コンクリート診断士試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
コンクリート診断士の概要
コンクリートはすでに日本の多くの道・建物で使われています。コンクリート構造物の点検・診断、必要であれば補修・補強をして建造物を長持ちさせるのがコンクリート診断士の仕事です。
コンクリート診断士受験対策講座 2020
執筆者一覧
木村 克彦 [工学博士,技術士(建設部門,総合技術監理部門),コンクリ―ト土木学会特別上級技術者(鋼構造およびコンクリート)] 木村技術士事務所/日本コンクリート診断士会,幹事/東京コンクリート企画部会長/土木学会フェロー
毎田 敏郎 [技術士(建設部門),コンクリート診断士,一級構造物診断] 毎田建設企画/C&Rコンサルタント/日本コンクリート診断士会,幹事/東京コンクリート診断士会,企画副部会長・事務局
篠川 俊夫 [博士(工学),技術士(建設部門),コンクリート診断士,コンクリート技士]
アサノ大成基礎エンジニアリング/日本コンクリート診断士会,幹事/東京コンクリート診断士会,広報部会長
降矢 良男 [技術士(建設部門),コンクリート診断士] 降矢技術士事務所/日本コンクリート診断士会,幹事/東京コンクリート診断士会,広報部会副部会長
星野 富夫 [コンクリート診断士,コンクリート主任技士] 土木管理総合試験所/日本コンクリート診断士会,幹事/東京コンクリート診断士会,会員部会長/JCIフェロー
峰松 敏和 [工学博士,技術士(建設部門),コンクリート診断士,土木学会特別上級技術者(メンテナンス),コンクリート主任技士] テクノミネッツ/日本コンクリート診断士会,幹事/東京コンクリート診断士会,技術部会長/土木学会フェロー
小野 定 [工学博士,技術士(建設部門総合技術監理部門)コンクリート診断士,土木学会特別上級技術者(メンテナンス),コンクリート主任技士] C&Rコンサルタント/日本コンクリート診断士会副会長/東京コンクリート診断士会,会長/土木学会フェロー
仲田 昌弘 [コンクリート診断士,コンクリート主任技士,1級造園施工管理技士」
新東産業/日本コンクリート診断士会,幹事/東京コンクリート診断士会,財務部会長
(敬称略)
2020年版刊行に当たって
従来,コンクリート構造物はメンテナンスフリーと考えられ,構造物が劣化した場合には事後保全型の維持管理で十分に対応できていた。
しかし,現在では高度成長期に建設された多くの構造物への対応が必要となり,また,社会が少子高齢化するとともに経済的に余裕が少なく,長寿命化などが求められている。そして,社会の変化に対応すべく維持管理にかかわる技術者には,補修・補強に関する技術とともに設計技術や施工技術を含む広範囲で高度な専門的な知識・技術が要求され,さらに倫理観などの資質も求められている。
このような社会的背景があり,コンクリート診断士制度が2001年に日本コンクリート工学協会(現公益社団法人日本コンクリート工学会,JCI)で発足した。最近では国交省の民間資格の技術者資格登録制度の実施など,維持管理に関する資格制度が脚光を浴びてきている。その結果,コンクリート構造物の維持管理にかかわる技術者,とくにコンクリート診断士などの重要性が世の中で認められるようになり,2016年2月にコンクリート診断士は技術者資格登録制度でコンクリート橋,鋼橋およびトンネルで点検・診断業務の担当技術者として登録され従来に増して注目されている。
コンクリート診断士には,上記のように広範囲で高度な知識が求められ,本資格の受験者には「わかりやすく,理解しやすい参考書」が必要となり,この求めに応えるために本書は企画・発刊された。その内容は,①「はじめに」で受験要項,出題傾向他,②Iの「四肢択一式問題講座」では,補修・補強に対して必要な基礎知識,理解度を深める例題他,③Ⅱの「記述式問題講座」では,記述式問題の基礎および解答のコツを例題で,④Ⅲの「四肢択一式問題厳選101問」では,選ばれた練習問題で総仕上げするように構成している。とくに,②ではこれまでの出題箇所を青字で表記して示し,受験準備の便宜を図った。
本書に掲載している問題は,時間がたっても使える,すなわち,基本に焦点を当て選定したので,これらの問題を十分に理解しておけば応用力も養われ,多少ひねった問題が出題されても解けるように工夫している。さらに,計算問題の苦手な受験者のために計算問題をなるべくわかりやすく解けるように「コンクリート診断士受験のための計算・構造問題攻略講座 第3版」を発刊した。
しかし,本書の発刊から4年経過した2016年,構造力学に関する知識を求める問題が増える傾向がでてきたことから,出題傾向を考慮した改訂,厳選問題の入れ替えと追加。記述式問題について「どのような受験準備が必要か」という観点での見直しを行うとともに年度版として発刊することにした。その結果,本書の例題と計算問題攻略講座を含めるとこれまで出題された問題の約30%を網羅することになった。さらには技報堂出版のHPには記述式問題の参考になる模擬問題の解答例などを都度追加し,掲載している。
2020年版の発刊に当たり本書を利用される読者が合格により近づくための有効な利用方法について記しておくので参考にしていただきたい。まず,Iの「四肢択一問題講座」では,①基本的な知識をインプットするために「はじめに」でこれまでの出題傾向ついて確認し,②Iの「四肢択一式問題講座」にあまり時間をかけずに目を通し,このときわからない箇所にマークをしておく。つぎに,③IIIの「四肢択一式問題激戦101問」を解いてみる。解答を確認し,よく理解できた問題(各問の設問,各問4つの選択肢がある)には「OKマーク」をつけ,間違えた問題には「チェック」をし,ヒントを参考に理解を確実にする。これらのトライを少しでもよいので毎日実行していただきたい。
2回目は,チェックマークを入れた問題を解く。そして,全ての問題に「OKマーク」が付くまでで何度か繰返し行う。さらに,最近では「より深い知識」を問う設問が増えており,とくに劣化のメカニズムなどの正確な理解や構造の基礎知識が求められている。これに対応した準備として必要に応じて「コンクリート診断技術(JCI発行)」や「コンクリート標準示方書(土木学会発行)」等のさらに深い理解が求められる。
記述式問題では,2019年度から従来の問題Aがなくなり,問題Bのみとなった。そこで,記述式問題については内容を刷新,とくに試験時により役立つ手法として新たに「構成メモ」について示し,その利用法を例題で示した。例題として概ね過去5年間の問題を掲載している。
記述式問題の解答においては,①自分の手で書く練習をすることが最重要で,②本書にもあるように構成メモから短文作成の練習をする。このときにどのメモから解答を構成するのかについての練習が重要である。とくに,本方法を用いて多くの問題を練習しておけば,記述式問題については十分に対応できると考える。ただし,本書I編のそれぞれの事項について最低限の知識を有していることが条件であることを忘れてはならない。知識がななければ,原因推定使用にも何も始まらない。
今後とも,本書をコンクリート診断士受験のよきパートナーとして活用して少しでも受験準備のお役に立ち,合格に一歩でも近づいていただければ著者として幸いである。
最後に,本書をまとめるにあたり,日本コンクリート工学会のご厚意に出題問題の転載を許可していただいたことに対して厚くお礼申し上げ,さらに本書に対して適切なアドバイスを頂いた技報堂出版の担当者の方々にもお礼申し上げる。
2020年1月
著者
はじめに
※内容は変更となる場合がありますので,必ず日本コンクリート工学会の試験案内をご確認下さい。(http://www.jci-net.or.jp/j/exam/shindan/index.html)
また,コンクリート診断士試験の出題傾向の最新版を技報堂出版のホームページよりご覧いたたくことができます。(http://gihodobooks.jp/data/preview/jci_shindan.pdf)
■コンクリート診断士はどんな制度?
「コンクリート診断士」資格は,2001年度に社団法人日本コンクリート工学協会(現,公益社団法人日本コンクリート工学会,以下,日本コンクリート工学会)が設立した制度で,コンクリート構造物の診断や維持管理に関する幅広い知識を持った技術者を養成し,社会に貢献することを目的にしたものである。
■コンクリート診断士とは?(「2020年度コンクリート診断士講習eラーニングおよび試験のご案内」より作成)
コンクリート診断士(診断士という)は,日本コンクリート工学会が実施する講習を受講し,さらに試験によって相応のレベルのコンクリート診断・維持管理の知識・技術ならびに倫理観を保有していると認定され,登録した方に与えられる称号である。またその能力を維持・向上させるために定期的な研修の受講を求められる。法に定められたものではないが,公的機関でも認められ,一部では,工事発注の要件に挙げられるほどコンクリート診断士に対する評価は高まっている。
これまでのコンクリート関連の資格が,新設構造物に使用するコンクリートの設計・製造・施工に主として関わってきたのに対して,診断士は蓄積されている膨大な既存コンクリート構造物を対象とするところに特徴がある。診断士は,その活動によって社会的にも認められ,また国土交通省の技術者資格登録制度においてコンクリート橋,鋼橋,トンネルおよびシェッド・大型カルバートなどの道路土工構造物の「点検・診断業務」の担当技術者として登録され,多くの分野で活躍の場が広がっている。
■受験資格
コンクリート診断士試験を受験できるのは,2020年5月1日において,次ページの表のAまたはBの一つに該当し,かつコンクリート診断士講習eラーニングを受講した者である。当然ながら,コンクリート診断士は,高いモラル・職業倫理を有し,コンクリートに関する知識・経験を十分持っていることが前提となる。
2,020年度コンクリート診断士受験資格
資格または学歴 | コンクリート技術関係業務の実務必要経験年数 | コンクリート診断士講習 | ||
A | コンクリート主任技士、コンクリート技士、一級建築士 技術士(建築部門、農業部門、農業土木) 特別上級・上級・1級遠く技術者(土木学会) RCCM(構造物及びコンクリート)(建設コンサルタンツ協会) コンkリート構造診断士 (プレストレストコンクリート工学会) |
いずれかを登録していること | 実務経歴の記入及び 勤務先の照明などは不要 |
1. コンクリート診断し講習の受講が必須 講習受講修了証は2年間有効2. 2019年度コンクリート診断士講習会終了者は2020年度の受講は免除3. 2018年度以前のコンクリート診断士講習会受講者は再度受講が必要 |
一級土木施工管理技士または 一句建築施工管理技士 |
管理技術者資格者証を有すること | |||
B | 大学 高等専門学校 |
コンクリート技術に関する科目を履修した卒業者 | 4年以上 | |
短期大学 高等専門学校 |
コンクリート技術に関する科目を履修した卒業者 | 6年以上 | ||
高等学校 | コンクリート技術に関する科目を履修した卒業者 | 8年以上 |
■イベントスケジュール
コンクリート診断士試験受験のための手続きは,下図の通りである。2020年度の試験より講習会が「eラーニング」に変更となったため,その受講が必要であり,申し込み他の期日も変更になっているので注意を要する。なお,詳細は,「2020年度コンクリート診断士講習eラーニングおよび試験のご案内」を参照されたい。
■合格者の推移
2001年度からの合格者数および合格率は下の下表(10年間分のみ表示)の通りである。2019年度の合格率は15.6%で,概ね14~19%となっており,ここ数年の合格率は約15%である。(詳細は,日本コンクリート工学会ホームページを参照)
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2010年 | 5998 | 1047 | 17.5 |
2011年 | 5640 | 887 | 15.7 |
2012年 | 4945 | 818 | 16.5 |
2013年 | 5241 | 694 | 13.2 |
2014年 | 4990 | 790 | 15.8 |
2015年 | 5462 | 806 | 14.8 |
2016年 | 5422 | 804 | 14.8 |
2017年 | 4922 | 738 | 15 |
2018年 | 4496 | 664 | 14.8 |
2019年 | 4243 | 663 | 15.6 |
■コンクリート診断士の役割と活躍
構造物の診断は,中立的な立場で行うことが必要で,構造物の管理者がコンクリート診断士の活用を求めるケースが増えている。とくに,調査・診断業務に従事する技術者にとっては,その能力を証明するものであり,責任ある立場で業務を遂行するためにも必須の資格であると考えられる。このような社会的背景からもコンクリート診断士について国土交通省,都道府県の業務発注および土木学会コンクリート標準示方書では以下のように記述されている。
国土交通省は,建設コンサルタント業務を発注する際に使用する「建設コンサルタント業務等におけるプロポーザル方式及び総合評価落札方式の運用ガイドライン」の平成27年11月改定に際し,技術者の評価における技術者資格等の順位は,設定する資格が技術者資格登録簿に登録がない場合は,①技術士,博士,②RCCM,土木学会認定技術者,コンクリート診断士,土木鋼構造診断士など,技術者資格登録簿に登録がある場合は,①技術士,博士,②国土交通省登録技術者資格,③前記以外のものとしており,コンクリート構造物の維持・修繕に関する業務に適用する技術者資格としてコンクリート診断士が明記されている。
なお,国土交通省の技術者資格登録制度では,施設分野が橋梁(鋼橋)橋梁(コンクリート橋),トンネルおよび道路土工構造物(シェッド・大型カルバート等)の点検・診断業務(計8区分)にコンクリート診断士が登録されている。
また,一部の都道府県発注工事において,下記①,②のようにコンクリート診断士の資格が評価されるようになってきている。例えば,①橋梁,浄水場,汚水処理場等のコンクリート構造物初期点検委託業務の「点検の実施体制」の項には,「コンクリート診断士を有する者を責任者として1名以上配置する」,また「橋梁長寿命化修繕計画策定業務委託」において「コンクリート構造物診断技術者として,コンクリート診断士を必須とする」との記述や明記があり,②簡易プロポーザル方式の補修工事における「技術提案書の特定」をする時の技術者評価において,設計技術者資格(管理技術者),施工技術者資格(主任技術者または監理技術者)に対して,コンクリート診断士の資格がある場合に評価(加点)されている。
総合評価落札方式等における技術資料作成において「コンクリート診断士の資格を評価」と明記されている。(以上,「2020年度コンクリート診断士講習eラーニングおよび試験のご案内」を元に作成)
土木学会2012年度版コンクリート標準示方書(基本原則編)の用語の定義でコンクリート診断士は「コンクリート専門技術者」として記述されている。
また,コントラクターやコンサルタント,構造物の管理者は,それぞれの立場でより良い維持管理に貢献する必要があり,コンクリート診断士は,そのための技術向上,意識の啓発に役立つ資格であるということができる。技術士や土木技術者資格(土木学会)など,さらに上級の資格を目指すための足がかりとなる資格でもある。
コンクリート診断士は,次のような分野で活躍中である。
・コンクリート構造物の調査・診断会社
・コントラクターやコンサルタントのリニューアル部門
・セメントやレディーミクストコンクリート,工場製品などの製造会社
・インフラストラクチャーの管理者
・その他の広範な分野
■どんな知識が求められるか?
診断士はコンクリート構造物の耐久性,とくに劣化を主として診断するので,適正な測定個所の選定等は構造の知識がなくてはならない。コンクリート構造物の劣化診断を行うために必要な知識・技術を試験項目に対応して下表に示す。なお,コンクリートの基礎知識はベースとして必要である。また,最近では点検・診断に必要なコンクリート構造物の構造的な知識も求められるようになってきた。さらに,これらに関する一般的な知識と理解力等が筆記試験で問われる。
試験で問われる項目と内容
■出題形式は?
コンクリート診断士試院の出題形式は,下表に示すように四肢択一式問題と記述式問題である。なお,コンクリート診断士試験の四肢択一問題および記述式問題のそれぞれに足切り点が設定されている。四肢択一問題数および記述式問題の字数は2019年度の実績である。
コンクリート診断士試験 | |
制限時間:3時間 | |
・四肢択一式問題 | ・40題 |
・記述式問題 | ・問題1、2から1題を選択 1000字以内 |
■想定合格ラインは?
想定合格ラインの目安は,四肢択一式問題が60~70%程度で,四肢択一式問題と記述式問題のウエイトは,記述式の方が大きいと想定されている。
■四肢択一式問題の出題傾向と対策
これまでの出題傾向を次表に分類して示す。なお,各分類(分類記号を含む)は筆者による分類であり,それぞれの年度の出題数の合計は,2分野にまたがる場合があるので40題(2010年以前は50題)以上となっている。
最近の5年間の傾向として,調査手法,劣化の評価・判定,対策・補修・補強が幾分多く出題されているが,大分類で見るとほぼ均等に出題されとくに変状,劣化や調査方法に関する原理やメカニズム,構造性能や構造に関する基礎的な知識がないと解けない問題が数年コンスタントに出題されている。19年度は調査や劣化の評価判定,対策・補修・補強に関連する問題が多いようである。
これらの傾向は今後も続くと考えられるので対策が必要である。以下の出題傾向の表で,分類ごとの出題数が,どのような項目についてよく出題されているかの参考にしていただきたい。さらに,2017年度以降の問題では,下記の傾向が認められ,これらに対応した受験準備が必要になる。これらの概要は技報堂出版のホームページを参照されたい。
1. 変状に関する問題(-以降の数字は17~19年度の問題番号で一例を示した)
① 変状の基本的なメカニズムの正確な理解
② 変状原因の正確な理解と共に,さらにメカニズムに関するより深い理解
③ 変状の原因に関する関連する電気・化学的な知識
④ 返上と調査・試験方法の関係の正確な理解
2. 構造に関する問題
① 直接計算するのではなく考え方の理解を求める
② 数式と計算結果を与えて判断を求める
③ 構造力学に関する基礎的な知識の理解と応用
3. 補修・補強に関する問題
対策の選定では,下記の事項が求められている。とくに,③に分類したものの多くは①および②にも関連しているものが多い。
① 各補修・補強工法の特性の適用性,効果などの正確な理解
② 工法選定等に関する基本的事項の理解
③ 各工法の適用箇所の環境を含めた判断
④ 維持管理費用に関する知識
大分類における出題傾向(出題数)
大分類 | 10~14 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 合計 | 最近5年計 |
変状の種類と原因 | 112 | 13 | 9 | 11 | 12 | 5 | 162 | 50 |
劣化のメカニズム | 176 | 8 | 16 | 13 | 9 | 11 | 233 | 57 |
調査手法 | 207 | 16 | 18 | 14 | 9 | 17 | 281 | 74 |
劣化の評価・判定 | 166 | 20 | 10 | 13 | 14 | 18 | 241 | 75 |
対策・補修・補修工法 | 188 | 14 | 17 | 14 | 13 | 12 | 258 | 70 |
小分類における出題傾向(出題数)
小分類 | 10~14 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 合計 | 最近5年計 |
名種変状・劣化 | 141 | 22 | 10 | 11 | 14 | 6 | 204 | 63 |
中性化 | 59 | 5 | 6 | 8 | 3 | 3 | 84 | 25 |
塩害 | 67 | 6 | 9 | 6 | 2 | 7 | 97 | 30 |
アルカリシリカ反応 | 60 | 2 | 5 | 6 | 3 | 5 | 81 | 21 |
化学的腐食 | 36 | 2 | 1 | 3 | 3 | 3 | 48 | 12 |
成分溶出・摩耗 | 15 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 19 | 4 |
凍害 | 46 | 1 | 1 | 2 | 5 | 4 | 59 | 13 |
疲労 | 37 | 2 | 1 | 1 | 3 | 0 | 44 | 7 |
火災 | 37 | 3 | 1 | 2 | 4 | 3 | 50 | 13 |
構造性能他 | 25 | 9 | 5 | 3 | 5 | 3 | 50 | 25 |
規格・基準類 | 8 | 0 | 2 | 2 | 1 | 2 | 15 | 7 |
分野ごとの出題数(1)
大分類 | 小分類 | 01~14 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 合計 | 最近5年計 |
変状の種類と原因 | 初期欠陥 | 21 | 2 | 1 | 3 | 4 | 2 | 33 | 12 |
ひび割れ・浮き・剥落 | 50 | 5 | 4 | 5 | 4 | 2 | 70 | 20 | |
錆汁、エフロレッセンス | 13 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 17 | 4 | |
汚れ・すりへり | 12 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 13 | 1 | |
たわみ、変形、振動 | 16 | 4 | 3 | 1 | 4 | 1 | 29 | 13 | |
劣化のメカニズム | 中性化 | 28 | 2 | 3 | 2 | 1 | 1 | 37 | 9 |
塩害 | 27 | 2 | 5 | 2 | 0 | 3 | 39 | 12 | |
アルカリシリカ反応 | 25 | 1 | 4 | 2 | 1 | 1 | 34 | 9 | |
化学的腐食 | 22 | 1 | 0 | 2 | 2 | 1 | 28 | 6 | |
成分溶出、摩耗 | 10 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 12 | 2 | |
凍害 | 27 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 35 | 8 | |
疲労 | 18 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 21 | 3 | |
火災 | 14 | 0 | 1 | 1 | 2 | 2 | 20 | 6 | |
複合劣化 | 4 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 6 | 2 | |
調査手法 | 調査・測定の基本的事項 | 25 | 1 | 3 | 2 | 0 | 4 | 35 | 10 |
外観 | 8 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 12 | 4 | |
コンクリート圧縮強度 | 26 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 31 | 5 | |
ひび割れ・剥離・空洞 | 29 | 2 | 2 | 2 | 2 | 4 | 41 | 12 | |
鉄筋・かぶり厚さ・埋設物 | 17 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 21 | 4 | |
配合・化学成分、微細構造 | 19 | 2 | 0 | 0 | 1 | 3 | 25 | 6 | |
自然でんい、分離抵抗、電気抵抗 | 19 | 0 | 4 | 2 | 1 | 1 | 27 | 8 | |
中性化深さ | 11 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 16 | 5 | |
塩化飲料 | 11 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 17 | 6 | |
鋼材腐食量 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | |
アルカリシリカ反応 | 18 | 1 | 1 | 2 | 1 | 0 | 23 | 5 | |
火災 | 9 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 12 | 3 | |
環境さよう・荷重作用 | 6 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 8 | 2 | |
部材の剛性・耐力 | 9 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 12 | 3 | |
劣化の評価・判定 | 評価・判定の基本的事項 | 29 | 9 | 1 | 0 | 2 | 1 | 42 | 13 |
中性化 | 16 | 1 | 1 | 4 | 1 | 2 | 25 | 9 | |
塩害 | 25 | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 | 34 | 9 | |
アルカリシリカ反応 | 17 | 0 | 0 | 2 | 1 | 4 | 24 | 7 | |
化学的腐食 | 14 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 20 | 6 | |
成分溶出・摩耗 | 5 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 7 | 2 | |
凍害 | 19 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 24 | 5 | |
疲労 | 19 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 23 | 4 | |
火災 | 14 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 18 | 4 | |
構造性能 | 0 | 4 | 1 | 1 | 1 | 2 | 9 | 9 | |
規格・基準類 | 8 | 0 | 2 | 2 | 1 | 2 | 15 | 7 |
分野ごとの出題数(2)
大分類 | 小分類 | 01~14 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 合計 | 最近5年計 |
対策・補修・補強工法 | 工法規定 | 59 | 3 | 3 | 1 | 4 | 3 | 73 | 14 |
ライフサイクルコスト | 6 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 10 | 4 | |
ひび割れ補修工法 | 12 | 1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 15 | 3 | |
断面修復工法 | 12 | 0 | 4 | 1 | 2 | 1 | 22 | 1 | |
含浸材塗布工法 | 3 | 2 | 1 | 2 | 0 | 1 | 8 | 5 | |
表面被覆工法 | 8 | 1 | 2 | 1 | 0 | 2 | 13 | 5 | |
剥落防止工法 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 5 | 3 | |
電気防食工法 | 13 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 18 | 5 | |
電気化学的補修工法 | 14 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 14 | 0 | |
補強工法 | 35 | 2 | 1 | 2 | 2 | 1 | 43 | 8 | |
補強工法 | 17 | 3 | 2 | 2 | 2 | 2 | 28 | 11 | |
維持管理 | 7 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 9 | 2 |
■記述式問題の出題傾向と実績
○記述式問題は,コンクリート構造物を診断する対応能力を評価するための出題となる。
○建築系の問題I(従来の問題B-1)と土木系の問題II(従来の問題B-2)から選択する。
○最近の出題傾向
・1つの問題に2~3問を設問する形式である。
・図表,写真を示してこれらから読み取る問題が出題される。
○このような問題に対し1000字以内で必要な内容を盛り込み解答する必要がある。
○過去の記述式問題は,構造物の劣化事例が挙げられている。
○塩害,アルカリシリカ反応,凍害が多く,火災事例が建築系で2010年度に初めて出題された。
問題Bの出題実績
問題Bの出題実績ー場所・構造物の表記
■四肢択一式問題の分類と出題分野の実績
これまで出題された四肢択一式問題の分類式問題を右表により分類した。例題および厳選101問にその分類を示したので学習の参考にしてほしい。なお,同一問題に対して複数の分類が該当するものもある。
問題の分類
目次
I 四肢択一式問題講座
1章 変状の種類と原因
本章のポイント
1.1 変状の定義
1.2 変状の種類
1.3 初期欠陥
1.3.1 豆板
1.3.2 コールドジョイント
1.3.3 内部欠陥
1.3.4 砂すじ
1.3.5 表面気泡
1.3.6 沈下ひび割れ
1.4.1 ひび割れ発生原因とパターン
1.4.2 耐久性上有害となるひび割れ
1.4.3 ひび割れの発生時期
1.4.4 剥離,剥落
1.5 錆汁・エフロレッセンス
1.5.1 錆汁
1.5.2 エフロレッセンス
1.6 汚れ・すりへり
1.6.1 汚れ
1.6.2 すりへり
1.7 コンクリート構造物の変状
1.7.1 構造物の部材と力学的特性
1.7.2 たわみ
1.7.3 変形
1.7.4 振動
1.8 例題
2章 劣化
本章のポイント
2.1 劣化の種類
2.2 中性化
2.1 劣化のメカニズム
2.2 中性化に伴う変状
2.2.3 劣化を促進する条件
2.3 塩害
2.3.1 劣化のメカニズム
2.3.2 コンクリート中に存在する塩化物の形態
2.3.3 コンクリート中の塩化物の移動
2.3.4 塩害と中性化の複合劣化
2.3.5 塩害に伴う変状
2.3.6 劣化を促進する条件と基準
2.4 鋼材腐食
2.4.1 劣化のメカニズム
2.4. 2腐食形態
2.4.3 鋼材腐食に伴う変状
2.4.4 劣化を促進する条件
2.5 アルカリシリカ反応
2.5.1 劣化のメカニズム
2.5.2 反応性骨材
2.5.3 ASR に伴う変状
2.5.4 劣化を促進する条件
2.6 凍害
2.6.1 劣化のメカニズム
2.6.2 凍害に伴う変状
2.6.3 劣化を促進・抑制する条件
2.7 化学的腐食
2.7.1 コンクリートの侵食物質
2.7.2 劣化のメカニズム
2.7.3 化学的腐食に伴う変状
2.7.4 劣化を促進する条件
2.8 風化・老化
2.8.1 成分溶出
2.8.2 摩耗
2.9 疲労
2.9.1 劣化のメカニズム
2.9.2 疲労に伴う外観的な変状(道路橋床版の場合)
2.9.3 劣化を促進する条件
2.10 火災
2.10.1 外観的な変状
2.10.2 化学的な変状
2.10.3 物理的な変状
2.10.4 劣化のメカニズム
2.11 例題
3章 調査・試験手法
本章のポイント
3.1 調査・試験の目的
3.2 劣化診断のフロー
3.3 調査・試験の種類
3.3.1 書類調査
3.3.2 環境・荷重
3.3.3 たわみ・変形
3.3.4 実構造物の載荷
3.3.5 実構造物の振動
3.3.6 外観調査
3.3.7 詳細調査
3.4 コンクリートの圧縮強度
3.4.1 コアによる圧縮強度試験
3.4.2 反発度法
3.4.3 局部破壊試験
3.5 ひび割れ・浮き・剥離・空洞
3.5.1 ひび割れ
3.5.2 浮き・剥離・空洞
3.6 鉄筋・かぶり厚さ・埋設物
3.6.1 電磁誘導法
3.6.2 電盤波レーダ法
3.6.3 X線透過撮影法
3.7 配(調)合・微細構造・化学成分
3.7.1 配(調)合
3.7.2 化学成分
3.7.3 微細構造:細孔径分布,気泡間隔係数
3.8 鋼材腐食
3.8.1 中性化深さ
3.8.2 塩化物イオン含有量
3.8.3 鋼材腐食量
3.8.4 電気化学的測定法
3.9 アルカリシリカ反応(ASR)
3.9.1 ASRの疑いのある構造物の調査項目
3.9.2 アルカリ量
3.9.3 反応性鉱物の有無の試験方法
3.94 骨材のアルカリシリカ反応性
3.9.5 残存膨張量
3.10 火災
3.10.1 調査概要
3.10.2 受熱温度の推定方法
3.11 例題
4章 予測・評価・判定
4.1 基本的考え方
4.2 構造物の要求性能
4.3 変状が構造物の要求性能に及ぼす影響
4.4 初期欠陥と構造物の要求性能の関係
4.5 各劣化メカニズムに共通する判定方法
4.5.1 材料強度の判定方法
4.5.2 鋼材腐食に関するひび割れの評価
4.6 ひび割れ
4.7 中性化
4.8 塩害
4.9 アルカリシリカ反応(ASR)
4.10 凍害
4.11 化学的腐食
4.12 疲労
4.13 風化・老化
4.13.1 成分溶出
4.13.2 摩耗
4.14 火災
4.15 構造性能
4.15.1 概要
4.15.2 たわみ・変形
4.15.3 振動
4.16 例題
5章 対策・補修・補強
5.1 対策の基本的考え方
5.2 補修・補強の定義
5.3 補修工法の概要
5.4 補強工法の概要
5.5 変状および劣化の種類と対策
5.5.1 対象とする劣化の種類
5.5.2 初期欠陥の補修
5.5.3 ひび割れの補修
5.5.4 ひび割れに伴う成分溶出など変状の補修
5.5.5 中性化の補修・補強
5.5.6 塩害の補修・補強
5.5.7 ASRの補修・補強
5.5.8 凍害の補修・補強
5.5.9 化学的侵食の補修・補強
5.5.10 疲労の補修・補強
5.5.11 風化・老化の補修・補強
5.5.12 火害の補修・補強
5.6 各種補修工法
5.6.1 ひび割れ補修工法
5.6.2 断面修復工法
5.6.3 表面保護工法
5.6.4 電気化学的防食(補修)工法
5.7 各種補強工法
5.7.1 各種工法の適用部位と補強目的
5.7.2 増厚工法
5.7.3 巻立て工法
5.7.4 接着工法
5.7.5 外ケーブル工法
5.8 補修補強材料の性質・性能
5.8.1 補修材料
5.8.2 補強材料
5.9 補修補強後の維持管理
5.9.1 補修後の維持管理
5.9.2 補強後の維持管理
5.9.3 ライフサイクルコスト
5.10 例題
6章 技術・基準類の変遷
6.1 材料変遷
6.1.1 コンクリート用材料の国内使用開始時
6.1.2 材料に関するJISの変遷
6.1.3 主な材料の生産量の変遷と着目事項
6.2 コンクリート製造・施工技術の変遷
6.2.1 概説
6.3 基準類の変遷
6.3.1 設計基準強度
632 塩化物イオン量の規制(塩害対策)の変遷
6.3.3 アルカリシリカ反応に関する規定の変遷
6.3.4 レディーミクストコンクリート(JIS A 5308)の変遷
6.3.5 鉄筋コンクリート用棒鋼(JIS G 3112)の変遷
6.3 例題
Ⅱ 記述式問題講座
1章 記述式問題の出題傾向の整理
1.1 記述式問題の基本
1.2 出題傾向と実績
2章 記述式問題の対策
2.1 解答のポイント
2.2 これまでの出題傾向
2.3 問題の要因別キーワードの整理
2.4 問題構造の分析と解答の手順.
3章 解答作成
3.1 記述式問題解答の留意点
3.2 記述式問題解
3.3 記述式問題解
4章 演習
4.1 問題の演習-1[2019問題I]
4.1.1 [2019問題1]
4.1.2 2019問題I構成メモ
4.1.3 2019問題1解答例
4.2 問題の演習-2[2019問題Ⅱ]
4.2.1 [2019問題Ⅱ]
4.2.2 2019問題I構成メモ
4.2.3 2019問題I解答例
4.3 問題の演習-3[2018問題B-1]
4.3.1 [2018問題B-1]
4.3.2 2018問題B-1構成メモ
4.3.3 208問題B-1解答例
4.4 問題の演習-4[2018問題B-2]
4.4.1 [2018問題B-2]
4.4.2 2018問題B-2構成メモ
4.4.3 2018問題B-2解答例
4.5 問題の演習-5[2017問題B-2]
4.5.1 [2017問題B-2]
4.5.2 2017問題B-2構成メモ
4.5.3 2017問題B-2解答例
4.6 問題演習-6[2016問題B-1]
4.6.1 [2016問題B-1]
4.6.2 2016問題B-1構成メモ
4.6.3 2016問題B-1解答例
4.7 問題)演習-7[2016問題B-2]
4.7.1 (2016問題B-2)
4.7.2 2016問題B-2構成メモ
4.7.3 2016問題B-2解答例
4.8 問題の演習-82015問題B-1
4.8.1 [2015問題B-1]
4.8.2 2015問題B-1構成メモ
4.8.3 2015問題B-1解答例
4.9 問題演習-9[2015問題B-21]
4.9.1 [2015問題B-2]
4.9.2 2015問題B-2構成メモ
4.9.3 2015問題B-2解答例
Ⅲ 四肢択一式問題厳選101問
厳選問題101問
四肢択一式問題厳選101問解答
第3版 コンクリート診断士受験のための計算・構造問題攻略講座
刊行に当たって
コンクリート診断士試験の受験者で計算を伴う問題を苦手とされる方に少しでもお役に立てればと本書の改訂版を発刊してから3年がたち、この間に新しい形の計算問題が出題されてきた。とくに、構造に関する問題では、基礎的な構造や設計に関する知識がなければ解けない問題が出題されるなど出題傾向が変化してきた。そこで、今回の改訂ではこれらの新しい情報などを取り入れて改訂を行った。
本書の構成は前の版と同じく、①調査・測定に関する問題の解き方、②中性化予測に関する問題の解き方、③塩化物イオン浸透に関する問題の解き方、④化学的劣化に関する問題の解き方、⑤疲労に関する問題の解き方、最後に⑥構造に関する問題の解き方で構成されている。また、本書中で、関連する部分には先に発刊した「コンクリート診断士受験対策講座」とのリンクを示し基礎事項を再度調べる場合に利用しやすくしている。
①~⑤は、調査・測定や劣化予測時に何らかの計算を求められる場合の問題について、どのように問題を解いていくのかを解答の手順を示した表に沿って表中に記入していくことでわかりやすく説明している。ここでは、新しい問題を演習問題として追加したのでそれらの応用のコツを身につけていただきたい。しかし、計算問題で求められる基本的な内容は変わらないので、「理解するのによい」と思われる問題は出題の年にかかわらず残している。
⑥は、補強に関連した問題に対して基礎知識として何を覚えておく必要があるか-計算のルールと公式-をまず示し、その適用のコツをこれまでの問題を例に取り、わかりやすく説明している。今回の改訂では、(7)重ね合わせの原理他を新たに追加した。⑥の構造に関する章をよく理解しておけば、計算を伴わない構造に関する問題の理解も深まるように、どのように解答を作成すればよいかという観点から編集した。
本書の利用は、まず基本事項をよく理解し、ついで例題を自分が納得いくまで何度も解いてみる。その後、演習問題に挑戦する。この時は、問題の後に示したポイントを参考にブランクの解答の手順表に直接記入する。このステップを何度か繰り返すことでそれぞれの事項に対する理解を深められるようにしている。
このように、それぞれの事項に対してより理解を深められるように工夫をしているので是非活用していただき確実な理解とその応用力の向上につなげて合格に一歩でも近づいていただければと考えている。本書が、先に発刊したコンクリート診断士受験対策講座とともに、多くのコンクリート診断士受験者の参考になれば著者として幸いである。
本書をまとめるにあたり、日本コンクリート工学会のご厚意により多くの過去の出題問題の転載を許可していただいたことに対して厚くお礼申し上げます。らに、本書の構成他に対して適切なアドバイスを頂いた技報堂出版の担当者の方々にもお礼申し上げます。
著者
目次
1調査・測定に関する問題の解き方
1.1コンクリートの圧縮強度
1.2ひび割れ深さ
1.3化学成分
1.4電気化学的測定法
2中性化予測に関する問題の解き方
2.1中性化予測の適用式
2.2中性化深さに関する計算例
2.3演習問題
3塩化物イオン浸透に関する問題の解き方
3.1塩化物イオン浸透予測の適用式
3.2塩化物イオン浸透に関する計算例
3.3演習問題
4化学的劣化に関する問題の解き方
4.1化学的劣化予測の適用式
4.2化学的劣化に関する計算例.
5疲労に関する問題の解き方
5.1疲労劣化予測の適用式
5.2疲労に関する計算例
5.3演習問題
6構造に関する問題の解き方
6.1計算のルールと公式
6.2ルールおよび公式の適用例
コンクリート診断士試験 項目別全過去問題集+短期集中学習用要点レジュメ 2019年版
この一冊だけで合格できます!
本書では全ての過去問題を分類し、学習しやすいように並べ替えてあります。コンクリート診断士試験の合格の近道は、過去問題を効果的に学習することです。
まず最初に「シノダ・レジュメ」
まず最初に「シノダ・レジュメ」を熟読してください。専門分野を効率的に理解することができます。
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次に「4択問題対策」
過去問を「シノダ・レジュメ」を活用しながら解いてください。苦手な分野は集中的に繰り返し解くことで、確実に実力が向上します。
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力試しの「4択過去問題に挑戦」
直近3年分の問題を模擬試験として活用してください。正解率が80%以上を確認しましょう。達しない場合は苦手な分野を再度学習し、模擬試験に取り組んでください。
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4択学習が終わったらしっかり時間をかけて「記述式問題対策」
記述式は合否のカギをにぎります。過去問の模範解答を反復練習することで、文章力を向上させてください。A問題については最近の社会的事項等を情報収集、理解することも重要です。
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最後にまた「シノダ・レジュメ」
試験直前の記憶の詰め込みに「シノダ・レジュメ」を活用してください。また、試験会場はこの最後まで学習に使用してください。その1点が合否を分けるかもしれません!
●凡例
・日本工業規格→「JIS」
・土木学会コンクリート標準示方書→「標準示方書」と表記しています。
●注意
(1) 本書は著者が独自に調査した結果を出版したものです。
(2) 本書は内容について万全を期して作成いたしましたが、万一ご不審な点や誤り、記載漏れなどお気付きの点がありましたら、出版元まで書面にてご連絡ください。
(3) 本書の内容に関して運用した結果の影響については、上記(2)項にかかわらず責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。
(4) 本書の全部または一部について、出版元から文書による承諾を得ずに複製することは禁じられています。
(5) 本書に記載されているホームページのアドレスなどは、予告なく変更されることがあります。
(6) 解答については日本コンクリート工学会が公表していないため、著者らが独自で作成しました。
はじめに
コンクリート診断士試験は公益社団法人 日本コンクリート工学会が実施する資格試験で2001年に創設された。法的に定められたものではないが、コンクリート構造物の維持管理の重要性が認識されている現在、国土交通省の民間資格制度に登録されるなど、その期待が高まっている。コンクリート診断士の資格は、コンクリートの診断・維持管理の知識、技術を保有していると認められたものに与えられる。合格率は毎年15%程度と低く、難関資格であるといえる。
試験問題は4肢択一と、問題A(一般)と問題B(実務)の記述式から構成されている。創設10年を迎えた2011年度からは、4肢択一が40問、記述式問題A,Bとも1000字となり実務能力に重点をおいた試験へと変化している。すなわち知識はもちろんのこと、専門技術者としての説明能力についても求められている資格であると言える。
本書の特徴は、過去18年分の4肢択一および記述式の全問題を掲載し、解説している点である。4肢択一問題については、創設から15年分の問題を分野別に分類し、出題傾向から要点をまとめて解説している。受験者にとっては、学習ポイントが明確になることで、苦手分野に集中して繰り返し取り組むことができる。今年度版から、土木の重要施設である道路橋・トンネルの章を新規に設けた。さらに直近3年分の試験問題を模擬試験に近い形としている。
また、合否の鍵を握るとも言える記述式問題においては、問題Aの過去全問題にわたって解答例を掲載、また最近の問題については解答の際のポイントを掲載しており、文章作成が苦手な方でもコツがつかみ易い構成とした。なお、問題Bはこれまで多数出題されており、建築、土木ともに主要な劣化原因に分けて解答例を示すこととした。
また、長期に供用されている構造物、初期欠陥および劣化について、写真を使用して分かりやすく整理して掲載した。これらの資料は問題集の参考資料として使用することにより、視覚的な学習を可能としている。そして、計算問題や専門分野の学習の効率的に進めることができるように、弊社にて開催している講習会資料をレジュメとして掲載した。特に、構造物の耐荷性能を含めた計算問題の対策が肝要となる。なお、最近の特徴として、過去問と同一、あるいはほぼ同一問題の出題が多くなっている。2018年度は8問がこれらに該当する出題で、過去問のレビューが重要である。
このように、本書は、コンクリート診断士試験に必要な要素を適切に織り込んだ合格必勝のテキストであり、受験者の皆様に広く活用していただくことを期待している。また、皆様がコンクリート診断士に合格することによって、新設構造物の長寿命化、既設構造物の延命化などへ大きく貢献されることを切に願っている。
最後に、過去の出題問題の転載に際して許可をいただいた、(公社)日本コンクリート工学会のご厚意に心より御礼申し上げます。
平成30年11月 長瀧重義 篠田佳男 河野一徳
ガイダンス
1. コンクリート診断士制度の背景
社会資本としてのコンクリートは、すでに100億もの膨大な量がストックされているが、年月の経過に伴いさまざまな要因で劣化が始まる。これらに適切な処置を講じ、構造物としての寿命を延ばし、先人が築いた貴重な財産を長く供用することが我々に残された務めと言える。このような背景をふまえ、日本コンクリート工学会(以下JCT) はコンクリートの診断・維持管理における幅広い川識を持った技術者を巻成するため、コンクリート診断士制度を創設した。2018年までの診断士合格者累計は15221名となっている。
2. コンクリート診断士の位置付け
コンクリート診断士は、JCIが実施する講習会を受講し、試験によって相応のレベルのコンクリート診断・維持管理の知識や技術を有していると認定され、さらに登録した者に与えられる資格である。法で規定されたものではないが、公的機関でも認められ、一部では工事発注の要件に挙げられることから、コンクリート診断士に対する期待は高まっているといえる。また、コンクリート診断技士は、膨大に存在する限設構造物を対象として調査を行うため、その活動により社会的信頼を得ることによって、多岐の分断で重用され、活躍の場が広がることも期待されている。
コンクリート診断士は、構造体のコンクリートを対象とし、劣化の判断や維持管理の提案を行う。構造物全体としての耐力・耐震性能等の診断の対象物は、建築物・道路・鉄道橋、トンネル等多岐にわたり、設計法や解析法もそれぞれ独自のものであるので、一技術者のみですべてに対応することは困難である。したがって、コンクリート診断士には、計画や調査、測定を行うために必要な構造に関する基礎的知識が求められている。そして、構造物としての性能の診断は、コンクリート診断士が調査したデータをもとにそれぞれの分野の構造設計の専門家が行うこととなる。
3. 2019年度におけるコンクリート診断士試験概要(参考用。正式な情報は必ず各自で確認)
1) 資格取得までの流れ
コンクリート診断士の資格取得の流れを図1-1に示す。
2) 受験資格
コンクリート診断士試験を受験できるのは、2019年5月1日において表1-1に該当するものである。試隊を受験する際は、診断についての知識や技術の理解を深めるため、診断士講習会を受講しなければならない。講習会は全国主要都市で4月に行われる。申込は1月の短い期間に行う必要がある。日程・条件等は各自で正式な情報を確認すること。
3) 試験日(予定)
2019年7月下旬の日曜日
4)試験地(予定)
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄
5) 試験方法
コンクリート診断士試験(3時間30分)
①四肢択一問題、②記述式問題
※四肢択一式および記述式のそれぞれに足切り点がある。
6) 受験料 10,800円(税込)
▼図1-1 クリート診断士の資格取得の流れ(参考用。正式な情報は必ず各自で確認)
▼表1-1 コンクリート診断士受験資格表
資格または学歴 | コンクリート技 術関係業務 (注1)の必要実務 経験年数 |
コンクリート診断士 講習会 |
||
A | 1. コンクリート主任技士 2. コンクリート技士 3. 一級建築士 4. 技術士(建設部門) 5. 技術士 (農業部門一農業土木) 6. (特別上級・上級・1級) 土木技術者(土木学会) 7. RCCM (鋼構造及びコンクリート) (建設コンサルタンツ協会) 8. コンクリート構造診断士 (プレストレストコンクリート工学会) |
いずれかを登録していること | 実務経歴の 記入および 勤務先の証明な どは不要 |
1) コンクリート診断士 講習会の受講が必須 講習会受講修了証は 2年間有効2) 2018年度コンクリー ト診断士講習会受講者 は 2019年度の受講は 免除3) 2017年度以前のコン クリート診断士講習会 受講者は再度受講が必 要 |
9.1級土木施工管理技士 または、 1級建築施工管理技士 |
監理技術者資格者証を 有すること |
|||
B | 1. 大学 2. 高等専門学校(専攻科) |
コンクリート技術に関する 科目を履修した卒業者 (注2) |
4年以上(注3) | |
3. 短期大学 4. 高等専門学校 |
コンクリート技術に関する 科目を履修した卒業者 (注2) |
6年以上 | ||
5. 高等学校 | コンクリート技術に関する 科目を履修した卒業者 (注2) |
8年以上 |
(注1) コンクリート技術関係業務:レディーミクストコンクリート・コンクリート製品の製造、コンクリート工事における品質管理・施工管理、コンクリートの設計ならびにコンクリートの試験・研究等に関する業務をいう。
(注2) コンクリート技術に関する科目(コンクリート工学、土木材料学、建築材料学、セメント化学、無機材料工学、等)
(注3) 大学院でコンクリートに関する研究を行った人は、その期間を実務経験とみなしますが、この場合実務経歴書に研究テーマの記入と、大学院の修了証明書が必要です。
7) 願書・受験申込みの手引きの購入、願書等申込み書類の提出
願書・受験申込みの手引きの購入:2019年春
願書等申込み書類の提出:2019年春
願書は、診断士講習会場、JCI窓口にて購入できる。提出は、JCI窓口に直接持参あるいは郵送での受付となる。これらの詳細については、JCIのホームページに記載されている。
問い合わせ先
〒102-0083
東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル12F
公益社団法人日本コンクリート工学会コンクリート診断士試験係
TEL:03-3263-1571、FAX:03-3263-2115
URL:www.jci-net.or.jp
8)合否通知 合否は2019年9月末(予定)に、直接本人に通知されるとともにJCIのホームページに受験番号が掲載される。
9) コンクリート診断士登録
診断士試験の合格者は、登録申請により「コンクリート診断士」の称号が与えられる。
4. コンクリート診断士研修
コンクリート診断士は、4年ごとの登録の更新および診断技術の維持・向上のための研修の受講が必要である。
5. コンクリート診断士試験における過去5年間の受験者数と合格率
コンクリート診断士試験における過去5年間の受験者数と合格率を表1-2に示す。受験者数は 4,400~5,500人の間で推移している。合格率は15%前後と低く、難関資格であるといえる。
▼表1-2 コンクリート診断士試験における過去5年間の受験者数と合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率(%) | |
2018年 | 4496 | 664 | 14.8 |
2017年 | 4922 | 738 | 15 |
2016年 | 5422 | 804 | 14.8 |
2015年 | 5462 | 806 | 14.8 |
2014年 | 4990 | 790 | 15.8 |
6.コンクリート診断士試験の傾向と対策
本書では、4肢択一問題を大きく6分野に分類した。2012年度以降は40問で、最近の5年間における分野別出題数を表1.3に示す。
▼表1- 3 5年間の問題分類 年度
年度 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | |
変状の種類と原因 | 豆板、コールドジョイント等初期欠陥 | 1 | 3 | 1 | 1 | 4 |
エフロレッセンス、すり減り、その他 | 1 | 2 | 1 | 1 | – | |
ひび割れ、変形 | 3 | 5 | 3 | 3 | 4 | |
劣化の機構 | 中性化 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 |
塩害 | 1 | 1 | 1 | 1 | – | |
アルカリシリカ反応 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | |
凍害 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | |
化学的浸食 | 1 | – | – | 2 | 1 | |
溶出 | – | – | 2 | – | – | |
疲労 | – | 1 | – | – | – | |
火害 | – | – | 1 | 1 | 1 | |
調査方法 | 構造物の調査・基準類 | 2 | 3 | 1 | – | 1 |
コンクリート強度 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | |
ひび割れ・空洞・埋設物 | 2 | 2 | 3 | – | 1 | |
鉄筋腐食 | 1 | 2 | 3 | 1 | 3 | |
配合設計。微細構造・ASR 複合問題・その他 |
2 | 3 | 1 | 1 | 2 | |
評価・判定 | 中性化 | 2 | – | 1 | 1 | 1 |
塩害 | – | 1 | – | 2 | – | |
ASR・凍害 化学的浸食・溶出 |
4 | 1 | 3 | 4 | 3 | |
疲労・RC部材の性能 | 1 | 2 | 1 | 2 | 2 | |
火害 | 2 | 1 | – | 1 | 2 | |
ひび割れ・複合問題・その他 | 1 | – | – | 2 | 2 | |
対策・補修・補強 | 工法の選定 | 3 | 2 | 3 | 3 | 1 |
補修 | 2 | 2 | 3 | 3 | 2 | |
補強 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | |
維持管理 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | |
道路橋・トンネル | 道路橋床版 | 1 | – | – | 1 | – |
外ケーブル | – | 1 | – | – | 1 | |
道路橋の対策 | 2 | 1 | 1 | 2 | 2 | |
トンネル | – | 2 | 2 | 1 | – | |
計 | 40 | 40 | 40 | 40 | 40 |
※分類の都合上、必ずしも計 40にはなりません。
1) 4肢択一問題
①初期欠陥・ひび割れ
ひび割れ、変形問題が多く出題されている。初期欠陥については、コンクリート打込み後に生じる欠陥の特徴、耐久性低下の原因および補修方法を理解しておく。また、各種ひび割れの特徴や発生原因についての理解も重要である。さらに、鉄筋コンクリートの耐荷性能や変形性状の把握も必要である。
②劣化
劣化については、ほとんどの要因について毎年出題される。各劣化についてのメカニズムと抑制対策について理解しておく。特に中性化や塩害、鉄筋腐食のメカニズム、凍害に関しての出題が多くみられる。また、塩害と中性化の複合劣化に関しても出題されており、劣化機構に関する知識が必要である。
③調査方法
構造物の品質を調査するためのJISの試験方法や、評価方法について理解しておく。調査結果についての計算問題の出題も多いが、試験の概要と得られるデータからの算出方法理解しておくことで、数式を覚えていなくても突然の出題にも備えることができる。計算問題はコンクリートの強度試験に関しての出題が最も多く、超音波伝播速度からのひび割れ深さの算出開覧なども見られる。2018年はコア強度、中性化深さ等の鉄筋腐食に関する3問がJIS関連の出題であった。
④評価・判定
すべての分野に関して毎年出題されている。疲労は、累積疲労損傷度の計算、曲げ剛性と固有振動数に関しての出題が多いので必ず理解しておく。中性化については、中性化深さの算出問題についてほぼ毎年出題されているので、問題を繰り返し解いて慣れておく。また、この分野に関して問題文が長く、解答を急いだためにケアレスミスに陥りがちであるので問題文や写真を熟読した後に解答することをお勧めする。
⑤補修・補強
全体の割合からみて出題量が多い。補修・補強材料の性質を理解し、構造物の周辺環境や劣化の状態から適切な補修・補強工法を選定できるようにしておく。維持管理問題としてライフサイクリルコスト(LCC)に関する問題が2012年以降連続して出題されている。類似の問題が出題されており、過去問を習熟することが重要である。
⑥道路橋・トンネル
今回の2019年度版で新設した。道路橋に関する理解度をあげることが重要であること、また記述式問題【土木B】で道路橋に関する設問が多数を占めている。また、2012年12月の笹子トンネルの事故を受け、2015年度からトンネルの問題が出題されている。レジュメおよび過去問を活用し知識を充実させることが必要となる。
2) 記述式問題
記述式問題についての傾向分析は4章で詳細に述べることとする。問題A、問題Bともに1000字以内となっている。採点者の立場になって、原稿のマス目の80%以上の記入と、読みややすい大きな文字で簡潔な文にすることが肝要である。
①A問題
診断士としての資質を問われる問題が出題される。最近の社会情勢やコンクリート診断士としての役割等について自分の考えをしっかり持っておくことが必要である。試験前に、コンクリート診断士の資質・役割、倫理、社会貢献についての考え方などをまとめておくことが重要である。
②B問題
B問題は建築構造物と土木構造物の2題のうち1題を選択し、解答する形式のコンクリート構造物の診断においての総合的な知識と説明能力が問われる。問第文をよく読みえられた情報から的確な判断をすることが求められる。そのためには様々な写しい念のための試験方法、補修方法に至るまで、構造物の調査において一連の流れが必要となる。
Contents
本書の使い方
はじめに
ガイダンス
1 巻頭特集
1 写真で見るコンクリート長寿命構造物
欠陥事例
ひび割れ事例
劣化事例
損傷事例
補強事例 (橋梁下部工)
補強事例 (橋梁上部工)
補修工法
調査・試験
~過去問題のカラー画像~
2 シノダ・レジュメ
背景
初期欠陥
ひび割れ
中性化
塩害
アルカリシリカ反応(ASR)と凍害
調査方法
補修・補強
4択計算問題対策 (主要7項目の要点)
1. 衝撃弾性波法 (内部欠陥の位置、板厚の推定)
2. 超音波法によるひび割れ深さの推定
3. 中性化深さの推定 〜新傾向問題(確率分布)への対応~
4. 累積疲労損傷度の推定
5. 塩化物イオン拡散の推定
6-1. ライフサイクルコスト (LCC)問題 ~定義~
6-2. ライフサイクルコスト (LCC) 問題 ~計算方法~
7. 構造計算問題の解法 (鉄筋コンクリート構造計算の基礎)
2 4択問題対策
1 変状の種類と原因
1. 初期欠陥1(豆板)
2. 初期欠陥2(コールドジョイント)
3. 初期欠陥
4. エフロレッセンス他
5. 汚れ(変色)
6. ひび割れ
2 劣化の機構
1. 中性化
2. 塩害
3. アルカリシリカ反応 (ASR)
4. 凍害
5. 化学的腐食
6. 風化・老化
7. 疲労
8. 火災
3 調査手法
1. 構造物の調査
2. 規格・基準
3. コンクリートの圧縮強度
4. ひび割れ・はく離・空洞・かぶり・埋設物
5. 鉄筋腐食
6. 配合推定・微細構造
7. ASR
8. その他調査手法
9. 複合問題
4 評価・判定
1. 中性化
2. 塩害
3. ASR
4. 凍害
5. 化学的変状
6. 風化・老化
7. 疲労
8. RC部材の構造性能
9. 火害
10. ひび割れ・初期欠陥
11. 複合問題
5 対策・補修・補強工法
1. 工法の選定
2. 補修工法
3. 補強工法
4. 維持管理
6 道路橋・トンネル
1. 道路橋
2. トンネル
3 4択過去問題に挑戰(2016-2018年度分)
2016年度 問題
2017年度 問題
2018年度 問題
—2016年度 解答
—2017年度 解答
—2018年度 解答
4 記述式問題对策
1 記述式問題A
・過去問とキーワードの整理
・診断士の資質・役割
・基本情報·社会的事項等の整理
2011年度
2014年度
2015年度
2016年度
2017年度
2018年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2012年度
2013年度
・問題A解答へ向けたコンクリート診断士の際確認
2 記述式問題B 建築
1. 問題の全般的傾向
2. 效率的な文章の書き方について
ひび割れ 2004年、2005年、2009年、2011年、2012年、2016年、2017年
2004年度
2005年度
2009年度
2011年度
2012年度
2016年度
2017年度
その他の変状 2002年、2003年、2006年、2007年、2008年、2010年、2013年、2014年、2015年、2018年
2002年度
2003年度
2006年度
2007年度
2008年度
2010年度
2013年度
2014年度
2015年度
2018年度
3 記述式問題 土木
・過去問とキーワードの整理
塩害 2003年度 2003年、2004年、2005年、2007年、2010年、2011年、2014年、2017年
2003年度
2004年度
2005年度
2007年度
2010年度
2011年度
2014年度
2017年度
ASR 2001年、2006年、2012年、2015年、2018年
2001年度
2006年度
2012年度
2015年度
2018年度
その他
2002年度 B-2
2002年度 B-3
2009年度
2013年度
2008年度
2013年度
2016年度
著者紹介
日本コンクリート技術株式会社紹介
2020年版 コンクリート診断士試験合格指南
【2020年版 コンクリート診断士試験合格指南】の中身も確認する
コンクリート診断士試験 重要キーワード120
【コンクリート診断士試験 重要キーワード120】の中身も確認する