スポーツ医学検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




スポーツ医学検定の概要

スポーツ医学検定とは、一般の人を対象に、身体のことやスポーツによるケガの知識を問う検定試験です。これら知識は、ケガ予防、競技力向上などに活かすことができます。レベルに応じて、3級から1級の階級があります。受験資格に制限はありません。

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スポーツ医学検定試験の公式テキスト

1.「スポーツ医学検定 公式テキスト」(東洋館出版社)

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
東洋館出版社 (2017/2/8)、出典:出版社HP

スポーツ選手、スポーツ指導者、選手の保護者、メディカル関係者など、スポーツに関わるすべての人にお届けする「スポーツ医学」の入門書。ケガを減らし、競技力向上に必須な身体やケガの知識を習得できる。

2.「スポーツ医学検定 公式テキスト 1級」(東洋館出版社)

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
東洋館出版社 (2019/1/26)、出典:出版社HP

スポーツ医学をより深く学ぶ1級試験の内容に対応した公式テキストです。赤シートで重要箇所を確認、仕上げの練習問題も掲載。

スポーツ医学検定のおすすめテキスト

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目次 – スポーツ医学検定 公式テキスト 1級

はじめに

現在、スポーツを取り巻く環境が大きく変化しています。東京2020オリンピック・パラリンピックの影響もあるでしょう。それだけではなく、スポーツの国際化が進み、海外のスポーツ情報を容易に入手できるようになったこと、SNSの発展により自ら情報を発信できるようになったことなども挙げられます。また、スポーツの価値は何なのかを再考させられるニュースが、たびたび紙面をにぎわせています。時代とともに変わるスポーツに対する考え方にも、柔軟に対応していく必要があります。

スポーツの安全面に関する知識も、時代とともに大きく変化します。現在、練習中の水分補給は当然のように行われていますが、昔は練習中にのどが渇いて水を飲むのは根性がないと考えられた時代がありました。また、脳振盪後の対応も変わってきています。女性アスリートの三主徴についてもようやく目が向けられるようになってきています。そしてスポーツの外傷・障害は治療も大切ですが、予防の必要性も認識されるようになってきました。

日進月歩で更新されるこれらの新たな知識は、インターネットから得ることもできます。しかし、断片化された知識は、生きた情報になりにくいのも事実です。また、情報が氾濫しているため、偏った情報に頼っているスポーツ選手も多くいます。このように、誰もが発信者になり得て、様々な情報があふれている今だからこそ、私たち専門家がもっているスポーツ医学の知識をより広く届けたいと考え、このスポーツ医学検定の取り組みを始めました。

本テキストは、スポーツ医学検定の1級を受検する方を対象としています。スポーツメディカルにこれから関わりたいと思っている方には、スポーツ医学を体系的に理解する機会として勉強していただければと思います。すでにスポーツメディカルに関わっている方は、これまで実践してきたスポーツ医学を整理する機会として勉強してください。

実際、スポーツ医学検定1級は、本テキストの内容だけを勉強すれば十分というものではありません。スポーツ医学検定1級の受検者には、広く深い領域に触れていただくため、本テキスト外の内容も一部1級問題として出題されますが、それに対してはホームページに掲載している推薦図書なども参考にして頂き、学習を深めいただければと思います。

そして、スポーツ医学検定の1級を合格された方には、今度は自分がスポーツ医学の知識を広める役割を担っていただきたいと思っています。スポーツ現場にいるスポーツ選手やスポーツ指導者に必要な知識を2級・3級対応テキストの範囲と設定していますが、その内容を発信するには1級相当の広さ・深さのスポーツ医学の知識が必要です。1級検定を通して、正しい知識を発信する人が増え、より安全の意識が高まることを期待します。

2017年5月に始まった本取り組みが、より安全な環境でスポーツを楽しめる社会になることに貢献できれば幸いです。また、「スポーツ医学」の扉を開いた皆さまが、本検定を通じてスポーツ医学の知識をより深め、スポーツ選手そしてスポーツ界に貢献されることを願っています。

2018年10月25日
一般社団法人日本スポーツ医学検定機構代表理事
整形外科医師・医学博士
大関信武

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
出版社: 東洋館出版社 (2019/1/26)、出典:出版社HP

目次

はじめに
部位別・病名からの目次
全身骨格・全身筋肉イラスト
コラム:スーパードクターに聞く

A章 身体の知識

1 運動器
2 全身
3 上肢
4 骨盤・下肢
5 頭部・脊椎

B章 スポーツ外傷・障害の知識

1 スポーツ外傷・障害総論
2 現場での処置
3 心肺蘇生
4 頭部
4-1 頭部外傷総論
4-2 脳振盪
4-3 急性硬膜下血腫
4-4 その他(頭部)
5 顔面
5-1 顔面外傷
5-2 歯科口腔外傷
5-3 眼と鼻の外傷
6 頚椎
6-1 頚椎・頚髄損傷
6-2 その他(頸椎)
7 腰椎
7-1 腰椎分離症
7-2 腰椎椎間板ヘルニア
7-3 非特異的腰痛
8 肩
8-2 投球障害肩(成人)
8-3 肩関節脱臼
8-4 肩鎖関節脱臼
8-5 腱板損傷
9 肘
9-1 野球肘(成長期)
9-2 野球肘(成人)
9-3 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
9-4 肘関節脱臼
10 手関節・手指
10-1 三角線維軟骨複合体損傷
10-2 その他(手関節・手指)
11 股関節・骨盤
11-1 大腿骨寛骨臼インピンジメント
11-2 グロインペイン症候群
11-3 骨盤裂離骨折
12 膝
12-1 前十字靭帯損傷
12-2 半月板損傷
12-3 後十字靭帯損傷
12-4 内側側副靭帯損傷
12-5 ジャンパー膝
12-6 オスグッド・シュラッター病
12-7 その他(膝)
13 足部・足関節
13-1 足関節靭帯損傷
13-2 シンスプリント
13-3 アキレス腱断裂
13-4 その他(足部・足関節)
14 骨折
14-1 一般の骨折
14-2 疲労骨折
15 肉離れ
コラム:スーパードクターに聞く

C章 アスリハの知識

1 アスレティックリハビリテーション総論
1-1 アスレティックリハビリテーション
1-2 ストレッチ
1-3 筋力トレーニング
1-4 目的別のエクササイズ・トレーニング
2 部位(競技)別のアスリハ
2-1 腰部(体操、水泳など)
2-2 肩 (野球、ハンドボールなど)
2-3 肘(野球、テニスなど)
2-4 手関節・手指(体操、スキーなど)
2-5 股関節(サッカー、ホッケーなど)
2-6 大腿(陸上、ラグビーフットボールなど)
2-7 膝(バスケットボール、バレーボールなど)
2-8 下腿(アメリカンフットボール、バドミントンなど)
2-9 足関節・足部(ダンス、マラソンなど)
3 テーピング・装具・サポーター
3-1 テーピング総論
3-2 足関節のテーピング
3-3 膝関節のテーピング
3-4 装具・サポーター、杖、車いす

D章 スポーツ医学全般

1 スポーツと栄養
2 女性とスポーツ
3 成長期のスポーツ
4 障がい者とスポーツ
5 中高年者とスポーツ
6 スポーツと全身
7 合宿・遠征・帯同
8 アンチ・ドーピング

1級練習問題

練習問題
解答解說

徒手検査一覧
索引
参考文献
執筆者紹介

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
出版社: 東洋館出版社 (2019/1/26)、出典:出版社HP

部位別 病名からの目次(上半身)

頭部
腦振盪(p.43)
急性硬膜下血腫(p.46)
急性硬膜外血腫(p.48)
慢性硬膜下血腫(p.48)

頸椎
頸椎·頸髓損傷(p.52)
頸椎症性神經根症(p.55)
パートナー症候群(p.55)
一過性四肢麻痺(p.56)
頸椎捻挫(p.56)

顏面
顏面外傷(p.49)
菌科口腔外傷(p.50)
類骨骨折、眼窩底骨折、上顎骨骨折、下顎骨骨折、前頭骨骨折, (p.49)

肩 – 上腕
投球障害肩(p.68、71)
肩関節脱臼(p.74)
肩鎖関節脱臼 (p.77)
腱板損傷(p.78)
鎖骨骨折(p.127)
上腕骨骨折(p.127)
燒骨遠位部骨折(p.127)
舟状骨骨折(p.127)
中手骨骨折(p.127)

胸部
肋骨骨折( p.127)
肋骨疲労骨折(p.130)
心臟震盪(p.215)

肘 – 前腕
野球肘(p.80、83)
上腕骨外側上顆炎(p.86)
肘関節脱臼(p.88)
肘頭疲労骨折 (p.130)

手関節 – 手指
三角線維軟骨複合体損傷(p.90)
槌指(p.92)
母指MP 関節靭帯損傷(p.93)
有鉤骨鉤骨折(p.93)
ラグビージャージフィンガー(p.94)
ボクサー骨折(p.94)

部位別 病名からの目次(下半身)

股関節-骨盤
大腿骨寛骨臼インピンジメント (p.95)
グロインペイン症候群(p.96)
骨盤裂離骨折(p.97)
骨盤骨折(p.128)
恥骨下枝疲労骨折(p.130)

腰椎
腰椎分離症(p.57)
腰椎椎間板ヘルニア(p.61)
椎間板性腰痛(p.66)
椎間関節炎(p.67)
腰椎疲労骨折(p.130)


前十字靭帯損傷(p.98)
半月板損傷 (p.101)
後十字靭帯損傷(p.104)
内側側副靭帯損傷 (p.105)
ジャンパー膝(p.106)
オスグッド・シュラッター病(p.108)
鵞足炎(p.110)
腸脛靭帯炎(p.111)
膝蓋骨脱臼(p.112)
離断性骨軟骨炎(p.113)
分裂膝蓋骨(p.113)
膝蓋骨骨折(p.128)

足部 – 足関節
足関節靱帯損傷(p.114)
シンスプリント (p.117)
アキレス腱断裂 (p.120)
足関節インピンジメント (p.123)
有痛性三角骨(p.123)
リスフラン靭帯損傷(p.124)
足底腱膜炎(p.124)
足底腱膜炎(p.124)
腓骨筋腱脱臼(p.125)
距骨骨軟骨損傷(p.125)
足関節骨折(p.128)
脛骨跳躍型疲労骨折(p.131)
中足骨疲労骨折(p.131)
腓骨疲労骨折(p.131)

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
出版社: 東洋館出版社 (2019/1/26)、出典:出版社HP

全身骨格・全身筋肉イラスト

全身の骨格 正面

全身の骨格 背面

全身の筋肉 正面

全身の筋肉 背面

コラム:スーパードクターに聞く

野球肘・予防のためにできること

成長期の投球動作による肘の痛みについて、プロ野球選手の診察も数多く行っているスーパードクター・山崎哲也先生にお話を伺いました。

―成長期の野球肘で問題となるのはどのような場合でしょうか。
山﨑:成長期に圧倒的に多い内側型では投球を休むことで速やかに症状が取れてきますが、一番問題となるのは外側型の離断性骨軟骨炎です。病期の初期には、まったく症状がなく、ある程度進行しないと痛みがでないため、病院で診断がつくころには、手術をしないと治らない状態まで悪化している場合があります。

―野球肘の治療方針は?
山﨑:成長期における野球肘は保存療法が原則で、手術を要することはまれです。保存療法には、痛みの強い場合の肘安静や薬・湿布なども含め、肘への物理療法(電気や温熱療法など)、肘および肘以外も含めた体のコンデショニング不良(機能不全)に対する運動療法や投球フォーム改善の指導などがあります。治療に際しては、医師一人では困難な場合が多く、理学療法士やトレーナーなどの力を借りなければなりません。ただ離断性骨軟骨炎は例外で、病期が進行した場合は手術が必要となる場合もあります。

―親や指導者ができる簡単なチェックポイントはありますか。
山﨑:上半身を裸にして、体に左右差や姿勢異常がないかまず見てあげてください。特に肩(肩甲骨)の高さや見え方に左右差がないかどうか、脊柱(背骨)が後弯、いわゆる猫背になっていないかどうか、骨盤が後傾していないかどうかをチェックしましょう。また全身の柔軟性を見てあげてください。もともと成長期には骨と筋肉の成長速度の違いにより体の硬さがあるのですが、投球動作、バッティング動作の繰り返しにより、全身の関節(肩、胸郭、股関節など)において左右差のある硬さが生じてきております。この硬さを放置すると肘への負担が大きくなり野球肘発症の原因にもなります。

―野球肘の予防に大切なことは?
山﨑:前述したチェックポイントに準じ、指導者・父兄・本人が日頃から体をチェックすることが重要です。活動計画 としてスローイングのオン・オフを設け、現場の指導では投球数の制限を行いましょう。また地域で野球肘検診を行っていれば、初期の離断性骨軟骨炎を見つけるためにも積極的に参加するのがよいかと思います。最後になりますが、野球肘に対する指導者への啓発や理解も必要で、将来的には指導者資格も考えなくてはならないかと思います。

―どうも有り難うございました。

山崎哲也
新潟県出身。滋賀医科大学卒業。横浜南共済病院スポーツ整形外科部長、横浜DeNAベイスターズチームドクター、関東学院大学ラグビー部チームドクター。一般社団法人日本スポーツ医学検定機構顧問

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
出版社: 東洋館出版社 (2019/1/26)、出典:出版社HP

目次 – スポーツ医学検定 公式テキスト

はじめに

東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、日本が一つになる時が近づいています。社会に大きなインパクトを与え、そして変革をもたらすスポーツ。1993年に開幕したサッカーのJリーグ、2016年に開幕したバスケットボールのBリーグ、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップ・・。そして、人々に希望や感動を与え、挑戦することの素晴らしさを教えてくれるスポーツ選手。

メジャーリーグのイチロー選手、テニスの錦織圭選手、レスリングの伊調馨選手、プロ野球の大谷翔平選手・・。スポーツがもつ可能性は無限大であり、東京2020オリンピック・パラリンピックがどのようなイノベーションをもたらすのか、大きな期待がかかります。

しかし、スポーツでは時にケガや故障に悩まされ、失望や挫折といった言葉と遭遇することも少なくありません。良い結果が出ない、競技から離脱する、引退を余儀なくされる・・。人生という長い目で見れば、競技ができず、外からスポーツを「見る」ことも一つの「学び」かもしれません。

しかし、防げるケガは防ぎたいものです。また、ケガをしても適切に復帰したいものです。逆にケガを恐れすぎて、適切なトレーニングや練習ができないのも問題です。スポーツ現場で生じるさまざまなケガや故障——野球の投球で肘が痛い、水泳で腰が痛い、バスケットボールで足首を捻挫した、ラグビーで頭をぶつけた、暑い日の練習で気分が悪い・・。

チームにメディカルの専門家がいれば安心ですが、そのような環境で競技できる選手やチームはごくわずかです。また、自己管理が重要だと言われますが、身体やケガのことを学ぶ機会は、はたしてあったでしょうか。

そこで私たちは、専門家が持っているスポーツ医学の知識を、スポーツに関わる皆さんに届けたいと考えました。特にスポーツ指導者や部活の顧問、学生トレーナーやマネージャー、成長期スポーツ選手の保護者、そして何よりスポーツ選手自身に、身体やケガの知識を届けたいと考えています。

高い競技力は単に練習量の多さではなく、安全なスポーツ環境でよく練られた練習と指導のもと生まれます。そして、安全なスポーツ環境は、指通り、自身により作られます。「医学」という言葉に壁を感じる必要はありません。「スポーツ医学」は皆さんにとって、最も「身近な医学」なのです。

「スポーツ医学検定」の理念には医学の専門家のみでなく、室伏広治さん(ハンマー投げ)、谷川真理さん (マラソン)、中竹竜二さん(ラグビー)、成田真由美さん(パラリンピック水泳)など、スポーツと長く携わってきた方々にも賛同して頂きました。2017年5月に始まるこの取り組みが、東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーの一つとなること、より安全な環境でスポーツを楽しめる社会に変革すること、それが私たちの目標です。

スポーツに関わる皆さまが、「スポーツ医学」の扉を開き、生涯を通じてより長く、より深くスポーツと関わっていただけることを願っています。

平成28年12月11日
一般社団法人日本スポーツ医学検定機構代表理事
日本体育協会公認スポーツドクター
整形外科専門医・医学博士
大関信武

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
出版社: 東洋館出版社 (2017/2/8)、出典:出版社HP

目次

はじめに
よく使う用語の解説
部位別病名からの目次
全身の骨格・全身の筋肉
コラム:スーパードクターに聞く

A章 スポーツの知識

1 スポーツの基礎知識

B章 身体の知識

1 運動器の基礎知識
2 全身の基礎知識
3骨の知識
3-1上肢の骨
3-2 下肢・骨盤の骨
3-3 頭部・脊椎の骨
4 筋肉の知識
4-1 上肢の筋肉
4-2 下肢の筋肉
4-3体幹の筋肉

C章 スポーツのケガの知識

1 スポーツのケガ総論
2 スポーツ現場での処置
3 頭部
3-1 頭部外傷の総論
3-2 脳振盪
3-3 その他(頭部)
4 顔面
5 脊椎
5-1 頚髄損傷
5-2 腰椎椎間板ヘルニア
5-3腰椎分離症
5-4 その他(腰椎)
5-5 その他(頸椎)
6 肩
6-1 投球障害肩(成長期)
6-2 投球障害肩(成人)
6-3 肩関節脱臼
6-4 その他(肩)
7 肘・手関節・手指
7-1 野球肘(成長期)
7-2 野球肘(成人)
7-3 テニス肘
7-4 その他(肘・手関節・手指)
8 股関節・骨盤
8-1 股関節周辺の痛み
8-2 骨盤裂離骨折
9 膝
9-1 前十字靭帯損傷
9-2 半月板損傷
9-3 後十字靭帯損傷、内側側副靭帯損傷
9-4 ジャンパー膝
9-5 オスグッド病
9-6 その他(膝)
10 下腿・足
10-1 足関節捻挫
10-2 アキレス腱断裂
10-3 シンスプリント
10-4 その他(下腿・足)
11 骨折
12 疲労骨折
13 肉離れ

D章 アスリハの知識

1 アスレティックリハビリテーション総論
2 アスリハの知識
2-1 ストレッチの基礎知識
2-2 腰痛に対するアスリハの基本
2-3 腰痛に対するストレッチ
2-4 腰痛に対する筋力トレーニング
2-5 下肢のケガに対するアスリハ
2-6 膝の靭帯損傷に対するアスリハ
2-7 上肢のケガに対するアスリハ
3 競技別のアスリハの知識
3-1 野球
3-2 バスケットボール
3-3 サッカー
3-4 ラグビーフットボール
3-5 陸上競技
4 テーピング・装具・サポーターの知識
4-1 テーピング総論
4-2 足関節のテーピング
4-3 装具・サポーター

E章 スポーツ医学全般の知識

1 スポーツと栄養
2 女性とスポーツ
3 成長期のスポーツ
4 障がい者とスポーツ
5 中高年者とスポーツ
6 スポーツと全身
7 遠征・大会救護
8 アンチ・ドーピング
コラム:アスリートに聞く

練習問題

3級 練習問題
2級 練習問題
3級 練習問題・解答と解説
2級 練習問題・解答と解説

索引
参考文献
著者紹介

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
出版社: 東洋館出版社 (2017/2/8)、出典:出版社HP

よく使う用語の解説

身体やケガの説明では、耳慣れない言葉も多い。ここでは、本書でよく出てくる用語を解説する。

ケガ(スポーツ外傷、スポーツ障害)
一度の外力で受傷するスポーツ外傷と、繰り返す負荷によるスポーツ障害を 合わせて、本書では「ケガ」と表記する。

受傷機転
ケガのきっかけや原因のこと。

可動域(ROM: Range of motion)
関節の動く範囲のこと。可動域訓練(ROM 訓練、ROM エクササイズ) は、関節の可動域を改善させるリハビリテーションのこと。

タイトネス
筋肉の柔軟性が不良となっている状態のこと。一般的には身体が硬いと表現される。

拘縮
ケガの受傷後やギプス固定後などに、関節の可動域が狭くなること。五十肩のように、外傷なく拘縮が生じることもある。

コンディション
筋肉や関節、身体の動作、精神面などを含めた全身の状態のこと。コンサーションを整えることをコンディショニングと呼ぶ。

インピンジメント
身体の組織と組織が衝突すること。肩を挙上した際に肩の筋肉が肩甲骨の骨と衝突する状態などがある。

徒手検査
関節などを動かして不安定性の有無などを調べる検査。医師や理学療法士らによって行われる。

単純X線検査(レントゲン検査)
X線(放射線の一種)を用いて行う検査。骨を調べるのに有用。軟骨・筋 肉・靭帯・腱などは写らない。

CT検査
X線を使用して身体の断層を撮影する検査。骨・頭部・内臓の検査に有用。

MRI検査
磁気の力を用いて、靭帯・筋肉・軟骨・頭部・内臓などの断層を調べる検 査。放射線被ばくはない。

超音波検査
超音波を用いて、筋肉・内臓などを調べる検査。肘の軟骨病変も描出でき、 野球肘検診でも使用される。放射線被ばくはない。

保存治療
手術以外の治療を総称して保存治療と呼ぶ。骨折時のギプス固定、薬の内服 や注射、リハビリテーションなどが相当する。

整復
骨折してずれた骨や、脱臼してずれた関節を元の(元に近い)状態に戻すこと。

部位別病名からの目次

上半身

頭部のケガ
脳振盪(P.46)
急性硬膜下血腫(P.47)

顔のケガ
鼻血・鼻骨骨折(.P49)
角膜・結膜・網膜の損傷(P49)
歯の脱落(P.48)

胸部のケガ
肋骨骨折(P.98)

肘―前腕のケガ
野球肘(P.66,68)
テニス肘(P.70)
肘関節脱臼(P.72)
肘頭疲労骨折(P.100)
尺骨疲労骨折

首のケガ
頚髄損傷(P.50)
頚椎捻挫(P.57)
頚椎椎間板ヘルニア(P.57)
バーナー症候群(P.57)

肩―上腕のケガ
リトルリーガーズ・ ショルダー(P.58)
投球障害肩(P.60)
肩関節脱臼(P.62)
肩鎖関節脱臼(P.64)
腱板損傷(P.65)
鎖骨骨折(P.99)
上腕骨骨折(P.99)

手首と手指のケガ
三角線維軟骨複合体損傷(P.73)
突き指 (P.74)
槌指(P.74)
ラグビージャージフィンガー(P.75)
スキーヤーズサム(P.75)
ボクサー骨折(P.75)
橈骨骨折舟状骨骨折(P.99)

下半身

骨盤や股関節のケガ
グロインペイン症候群(P.76)
股関節唇損傷(P.76)
骨盤裂離骨折 (2.77)

膝のケガ
前十字靭帯損傷(P.78)
半月板損傷(P.80)
後十字靭帯損傷(P.82)
内側側副靭帯損傷(P.82)
ジャンパー膝(P.84)
オスグッド病 (P.86)
膝蓋骨脱臼(P.88)
鵞足炎(P.89)
腸脛靭帯炎(P.89)
膝蓋骨骨折(P.99)

すねのケガ
シンスプリント(P.94)
腿三頭筋肉離れ(P.102)
脛骨疲労骨折(P.101)

腰のケガ
腰椎椎間板ヘルニア(P.52)
腰椎分離症(P.54)
椎間関節性の腰痛(P.56)
仙腸関節性の腰痛(P.56)

太もものケガ
ハムストリング肉離れ(P.102)
大腿四頭筋肉離れ(P.102)
大腿部筋挫傷(P.102)

足首や足部のケガ
足関節捻挫(P.90)
アキレス腱断裂(P.92)
足関節インピンジメント(P.96)
有痛性三角骨(P.96)
有痛性外脛骨(P.96)
リスフラン靭帯損傷(P.97)
足底腱膜炎(P.97)
アキレス腱炎(P.97)
足関節骨折(P.99)
中足骨骨折(P.99)
中足骨疲労骨折(P101)
ジョーンズ骨折(P.101)

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
出版社: 東洋館出版社 (2017/2/8)、出典:出版社HP

全身の骨格・全身の筋肉

全身の骨格 正面

全身の骨格 背面

全身の筋肉 正面

全身の筋肉 背面

コラム:スーパードクターに聞く
痛みが出るストーリーを考えて治療する

成長期の投球動作による肩の痛みについて、プロ野球選手の診察も数多く行っている肩のスーパードクター・山崎哲也先生にお話を伺いました。

―成長期の投球動作で生じる肩の痛みの特徴を教えて下さい。
山﨑 成長期には肩より肘を痛いという選手の方が多いですね。肩を痛がる選手の一番の特徴は、トップポジションから加速させるときに肩の側面の痛みを訴えることです。ある一球で痛くなるより、徐々に痛みが出てくることが多いです。

―診察はどのようにされますか。
山崎 成長期の肩の痛みでは、圧痛点(押しての痛み)が明確なことが多く、本人の痛みの部位を正確にとらえることから始めます。その圧痛点が、上腕骨近位の骨端線部に相当することが多いですね。検査は単純レントゲン撮影を両肩に行い、比較します。

―リトルリーガーズショルダー(上腕骨骨端線離開)と診断した場合、どのように治療されますか。
山崎 基本的には痛みの出る動作を中止させることで良くなっていきます。ですので、パッティングで痛みが出ないならそれは許可します。ただ、保護者あるいは指導者の方に一緒にきてもらい、痛みの出る動作をしないようにしっかり守ってもらうことが大切です。

また、こういった慢性的な障害は、何か原因があっ 痛みが出てきます。つまり、痛みの出るストーリーがあります。その原因をつきとめるのがわれわれの仕事で、それに対してリハビリテーションでアプローチをします。どうして痛みがでるストレスが慢性的に加わり続けたのかそれをわれわれが推察し、その「どうして」の部分を治していくのが大切です。

―その治すべき「どうして」とはどういった所にありますか。投球フォームを治しますか。
山﨑 子供の場合、投球フォームを治すのはなかなか難しいですね。大切な点は肩甲骨の機能低下と肩のタイトネス(硬さ)、この二つの改善です。

―それでは、投球数の制限については、どう思われますか。
山﨑 投球数の制限というのは現場目線では難しい点もあります。重要なのは、障害をおこす予備軍の子供たちをいかに指導者が発見できるかということです。肩や肘が痛いと訴える前に、子供たちのサインを見つけられるかです。

そのためには肩甲骨の機能と肩のタイトネス、これをチェックする必要があります。本人、家族、指導者が、痛みが出る前の身体の不具合をチェックするシステムを ることができれば良いと考えます。

―どうも有り難うございました

山崎哲也 横浜南共済病院スポーツ整形外科部長、横浜DeNAベイスターズチームドクター、関東学院大学ラグビー部チームドクター、一般社団法人日本スポーツ医学検定機構顧問

一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 (著, 編集)
出版社: 東洋館出版社 (2017/2/8)、出典:出版社HP