Google Cloud Platform エンタープライズ設計ガイド




Google Cloud Platform
エンタープライズ 設計ガイド
野村総合研究所 遠山 陽介 深津康行 中庄谷哲平 小島 仁志著
グーグル、企業向けクラウドサービス

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出典:出版社HP

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まえがき

GCP (Google Cloud Platform) vs. AWS(Amazon Web Services)、GCP vs. Azureという戦いが始まろうとしている。この3強のいずれが勝者となるのか、または住み分けができるのか、はたまた3強以外のクラウドプロバイダが登場し市場を席巻するのか、現時点では予測できない。GCPは、そのユニークな生い立ち・特徴から、AWSやAzureと異なる新しい市場を形成するのではないかという期待感を抱かせる。ぜひとも実際にGCPに触れ、その魅力を感じてほしいと思い、本書を執筆するに至った。

近年、GCPはエンタープライズシステムへの対応を急速に進めており、企業の情報システムでの大規模な採用事例も増えつつある。先行したほかのクラウドサービスと同様に、将来的には企業における情報システムサービスの標準プラットフォームとして採用される可能性もあり、動向から目が離せなくなってきている。一方で、エンタープライズシステムを支えるITインフラとしての機能や特徴に関する情報がまだまだ十分とはいえない。多くの企業情報システム担当者にとっては、その先進性や高度なサービスが気にはなるものの、「では、自社のインフラとして使えるのか?」を検討しづらい状況なのではないだろうか。

本書では、主にエンタープライズシステムへの応用を視野に、GCPの活用を検討するために必要な基本的な知識の習得をサポートすることを目的としている。対象読者は、ユーザー企業の情報システム部門のご担当者だけでなく、システム企画部門や、サービスを開発・運営する事業部門のご担当者など、クラウドサービスに関心を持たれる人たちを広く想定している。特に、AWSなどほかの主要なクラウドサービスの経験があり、GCPの基本的な知識を体系立ててつかみたい人に活用していただけると思う。GCPを利用する上で、本書がその一助となれば幸いである。
第1章では、エンタープライズ分野でクラウドサービスのデファクトスタンダードとしての地位を確立したAWSとの比較を通して、GCPの設計思想を解説する。第2章以降では、実際にGCPを利用しようと考えている方に向けて、カテゴリーごとの各サービス機能を紹介する。第9章以降では、企業においてGCPの導入に取り組む仮想的なシナリオを基に、考慮すべきポイントや設計の流れを説明する。

謝辞
本書を執筆するに当たってサポートをいただいた皆様に深く感謝致します。日経BP社の松山貴之様、中山秀夫様、その他編集者の皆様には、辛抱強く原稿をお待ちいただき誠にありがとうございました。また、GCPサービスについて貴重なアドバイスを下さったグーグル株式会社の古屋裕規様、福田潔様にも感謝申し上げます。

なお、本書の記述は著者陣の個人的な見解に基づいています。GoogleTMおよび著者が所属する会社とは一切関係ありません。また、本書は公開された情報に基づいて記述しており、NDA情報に関するものは含まれていません。

目次/ CONTENTS

まえがき
第1章 Google Cloud Platformの特徴
1-1 GCPが注目を集める理由
1-1-1 ニーズがGCPに追いついた
1-1-2 エンタープライズ向け機能が備わった
1-1-3 AI向けサービスの充実
1-2 AWSやAzureにはないGCPの特徴
1-2-1 Googleの各種サービスが稼働しているインフラ
1-2-2 GCPは革新的なテクノロジー
1-2-3 優れたIaaS性能
1-3 現時点のGCPの懸念点
1-3-1 商用ライセンス製品への対応
1-3-2 日本語での24時間365日のサポート
1-3-3 企業での実績
1-4 AWSとGCPの大まかな違い
1-4-1 サービスをけん引するAWS、テクノロジーをけん引するGCP
1-4-2 一般的なニーズに応えるAWS、特殊なニーズを満たすGCP
1-4-3 ラインアップをそろえるAWS、選択肢がシンプルなGCP
1-4-4 基盤エンジニアのAWS、ソフトウエアエンジニアのGCP

第2章 コンピューティングサービス
2-1 コンピューティングサービスの種類
2-2-1 コンピューティングサービスで提供される環境
2-2 Compute Engine
2-2-1 オンプレミス環境からの移行
2-2-2 マシンタイプの種類
2-2-3 ブートディスクの種類
2-2-4 ディスクタイプの種類
2-2-5 確約利用割引と継続利用割引
2-2-6 プリエンプティブルVM
2-2-7 Compute Engineの基本機能
2-3 App Engine
2-3-1 StandardとFlexible
2-3-2 Blue-Greenデプロイ
2-3-3 Cronサービスとタスクキュー
2-3-4 セキュリティスキャン
2-3-5 App Engineの基本機能
2-4 Kubernetes Engine
2-4-1 Kubernetesクラスター
2-4-2 Google Container Registry
2-4-3 Kubernetes Engineの基本機能
2-5 Cloud Functions(ベータ版)

第3章 ストレージサービス
3-1 ストレージサービスの種類と使い分け
3-1-1 ストレージサービスの種類
3-1-2 ストレージサービスの使い分け
3-2 Cloud Storage
3-2-1 バケットとオブジェクト
3-2-2 ストレージクラス
3-2-3 Cloud Storageの基本機能
3-3 Bigtable
3-3-1 Bigtableの生い立ち
3-3-2 ストレージタイプの選択
3-3-3 Bigtableの基本機能
3-4 Datastore
3-4-1 オブジェクト指向データベース
3-4-2 コンシステンシー
3-4-3 スキーマ設計
3-4-4 Datastoreの基本機能
3-5 Cloud SQL
3-5-1 ジェネレーション
3-5-2 Cloud SQLの基本機能
3-6 Spanner
3-6-1 マルチリージョンサポート
3-6-2 設計上の制約
3-6-3 Spannerの基本機能

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第4章 ネットワーキングサービス
4-1 ネットワーキングサービスの種類
4-2 VPC
4-2-1 VPCネットワークとサブネットワーク
4-2-2 外部IPアドレス
4-2-3 ネットワーク通信制御
4-2-4 VPCネットワークピアリング
4-2-5 限定公開のGoogleアクセス
4-2-6 VPCネットワークにおける注意点
4-3 Cloud Load Balancing
4-3-1 HTTP(S)負荷分散
4-3-2 ネットワーク負荷分散
4-4 Cloud CDN
4-5 Cloud DNS
4-6 Cloud Interconnect

第5章 ビッグデータサービス
5-1 ビッグデータサービスの種類と使い分け
5-1-1 フェーズ別のサービス分類
5-2 Cloud Pub/Sub
5-2-1 Cloud Pub/Subの基本概念
5-2-2 Cloud Pub/Subのメッセージライフサイクルと内部処理
5-2-3 システム設計する上での考慮事項
5-2-4 Cloud Pub/Subの基本機能
5-2-5 Cloud Pub/Subの主な利用方法
5-3 BigQuery
5-3-1 BigQueryの基本概念
5-3-2 システム設計する上での考慮事項
5-3-3 BigQueryの基本機能
5-3-4 BigQueryの主な利用方法
5-4 Cloud Dataflow
5-4-1 Cloud Dataflowの基本概念
5-4-2 システム設計する上での考慮事項
5-4-3 Cloud Dataflowの基本機能
5-4-4 Cloud Dataflowの主な利用方法
5-5 Cloud Dataproc
5-5-1 Cloud Dataprocの基本概念
5-5-2 システム設計する上での考慮事項
5-5-3 Cloud Dataprocの基本機能
5-5-4 Cloud Dataprocの主な利用方法
5-6 Cloud Datalab
5-6-1 Cloud Datalabの基本概念
5-6-2 Cloud Datalabを利用する上での考慮事項
5-6-3 Cloud Datalabの基本機能
5-6-4 Cloud Datalabの主な利用方法

第6章 機械学習サービス
6-1 機械学習関連サービスの概要
6-2 学習済みAPI
6-2-1 Cloud Natural Language API
6-2-2 Cloud Translation API
6-2-3 Cloud Speech API
6-2-4 Cloud Vision API
6-2-5 Cloud Video Intelligence API(ベータ版)
6-2-6 利用における考え方
6-3 独自モデル作成支援サービス
6-3-1 Cloud Machine Learning Engine
6-3-2 Cloud AutoML (アルファ版)

第7章 アカウント管理・請求管理
7-1 アカウント/請求管理の概要
7-2 請求アカウント管理
7-2-1 請求管理のための機能
7-3 Cloud IAMによるアカウント管理
7-3-1 Cloud IAMの基本概念
7-3-2 Cloud IAMで用いるアカウント
7-3-3 Cloud IAMによるアクセス制御
7-3-4 Cloud IAMによるポリシー適用
7-3-5 サービスアカウント
7-4 GCPにおける監査証跡

第8章 運用監視サービス
8-1 運用監視サービスの種類と使い分け
8-2 Stackdriverの基本概念
8-2-1 基本階層とプレミアム階層
8-2-2 StackdriverアカウントとGCPプロジェクト
8-3 運用監視業務を行うためのStackdriver
8-3-1 共通機能
8-3-2 コンピューティングサービスの運用監視
8-3-3 ストレージサービスの運用監視
8-3-4 ネットワーキングサービスの運用監視
8-3-5 ビッグデータサービスの運用監視
8-3-6 AWS環境監視
8-4 効率的なアプリケーション開発を実現するStackdriver
8-4-1 Error Reporting
8-4-2 Trace
8-4-3 Debugger

第9章 シナリオ「GCPを活用したWebシステムの設計/構築」
9-1 Lift&Shift方式で移行
9-1-1 Lift&Shift方式を採用した理由
9-1-2 移行後の構成
9-1-3 検討すべきポイント
9-2 マネージドサービスを活用
9-2-1 運用の課題
9-2-2 新アーキテクチャー

第10章 シナリオ「GCPを活用したハイブリッドクラウド環境の構築」
10-1 導入前の検討内容
10-1-1 役割分担と権限運用
10-1-2 ネットワーク構成とセキュリティ
10-2 システムアーキテクチャー
10-2-1 アカウント管理
10-2-2 権限設定
10-2-3 プライベートクラウド環境との接続方法
10-2-4 ネットワーク構成
10-2-5 インターネットとの通信制御
10-2-6 プライベートクラウドとの通信制御

第11章 シナリオ「Webサイトと業務システムのデータ統合/分析を小さく始める」
11-1 データをためる場所を作る
11-2 分析のための環境を用意する
11-3 データの入力から加工、蓄積までの流れを作る
11-4 アプリケーションのログを集約する

Appendix 機械学習サービスの使い方
A-1 学習済みAPIの基本的な使い方
A-2 Cloud Machine Learning Engineの基本的な使い方
●本書の内容には十分な注意を払いましたが、本書のご利用や記載している内容を適用した結果生じたことについて、著者、出版社とも一切の責任を負いませんのでご了承下さい。
●本書に記載してある会社名および製品名は各社の商標および登録名です。また、本書ではTMなどは省略しています。
●本書の内容は、執筆時点の情報の基づいており、お読みになるときには変わっている可能性があります。掲載している画面は2018年3月時点のものです。

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