野菜ソムリエという、人を育てる仕事 (幻冬舎文庫)




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前書き

野菜やくだものといった青果物は過去にないほど注目されています。環境問題や健康志向、そしてかつてないほどの農業ブームを背景に、テレビや雑誌ではお取り寄せ野菜が特集され、地方の志ある生産者が大勢紹介されています。今という時代の中で「野菜ソムリエ」は輝きを増し、確固たる地位を築きつつあるように感じています。
しかし僕は、本来であれば、野菜ソムリエがいなくても、必要な情報が入手できる環境が理想だと思っています。なのになぜ、僕は野菜ソムリエを誕生させたのでしょうか。

食品で商いをする家に生まれ、商社マンとして大人の社会に足を踏み出してからも、視点とフィールドがグローバルになったという点では変わりましたが、やはり同じく食ビジネスに携わってきました。

野菜ソムリエの認定機関である日本野菜ソムリエ協会(通称・野菜ソムリエ協会)設立前よりもさらに昔、父親と過ごした頃にまでさかのぼり、記憶と足跡をたどっていくことで、その理由をお伝えできるのではないかと思いました。

野菜や食に興味のある人、野菜や食の分野で起業したい人、あるいは、自分の未来に不安を抱き生き方を悩んでいる人など、この本を手にとっていただいた皆さんに、少しでも発見や役立つことがあれば幸いです。

本書を書くにあたり、幼い時から商社マン時代までを振り返り、多くの方のお力とご厚意によってここまでこられたことを改めて実感し、ここに感謝の意を表します。

福井 栄治 (著)
出版社 ‏ : ‎ 幻冬舎 (2013/6/11)、出典:出版社HP

もくじ

前書き
第一章 野菜ソムリエって何だろう
情報流通の乏しい野菜
日本の野菜はゲイジュツヒン?
食べ物か、商品か
等身大の野菜の情報発信人

第二章 成功の定義づけ
協会設立前夜
講座作りの裏側
有名になった理由
成功の定義づけ
権威と信頼性の確立
コンビニ弁当でだって、伝えたい

第三章 かまぼこ屋に生まれて
親父の背中
無意識のマーケティング
ちょっとダメな青春時代
商売を科学する人になる

第四章 日商岩井食品部食品3課
憧れの商社マンになった
あたり前は、あたり前じゃない
コーヒー課に蔓延る病に対処せよ
マネジメントする力
スーパーへ直接交渉
20億円のPBビジネス
インドネシアに留学する
日本人としての自覚
商社初、オーガニックチーム発足
サンディエゴへ
命に直結する「食べ物」で商いする者として

第五章 野菜ビジネスはおもしろい
IT元年、野菜の通販サイトを立ち上げる
起業気質
何のために働くのか?
都会の中のファーマーズマーケット
『エフ』の成功と失敗
農業にも研ぎすまされた経営感覚を

第六章 提供したい、本当の「価値」
生活者にとっての「価値」とは何だろう
共感・共鳴のマーケティング
成熟した社会で
道の駅で起きたこと
野菜ソムリエの多様な可能性

第七章 野菜ソムリエは進化する―これからの10年
野菜ソムリエ協会は、なぜ成功できたのか
「3世紀型発信」と「1世紀型発信」
ベジフルメンバーズクラブ
野菜ソムリエコミュニティ
野菜ソムリエ職業化プログラム
認定料理教室制度
認定レストラン制度とアカデミックレストラン
認定青果取扱店制度をスタート
自治体パートナー制度
これからの10年―野菜ソムリエを”職業”にする

第一章 野菜ソムリエって何だろう

福井 栄治 (著)
出版社 ‏ : ‎ 幻冬舎 (2013/6/11)、出典:出版社HP