2020年版 一発合格! 公認心理師対策テキスト&予想問題集




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はじめに

2017年にわが国初の心理職の国家資格である公認心理師について定めた公認心理師法が施行され、2018年に第1回公認心理師試験が実施されました。これまでに約5万3千人が受験しました。

この国家資格制度により、一定の資質を有する心の専門家が、人々の心の健康の保持増進に寄与することが望まれます。そして、今後は公認心理師試験を受験しようとする人たちがさらに増えてくるでしょう。

公認心理師試験では出題基準が定められています。その基本的な考え方としては、公認心理師としての業務を行うために必要な知識や技能の到達度の確認を狙いとしています。つまり、公認心理師試験に合格するためには、心理に関する支援者として、臨床心理学だけでなく、基礎心理学や医学、業務に関連する法制度などについての幅広い知識が必要となります。

本書は、公認心理師試験を受験するにあたって、ブループリントや現任者講習会テキスト、これまでの試験を踏まえて、まずはおさえておかなければならない内容から今後出題が予想される内容まで、紙幅の許す限り盛り込み、わかりやすく解説しています。また、章末問題や本番を想定した200題の模擬試験問題も充実させています。

そのため、受験をされる方の学力や学習の進捗状況に合わせて、さまざまな使い方が可能な一冊となっていると考えます。例えば、学習の起点として内容を精読されてもよいですし、一通りの学習のあとに問題集として使用していただいてもよいでしょう。

本書が、心の専門家を目指し、この本を手にしてくださった方への一助となれば幸いです。

心理学専門校ファイブアカデミー

心理学専門校ファイブアカデミー (著)
ナツメ社 (2020/2/13)、出典:出版社HP

目次

はじめに
公認心理師試験の概要
公認心理師試験の受験資格
効果的な勉強方法
本書の使い方

第1章 公認心理師としての職責
01公認心理師とは
02多職種連携と地域連携
03倫理
04心理職としての訓練と生涯学習
■公認心理師としての職責一問一答

第2章 基礎心理学
01心理学研究法
02心理統計の基本事項
03データ分析
04質的研究
05信頼性と妥当性

06心理学史
07感覚・知覚
08認知
09学習
10情動・動機づけ

11パーソナリティ(人格)
12脳・神経系
13社会心理学
14発達心理学
15発達理論
16定型発達と非定型発達
■基礎心理学一問一答

第3章 心理アセスメント
01心理的支援のプロセス(総論)
02インテーク面接
03心理アセスメント
04質問紙法
05その他の質問紙法

06投映法(総論)
07投映法(各論)
08描画法
09作業検査法
10知能検査(総論)

11知能検査(各論)
12乳幼児精神発達検査
13高齢者向け心理検査
14神経心理学的検査
15テスト・バッテリーと心理検査の諸問題
16面接・アセスメント結果の記録と報告
■心理アセスメント一問一答

第4章 心理的支援
01力動的心理療法
02分析心理学
03行動療法
04認知行動療法
05人間性心理学

06家族療法
07ナラティブ・セラピー
08日本で生まれた心理療法
09集団療法
10遊戯療法

11箱庭療法
12統合的心理療法
13コミュニティ心理学
14心理教育
15治療構造
■心理的支援一問一答

第5章 精神疾患とその治療
01心身機能と身体構造
02さまざまな疾病と障害
03がん、難病等に対する心理的支援
04ストレス理論
05精神疾患の診断

06主な精神症状
07知的発達症(知的障害)
08自閉スペクトラム症
09注意欠如/多動症
10限局性学習症(限局性学習障害)

11統合失調症スペクトラム障害および他の精神病障害群
12双極性障害・抑うつ障害群
13不安症群
14強迫症および関連症群(強迫性障害および関連障害群)
15心的外傷およびストレス因関連障害群

16解離症群(解離性障害群)
17身体症状症および関連症群
18摂食障害群
19睡眠-覚醒障害群
20依存症(物質関連障害および嗜癖性障害群)

21神経認知障害群
22パーソナリティ障害群
23てんかん
24向精神薬による薬理作用
■精神疾患とその治療一問一答

第6章 関係行政論
01保健医療分野
02福祉分野(児童)
03福祉分野(障害者・児)
04福祉分野(高齢者)
05教育分野
06司法・犯罪分野への支援
07産業・労働分野への支援
■関係行政論一問一答

総索引
人名索引
主な参考文献

別冊
出題傾向総論
模擬試験(1)
模擬試験(2)

心理学専門校ファイブアカデミー (著)
ナツメ社 (2020/2/13)、出典:出版社HP

公認心理師試験の概要

公認心理師試験について公認心理師の試験は、1年に1回の実施となります。出題範囲や合格基準は下のとおりです。

■出題範囲
公認心理師として備えておくべき知識および技能

■出題基準(ブループリントを含む)
出題基準の詳細については、一般財団法人日本心理研修センターのWebサイトから確認することができます。

(1)公認心理師試験出題基準とは
公認心理師試験出題基準は、公認心理師試験の範囲とレベルを項目ごとに整理したものであり、公認心理師試験委員会によって定められています。また出題基準は、全体を通じて、公認心理師としての業務を行うために必要な知識および技能の到達度を確認することに主眼が置かれています。

(2)ブループリント(公認心理師試験設計表)とは
ブループリントは、公認心理師試験出題基準のうち、大項目の出題割合を示したものです。
公認心理師試験では、ブループリントに基づいて、社会の変化にともなう”健康の保持増進に必要な分野を含めた幅広い分野から出題されます。また、や緊急性の高い分野については優先的に出題されます。

■出題方法
出題は全問マークシート方式です。出題数は150~200問程度とされていますが、これまで実施された試験では午前の部が77問、午後の部が770問の計154問が出題されました。

■合格基準合格基準は正答率60%程度以上とされています。
試験時間試験時間については合計300分程度となります。これまでの試験については次のような時間割で試験が実施されました。

<時間割>

試験時間
午前 通常受験者 10:00~12:00(120分)
弱視等受験者(1.3倍) 10:00~12:40(160分)
点字等受験者(1.5倍) 10:00~13:00(180分)

 

試験時間
午後 通常受験者 13:30~15:30(120分)
弱視等受験者(1.3倍) 13:50~16:30(160分)
点字等受験者(1.5倍) 13:50~13:50(180分)

 

■試験スケジュール
第1回は2018年9月(北海道で発生した地震による追加試験が2018年12月)、第2回は2019年8月に実施されました。今後については、第3回試験は2020年6月頃、第4回試験は2021年5月頃、第5回試験は2022年4月頃、第6回試験は2023年3月頃、第7回試験(2024年)以降は2月頃に実施される予定です。
詳しくは一般財団法人日本心理研修センターのWebサイト(http://chinri.kenshu.jp/)を参照してください。

心理学専門校ファイブアカデミー (著)
ナツメ社 (2020/2/13)、出典:出版社HP

公認心理師試験の受験資格

・資格審査の受験資格基準
公認心理師の認定試験を受けるためには、以下の受験資格基準のいずれかに該当し、かつ、これらに関する所定の必要証明資料を提出できることが条件となっています。

受験資格のポイントとしては次の2点となります。

1日本の大学で心理学に関連する科目を履修している
2大学院でも心理学に関連する科目を履修している。もしくは実務経験者である。

ただし、海外の大学・大学院で心理学を学んだ、もしくは海外で心理職の資格を取得した方に限り、一定の条件のもと受験資格が認定される場合があります。詳しくは、厚生労働省のWebサイトより確認することができます。

・大学・大学院での履修科目
公認心理師試験を受験するために必要とされる大学・大学院での履修科目については、学校への入学が「公認心理師法」が施行された以前か以降かによって方容が変わるため注意が必要です。詳しくは厚生労働省Webサイトより確認することができます。

心理学専門校ファイブアカデミー (著)
ナツメ社 (2020/2/13)、出典:出版社HP

効果的な勉強方法

1.過去問題の攻略
試験勉強では、過去問題は非常に重要です。資格試験では、過去に出題された問題と類似した問題がくり返し出題されることが多くみられます。このことから、問題作成者が、過去問題を参照しながら問題を作成していることは明らかです。そこから、受験者が効率よく勉強を進めるには、過去問題に基づくのがよいといえます。また、よく「過去問題を見ると、公表されている正解に間違いがある気がする」という声もよく聞きます。ですが、あるひとつの事柄について、心理学のテキストを何冊か読んでみると、さまざまな観点からさまざまな見解や表現方法があるということがわかります。事例問題についても、状況に合わせてこの方法しかないということは少ないかもしれません。

つまり、「正解はこれしかない」ということがいえないような問題がどうしても出てくることも念頭に置いておく必要があります。その上で、過去問題の正解は正解として、そのまま覚えておくことも大切です。
しかし、公認心理師試験については、現段階では過去問題に固執し過ぎることは避けたほうが賢明といえます。実施回数が少ないため、これまでの出題内容と註験結果を踏まえて、今後の出題内容が大幅に変わる可能性もあるといえるからです。これまでの出題傾向と違っても対応できるよう、幅広い範囲を学習しておくようにしましょう。

2.勉強プランの作成
おそらくほとんどの受験生が、日々の仕事を抱えながら勉強をされていることでしょう。その上で効率よく勉強を進めるためには、まず勉強のプランをきちんと立てることをおすすめします。

ここで大切なのは、決して無理なプランを立てないこと、プラン通りに進まないことも多いため適宜見直す必要が出てくることを理解しておくことです。さらに、日々の仕事や自己研鑽を大切にしましょう。それが、有形無形に試験に役立ってくることは言うまでもありません。また、勉強を進めると、スランプに陥ることがあります。プランをからそれを踏まえ、余裕をもって勉強を進めましょう。例えば、ある事柄の確認にまるまる3時間費やしたにもかかわらず調べ切れなかったとします。気をつけるべきことは、そのことで自分を責めないことです。その3時間の間、付随的にその周辺事項の知識などは獲得され、無駄ではなかったのだと考えることが、マイナス思考の負のスパイラルに陥ることを防ぐ手立ての一つになります。

3.暗記と反復
わからないことはそのつど調べ、反復するのが試験勉強です。それはどのような勉強方法を採用しても変わりません。それを億劫と感じていては、合格は厳しいものになるでしょう。試験合格のためには、満点を取る必要はありません。例えば、ある事柄について調べたとします。本書を含む、試験のための標準的な概論書やインターネットなどで一通り調べても調べ切れない事柄については、それ以上深入りしないという考え方も必要でしょう。苦手な分野がある場合、とにかく丸暗記しておけば使えることがらは最低限覚えておきましょう。それは、本書でいうとき重要マークの付いたところに当たります。

暗記のポイントとしては、書く、音読する、語呂合わせなど、一般に流布している受験の勉強方法を使うこともできます。また、1度で覚えられなければ3度、3度で覚えられなければ10度くり返してください。試験勉強の基本は、「反復すること」に尽きます。さらに、記憶を定着させるよい方法としては、人に説明すること、教えることです。人にわかりやすく説明できるということは、その内容がしっかりと理解され、整理されていることを意味します。整理された記憶は、忘れづらく、しっかりと定着しています。また、人に教えているときに「うまく説明できない」、「まだ十分に理解できていない」などと気づくことができます。つまり、人に説明することは、しっかり覚えているかの確認にもなるのです。試験勉強は「反復すること」がすべてです。

心理学専門校ファイブアカデミー (著)
ナツメ社 (2020/2/13)、出典:出版社HP