ケアマネジャーと介護福祉士の相違は? – ダブルライセンスの可能性も




先進国の中でも超高齢者社会と言われ、今後さらに高齢者人口が増加していくと予測されている日本。やはり、そこで注目せざるを得ないのは、介護・福祉業界でしょう。

日本介護予防協会によると、国内における介護市場の動向は、
2014年度の市場規模が8.6兆円、2025年には18.7兆円に達するとの見通しをしています。
成長市場である介護業界には異業種も参入をし、熾烈な競争が行われています。

平成31年3月に厚生労働省が発表した資料によると、65歳以上の高齢者人口は、2025年に3,667万人、2042年には3,935万人とピークを迎えると予測しています。
つまり、今後も介護・福祉業界の需要は伸び続けます。

このような現状を踏まえながら、今回は介護現場で活躍している介護専門員について紹介していきたいと思います。

介護支援専門員とは?

「介護支援専門員」と聞くと、ピンとこない方も多いかもしれませんが、
一般的には「ケアマネジャー」「ケアマネ」と呼ばれている人のことです。

しかし、「ケアマネジャー」という言葉を聞いたことがあっても、
実際にどのような仕事をしているかは想像しにくいと思います。

介護支援専門員は、介護保険法という法律で定義付けがされていますが、
簡単に言い換えると、
介護を必要とする方やその家族からの相談に応じて、利用者の希望や心身の状態を考慮しながら適切なサービスを利用できるように、ケアプランやサービス事業者・市区町村等の関係機関との連絡調整を行っています。

つまり、介護サービスの利用者とサービス事業者を橋渡しする存在として、非常に重要な役割を担っているのです。

 

では、さらにその業務内容について詳しく見ていきましょう。

ⅰ 業務内容

ケアマネジャーの業務は「要介護認定業務」「介護支援サービス業務」の2つに分けることができます。

要介護認定業務

要介護認定とは
「介護サービスがどれくらい必要なのか?」「介護サービスを行う必要があるのか?」
を判断するものです。
市区町村から委託を受けて、要介護者の元を訪問し、心身の状態を確認します。

また、更新申請に関する書類作成は、利用者本人や家族が基本的に行いますが、
事情があって申請が困難な場合には、申請の代行も行う場合があります。

介護支援サービス業務

(1)ケアプランの作成・管理
ケアプランとは、介護サービスの計画表のようなものと考えてもらうと想像しやすいでしょう。

まず、利用者の心身の状態や生活状況、家族の希望を考慮した上で、適切な介護サービスを総合的に判断していきます。
次に、聞き取りで得た情報を元にケアプランを作成していきます。

介護サービスはケアプランに沿って行われるので、作成・管理は非常に重要な業務です。

(2)給付管理業務
1ヶ月ごとに支給限度額の確認や利用者負担額の計算等を行うことも、ケアマネジャーの業務です。
また、金額の計算だけでなく、サービス利用表や給付管理表等の確認・作成・提出も行います。

(3)相談業務
先ほども述べましたが、ケアマネジャーは、利用者とサービス事業者の調整役としての役割を担っています。
そのため、利用者本人や家族はもちろん、事業者側にも様々な情報を提供しています。

時には近隣住民からの相談に乗ることもあるため、積極的なコミュニケーションが望まれています。

ⅱ資格

ケアマネジャーになるためには、「介護支援専門実務研修受講試験」という各都道府県で行われている試験に合格する必要があります。試験の受験資格を得るためには「生活相談員・相談支援員等」「医師・介護福祉士等の国家資格に基づく業務」など指定された業務に5年以上かつ、900日以上の業務経験年数が求められます。また、試験内容は都道府県で異なりますので、試験を受ける場合には注意が必要です。

加えて、試験合格後すぐにケアマネジャーとしての業務を行うことはできず、
「介護支援実務研修」(87時間)を受講して、修了後3ヶ月以内に登録申請が必要です。

さらに、ケアマネジャーになる際に交付される「介護支援専門員証」には5年間の有効期限があります。
そのため、有効期間内に特定の研修を修了し更新する必要があります。
更新しないと、ケアマネジャーとしての業務を継続することができず、
再研修を受講した上で、交付申請を行わなければなりません。

介護福祉士との違い

介護・福祉業界に興味のある方は、「介護福祉士」という言葉も耳にしたことがあるかもしれません。
どちらも「介護」という言葉がついているので、混同しやすいかもしれませんね。
そこで、「ケアマネジャー(介護支援専門職員)」と「介護福祉士」との違いについて紹介していきたいと思います。

ⅰ介護福祉士とは?

介護福祉士も「社会福祉士及び介護福祉士法」という法律に定義付けがされています。
簡単に言い換えれば、
介護を必要とする高齢者や障がいのある方が、スムーズな日常生活を送れるように
介助・アドバイス・指導することを主な業務としています。

ⅱ業務内容

介護福祉士は、ホームヘルパーや特別養護老人ホーム、社会福祉施設の介護職員として介護の業務を行います。

ケアマネジャーよりも介護福祉士の業務の方が、皆さんが「介護」と言われてイメージするものに近いのではないでしょうか。

また、介護業務だけでなく、家族で介護をしている方やヘルパーの方に対しても指導やアドバイスをすることも業務です。

介護の専門的知識と技術で利用者の円滑な日常生活を送れるように支えること、
介護の現場で働く人たちのリーダー的存在として指導やアドバイスを行うことが介護福祉士の役割ということができます。

ⅲ資格

介護福祉士はケアマネジャーと異なり、国家資格です。
また、受験資格が複雑になっていますが、ここでは簡単に説明します。

まず、介護福祉士資格の受験資格を得るには、
①養成施設ルート②実務経験ルート③福祉系高校ルート④経済連携協定(EPA)ルート
という4つのルートがあります。

それぞれのルートで研修等を経て、筆記試験を受験。その後、実技試験合格後(ルートによっては実技試験は免除される)、介護福祉士資格を取得するという流れになります。

それぞれのルートによって、実技試験が免除される場合もあるため、資格取得を目指す際に自分がどのルートで資格取得を目指すことになるのかは、しっかり把握しておく必要があります。

特に①養成施設ルートに関しては、令和8年度末までに養成施設を卒業する方は、国家試験を受験しない、または不合格でも介護福祉士になることができます。
詳しい条件については、各自で調べてみてください。

こちらが、ざっくりとした資格取得までの道のりを図にしたものになります。

ここまでの「ケアマネジャー」と「介護福祉士」の違いを簡単に表にまとめたものです。

  業務内容 資格
ケアマネジャー 調整・介護指導

(間接的)

公的資格

(各都道府県)

介護福祉士 介護現場でのサポート

(直接的)

国家資格

まとめ

ケアマネジャーと介護福祉士は、業務内容や資格が大きく異なっています。

しかし、日本介護福祉士会によると、介護福祉士の資格を保有している方は、
介護支援専門員の資格も保有していることも多いようです。

それぞれの違いを理解して、資格の取得に挑戦してみてください。