コンクリート診断士試験 重要キーワード120




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はじめに

持続可能な社会の形成のためには、これまでに構築された100億㎥にも達するコンクリート構造物を適切に維持管理することが重要です。

そのためには、社会資本ストックを適切に診断できる技術者が必要との考えから、2001年度に当時の社団法人日本コンクリート工学協会(現・公益社団法人日本コンクリート工学会)が「コンクリート診断士」の制度を立ち上げました。以来、2017年4月時点で登録者は1万2358人に上り、多くのコンクリート診断士がそれぞれ活躍の場を得ています。

ただ、コンクリート診断士の資格を保有していても、経験を積まなければ信頼されるコンクリート診断の技術者にはなれません。また、診断の機会に恵まれなければ適切な判断を下す能力はなかなか身に付きません。コンクリート診断士に必要とされる技術は多岐にわたります。劣化のメカニズムの把握、変状の調査、試験や分析の実施、調査結果などに基づく判断、そして的確な補修・補強の対策など、それぞれのプロセスに専門的な技術力が必要です。それゆえ、資格取得後のさらなる技量の向上が望まれます。

我々は2012年、これからコンクリート診断士の資格取得を目指す技術者と、既にコンクリート診断士の資格を保有している技術者にとって必要と考えられるキーワード100個を解説した「コンクリート診断士試験重要キーワード100」を発刊しました。それから5年余りがたち、コンクリート診断の分野では新たな知見や技術が世に出てきました。

そこでこのたび、そうしたキーワードも新たに加え、この「コンクリート診断士重要キーワード120」を発刊するに至りました。120個のキーワードはいずれも、試験勉強にはもちろん、実務の場面でも役立つ重要な用語です。本書をステップとして、さらなる知識の習得に努めてもらうことを期待しています。

最後に、本書の作成に際して、参考にさせていただいた文献の著者の皆様に深く感謝いたします。

著者一同

十河茂幸 (著), 平田隆祥 (著), 宮里心一 (著), 内田美生 (著), 落合光雄 (著), 日経コンストラクション (編集)
出版社 : 日経BP (2018/3/15)、出典:出版社HP

目次

1 変状に関する用語
1豆板
2コールドジョイント
3空洞
4砂すじ
5表面気泡
6汚れ
7収縮ひび割れ
8温度ひび割れ
9沈下ひび割れ
10プラスティック収縮ひび割れ
11浮き、剥離、剥落3212エフロレッセンス
13ポップアウト
14スケーリング
15変形(たわみ、傾斜)

2 劣化に関する用語
16中性化(炭酸化)
17塩害
18アルカリシリカ反応(ASR)
19DEF
20凍害(凍結融解作用)
21化学的腐食
22疲労
23火害
24複合劣化
25鉄筋腐食
26不動態皮膜
27マクロセル腐食
28塩分濃縮
29凍結防止剤
30エトリンガイト
31硫酸塩
32累積疲労損傷(疲労強度)
33受熱温度
34溶出(溶脱)

3 調査に関する用
35目視調査
36デジタル画像法
37非破壊試験
38微破壊検査法
39コア試験(破壊試験)
40小径コア
41ドリル法
42ボス供試体
43アンカー引き抜き試験
44変状調査
45中性化深さ
46中性化速度式(中性化残り)
47塩化物イオン浸透深さ
48ひび割れ調査
49空洞調査
50電磁誘導法
51漏洩磁束法
52電磁波レーダー法
53X線透過撮影法
54自然電位法
55分極抵抗法
56比抵抗法
57腐食面積率
58反発度法(リバウンドハンマー)
59弾性波法
60打音波
61衝撃弾性波法
62超音波法
63AE法
64サーモグラフィー法
65透気試験方法
66透水試験方法
67インフラ点検ロボット
68人工知能(AI)

4 分析に関する用語
69配合推定
70強熱減量
71示差熱重量分析
72可溶性塩化物イオン
73硬化コンクリート中の塩化物イオンの測定法
74塩化物イオン電極を用いた電位差滴定法
75イオンクロマトグラフ法
76腐食電流密度
77化学法
78モルタルバー法
79残存膨張
80促進膨張試験
81酢酸ウラニル蛍光法
82電子線マイクロアナライザー
83走査型電子顕微鏡
84偏光顕微鏡
85粉末X線回折
86蛍光X線分析
87原子吸光分析
88チオシアン酸水銀(I)吸光光度法
89UVスペクトル法
90赤外分光分析
91水銀圧入式ポロシメーター

5 対策に関する用語
92潜伏期、進展期、加速期、劣化期
93計画供用期間
94維持管理
95予防保全
96メンテナンスサイクル
97補修
98補強
99注入工法
100充填工法
101左官工法
102吹き付け工法
103電気化学的補修工法
104電気防食工法
105表面含浸工法
106シラン系表面含浸工法
107けい酸塩系表面含浸工法
108亜硝酸リチウム表面含浸工法
109亜硝酸リチウム内部圧入工法
110断面修復工法
111表面被覆工法
112増し厚工法
113耐震補強工法
114巻き立て工法
115接着工法
116プレストレス導入工法
117外ケーブル工法
118ライフサイクルコスト
119アセットマネジメント
120長寿命化修繕計画

索引

(注)本文中の用語については、日経BP社の用語表記に従っています。例えば、土木学会のコンクリート標準示方書では「打込み」、「締固め」といった表記を採用していますが、本書ではそれぞれ「打ち込み」、「締め固め」と表記しています。

十河茂幸 (著), 平田隆祥 (著), 宮里心一 (著), 内田美生 (著), 落合光雄 (著), 日経コンストラクション (編集)
出版社 : 日経BP (2018/3/15)、出典:出版社HP