暦・太陽暦)
2)二十四節気と雑節
【暦一覧表(新暦による、二十四節気と雑節)】
3)五節供(五節句)
人日
上巳
端午
七夕

3 四季の食材と料理
食材と季節感

1)春の食材と料理
貝類のお造り/蛤の潮汁
鯛姿焼
山菜の天ぷら/独活の酢味噌和え
蕗青煮/空豆塩茹で

2)夏の食材と料理
鱧ちり/鮎塩焼
鰹の叩き/泥鰌の柳川鍋
枝豆の塩茹で/冬瓜の煮物
茗荷

3)秋の食材と料理
伊勢海老姿づくり
秋刀魚塩焼
鯖味噌煮
松茸ご飯/酢蓮根
揚げ銀杏/里芋のにっころがし

4)冬の食材と料理
鱈昆布締め/甘鯛若狭焼
蟹飯/河豚のちり鍋/茶振り海鼠
金平牛蒡
紅白膾

5)季節を問わず使われる食材
干物/練り物/豆腐
塩辛/魚卵/佃煮

シルエット解説
復習

第3章 和食文化を生み出す世界
1 和食文化を生み出す食材と料理
(1)米
1)日本人と米
2)米ができるまで

3)米の種類
粳米/糯米
古代米
玄米/白米

4)糠
糠のさまざまな利用法

5)米(粳米)から作られる食べ物
【主な食べ物】
6)糯米から作られる食べ物
7)米から生まれた酒と神事

8)その他の穀類
小麦/玉蜀黍

(2)魚介類/藻類
1)魚/甲殻類/軟体類/貝類/藻類

2)赤身の魚/白身の魚/青魚
光り物

3)海藻類

4)お祝いに用いる魚
出世魚
語呂の良い魚・めでたさにつながる魚介

5)活用法
6)魚偏の漢字
7)保存法の知恵

(3)野菜類/その他
1)野菜類
【牛蒡を使った料理】
各地の伝統野菜
【日本原産の野菜】

2)芋類
3)豆類
4)茸類
5)山菜類
6)果実類
7)乾物類

8)薬味(香辛料)
山葵/生姜/芥子(辛子)
大根おろし/染めおろし/紅葉おろし
七味唐辛子
粉山椒/胡椒/柚子胡椒

(4)肉類/卵類
肉の禁忌
1)牛肉
2)豚肉
3)鶏肉
4)合鴨
5)鹿肉/馬肉/猪肉
6)鯨肉
7)卵類

2 和食の味わいを生み出す要素
(1)水
1)水が支える和食
2)日本の水の特徴
灘の酒と伏見の女酒

(2)うま味
1)うま味の活用
2)出汁に用いられる食材
節類/煮干し類
昆布/干し椎茸/その他
3)発酵食品の知恵
漬け物/糠床
味噌/しょっつる/納豆

(3) 調味料
1)塩
2)味噌
3)醤油
4)酒
5)酢
6)甘味
味林/砂糖

3 和食を演出する要素
(1)日本酒(清酒)
1)日本酒の種類/特徴/味わい
精米歩合とは?
2)日本人とお酒
お屠蘇/白酒/甘酒
三三九度/お酌のマナー

(2)日本茶
1)種類/特徴/味わい
【製法による茶の大まかな分類】
煎茶/深蒸し煎茶
番茶/ほうじ茶
玄米茶/玉露
碾茶/抹茶
2)効用
3)淹れ方/飲み方
煎茶の淹れ方
抹茶(お薄)の点て方と飲み方

(3)和菓子
季節の和菓子/年中行事と和菓子
【主な年中行事と和菓子】

(4)器
1)やきもの
【器の産地と主な分類】
京焼
染付/色絵/黄瀬戸/織部
瀬戸物

2)木の器
椀/膳(折敷)/盆

3)和食の器の特徴

(5)箸
1)日本人は箸食文化
2)日本の箸
3)正しい答の持ち方/使い方
4)箸の種類
手元箸
5)箸使いのタブー

復習

第4章 和食の技とおもてなし
1 和食と料理
和食の彩り

2 ご飯を炊く・出汁をとる
(1)ご飯を炊く
1)米を研ぐ
【米の研ぎ方】
2)ご飯の炊き方
3)ご飯のよそい方
お櫃

(2)出汁をとる
1)出汁の素材−昆布類・節類・煮干し類−
2)出汁の使い分け
3)汁物
【主な料理例】
4)出汁のとり方
【昆布と鰹節でとる出汁(一番出汁)】
【煮干し出汁】

(3)基本は五味五色五法
【五行の配当表】

3 和食の技
(1)生(切る)
切る
1)刺身と調理のポイント
懐石料理の向付
【主な料理例】
2)盛り付けの約束事
3)あしらいと効用
つま/けん/辛味
4)醤油
【主な醤油】
【お造り(刺身)盛合せ】
お造りのバリエーション

(2)焼く
炭の効用
焼き物と調理のポイント
【主な料理例】
【鯛の兜焼】
化粧塩
【鯛の照焼】
タレの基本は「四分六」
器の正面

(3)煮る(炊く・焚く)
煮物と調理のポイント
【主な料理例】
【筑前煮】
焚合せ
翡翠煮

(4)蒸す
蒸し物と調理のポイント
【主な料理例】
茶碗蒸し/吸い口
【鯛の蕪蒸し】
蓋物の扱い
蓋の開け方

(5)揚げる
揚げ物と調理のポイント
【主な料理例】
【天ぷら盛合せ】
揚げ出し豆腐
片口の器の置き方

(6)茹でる/和える
1茹で物と調理のポイント
2和え物と調理のポイント
【主な料理例】
【筍の木の芽和え】
野菜の白和え

(7)漬ける
漬け物とは
【主な料理例】
糖漬け/塩漬け
梅干し

(8)プロの料理と家庭料理
1)盛り付けの違い
2)調理プロセスの違い

(9) 調理道具
包丁/真魚板
丸鍋(やっとこ鍋)/やっとこ
落とし蓋/フライパン/菜箸
木杓子/玉杓子/泡立て器
へら/おろし金/巻き簾
すりこ木・すり鉢/バット/ボウル
笊・金笊
計量カップ・計量スプーン

4 和食のおもてなし
(1)和室のしつらい
【和室】
畳の各部の名称と敷き方
装飾を兼ねた襖と欄間
掛け軸
四季の花々の例

(2)和室での振舞
座り方(正座と跪座)
左上位

(3)和食の食事作法

(4)「いただきます」と「ごちそうさま」
【箸の使い方】
【鯛の塩焼の食べ方】

復習

終章 未来に向けて
1 未来につなぐ和食文化
(1)和食文化の継承と食育
食育基本法の制定
食育は知育・徳育・体育の基礎

(2)食料自給率を高める

2 和食の良さを見直す
(1)バランスの良い和食
うま味の効用

(2)未来に向けて

復習
復習解答

参考文献
索引

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2015/4/1)、出典:出版社HP

和食検定実施要領

1 検定試験の趣旨

2013年に「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録され、和食は世界的に注目を集めている。その中で、日本の持つ固有の食文化やおもてなしの精神の素晴らしさを再認識し、和食と和食文化を普及、教育、改善、保護、継承していくための努力が広く求められている。

また、2016年に訪日外国人旅行客が2400万人を超え、観光庁のビジット・ジャパン・キャンペーンの取り組みに沿って、海外の方々へ正しい知識を広めていくことも重要な課題の一つである。日本の観光資源に対する関心の高まりを受けて、接遇の現場においても、日本の伝統的な食を通した国際文化交流の窓口としての努力を始める必要がある。

本検定制度は、日本の食文化を正しく理解し、正しく伝えるための基礎知識の普及と、和の食文化を継承、発信していくために必要な専門知識と実務知識の理解度を測るものである。具体的には

(1)和食文化の正しい理解と継承
(2)日本古来のおもてなしを中心とした業界人のレベルアップ
(3)日本文化の魅力を国内外に発信できる人材の育成

以上の3点を目的としている。和の食文化に対する興味関心を高め、その普及と継承への意識を向上し、また業界の人材育成に寄与するため、多くの関係者の協力を得ながら、一般財団法人日本ホテル教育センターが実施する。

2 検定試験の特徴

(1)和食の基本知識から和食接遇に関する実務知識を幅広く習得できるように配慮した。
(2)和食に関する基本知識、和食接遇に関する現場での実務知識、キャリアアップに向けた専門知識を3つの大きな柱とした。
(3)和食検定初級レベルは和の食文化のベースとなる基本的な知識を習得するための学生、外国人、一般の方を対象としている。
(4)和食検定基本レベルは和食に興味関心を持つ一般の方から実務経験者までを対象としている。
(5)和食検定実務レベルは実務経験者を対象としている。
(6)公式テキストである入門編(初級レベルに準拠)、基本編(基本レベルに準拠)、実務編(実務レベルに準拠)ともに、英語で和食や日本の文化を紹介するための学習を組み込んだ。
特に基本的な知識を学ぶ入門編は日英併記版とした。
(7)和食検定は、一般財団法人日本ホテル教育センターが認可する制度である。

3 検定試験の名称および本部
(1)名称 和食検定

(2)検定本部
一般財団法人日本ホテル教育センター
和食検定本部
〒164-0003 東京都中野区東中野3-15-14
TEL (03) 3367-5663
FAX (03) 3362-5940

4 検定試験の内容および範囲
(1) 内容
和食文化の基本知識、和食接遇における実務知識習得の目標達成度を測定する。

(2) 範囲
初級レベルはマークシート方式による4択問題とし、100問を出題、問題数100問の内10%を英語学習の習得度を測る問題とする。基本レベル、実務レベルはマークシート方式による4択問題とし、合計200問を出題する。

(3)認定基準
初級レベルは1級、2級、3級ともに共通問題を使用し、全体の正解率による認定級を設ける。基本レベルと実務レベルは、それぞれ1級、2級ともに共通問題を使用する。基本レベルと実務レベルの「2級」は各区分の正解率が60%以上、かつ全体の正解率が65%以上。「1級」は各区分の正解率が80%以上、かつ全体の正解率が85%以上。

それぞれのテキストでの学習内容

実務編テキスト:和食サービスから店舗運営までの専門知識と実務知識を学び指導力を培います。
基本編テキスト:和食の実務に必要とされる基本的な知識を体系的に幅広く学び、プロとしての意識を高めます。
入門編テキスト:和食を生み出した日本の食文化についての初歩的な知識を日英併記版で解説しています。

5 受験対象者および評価基準

(1)初級レベル
1受験対象者 希望者全員
2評価期待基準
a. 和食と和食文化の成り立ちに関する初歩的な知識を持っている。
b. 身近な食の慣習や食習慣などの意味合いを理解している。
c. 和食の特徴を理解し、和の食文化継承への高い意識を持っている。
d. 英語による和食文化発信の重要性を理解している。

(2) 基本レベル
1受験対象者 希望者全員
2評価期待基準
a. 日本料理の基本的な歴史、概要を理解している。
b. 日本料理の特徴を理解している。
c. 日本料理の食材の知識を持っている。
d. 日本料理のしきたりを理解している。
e. 日本料理に欠かせない器や日本酒などの基本知識を持っている。
f. 会席料理の食事作法を理解している。
g. 異文化の食事作法を理解している。
h. 接遇に必要な基本英語、食材や料理の単語の知識を持っている。

(3)実務レベル
1受験対象者 基本レベル1級または2級の認定を受けた者
2評価期待基準
a. 日本料理の接遇の基本を理解している。
b. 着物に関する基本的な知識を持っている。
c. 和室に関する基本的な知識を持っている。
d. 時間帯や顧客などによるさまざまな対応の基本を理解している。
e. 接客用語を理解している。
f. 安心安全につながる基本的な知識を持っている。
g. 店舗運営に関する基本的な知識を持っている。
h. 接遇に必要な英会話の知識を持っている。

6 受験の手続き
試験は以下の手続きにより行われる。

(1)定期試験日
年2回、2月、10月に実施する。実施団体には、事前に受験マニュアルを送付し試験案内を行う。

(2) 試験会場
原則として検定本部が指定した場所とする。

(3) 試験時間
初級レベル:60分基本レベル/実務レベル:90分

(4) 出願方法
財団HP (www.jec-jp.org) を参照、あるいは和食検定本部まで問い合わせ。

(5)受験者の心得
・日本料理の接遇に焦点を当てた試験である以上、おもてなしの精神を有する受験者であることが絶対条件である。よって、受験にあたり、服装や身なりにおいても、試験官によってふさわしくないと判断された場合は受験できないものとする。
・受験に必要なものとして、筆記用具(鉛筆またはシャープペンシルHB以上のもの・消しゴム)と受験票を用意する。
・指定された時間前に着席して筆記試験を待ち、約10分間の説明後、試験が開石。 解答は、選択肢の中から選び、その番号を解答用紙に鉛筆で黒く塗り潰すマークシート方式。間違った番号を選択した場合は、丁寧に消しゴムで消さないと重複解答と見なされ、間違いと判断される。
・交通事情等により、著しく時間を変更せざるを得ないケースが生じた場合、検定本部の指示により時間変更を行うことがある。

凡例

日本文の表記について
1漢字表記の原則:料理の食材名(魚介類、野菜類、豆類など)は、それぞれの漢字を理解することが大切であるとの考えから、その大部分を漢字で表記している。
2振り仮名表記の原則:各ページごとに初出(初めて出てくる単語)の食材名や料理名、暦名、年中行事名などは、原則として振り仮名を付けている。

英文の表記について
1日本語のアルファベット表記の原則:日本語のアルファベット表記は、原則として斜体(イタリック体)とする(例:Osechi-ryon〈お節料理〉, Setsubun〈節分〉)。地名は原則として正字体(一般的な書体)とする(例;tofu skin in Nikko〈日光の湯波〉、Fisher men in Fukagawa〈深川の漁師たち〉に食材名や料理名などの名詞が付いた場合は、その名詞(複合名詞)は食材名や料理名を示すので、地名は斜体とする(例:Nikko yuba〈日光湯波〉、Fukagawa-donburi rice〈深川丼〉)。
2原則の例外:既に英語として認識されている食材名は正字体とする(例:sushi sake miso, dashi, tõfu ,wakame, azuki , kuzu (kudzu), daikon など)。

その他
「うまみ」について:和食の特徴的な味わいを生み出す「うまみ」の表記は、日本語では「うま味」、英語ではそれぞれの場合に応じて「umami」または「umami (deliciousness)」とし、一般的なおいしさを表す「うまみ」については、日本語では「旨味」、英語では「deliciousness」とする。

年代の表記について:時代名に続く年代(例:江戸時代〈1600-1867〉)は、原則として各章の時代名の初出に入れることとする。

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2015/4/1)、出典:出版社HP

目次 – 和食検定 基本編

はじめに

世界中、どこの国にもその風土や自然環境に根ざした食文化があります。そして、その食文化に誇りを持ち、祝祭日、記念日や大切なお客様が来られたときには、丹精を込めて食事をつくり、心からのおもてなしをすることは世界共通の風俗習慣です。

幸いにも、山海の自然に恵まれ、長い歴史を持つ日本では、豊かな地域色と食材を基に、調理技術の向上とともに素晴らしい食文化が培われてきました。加えて、世界中の食材や食品が導入され、とりわけ洋食の影響を受け、和食も独特な進化を遂げています。

今や世界中の人々が異国を旅する時代となり、訪れる国の文化伝統に触れて、感動し、また次の目的地へと移動しています。日本を訪れる外国人の数も、政府の観光政策により年間目標3000万人に拡大しつつある中で、和食の人気度は、興味関心事のつねにベスト3にあげられております。

しかしながら、我々日本人がどれだけ和食のことを知り、どれだけ人々に説明できるでしょうか。洋食が普及した昨今、若い人々の和食離れも起きています。他国民と同じように、日本人が日本人として世界に出て行ったときには、和食文化の素晴らしさを誇りを持って紹介できるようにしたいものです。自国の伝統文化に誇りを感じる日本人は、外国人からも国際人としての日本人として評価され尊敬されます。

従って、和食に携わる業界人のみならず、世界に立ち向かうすべての日本人が、自国の伝統文化、とりわけ和食文化に興味関心を抱き、コミュニケーションの一つ、また話題の一つとして取り組んでもらいたいと思います。こうした願いを基に、和食検定を立ち上げました。

和食の理解、そしてその接遇は、そのほとんどが先人の自らの学びの中で培われ、長い年月の中で伝承されてきました。それなりに洗練されたものがあり、尊重すべきものですが、一方において、時間を掛けてじっくりと人を育てる時代も過ぎ、効率的な人材育成が必要とされる時代となってきています。これまでに培われてきたノウハウを、次世代に正しく効率的に多くの人々へ継承するためには、実務知識の文章化、そして体系化が必要になってきます。

和食検定は、必要とされる基本知識と専門知識、実務の技術を体系的に学ぶために、以下を三大目的とし、入門編・基本編・実務編に大別し、編集しております。

(1)和食文化の正しい理解と継承
(2)日本古来のおもてなしを中心とした業界人のレベルアップ
(3)日本文化の魅力を国内外に発信できる人材の育成

入門編は、和食文化についての基本的な事柄を解説しています。幅広く内外の若い人々や一般の人々を対象に、日本語と英語を併記して和食学習への導入教材となるものです。基本編では、日本料理に関する理解と食材や食事作法などの知識を深めます。これは業界の新入社員を含め、この業界を目指す学生、また業界関係者に限らず、和食への造詣を深めたいという社会人一般の方々も対象とした内容にしています。

実務編は、和食接遇の実務経験を1年以上有し、その経験をベースに部下を指導、育成しながら、マネジメント意識を育む段階に入った方々を主な対象とした内容です。接遇のポイント、着物の知識や和室での振る舞い、これにマネジメントの基本知識を学びます。

試験では、その習得度により入門編は3級、2級、1級、基本編と実務編は2級と1級とにレベル分けがされています。また、接遇実務者であれば現場で、一般の方であれば国内外で外国人の方とコミュニケーションをはかる際に、日本が誇る文化としての和食を正しくお伝えできるように、それぞれの編に英語での学習を組み込んであります。

和食の捉え方としては、多面的な見方があり解釈もさまざまで、実務の面でもそれぞれにやり方や考え方がありますが、本書は多くの業界有識者の知識や知恵を頂戴し、業界関係者の人材育成、そして一般の方々の啓蒙、さらに国際文化交流の一助となることを念願し、まとめています。自己啓発の一つとしてご活用ください。

なお、本書制作にご協力いただいた方々に感謝するとともに、和食に造詣の深い方々のご指摘、ご意見を頂戴できれば幸いです。

2016年3月
一般財団法人日本ホテル教育センター
理事長石塚勉

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2011/10/1)、出典:出版社HP

目次

はじめに

和食検定実施要領

第1章 料理
1和食文化の理解I
(1)日本料理の変遷
1)神話や伝説の時代
①食べ物の起源とは
②日本料理はいつ生まれたか
③箸の起源について

2)縄文時代

3)弥生時代・古墳時代
①稲作の浸透
②中国から見た日本の食生活.
③調味料と乾燥果実

4)飛鳥時代・奈良時代
①肉食禁止令による日本食文化の確立
②中国から箸が伝来
③塩、酢、醤

5)平安時代
①料理好きな光孝天皇
②大饗料理の誕生
③延喜式の誕生と包丁の流行

6)鎌倉時代
①質素な食による健康体と食事習慣
②精進料理の誕生

7)室町時代.
①包丁式の確立
②米食の一般化と本膳料理の誕生
③茶道、茶懐石の誕生

8)安土桃山時代
9)江戸時代
10)明治時代以降

(2)日本料理の概要
1)日本料理の定義
2)精進料理
3)本膳料理
4)懐石料理(茶懐石)
5)会席料理

6)専門料理
①鰻
②天ぷら
③すし
④河豚
⑤すき焼き
⑥しゃぶしゃぶ
⑦焼き鳥
⑧すっぽん(鼈)
⑨弁当

7)郷土料理

(3)日本料理の特徴
1)神人共食という祖先の宗教観
①四季の恵み豊かな風土
②神人共食とは
③稲作文化とのかかわり
④日本料理の主な調理法
⑤料理、器を目でも愛でる
⑥外来食がいつしか日本の専門料理に

2)日本の風土とのかかわり
暦について

3)定式
①陰陽五行説
②走り・旬・名残
③切り方(包丁文化)
④盛り付け
⑤献立

2日本料理の食材
(1)四季を味わう
1)春の食材と料理
2)夏の食材と料理
3)秋の食材と料理
4)冬の食材と料理
5)季節を問わず使われる食材

(2)味を深める
1)料理とだし、調味料
①だし
②調味料

2)料理とあしらい

(3)言葉を楽しむ
1)料理名と語源
①吸い物・汁物
②造り
③煮物
④焼き物
⑤蒸し物
⑥揚げ物
⑦和え物
⑧珍味・その他
⑨禅寺での隠語

2)調理上の用語

3日本料理のしきたり
(1)歳時に親しむ
1)正月のおめでたい料理
①「正月」とは
②門松
③注連飾り
④鏡餅
⑤お節料理
⑥お屠蘇
⑦雑煮

2)冠婚葬祭の料理(お祝い、儀式の料理)

3)歳時と年中行事
①お食い初め
②七五三
③長寿の祝い
④お盆
⑤中秋の名月(お月見)
⑥大晦日

4)五節供(五節句)にちなんだ料理
①人日
②上巳
③端午
④七夕
⑤重陽

(2)いわれを知る
1)縁起物
①松竹梅
②紅白
③蝶
④熨斗
⑤鶴亀
⑥末広
⑦吉祥文字
⑧出世魚
⑨鰹
⑩福寿草
⑪馬尾藻
⑫七福神
⑬福笹と熊手
⑭招き猫
⑮盛り塩
⑯榊
⑰奇数
⑱南天

2)その他
①水引
②三方
③紙掻敷の折形
④左上位
⑤四君子
⑥一膳飯
⑦影膳(陰膳)

3)「ハレ」と「ケ」

第2章 接遇
1和食文化の理解Ⅱ
(1)日本料理のおもてなし
1)以心伝心
2)「いただきます」と「ごちそうさま」
3)喜心・老心・大心とは

(2)日本料理の器
1)陶磁器
①器の形による分類
②焼き物の作成工程
③焼き物の種類による分類
④産地による分類
⑤手法、技法による分類
⑥釉薬による分類
⑦装飾による分類

2)漆器
①代表的な塗り物
②漆器の手法
③お膳と漆器
④漆器の扱い方

(3)日本料理と著
1)著の歴史

2)著の種類
①ハレの箸とケの箸
②割り箸
③取り箸と手元箸
④料理箸
⑤茶事用の箸.
⑥塗り箸について

3)箸袋(関東)・箸紙(関西)
4)箸置き
5)箸使いとタブー

(4)日本酒の知識
1)日本酒の成り立ち
①日本酒(清酒)とは
②歴史
③原料
④製造工程

2)酒の種類と特徴
①酒税法
②特定名称酒
③呼び名と味わいの特徴

3)日本酒をおいしく飲むために
①味の基準
②温度による味わい
③季節を感じさせる酒

(5)日本茶の知識
1)日本茶の種類と特徴
①日本茶の歴史
②お茶の種類
③日本茶の分類

2)おいしい淹れ方
①水について
②湯の温度と抽出時間
③湯の量
④茶葉の量
⑤淹れ方の留意点
⑥それぞれのお茶の淹れ方

2食事作法
(1)日本料理店での食事作法
1)和食をいただく前に
①TPOにあった服装
②予約
③食事中に中座しないために
④コート類について
⑤携帯電話はマナーモードに
⑥子供連れの配慮

2)身だしなみについて
①髪の毛
②香水
③メイク
④装身具(アクセサリー)
⑤靴
⑥懐紙

3)席に着いたら
①姿勢よく座る
②足元
③バッグの位置

4)おしぼりについて

5)ナプキンの使い方
①ナプキンの意味
②ナプキンを取るタイミング
③ナプキンの使い方
④ナプキンの置き方

6)和食を楽しむために
①日本料理の特徴
②サービスする人への配慮

7)食事中に気を付けたいこと
①食事のスタート
②してはならない格好
③会話について

8)作り手へのマナー
①熱いものは熱いうちに
②好き嫌い
③アレルギー
④タバコ
⑤わからないことがあったら

9)飲み物の作法
①乾杯と献杯
②日本酒のお酌
③お茶

10)器の扱い方
①手に持ってよい器
②いただくとき
③蓋物の扱い.
④食後の器への配慮

11)美しく見えるいただき方
①一口でいただける大きさを考える
②食べる順序
③音
④口元

12)美しい箸使い
①割り箸の扱い
②箸袋の扱い
③箸と箸置き
④箸の取り上げ方と置き方
⑤箸の持ち方
⑥箸と器の扱い

13)和食店でのコース料理の作法

14)その他の料理の作法
①盛り合わせになった料理
②鍋料理
③その他専門料理
④お弁当

(2)異文化の食事作法
1)文化の違いによる作法の違い
①ナイフとフォークの文化
②スプーンの文化
③箸の文化
④手食の文化

2)西洋料理の食事作法
3)中国料理の食事作法
4)韓国料理の食事作法
5)インド料理の食事作法

第3章 和食基礎英語
1和食基礎英会話
(1)英語は怖くない
(2)接客の基本フレーズ
(3)役に立つ基本的なフレーズ
(4)電話による応対

(5)入店からお見送りまで
1)ご案内
2)ご注文
3)料理の提供
4)クレーム&トラブル
5)会計
6)お見送り

2和食基礎単語集
必須英単語
参考英単語

和食検定・基本編練習問題/解答
第1章料理
第2章接遇
第3章和食基礎英語
解答

参考文献
索引

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2011/10/1)、出典:出版社HP

実施要領

1検定試験の趣旨
2013年に「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録され、和食は世界的に注目を集めている。その中で、日本の持つ固有の食文化やおもてなしの精神の素晴らしさを再認識し、和食と和食文化を普及、教育、改善、保護、継承していくための努力が広く求められている。また、2013年に訪日外国人旅行客が1000万人を超え、観光庁のビジット・ジャパン・キャンペーンの取り組みに沿って、海外の方々へ正しい知識を広めていくことも重要な課題の一つである。日本の観光資源に対する関心の高まりを受けて、接遇の現場においても、日本の伝統的な食を通した国際文化交流の窓口としての努力を始める必要がある。

本検定制度は、日本の食文化を正しく理解し、正しく伝えるための基礎知識の普及と、和の食文化を継承、発信していくために必要な専門知識と実務知識の理解度を測るものである。具体的には、

(1)和食文化の正しい理解と継承
(2)日本古来のおもてなしを中心とした業界人のレベルアップ
(3)日本文化の魅力を国内外に発信できる人材の育成

以上の3点を目的としている。和の食文化に対する興味、関心を高め、その普及と継承への意識を向上し、また業界の人材育成に寄与するため、多くの関係者の協力を得ながら、一般財団法人日本ホテル教育センターが実施する。

2検定試験の特徴

(1)和食の基本知識から和食接遇に関する実務知識を幅広く習得できるように配慮した。
(2)和食に関する基本知識、和食接遇に関する現場での実務知識、キャリアアップに向けた専門知識を3つの大きな柱とした。
(3)和食検定初級レベルは和の食文化のベースとなる基本的な知識を習得するための学生、外国人、一般の方を対象としている。
(4)和食検定基本レベルは和食に興味、関心を持つ一般の方から実務経験者までを対象としている。
(5)和食検定実務レベルは実務経験者を対象としている。
(6)公式テキストである入門編(初級レベルに準拠)、基本扁(基本レベルに準拠)、実務編(実
務レベルに準拠)ともに、英語で和食や日本の文化を紹介するための学習を組み込んだ。
特に基本的な知識を学ぶ入門編は日英併記版とした。
(7)和食検定試験は、一般財団法人日本ホテル教育センターが認可する制度である。

3検定試験の名称および本部

(1)名称 和食検定
(2)検定本部
一般財団法人日本ホテル教育センター
和食検定本部
〒164-0003東京都中野区東中野3-15-14
TEL(03)3367-5663
FAX(03)3362-5940

4検定試験の内容および範囲
(1)内容
和食文化の基本知識、和食接遇における実務知識習得の目標達成度を測定する。
(2)範囲
初級レベルはマークシート方式による4択問題とし、100問を超題する。
基本レベル、実務レベルはマークシート方式による4択問題とし、合計200開を出題する。
(3)認定基準
初級レベルは1級、2級、3級ともに共通問題を使用し、全体の正解率による認定級を設ける。基本レベルと実務レベルは、それぞれ1級、2級ともに共通問題を使用し、「2級」は各区分の正解率が60%以上、かつ全体の正解率が65%以上。「1級」は各区分の正解率が80%以上、かつ全体の正解率が85%以上とする。

それぞれのテキストでの学習内容

実務編テキスト:和食サービスから店舗運営までの専門知識と実務知識を学び指導力を培います。
基本編テキスト:和食の実務に必要とされる基本的な知識を体系的に幅広く学び、プロとしての意識を高めます。
入門編テキスト:和食を生み出した日本の食文化についての初歩的な知識を日英併記版で解説します。

5受験対象者および評価基準

(1)初級レベル
①受験対象者希望者全員
②評価期待基準
a.和食と和食文化の成り立ちに関する初歩的な知識を持っている。
b.身近な食の慣習や食習慣などの意味合いを理解している。
c.和食の特徴を理解し、和の食文化継承への高い意識を持っている。
d.英語による和食文化発信の重要性を理解している。

(2)基本レベル
①受驗对象者希望者全員
②評価期待基準
a.日本料理の基本的な歴史、概要を理解している。
b.日本料理の特徴を理解している。
c.日本料理の食材の知識を持っている。
d.日本料理のしきたりを理解している。
e.日本料理に欠かせない器や日本酒などの基本知識を持っている。
f.会席料理の食事作法を理解している。
g.異文化の食事作法を理解している。
h.接遇に必要な基本英語、食材や料理の単語の知識を持っている。

(3)実務レベル
①受験対象者基本レベル1級または2級の認定を受けた方
②評価期待基準
a.日本料理の接遇の基本を理解している。
b.着物に関する基本的な知識を持っている。
c.和室に関する基本的な知識を持っている。
d.時間帯や顧客などによる様々な対応の基本を理評している。
e.接客用語を理解している。
f.安心安全に繋がる基本的な知識を持っている。
g.店舗運営に関する基本的な知識を持っている。
h.接遇や食文化を説明するために必要な英会話の知識を持っている。

6受験の手続き

試験は以下の手続きにより行われる。
(1)定期試験日
年2回、2月、10月に実施する。
実施団体には、事前に受験マニュアルを送付し試験案内を行う。

(2)試験会場
原則として検定本部が指定した場所とする。

(3)試験時間
初級レベル:60分基本レベル/実務レベル:90分

(4)出願方法
財団HP(www.jec-jp.org)でご参照いただくか、あるいは和食検定本部までお問い合わせください。

(5)受験者の心得
・日本料理の接遇に焦点を当てた試験である以上、おもてなしの精神を有する受験者であることが絶対条件である。よって、受験にあたり、服装や身なりにおいても、試験官によってふさわしくないと判断された場合は受験できないものとする。
・受験に必要なものとして、筆記用具(鉛筆またはシャープペンシルHB以上のもの・消
しゴム)と受験票を用意すること。
・指定された時間前に着席して筆記試験を待ち、約10分間の説明後、試験が開始される。解答は、選択肢の中から選び、その番号を解答用紙に鉛筆で黒く塗り潰すマークシート方式。間違った番号を選択した場合は、丁寧に消しゴムで消さないと重複解答と見なされ、間違いと判断される。
・交通事情等により、著しく時間を変更せざるを得ないケースが生じた場合、検定本部の指示により時間変更を行うことがある。

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2011/10/1)、出典:出版社HP

目次 – 和食検定 実務編

はじめに

世界中、どこの国にもその風土や自然環境に根ざした食文化があります。そして、その食文化に誇りを持ち、祝祭日、記念日や大切なお客様が来られたときには、丹精を込めて食事をつくり、心からのおもてなしをすることは世界共通の風俗習慣です。

幸いにも、山海の自然に恵まれ、長い歴史を持つ日本では、豊かな地域色と食材を基に、調理技術の向上とともに素晴らしい食文化が培われてきました。加えて、世界中の食材や食品が導入され、とりわけ洋食の影響を受け、和食も独特な進化を遂げています。

今や世界中の人々が異国を旅する時代となり、訪れる国の文化伝統に触れて、感動し、また次の目的地へと移動しています。日本を訪れる外国人の数も、政府の観光政策により2020年の年間目標4000万人に拡大しつつある中で、和食の人気度は、興味関心事のつねにベスト3にあげられております。

しかしながら、我々日本人がどれだけ和食のことを知り、どれだけ人々に説明できるでしょうか。洋食が普及した昨今、若い人々の和食離れも起きています。他国民と同じように、日本人が日本人として世界に出て行ったときには、和食文化の素晴らしさを誇りを持って紹介できるようにしたいものです。自国の伝統文化に誇りを感じる日本人は、外国人からも国際人としでの日本人として評価され尊敬されます。

従って、和食に携わる業界人のみならず、世界に立ち向かうすべての日本人が、自国の伝統文化、とりわけ和食文化に興味関心を抱き、コミュニケーションの一つ、また話題の一つとして取り組んでもらいたいと思います。こうした願いを基に、和食検定を立ち上げました。

和食の理解、そしてその接遇は、そのほとんどが先人の自らの学びの中で培われ、長い年月の中で伝承されてきました。それなりに洗練されたものがあり、尊重すべきものですが、一方において、時間を掛けてじっくりと人を育てる時代も過ぎ、効率的な人材育成が必要とされる時代となってきています。これまでに培われてきたノウハウを、次世代に正しく効率的に多くの人々へ継承するためには、実務知識の文章化、そして体系化が必要になってきます。

和食検定は、必要とされる基本知識と専門知識、実務の技術を体系的に学ぶために、以下を三大目的とし、入門編・基本編・実務編に大別し、編集しております。

(1)和食文化の正しい理解と継承
(2)日本古来のおもてなしを中心とした業界人のレベルアップ
(3)日本文化の魅力を国内外に発信できる人材の育成

入門編は、和食文化についての基本的な事柄を解説しています。幅広く内外の若い人々や一般の人々を対象に、日本語と英語を併記して和食学習への導入教材となるものです。基本編では、日本料理に関する理解と食材や食事作法などの知識を深めます。これは、和食業界の新入社員を含め、この業界を目指す学生、また業界関係者に限らず、和食への造詣を深めたいという社会人一般の方々も対象とした内容にしています。

実務編は、和食接遇の実務経験を1年以上有し、その経験をベースに部下を指導、育成しながら、マネジメント意識を育む段階に入った方々を主な対象とした内容です。接遇のポイント、着物の知識や和室での振る舞い、これにマネジメントの基本知識を学びます。

試験では、その習得度により入門編は初級レベルの3級、2級、1級、基本編と実務編は基本しベルと実務レベル共に2級と1級とにレベル分けがされています。また、接遇実務者であれば現場で、一般の方であれば国内外で外国人の方とコミュニケーションをはかる際に、日本が誇る文化としての和食を正しくお伝えできるように、それぞれの編に英語での学習を組み込んであります。

和食の捉え方としては、多面的な見方があり解釈もさまざまで、実務の面でもそれぞれにやり方や考え方がありますが、本書は多くの業界有識者の知識や知恵を頂戴し、業界関係者の人材育成、そして一般の方々の啓蒙、さらに国際文化交流の一助となることを念願し、まとめています。自己啓発の一つとしてご活用ください。なお、本書制作にご協力いただいた方々に感謝するとともに、和食に造詣の深い方々のご指摘、ご意見を頂戴できれば幸いです。

2017年春
一般財団法人日本ホテル教育センター
理事長 石塚勉

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2011/10/1)、出典:出版社HP

目次

はじめに
和食検定実施要領

第1章 振舞
1日本料理の接遇I
(1)日本料理のサービスのスタイルと注意点
1)カウンター席でのサービス
2)テーブル席でのサービス
3)座敷でのサービス
4)個室でのサービス(和個室、洋個室)

(2)サービスの基本
1)第一印象
2)身だしなみ
1心構え
2基本
3身に付けておくべきもの

3)言葉遣い
1教養と品格を表す
2接客係同士のやり取り
3声の調子や早さ

4)笑顔と表情
1笑顔はサービスの基本であり原点
2表情は目と口が作る
3表情と声の関係

5)お辞儀とごあいさつ
1お辞儀とは何か
2お辞儀の仕方
3ごあいさつの注意点
4ごあいさつの言葉

6)態度と姿勢
1正しい姿勢
2気を付けたい態度
3立つより返事
4待機

7)安心・安全・清潔

(3)サービスの実践
1)目配り、気配り、心配りの心遣い)
2)お客様の気持ちを読み取る
3)見届ける、気持ちを残す
4)手際のよさ
5)サービス順序の把握
6)料理のタイミング
7)料理サービスのときの注意ポイント
8)料理説明のときの注意ポイント
9)灰皿の取り替え
10)長手盆(脇引)、丸盆(通い盆)の使い方
11)商品知識を身に付ける
12)サービス=セールスの概念
13)引き継ぎ
14)各部署、同僚とのコミュニケーションの重要性
15)その他

(4)お出迎えからご案内までの実践
1)待機
1待機の重要性
2待機の姿勢と視線
3待機の場所

2)ご来店を喜ぶ気持ちの表現

3)ご案内から着席までの流れ
1ご案内の仕方
2荷物への配慮
3どのお席へご案内するか
4お客様の状況や情報をつかむ
5着席の手助け
6化粧室へのご案内
7お客様とすれ違うとき

(5)お席でのサービスからお見送り
片付け、伝票まで
1)おしぼり
1おしぼりの準備
2おしぼりの出し方

2)メニュー
1メニューの考え方
2メニューの出し方

3)ご注文の承り方
1タイミング
2お客様のご要望に対するご説明の仕方
3料理紹介の重要性
4コース料理のご注文
5アラカルトのご注文
6ご注文を伺うときのポイント

4)オーダー伝票
1記入時の注意点
2伝票を通すときの注意点

5)セッティングの基本

6)飲み物のご提供
1飲み物の提供時に注意すること
2アルコール類
3ソフトドリンク類
4追加オーダーの取り方
5ボトルでのご提供
6お茶のご提供

7)料理のご提供
1料理のご提供の仕方
2料理の説明
3料理提供時のポイント
4デザートの提供

8)お会計
1お会計の流れと注意ポイント
2キャッシャー(レジ)でのお会計
3テーブルでのお会計(テーブル・チェック)
4領収書

9)お見送り
1お食事が終了した席へ目を配る
2注意点
3お見送りの重要性
特別なお見送り

10)片付け
1テーブルのチェックと片付け
2ダスターの使い方

11)洗い場への下げ方
12)プリケージの処理

(6)専門料理のサービス
1)すし
2)しゃぶしゃぶ
3)すき焼き
4)天ぷら
5)鉄板焼き

(7)バックヤードでの仕事
1季節やお席に合わせた備品の出し入れ
2おしぼり
3おしぼり受け
4布ナプキン
5ダスター
6黒文字
7シルバー類
8カスター・セット
9カセットコンロ、IHクッキング・ヒーター
10伝票類
11灰皿
12茶托
13お盆
14天紙、半紙
15献立とお品書き

2日本料理店での接客用語
(1)普段の心掛け
1)職場内でのあいさつ
2)正しい言葉遣い
3)わかりやすい言葉遣い
4)感じのよい言葉遣い
5)言葉は感情の表現

(2)接客八大用語の理解
1いらっしゃいませ
2ありがとうございます
3申し訳ございません
4はい、かしこまりました
5恐れ入ります
6失礼いたします。
7少々お待ちくださいませ
8お待たせいたしました

(3)敬語の種類とポイント
1尊敬語
2謙譲語
3丁寧語
4クッション言葉(マジック・フレーズ)
5陳謝の言葉

(4)接客用語
(5)気を付けたい接客フレーズ

3着物の知識と振る舞い
(1)着物の知識
1)着物の基本的な知識
1制服としての着物
2着付けに必要なもの
3衣替え
4帯揚げ、帯締めなどの色合わせ
5たたみ方と手入れの仕方

2)着付けのポイント
1センスある上品な着付けのポイント
2衿元
3おはしょりの長さと始末
4裾の丈と形
5背中の中心線
6帯の形、大きさ
7帯締めの結び方
8帯揚げの結び方
9足袋と草履

(2)振る舞い
1)振る舞いのポイント
1歩き方
2立ち座り
3お辞儀(立礼)
4袂の処理

2)勤務中の注意点
4和室の知識と振る舞い

(1)日本人の礼儀作法
1)礼儀作法の成り立ち
2)マナーとエチケット、礼儀作法

(2)和室の知識
1)和室
2)畳
3)床の間
4)機
5)障子
6)欄間
7)鴨居・敷居
8)脇息
9)掛け軸
10)花
11)上座・下座
12)座布団

(3)姿勢と動き
1)低い姿勢が基本
2)跪座と膝行膝退
3)立ち方・座り方
4)座敷での歩き方
5)お辞儀の仕方(座礼)
6)ごあいさつの仕方
7)襖の開け閉て
8)物の受け渡し

第2章 伝心
1日本料理の接遇Ⅱ
(1)予約対応
1)声で伝える第一印象
2)電話応対
3)情報収集
4)予約内容の確認
5)情報の発信と共有
6)予約確認

(2)開店準備
1)予約客の情報による事前準備

2)予約台帳の確認
1特に注意すべきポイントのトピックアップ
2予約件数と人数
3宴席の種類
4会社名
5テーブル・セッティング

3)清掃、整理整頓
4)セッティング

5)店内、室内のチェックポイント
1空調
2照明
3BGM
4清掃
5整理整頓
6花や観葉植物
7テーブルセッティング
8玄関先
9スタンバイ関係

6)開店前のミーティングの重要性

(3)特別なお席での準備とサービス
1)接待席
1幹事との事前打ち合わせ
2お出迎え
3荷物、お召し物への気配り
4お料理をサービスするときのポイント
5お会計、お帰りに際しての配慮

2)お祝い席
1結納のお席
2それぞれのお祝いに合わせた演出

3)法要の席

4)団体席
1周りのお客様への配慮
2事前準備
3提供時のポイント
4追加注文への対応
5お会計・お帰りに際しての配慮

(4)時間帯別のサービス
1)朝食
1開店準備
2お客様のご来店
3お客様のお席での対応
4料理出し
5食事終了
6お客様のお帰り
7朝食営業の終了

2)昼食
3)夕食

(5)それぞれのお客様への対応
1)常連・顧客
1顧客作りの重要性
2顧客情報の収集
3顧客情報の活用
4顧客情報の管理
5アップダウンのない対応
6お客様の心理

2)お客様の年齢層による心遣い
1お子様連れのお客様
2妊婦のお客様
3年配のお客様

3)障害のあるお客様
1聴覚障害のあるお客様
2視覚障害のあるお客様
3盲導犬を伴ったお客様
4肢体に不自由のあるお客様

4)食物アレルギー、食事制限、宗教上の制約
1食物アレルギー
2食事制限
3宗教上の制約
4ベジタリアン

5)外国人のお客様

6)館内、周辺地域の情報提供
1情報の収集と発信
2館内の情報提供
3交通機関の情報提供

(6)顧客管理
1)顧客満足度を高める
1顧客満足とは
2顧客満足度を高める要素
3従業員満足度を上げる
4従業員も仕入れ先も顧客

2)情報の共有
1お客様をお迎えする体制づくり
2情報の伝達
3ミーティングの重要性

3)ボトルキープ

4)お礼状、時候のあいさつ状
1初来店時のお礼状
2時候のあいさつ状

5)名刺交換
1名刺交換の意義
2名刺交換の仕方

6)ご紹介の仕方
7)責任者のごあいさつ
8)お客様の声

9)お待ちいただく場合の心遣い
1来店時にお待たせする場合
2ホテル内の店の場合

2安心・安全
(1)整理・整頓・清掃・清潔(クレンリネス)
1)飲食業におけるクレンリネスの効果
1食の安全を守る
2集客
3業務の効率化
4新たなサービスの誕生
5不良在庫の削減
6危険防止・事故防止
7経年劣化の防止
8従業員の成長と愛着

2)クレンリネスにおけるお客様の視点
3)クレンリネスの視点

4)クレンリネスの基本要素
1Dry(ドライ)=乾燥
2Shiny(シャイニー)=輝き
3Orderly(オーダリー)=整理整頓

5)清掃のポイント
1スケジュール化とマニュアル化
2掃除箇所と手順
3チェックポイント

6)修繕・修理
7)バックヤードのクレンリネス

(2)危機管理
1)食品衛生と安全
1衛生管理
2食中毒対策
3食中毒の種類

2)防災・防犯
1防災
2防犯

3)クレームとコンプレインのマネジメント
1クレーム(苦情)とコンプレイン(不満)
2クレーム対応の原則
3クレームを生かす
4代表的クレーム
5クレームに使われる言葉
6クレーム対応の基本話法

4)個人情報の保護
1個人情報保護の背景
2個人情報とは
3飲食店での管理
4適用除外
5個人情報保護意識を高めるために

3店舗運営・管理(Management)
(1)店舗の運営・管理
1)マネジメントの定義と活動

2)店長・店舗マネージャーとは
1店長・店舗マネージャーの定義
2店長・店舗マネージャーの業務

3)マネジメントの組織と役割
1ピラミッド型組織
2フラット型組織

4)2つのマネジメント

(2)飲食店のマネジメント
1)サービス業の特性

2)お客様の支持の獲得
1QSCの維持と発展
2CS(顧客満足)とES(従業員満足)
3顧客管理

3)マネジメント・サイクル
1計画(plan)
2実行(Do)
3評価(Check)
4修正(Action)

(3)計数管理
1)会計年度と財務諸表
2)損益計算書の知識

3)売り上げ
1売り上げ
2売上計画
3売り上げ増加の施策
4売上管理
5売上伝票の管理

4)利益
1売上総利益
2営業利益
3経常利益
4税引き前利益
5当期利益

5)費用(コスト)
1売上原価(原材料費/原価/Food&Beverage Cost)
2仕入れと管理
3人件費(レイバー・コスト/Lコスト/Labor Cost)
4一般管理費
5損益分岐点

(4)マーケティング
1)マーケティングの必要性
1マーケティングの基本概念
2マーケティングのステージ

2)マーケティング調査・分析
1PEST分析
23C分析
3SWOT分析
4STP分析
5ファイブフォース分析
6ABC分析
720対80の法則
8マトリクス分析

3)マーケティング・ミックス
1商品開発
2価格
3流通・販売チャンネル
4プロモーション/コミュニケーション

4)情報化
5)CRM

(5)改善・提案
1)製造業の品質管理改善
1PDCAサイクル
2TQC

2)問題の特定
1ギャップを知ること
2問題のタイプ

3)問題の設定
1視点の発見
2定量化
3問題点の発見

4)解決策の見つけ方
5)改善策の提案実行
6)フールプルーフ
7)フェイルセーフ
8)気づきによる改善チェックリスト

(6)人材教育
1)教育のポイント
1オリエンテーション
2受け入れ態勢
3マズローの欲求5段階論
4教育、訓練、しつけ
5O.J.T/OFF-J.T/S.D

2)トレーニング実施のポイント
1教え方
2気付きによる訓練
3後輩とのコミュニケーション

(7)基本理念の共有・浸透
1)基本理念とビジョン、目標の関係
1経営理念
2ミッション
3ビジョン
4経営目標
5社是・社調
6行動指針
7規則(ルール)

2)クレド

(8)指導者としての役割
1)指導者(リーダー)

2)リーダーにふさわしい能力
1イニシアチブ
2バイタリティ
3影響力
4説明力
5感受性
6把握力
7分析力
8表現力
9計画、組織力
10統制力
11多様性への対応力

3)コーチング

4)メンバーの伸ばすべき基本能力
1Action
2Thinking
3Team work

(9)プロフェッショナル意識
1)優良店、一流企業を体験する
2)教養とセンスを身に付ける
3)高級・一流のキーワード

(10)労働関係法規
1)労働基準法
2)労働関係調整法
3)労働組合法
4)就業規則
5)パート・アルバイトの労務管理のポイント
6)業務上災害(業務災害)

第3章 和食応用英語
和食実務英会話
(1)日本文化の理解に向けて
(2)箸についての説明
(3)器についての説明
(4)食材や調味料、調理方法などの分かりやすい説明
(5)料理の食べ方の説明
(6)日本料理の特徴の説明
(7)歳時記・伝統文化と日本料理
(8)着物についての説明
(9)和室についての説明

和食検定・実務編・練習問題/解答
第1章振舞
第2章伝心
第3章和食応用英語
解答

参考文献
索引

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2011/10/1)、出典:出版社HP

和食検定実施要領

1検定試験の趣旨

2013年に「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコの無形文化遺産に登録され、和食は世界的に注目を集めている。その中で、日本の持つ固有の食文化やおもてなしの精神の素晴らしさを再認識し、和食と和食文化を普及、教育、改善、保護、継承していくための努力が広く求められている。

また、2013年に訪日外国人旅行客が1000万人を超え、観光庁のビジット・ジャパン・キャンペーンの取り組みに沿って、海外の方々へ正しい知識を広めていくことも重要な課題の一つである。日本の観光資源に対する関心の高まりを受けて、接遇の現場においても、日本の伝統的な食を通した国際文化交流の窓口としての努力を始める必要がある。

本検定制度は、日本の食文化を正しく理解し、正しく伝えるための基礎知識の普及と、和の食文化を継承、発信していくために必要な専門知識と実務知識の理解度を測るものである。具体的には、(1)和食文化の正しい理解と継承(2)日本古来のおもてなしを中心とした業界人のレベルアップ(3)日本文化の魅力を国内外に発信できる人材の育成以上の3点を目的としている。

和の食文化に対する興味、関心を高め、その普及と継承への意識を向上し、また業界の人材育成に寄与するため、多くの関係者の協力を得ながら、一般財団法人日本ホテル教育センターが実施する。

2検定試験の特徴

(1)和食の基本知識から和食接遇に関する実務知識を幅広く習得できるように配慮した。
(2)和食に関する基本知識、和食接遇に関する現場での実務知識、キャリアアップに向けた専門知識を3つの大きな柱とした。
(3)和食検定初級レベルは和の食文化のベースとなる基本的な知識を習得するための学生、外国人、一般の方を対象としている。
(4)和食検定基本レベルは和食に興味、関心を持つ一般の方から実務経験者までを対象としている。
(5)和食検定実務レベルは実務経験者を対象としている。
(6)公式テキストである入門編(初級レベルに準拠)、基本編(基本レベルに準拠)、実務編(実務レベルに準拠)ともに、英語で和食や日本の文化を紹介するための学習を組み込んだ。特に基本的な知識を学ぶ入門編は日英併記版とした。
(7)和食検定は、一般財団法人日本ホテル教育センターが認可する制度である。

3検定試験の名称および本部

(1)名称 和食檢定
(2)検定本部
一般財団法人日本ホテル教育センター和食検定本部
〒164-0003東京都中野区東中野3-15-14
TEL(03)3367-5663
FAX(03)3362-5940

4検定試験の内容および範囲

(1)内容
和食文化の基本知識、和食接遇における実務知識習得の目標達成度を測定する。

(2)範囲
初級レベルはマークシート方式による4択問題とし、100問を出題する。
基本レベル、実務レベルはマークシート方式による4択問題とし、合計200問とし、合計200問を出題する。

(3)認定基準
初級レベルは1級、2級、3級ともに共通問題を使用し、全体の正解率による認定級を設ける。基本レベルと実務レベルは、それぞれ1級、2級ともに共通問題を使用し、「2級」は各区分の正解率が60%以上、かつ全体の正解率が65%以上。「1級」は各区分の正解率が80%以上、かつ全体の正解率が85%以上とする。

それぞれのテキストでの学習内容
実務編テキスト:和食サービスから店舗運営までの専門知識と実務知識を学び指導力を培います。
基本編テキスト:和食の実務に必要とされる基本的な知識を体系的に幅広く学び、プロとしての意識を高めます。
入門編テキスト:和食を生み出した日本の食文化についての初歩的な知識を日英併記版で解説します。

5受験対象者および評価基準

(1)初級レベル
1受驗对象者 希望者全員

2評価期待基準
a和食と和食文化の成り立ちに関する初歩的な知識を持っている。
b身近な食の慣習や食習慣などの意味合いを理解している。
c和食の特徴を理解し、和の食文化継承への高い意識を持っている。
d英語による和食文化発信の重要性を理解している。

(2)基本レベル
1受験対象者 希望者全員

2評価期待基準
a日本料理の基本的な歴史、概要を理解している。
b日本料理の特徴を理解している。
c日本料理の食材の知識を持っている。
d日本料理のしきたりを理解している。
e日本料理に欠かせない器や日本酒などの基本知識を持っている。
f会席料理の食事作法を理解している。
g異文化の食事作法を理解している。
h接遇に必要な基本英語、食材や料理の単語の知識を持っている。

(3)実務レベル
1受験対象者 基本レベル1級または2級の認定を受けた方。

2評価期待基準
a日本料理の接遇の基本を理解している。
b着物に関する基本的な知識を持っている。
c和室に関する基本的な知識を持っている。
d時間帯や顧客などによる様々な対応の基本を理解している。
e接客用語を理解している。
f安心安全に繋がる基本的な知識を持っている。
g店舗運営に関する基本的な知識を持っている。
h接遇や食文化を説明するために必要な英会話の知識を持っている。

6受験の手続き
試験は以下の手続きにより行われる。

(1)定期試験日
年2回、2月、10月に実施する。実施団体には、事前に受験マニュアルを送付し試験案内を行う。

(2)試験会場
原則として検定本部が指定した場所とする。

(3)試験時間
初級レベル:60分基本レベル/実務レベル:90分

(4)出願方法
財団HP(wwwjec-jporg)でご参照いただくか、あるいは和食検定本部までお問い合わせください。

(5)受験者の心得
・日本料理の接遇に焦点を当てた試験である以上、おもてなしの精神を有する受験者であることが絶対条件である。よって、受験にあたり、服装や身なりにおいても、試験官によってふさわしくないと判断された場合は受験できないものとする。
・受験に必要なものとして、筆記用具(鉛筆またはシャープペンシルHB以上のもの・消しゴム)と受験票を用意すること。
・指定された時間前に着席して筆記試験を待ち、約10分間の説明後、試験が開始される。解答は、選択肢の中から選び、その番号を解答用紙に鉛筆で黒く塗り潰すマークシート方式。間違った番号を選択した場合は、丁寧に消しゴムで消さないと重複解答と見なされ、間違いと判断される。
・交通事情等により、著しく時間を変更せざるを得ないケースが生じた場合、検定本部の指示により時間変更を行うことがある。

日本ホテル教育センター (編集)
出版社: 日本ホテル教育センター (2011/10/1)、出典:出版社HP