データベースペシャリスト 受かる学習戦略 最小の努力で合格する超効率学習法




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まえがき

本書はデータベーススペシャリスト試験を「最小の努力」で合格するための学習戦略について説明します。
午前問題の試験範囲は広く、まともに学習しようとすると膨大な時間が必要です。

また、午後問題は技術力&読解力が問われるため、知識だけでは突破することは出来ません。
このような難易度の高い試験に対して、あなたはどのようなアプローチで学習を進めていますか?
おそらくほとんどの方は、参考書を買って順番に学習し、一通り学習を終えたら模擬試験を受ける。

そのようなアプローチで学習していませんか?

はっきり言いましょう。このような従来の学習方法は間違っています。

毎日2、3時間も学習する時間の余裕と忍耐力がある方はいいでしょう。

しかし、ほとんどの方は仕事やプライベートの問題に追われ、学習時間の確保が難しいのではないでしょうか。

そこで本書では、忙しく学習時間が確保できない学生や社会人のために「最小の学習時間」「最小の努力」で試験に合格するための学習戦略を説明します。

本書で紹介する学習法は全て科学的に効果が証明された学習法であること。
そして、自宅で一人でも簡単に実践可能な方法に絞って紹介しています。

最小の努力で合格する学習戦略とは

それでは「最小の努力」で合格するために何を行えば良いのでしょうか。
実はこの問題は科学的に解明されています。結論からをいうと次の2つのことを実行するだけです。

ステップ① 学習の機会を逃さず
ステップ② 適切なアプローチで学習する

要は空いた時間はサボらず勉強し、効率良く知識をインプットすれば良いのです。
この2つの条件は言われてみれば当たり前に聞こえるかもしれません。
しかし、人は頭でわかっていながら行動できない生き物です。そして過去の成功体験があるので、今までのやり方を否定できません。
試験勉強をしようと机に向かったのにスマホをずっと触っていませんか?

学習時間が限られているのに効率を改善せず、今までと同じ学習方法で試験勉強をしていませんか?
もし今のあなたが「誘惑に弱い」「サボり癖がある」「勉強に集中できない」「何回読んでも覚えられない」という状態であっても「自分は弱い」「能力が低い」と自分を責める必要はありません。

試験勉強を効率よくこなすための正しい知識を知らないだけです。
本書で紹介しているテクニックを1つずつ実践していけば、あなたのパフォーマンスは必ず向上します。

基本戦略1 学習の機会を逃さない

まずステップ①の「学習の機会を逃さない」とは、試験勉強を先延ばししてはいけないということです。
仕事が忙しく勉強をする時間がないと言いながら、Youtubeをずっと見ていたり、スマホのゲームをしていませんか?

「8時になったら勉強しよう!」と思いながら、気づけばもう9時。
「明日も仕事が早いからもう寝るか」と結局に勉強をせずに寝てしまう…

このように何をするのかわかっていながら行動出来ないことを、心理学では「制御不足」と呼ばれていて、目標達成を阻害する大きな要因の1つとなっています。
ついつい勉強をサボってしまう。「あ~私のことだ」と思った方もいるでしょう。
安心してください。あなただけではありません。

実は人間が目の前の誘惑に勝てる確率は50%と言われています。つまり、半分は誘惑に勝てずサボってしまうのです。
この「制御不足」を防ぐには、もちろん意思力で誘惑に勝つことも大切ですが、意思力を使わずに先延ばしを防ぐことが大事なポイントなります。

そこで本書では、次の2つテクニックを紹介します。

・意思力をコントロールして誘惑に勝つ方法
・意思力を使わずに先延ばしを防ぐ方法

詳しくは「第1章 「意思力」誘惑に負けず先延ばしを防ぐ5つのテクニック」で紹介します。

基本戦略2 適切なアプローチで学習する

次にステップ②の適切なアプローチで学習するとは、短期間で学習の効果を最大限上げることです。
逆を言えば「効果の低い努力を繰り返さない」ことです。

あなたが今日学習した内容は時間の経過とともに忘れてしまいます。
エビングハウスの忘却曲線によれば、1時間後には56%、1日後には74%も覚えた内容を忘れてしまうことが明らかになっています。

一般的な試験勉強では、参考書に従って試験範囲を順番に学習し、一通り終わったら模擬テストを受ける。というように、試験範囲の学習をこなすことだけに気を取られてしまい、どんな環境で?どんな順番で、どんな間隔で復習し、いつ模擬テストを受けることが効果的か?といった学習内容以外の環境や効率面には意識を向けません。
つまり今まであなたが実践してきた学習方法は完全なる誤りです。

記憶に定着しやすい条件と環境を整えないと、せっかく勉強したことが無駄になってしまいます。
あなたの周りに遊んでばかりなのに成績が良い人いないでしょうか?

このような人たちは単純に頭がいいのではなく、自然と効果の高い学習方法と生活習慣が身についていることが多いのです。
それでは、学習した内容をすぐ覚えて忘れないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?

結論から言ってしまうと、次の3つポイントを改善することで記憶への定着率が大幅に向上します。

・復習と模擬テストのタイミング
・勉強する環境
・睡眠のとりかた

詳しくは、「第3章 「学習法」短期間で効率よく覚えて読解力を鍛える5つの学習メソッド」で紹介します。

最難関の午後試験を突破する鍵は「ワーキングメモリ」

本試験の最難関は何といっても午後問題でしょう。
難解な長文問題を短時間で素早く正確に解くために必須の能力があります。
それは「ワーキングメモリ」です。

ワーキングメモリとは、現在の作業に必要な情報を一時的に記憶し、その記憶に基づいて一連の作業を効率的に実行する(課題を解決する)ことができる能力のことです。
午後問題は概ね次のような流れで出題されます。

①システムの概要の説明
②システムの仕様や条件の説明
③現状の問題点、改善要望、指摘事項の説明
④問題文

この流れを見ていくと「④問題文」を読むまでに①②③のシステム概要や仕様をしっかり理解して覚える必要があります。
ワーキングメモリが少ないと①②③のシステムの仕様や条件を覚えることが出来ず、④問題文を読んだ時に「あれっ何て書いてたっけ?」と再度問題文を読むことになり時間を消費してしまいます。その結果、テストの残り時間が少なくなって焦ってミスをしてしまう。

また、午後問題が難しいことの1つが時間が圧倒的に足りないことです。
しかし、ワーキングメモリを鍛えることによって、理解力や記憶力が向上し問題文を何度も読み直すことがなくなり時間に余裕が生まれます。

午後問題が苦手だ。と感じている方はワーキングメモリを鍛えるテクニックを試すことをお勧めします。
詳しくは、第3章「午後試験対策の必須スキル!短時間で「問題を読み解く」能力の鍛え方」で紹介します。

最小の努力で合格するための4つの戦略

これまで説明した2つの戦略「①学習の機会を逃さず」「②適切なアプローチでの学習」に加えて、学習効率を最大限にまで高める方法を取り入れて、本書では次の4つのポイントに絞った具体的なテクニックを説明します。

第1章 「意思力」誘惑に負けず先延ばしを防ぐ5つのテクニック
第2章 「計画術」苦しい状況でも必ず達成できる4つの計画術
第3章 「学習法」効率よく覚え読解力を鍛える5つの学習メソッド
第4章 「集中力」環境と習慣の力でパフォーマンスを最大限まで引き出す

本書では様々なテクニックを紹介しますが、全てを実行する必要はありません。
あなたが実行可能なテクニックを1つずつ着実に実践してください。

大切なのは1つの行動にフォーカスし、1つずつ着実に実行し習慣化していくことです。
参考書を順番に読むだけ、テスト直前に徹夜で覚えると言った学習方法は効果を落とすだけです。

人間の心理、脳のメカニズムを理解し、適切なアプローチを行えば、より短時間で質の高い成果を出すことが出来るようになります。
本書を読み終え実践していただければ、あなたの人生の時間の使い方や密度が高まっていることに気づくでしょう。
科学的に正しい勉強の取り組み方が身に付くと、1日4時間という限られた時間で、勉強だけでなく仕事や恋愛、様々な問題に大して、他人の何倍もの成果を出せるようになります。

そして、身につけた知識やテクニックはあなたの人生をもコントロール出来る一生の財産になるでしょう。

2021年5月
田邉正幸

もくじ

まえがき
最小の努力で合格する学習戦略とは
基本戦略① 学習の機会を逃さないこと
基本戦略② 適切なアプローチで学習すること
最難関の午後試験を突破する鍵は「ワーキングメモリ」
最小の努力で合格するための4つの戦略

第1章 「意思力」誘惑に負けず先延ばしを防ぐ5つのテクニック
意志力とは「やる力」「やらない力」「望む力」
意思力を自在に操る3つのルール
ルール① 意志力を消耗させない
ルール② 消耗した意思力を回復させる
ルール③ 意思力を鍛える
意思力を使わず誘惑に勝つための5つのテクニック
誘惑の正体はドーパミン
テクニック① 誘惑を事前に遠ざける
テクニック② 誘惑に負けやすい4つの状態を避ける
誘惑に負けやすい状況① 疲れていると抵抗出来ない
誘惑に負けやすい状況② ストレスはやる気を一瞬で奪う
誘惑に負けやすい状況③ 睡眠不足による集中力の低下
誘惑に負けやすい状況④ 良いことをすると正しい判断が出来なくなる
テクニック③ 呼吸を遅らせる
テクニック④ プライドの力を利用する
テクニック⑤ 自己超越目標を持つ
意思力の大敵は「どうにでもなれ効果」

第2章 「計画術」苦しい状況でも必ず達成できる4つの計画術
シンプルで達成可能な計画を作る
計画が遅延して目標が達成出来ない原因
計画遅延の原因① 「現在バイアス」目先の出来事を優先してしまう
現在バイアスを回避する4つの習慣化メソッド
習慣化メソッド① 「20秒ルール」即行動出来る状態を作る
習慣化メソッド② 「マジックナンバー4」習慣化の鍵は「頻度」
習慣化メソッド③ 「スモールステップ」現在位置を知る
習慣化メソッド④ 「条件型計画 if thenプランニング」最強の習慣化メソッド
計画遅延の原因② 「計画錯誤」作業時間を甘く見積もってしまう。
計画錯誤の対策① 客観的に見積もる
計画錯誤の対策② 作業時間の基準値を作ること
計画遅延の原因③ 「想定外」最悪の状況を計画していない
疲れていてもサボらず目標達成するための4つの計画術
計画術① 「後方プランニング」ゴールから逆算すると達成率が上がる
計画術② 「チートデイ」意識的にサボって衝動を抑える
計画術③ 「条件型計画 if thenプランニング」条件反射で勉強を始める
計画術④ 「プリコミットメント」出来る人ほどやっている「事前対策」
まとめ シンプルで達成可能な計画を作る手順

第3章 「学習法」短期間で効率よく覚え読解力を鍛える5つの学習メソッド
試験勉強を「超効率化」する5つの学習メソッド
1時間で覚えていた内容を30分へ短縮する
学習メソッド① 「分散学習」適度な「間隔」が記憶を強化する
学習メソッド② 「混ぜこぜ学習」勉強は中途半端に止める
「混ぜこぜ学習」の実践方法
ポイント① 1回の学習では最大3つのジャンルまでに絞る
ポイント② 各ジャンル毎の学習時間は均等に
ポイント③ 1ジャンルの学習の度に休憩をいれる
学習メソッド③ 「系列位置効果」順序で変わる記憶の残り方
学習メソッド④ 「テスト効果」最短で最大の成果を上げる学習法
忘れかけた頃に「思い出す」が最強の戦略
効率よく「回想」するためのテクニック
「回想」テクニック① 自由再生
「回想」テクニック② フラッシュカード
「回想」テクニック③ ラバーダック法
学習メソッド⑤ 「正しい答え合わせ」記憶に残りやすい答え合わせとは?
睡眠は最強の記憶術
午後試験対策の必須スキル!短時間で「問題を読み解く」能力の鍛え方
いくら勉強しても「ワーキングメモリ」は増えない
ワーキングメモリの鍛え方① 「軽い有酸素運動」5分歩くだけで脳は活性化される
ワーキングメモリの鍛え方② 「筆記開示」心配ごとを減らし本来の能力を取り戻す
ワーキングメモリの鍛え方③ 「マインドフルネス瞑想」1日10分の瞑想で文章の理解力が向上