レンズについて勉強するおすすめ本 – 仕組みと役割も理解
レンズについての身近な疑問を解決しよう
身近なレンズ、生活のいたるところで役に立っています。今回は、仕事で、趣味で、知識としてレンズについて勉強できる書籍を紹介します。
「レンズ」のキホン (イチバンやさしい理工系)
はじめに
私たちの身のまわりには、カメラや望遠鏡、CD・DVDプレーヤー、コピー機やレーザープリンタなど、光を利用した製品がたくさんあります。それらの機器を支える光技術のキーデバイスとして使われているのが、レンズや鏡などの光学部品です。いまやレンズは先端技術を支えるマザー・ツールですから、新しい技術に先回りして進化していかなければならないという宿命を背負っています。レンズは人類の英知とともに進化している道具なのです。
この本を手にしたみなさんは、レンズについて個人的に興味をもち、勉強したいと考えていたり、仕事の関係でレンズについて学ぶ必要に迫られていたりする方々ではないかと思います。レンズの本を探してみると、専門書はたくさん見つかりますが、やさしい入門書はわずかしかありません。光学の入門書でレンズのしくみや働きについて学ぶこともできますが、レンズが主題ではないため、レンズについて包括的に学ぶことはできません。そのため、本書はレンズの専門家ではない人や、物理が多少苦手と思っている人でも、光学の基礎からレンズの基本と応用までをわかりやすく学ぶことができる入門書となるように心がけて執筆しました。
筆者は2005年に「図解入門よくわかる最新レンズの基本と仕組み」(秀和システム)という入門書を執筆する機会を得ましたが、本書ではレンズとは直接関係のない光学の知識やレンズの難しい応用例の解説などを極力避けて、そのぶんレンズを学習するうえで必要な知識をさらに掘り下げて解説するようにしました。 また、本書はカラー版であることから、作図の手順の解説などにも力を入れました。読者の皆さんにとって、本書がレンズの世界への扉としての役割、またレンズの専門書への橋渡しとしての役割をはたすことができたとするならば、著者としてこれほどうれしいことはありません。
最後に、本書の執筆の機会をいただき、編集作業を担当していただいたソフトパンククリエイティブの中右文徳さんをはじめとするみなさんに、お礼を申し上げます。
2010年5月 幹
目次
はじめに
登場キャラクターのご紹介
第1章 レンズのお話
001 レンズは光の屈折をたくみに利用するために生みだした道具
002 レンズの歴史
003 小さなものを拡大して見る顕微鏡の歴史
004 遠くのものを近くに見る望遠鏡の歴史
005 レンズでできた像を記録するカメラの歴史
COLUMNレンズの語源
第2章 光のふるまい
006光の直進性と逆進性
007光の反射の法則
008鏡による光の反射
009光の乱反射
010透明な物体を通る光.
011光は物質の境界面で折れ曲がる 光の屈折
012光はどのような道筋を選んで進むのか フェルマーの原理
013スネルの法則①
014スネルの法則②
015空気の揺らぎが光を曲げる① 陽炎と逃げ水のしくみ.
016 空気の揺らぎが光を曲げる② 気楼と大気差のしくみ
017 プリズムでできる光の色の帯 光の分散
018 大空にかかる光の色の帯 虹ができるしくみ
019 虹の形はどうして円弧なのか
020 光の正体は波か粒子か① 光の回折
021 光の正体は波か粒子か②光の干渉
022 光の回折と干渉でできる虹 シャボン玉とCD-ROMの虹のしくみ
023 光は縦波が横波か 偏光①
024 偏光メガネとブリュースターの法則 偏光②
025 光は電磁波の仲間
026 光の速さはどれぐらいか
027 光のふるまいを考える幾何光学と波動光学
COLUMN 近接場光一光の回折限界を超える光
図解入門 よくわかる最新レンズの基本と仕組み[第3版]
はじめに
21世紀の科学技術は「光の時代」と言われています。現在、光の先端技術を応用したものが、私たちの生活の中にたくさん入ってきています。
光の技術があるところでは、必ずといってよいほどレンズが活躍しています。レンズはカメラや望遠鏡だけではなく、CD/DVDプレーヤーやコピー機、レーザープリンタをはじめとする、光を使った様々な製品に使われているのです。レンズは光技術の立役者であるといっても過言ではありません。
本書の構成にあたっては、レンズの専門家ではない人や、物理は少し苦手と思っている人が、「レンズについて知りたい」「勉強したい」と思ったときに、どのような入門書があればよいのかを中心に考えました。
レンズを勉強するためには、光の基本的な性質を理解しておく必要があります。なぜなら、光とレンズは切っても切れない間柄だからです。この本では、光の基本的な性質についても、ページをかなり割いて説明しました。本書で取り上げたものは、レンズを学ぶ上で必要となる知識です。本書1冊で光の基本からレンズの仕組みまでを理解できるように、あるいはレンズの専門書で行き詰まったとき、理解を助けるために読んで頂けるように心がけて、執筆を進めました。また、数式がたくさん出てきますが、数式を読み飛ばしても図解と説明で概要が理解できるように執筆したつもりです。
本書は2005年3月に第1版、2013年3月に第2版が発売され、初版から15年を経て、ここに第3版を出版する運びとなりました。今回の改訂にあたっては、本書の基本的な主旨は踏襲し、読者の皆さんから頂いた質問や意見などを参考に、最新情報なども加えて、よりわかりやすい内容に仕上げることをめざしました。
読者の皆さんが、本書を手にすることによって、光とレンズに関する基本知 識を身につけられ、本書がレンズ光学の専門書への橋渡しの役割を果たすことができたとしたならば、著者としてこれほど嬉しいことはありません。
最後になりますが、本書の作成にあたっては、北海道理科サークル Wisdom96(初版当時)の皆さんに、文章を読んで意見を頂いたり、写真を提供して頂いたり、お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。また、編集作業を担当していただいた秀和システムの編集部の皆さんに深くお礼を申し上げます。
高校数学でわかる光とレンズ 光の性質から、幾何光学、波動光学の核心まで
はじめに
私たちの身の回りに満ち満ちているもの、それは光です。 目から得られる情報は、多くの生き物にとって日々の生存のために極めて重要です。光によって目の奥の網膜に形成される像によって、対象物の形、色、距離などの情報がもたらされます。
人類は長い間、「見ること」については肉眼が持つ能力そのものに頼ってきました。しかし、16世紀のヨーロッパで レンズを使う拡大鏡、顕微鏡、望遠鏡が発明されてから、人類が見ることができる世界は広がり始めました。従来見られなかったものを見られるように変えること、それは光学と呼ばれる学問が持っている大きな魅力の一つです。また、19 世紀にはカメラが発明されて、映像の記録が可能になりました。記録された映像は、時間と空間の両面に広がり、いまや世界中の人々が同一の映像をほぼリアルタイムで見ることができます。しかも、それを人類の文明が続く限り、かなりの未来まで伝えることも可能です。ここにも、光学が大きく貢献しています。
本書の前半では、光を光線として扱う幾何光学と呼ばれる 分野を解説し、特にレンズの働きを明らかにします。光学機器としては、カメラやメガネ、それに望遠鏡や顕微鏡が大活躍しています。このレンズに関わる物理を基礎から知りたいと思っている方は多いことでしょう。カメラマンにとって重要な被写界深度等を計算するエクセルファイルもブルーバックスの公式サイトに載せています。さらに本書の後半では波動光学に踏み込み分解能を決める要因を明らかにします。
本書は、大学の学部レベルの光学の基本となる知識と体系を、高校数学の知識を身に着けていれば理解できるよう工夫してみました。今、大学で光学を学び始めたばかりの学生のみなさんや、大学の光学を早くのぞいてみたい高校生のみなさん、それに少し本格的に光学を勉強してみたいと思っている社会人のみなさんのお役にも立てることと思います。本書を読み進めるにつれて、光学の知識は一つずつ確実に読者のみなさんの頭脳に吸い込まれていくことと思います。また、 ときには少し難しいところもあって、一瞬つまずくこともあるかもしれません。しかし、それを乗り越えて最後まで読み終えたとき、そこにはきっと新たな世界が見えていることでしょう。
レンズの教科書 撮る楽しさを味わうための写真の手引き
はじめに
デジタル一眼撮影の醍醐味は
レンズ交換ができることです。
レンズの数だけ表現の幅が広がります。
複数のレンズを使い分けることで
もっと撮影が充実するようになります。
自分にぴったりのレンズを見つけて
新しい写真にチャレンジしましょう。
レンズについての基礎知識を高めるだけで
これまでとは写真が変わります。
前景や後景をぼかしたり
画面全体をシャープに見せたり
パースペクティブ効果や圧縮効果など
まずはレンズ表現の基本を理解しましょう。
カメラとセットで購入したレンズでも
その特徴を知ることで
より効果的に使いこなせるようになります。
さらには被写体やシーン
状況やイメージに応じた
レンズワークが着実に身についていきます。
レンズはズームや単焦点のほか
魚眼、広角、標準、望遠、マクロなど
いろいろなタイプのものがあります。
自分のフィールドや撮影スタイルに
ベストマッチのレンズを選びましょう。
ただ「広く」「大きく」写したいだけでなく
フットワークを生かした撮影を心がけることで
つぎに必要な1本が見つかるはずです。
新しいレンズでの新しい表現に挑戦しながら
ワンランク上のレンズワークを目指しましょう。
そうやって少しずつ充実させていくことで
こだわりのレンズシステムが完成するのです。
購入したけどうまく使いこなせず
苦手意識を持ってしまって
出番が少なくなったレンズもあるでしょう。
でも使いこなしのヒントが見つかれば
お気に入りの1本に変わるかもしれません。
ちょっとしたことがきっかけで
レンズワークが思いどおりになることも。
本書でその可能性を探ってみてください。