登録販売者は役に立つ?取得するメリット、デメリットとは?




1 はじめに−登録販売者とは?

登録販売者とは、第2類医薬品、第3類医薬品を販売することができる資格のことで、2009年の改正薬事法により新たに誕生しました。
一般に、医薬品の販売というと薬剤師をイメージすると思いますが、第2類医薬品と第3類医薬品に限れば登録販売者だけで販売することができます。

登録販売者がいれば、薬局やドラッグストアのほか、コンビニやスーパーなどでも医薬品の販売ができるため、薬剤師不足という状況の中で、登録販売者はニーズの高い資格となっています。

登録販売者っていまいち薬剤師のようにピンとこないけど本当に役に立つの?と思っている方も多いかもしれません。登録販売者の現状についてみていきましょう。

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2 登録販売者って役に立つ?

登録販売者は、第2類医薬品、第3類医薬品を販売できますが、医薬品の販売の他にお客様の身体や健康に関する相談に乗ることも多いです。
また、ドラッグストアなどで勤務する場合は、品出しやレジ打ち、また店舗管理者としての仕事をこなすなど、様々な業務を任せられることの多い仕事です。

登録販売者は、2015年の改正法により、実務試験という受験資格がなくなり誰でも受験可能になったことから受験者数が年々増加しており、今や受験者数は累計64万人を超え、合格者数は30万人を超えています。

医薬品を販売する店舗には、薬剤師または登録販売者を設置することが義務付けられています。
登録販売者が扱うことのできる第2類医薬品・第3類医薬品は、一般用医薬品全体の9割を占めるため、登録販売者でもほとんどの医薬品を販売でき、また、薬剤師よりも人件費が安いことから、登録販売者の需要は医薬品販売を行うドラッグストアなどでとても高まっています。

また、登録販売者は医薬品の専門知識を持っているため、エステサロンや医薬品に関する相談を受けやすい介護施設などでも需要が高まっています。今後さらに高齢者は増えていくため、より一層需要が高まるといえるでしょう。

このように登録販売者の需要は高く、薬剤師が不足している現在の状況のもとでは、登録販売者の資格を持っていると非常に役立つといえます。

3 登録販売者のメリットって?

登録販売者になるメリットとして、次のようなことが挙げられます。

●社会的信用がある
登録販売者の資格は公的な資格であるため、社会信用度の高いものであるといえます。

●資格が取得しやすい
医療系の資格の中では誰でも受験できかつ合格しやすいといわれている資格です。

●需要が高い
登録販売者は薬剤師不在でも医薬品の販売を行うことができ、ドラッグストアなどで高い需要があるといえるでしょう。

●就職や転職などに有利
医薬品の知識も豊富なことから介護系や製薬会社における需要も高く就職や転職、復職にとても有利であるといえます。

●自分の望む働き方に合った職場を選べる
求人募集は様々な地域や働き方があるため自分の都合に合ったものを選ぶこともできます。

●収入アップ
資格を保有していることから資格手当がつくことが多いです。また実務経験を既に積んでいる正規の登録販売者は店舗責任者担うことも可能なため収入アップを期待できるでしょう。

●独立、開業もできる
開業許可や計2年分以上の実務経験、第二類医薬品、第三類医薬品に限るというようないくつかの条件はつきますが、医薬品販売店を開業することも可能です。

こうしてみると登録販売者の資格を取得することは様々なメリットがあるといえますね。

4 登録販売者のデメリットって?

登録販売者にはメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。

●実務経験が必要
登録販売者の試験に合格した!明日から医薬品を販売できると思っているのは間違いです。
登録販売者として働くためにはなんと2年間の実務経験が必要なのです。
これは継続して2年間でなくても構いませんが、必ず登録販売者として働きたいと思っている直近5年以内でなくてはいけません。
この実務経験は資格取得前に行っても構いませんが、必ず合計1920時間以上の実務経験(ただし月単位で勤務した期間が通算2年以上)を積まなければ、正規の登録販売者として勤務することはできないのです。

これは、薬剤師と異なる点です。
薬剤師は、薬学系の大学に入学して6年間専門知識を学んだ上で、薬剤師国家試験に合格する必要があるものの、試験合格後すぐに薬剤師として勤務することができます。

●毎年研修を受けなければならない
実務経験の研修期間が終わった後も、正規の登録販売者として働き続けるためには毎年少なくとも12時間以上の外部研修に参加しなくてはなりません。

●医薬品とは関係のない仕事も多い
登録販売者はとくにドラッグストアなどで採用された場合、品出し作業やレジ打ちなど、医薬品とはあまり関係のない一般業務を任せられることも多いのです。これは人手不足によるものです。
せっかく登録販売者として医薬品に関われると思っていた人は、いざ働いた時に想像と違うということもあるみたいですね。

5 まとめ

このように、登録販売者はほとんどの一般用医薬品を販売することができるとても需要のある資格だとわかったと思います。
研修が必要であるなどのデメリットもありますが、誰でも受験でき比較的合格しやすいものであることから、資格を持っているだけでもいざとなった時とても役に立つのではないでしょうか?