公認心理師試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




公認心理師試験の概要

公認心理師とは、保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働などの幅広い分野において、心理学に関する専門的知識と技術を用いて、要支援者の心理状態を観察・分析し、相談、助言、援助、関係者支援、心の健康に関する教育や情報提供などを行う国家資格です。

現在の受験ルートは、大学と大学院で必要科目を履修するルート、大学で必要科目を履修したうえで認定施設において実務経験を積むルート、外国大学等の履修歴に基づいて認定を受けるルート、さらに経過措置に対応する区分などに整理されています。かつて大きな比重を占めた現任者向け区分Gはすでに終了しているため、古い解説だけで判断せず、必ず公式の受験の手引と制度案内を確認しながら学習を進めることが大切です。

また、公認心理師試験は単に心理学の知識だけを問う試験ではなく、法制度、倫理、多職種連携、心理的アセスメント、支援技法、各領域での実践的な理解まで幅広く扱われます。そのため、テキスト選びでは「制度理解」「全体像の把握」「問題演習」の三つを分けて考えると、学習の効率が上がりやすくなります。

最新の受験情報として押さえておきたいポイント

いま公認心理師を目指す方にとって重要なのは、受験資格区分の見極めを最初に済ませることです。自分が大学院ルートに当たるのか、大学卒業後の実務ルートに当たるのか、あるいは経過措置に関わる区分なのかによって、必要書類も確認すべき証明様式も大きく変わります。

特に、大学で修めた科目の扱い、大学院での履修証明、認定施設での実務経験の証明、外国大学等の認定審査の有無などは、自己判断で誤りやすい部分です。ブログ記事やSNSの要約だけではなく、公式資料を軸にしながら、必要に応じて大学や試験研修センターへ確認する姿勢が重要です。

さらに、試験対策では「新しい情報を追うこと」と「基礎を固めること」の両立が必要です。制度や申込区分は更新が入りやすい一方で、心理学の基礎理論、倫理、アセスメント、心理支援の枠組みは反復学習が非常に有効です。したがって、最新情報は公式、基礎固めは定番書、得点力の強化は問題集、というふうに役割分担して学ぶのがおすすめです。

公認心理師現認者講習会テキスト[改訂版]

序文

社会の変容と課題の複雑化に伴って、保健医療、福祉、教育などあらゆる領域で、的確な心理的支援の必要性はますます高まっています。公認心理師制度は、こうした社会的要請を背景に整備され、心理支援を専門職として社会の中で位置づける重要な基盤となりました。

本書は、もともと現任者講習会の学習内容と深く関係するテキストとして編まれていますが、現在では現任者区分そのものの役割が変化したあとも、制度理解、法制度、倫理、多職種連携、主要五分野の整理を一冊で俯瞰しやすい資料として価値があります。特に、心理職として必要となる土台を広く見渡したい方、これまでの実務経験を公認心理師の枠組みで再整理したい方にとって、読み応えのある構成です。

試験対策という観点でも、本書の強みは単なる暗記のための参考書ではなく、制度・支援・アセスメント・連携をつなげて理解しやすいことにあります。出題範囲の一部だけを深掘りするのではなく、公認心理師に求められる全体像をつかみたい人に向いています。

本書で扱われる内容は、公認心理師の職責、主な分野に関する制度、主な分野に関する課題と事例検討、精神医学を含む医学に関する知識、心理的アセスメント、心理支援、評価・振り返りなど、多岐にわたります。保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働という主要分野を横断して確認できるため、特定領域に偏りがちな学習を立て直すときにも役立ちます。

現在の受験制度そのものは当初とは変化していますが、心理職として理解しておきたい基礎的な考え方や実務的な視点は今も十分に通用します。特に、複数領域にまたがる出題に対応したい方や、心理職の実践像を広く整理したい方には、手元に置いて読み返す価値のある一冊です。

一般財団法人 日本心理研修センター (監修)
出版社: 金剛出版、出典:出版社HP

本書の読み方・使い方

本書は、制度の立ち上がり期から公認心理師に求められる知識と実践を整理してきたテキストです。現在の受験制度とは必ずしも一対一で対応しない部分があるものの、公認心理師として何を理解しておくべきか、どの領域にどのような視点で向き合うべきかをまとめて確認しやすい構成になっています。

特に、公認心理師は特定の領域だけで完結する資格ではありません。保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働のそれぞれに制度、法規、関係機関、支援の枠組みがあり、現場で連携していくうえでは、自分の専門領域以外への理解も欠かせません。その意味で、本書は「自分の専門外を埋める参考書」としても有用です。

また、精神医学、心理的アセスメント、心理支援、基礎心理学といった出題上重要な柱がまとまっているため、学習の初期に全体像をつかむためにも役立ちます。最初から細かい暗記に入るのではなく、本書のような総覧型のテキストで地図を作ってから、問題集や分野別テキストへ進むと理解の定着が進みやすくなります。

章末の整理や見出しの切り方も、試験勉強の観点では使いやすいポイントです。苦手領域の洗い出し、学習計画の立て直し、支援技法や法制度の復習など、繰り返し使える一冊として活用しやすいでしょう。

一般財団法人 日本心理研修センター (監修)
出版社: 金剛出版、出典:出版社HP

目次

序文
本書の読み方・使い方

Ⅰ 公認心理師の職責
1 公認心理師の役割(公認心理師法からみて)
2 多職種連携および地域連携
3 公認心理師の法的義務および倫理
4 心理に関する支援を要する者等の安全の確保
5 情報の適切な取扱い
6 自己課題発見・解決能力

Ⅱ 関係行政論
保健医療
福祉
教育
司法・犯罪
産業・労働

Ⅲ 精神医学を含む医学
1 心身機能と身体構造および様々な疾病や障害
2 がん・難病等の心理に関する支援が必要な主な疾病
3 精神疾患総論
4 向精神薬をはじめとする薬剤による心身の変化
5 医療機関との連携

Ⅳ 心理的アセスメントと支援
心理的アセスメント
支援

Ⅴ 基礎心理学
1 実証的研究法と統計
2 知覚
3 認知
4 学習・言語
5 感情・人格
6 脳・神経
7 社会・集団・家族
8 発達・障害者(児)

付録
公認心理師法
公認心理師法施行規則(抄)
公認心理師カリキュラム等検討会報告書(抄)
公認心理師資格取得方法について
公認心理師試験出題基準
公認心理師試験問題

制度理解、法制度、五分野、医学、アセスメント、支援、基礎心理学までをひととおり見渡したい人にとって、この目次構成そのものが学習の地図になります。独学でも、大学院の講義と並行してでも、現在地の確認に向いたテキストです。

一般財団法人 日本心理研修センター (監修)
出版社: 金剛出版、出典:出版社HP

あたらしいこころの国家資格「公認心理師」になるには

メッセージ

公認心理師制度の成立は、日本の心理業界にとって大きな転換点でした。民間資格中心で語られてきた心理職の世界に、国家資格という共通基盤ができたことで、教育、医療、福祉、司法、産業の各領域で、心理職の役割をより明確に考える流れが強まりました。

本書の魅力は、単なる試験対策書ではなく、「心理職とは何か」「公認心理師はどのような資格なのか」「進学や進路をどう考えればよいのか」を初学者にも伝えようとしている点です。制度の背景を知りたい人、進路選択の全体像をつかみたい人、心理職の世界を俯瞰して理解したい人に向いています。

現在は制度開始直後の頃よりも情報が整理され、受験区分や公式資料も充実してきました。その一方で、古い情報がネット上に残り続けているため、制度史を学ぶ本と、実際の受験手続を確認する資料を分けて使う必要があります。本書は前者として特に読みやすく、心理職の世界に入る入口として今でも価値があります。

心理学を専門にしていきたい人にとって、公認心理師制度は進路設計そのものに関わります。大学で何を学ぶか、大学院へ進むか、どのような実習や履修が必要か、将来どの領域で働きたいのかといった点は、資格制度と密接に結びついています。そのため、早い段階で制度の全体像をつかんでおくことには大きな意味があります。

また、心理職を目指す人だけでなく、すでに臨床や相談支援の現場にいる人が、自分のキャリアを整理し直すための読み物としても使いやすい一冊です。公認心理師と他資格との位置づけ、心理職の仕事の広がり、各領域の特徴などを概観するのに向いています。

国際心理支援協会 (著)
出版社: 秀和システム、出典:出版社HP

はじめに

公認心理師制度を理解するうえで大切なのは、単に「国家資格になった」という事実だけではありません。なぜ心理職に国家資格が求められたのか、既存の民間資格とどう違うのか、どのような職責が期待されているのかを合わせて理解することで、はじめて制度の意味が見えてきます。

これまで心理職の世界では、臨床心理士をはじめとする民間資格が大きな役割を果たしてきました。その蓄積があったからこそ、公認心理師制度も現場との接続を持ちながら整備されてきたといえます。本書は、その流れを背景から説明してくれるため、「試験勉強のためだけではない読み物」としても魅力があります。

また、公認心理師には法に基づく責務や、医療場面での連携、多職種協働、倫理、情報の取扱いなど、現場に直結するテーマが多くあります。制度史の理解は一見すると遠回りに見えますが、実際には法や役割の出題を理解する近道にもなります。制度の成り立ちを知っていると、単語の暗記ではなく、なぜそのルールがあるのかという視点で学べるからです。

ただし、実際の受験区分や必要書類、申込手続、公式の注意事項は必ず最新の手引で確認する必要があります。本書は制度理解とキャリア理解の入口として非常に有用であり、現在でも読み返す価値がありますが、手続面の最終確認は公式資料で行うのが安全です。

国際心理支援協会 (著)
出版社: 秀和システム、出典:出版社HP

目次

メッセージ
はじめに

第1章 こころの国家資格「公認心理師」とは
1. 公認心理師の概要
2. 受験資格の経過措置について
3. 受験資格
4. 社会人が公認心理師を取得することについて
5. 公認心理師を取らずに、臨床心理士のみでも仕事をしていけるか

第2章 臨床心理士と公認心理師
1. 臨床心理士の認定について
2. 臨床心理士と公認心理師の違い

第3章 公認心理師になるまでの道のり
1. 現在、小中高校生の方
2. 現在、大学生(心理学部や心理学科、心理学専攻)の方
3. 現在、大学生(心理学以外の専門の学部・学科・専攻)の方
4. 現在、心理系の大学院生の方
5. 大学学部や大学院をすでに卒業・修了している方
6. 心理支援に関する業務を行ってきた方
7. これから公認心理師を目指す人のための道のり

第4章 心理職のしごと
第5章 心理職の働く領域
第6章 日本の心理学・カウンセリングに関する資格
第7章 海外の心理学・カウンセリングに関する資格や状況
第8章 現役心理士インタビュー
第9章 公認心理師試験出題傾向分析

参考資料
公認心理師法
臨床心理士関連学会一覧
指定大学院関連情報
公認心理師養成大学院一覧
公認心理師試験の手引き抜粋
公認心理師試験出題基準ブループリント
公認心理師の受験資格、公認心理師現任者講習会に関するQ&A
公認心理師現任者講習会について
公認心理師現任者講習会実施主体一覧

この本は、学習参考書であると同時に、進路案内書としても読みやすいのが魅力です。制度を知る、心理職を知る、自分のこれからを考える、という三つの用途を一冊で満たしやすい構成です。

国際心理支援協会 (著)
出版社: 秀和システム、出典:出版社HP

公認心理師必携テキスト 改訂第2版

網羅性を重視して一冊を選ぶなら、まず候補に入れたいのがこのタイプの総合テキストです。基礎心理学から臨床、法制度、各領域の支援、実践的な論点まで広く確認したい人に向いています。特に、分野横断で出題されやすい公認心理師試験では、全体を一周できる本が一冊あると学習の軸がぶれにくくなります。

講義の復習用にも独学用にも使いやすく、インプット中心の時期に活躍しやすい一冊です。まずは全体像を把握し、苦手分野を見つけ、そのあと問題演習へ移る流れを作るのに向いています。

福島 哲夫 (編集), 尾久 裕紀 (編集), 山蔦 圭輔 (編集), 望月 聡 (編集), 本田 周二 (編集)
出版社: 学研プラス、出典:出版社HP

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一発合格! 公認心理師対策テキスト&予想問題集

知識の整理と問題演習を一冊で進めたい人に向いているタイプです。インプットだけでは得点につながりにくいと感じる人や、学習した内容をすぐ問題で確認したい人にとって使いやすい構成です。総合テキストで全体をつかんだあと、得点感覚を養う二冊目として相性がよいでしょう。

公認心理師試験は、単純な一問一答だけでは対応しづらい問題も多いため、本文で整理しながら演習へつなげられる本は実戦的です。特に、時間の限られた社会人受験生には、知識確認と問題慣れを同時に進めやすい点が魅力です。

心理学専門校ファイブアカデミー (著)
出版社: ナツメ社、出典:出版社HP

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忙しい人のための公認心理師試験対策問題集 (上巻)

短時間で演習量を確保したい人に向いているのが、問題集中心の構成です。まとまった読書時間が取りにくい人でも、スキマ時間に問題を解いて知識を点検しやすいのが強みです。上巻は、学習の前半で取り組みやすい基礎固めと、出題範囲の広さに慣れる目的で活用しやすい一冊です。

特に、総合テキストを読んだあとに「理解したつもり」で止まらないためには、こうした問題集でアウトプットを増やすことが重要です。分野ごとの得意不得意を見つけるのにも役立ちます。

青山 有希 (著), 喜田 智也 (著), 小湊 真衣 (著)
出版社: 明誠書林、出典:出版社HP

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忙しい人のための公認心理師試験対策問題集 (下巻)

上巻とあわせて使うことで、演習の総量をしっかり確保しやすくなります。下巻は、知識の抜け漏れを確認しながら、本番形式の思考に近づけていくための仕上げに向いています。短期間で反復したい人、問題を通して覚えるタイプの人に相性がよいでしょう。

公認心理師試験では、領域横断の視点や事例への応用が問われるため、単に答えを覚えるのではなく、「なぜその選択肢になるのか」を考えながら解くことが重要です。問題集は解説の読み方次第で、知識定着にも弱点補強にもつながります。

青山 有希 (著), 喜田 智也 (著), 小湊 真衣 (著)
出版社: 明誠書林、出典:出版社HP

【忙しい人のための公認心理師試験対策問題集 (下巻)】の中身も確認する

テキスト選びで失敗しないための考え方

公認心理師試験の参考書選びで大切なのは、「どの本が一番よいか」よりも「どの役割の本を手元に置くか」です。最初の一冊は制度理解と全体像の把握、二冊目は知識の整理、三冊目は問題演習と仕上げ、というように役割を分けて考えると、学習がかなり安定します。

たとえば、制度や進路の理解には読み物型の本、出題範囲の網羅には総合テキスト、演習量の確保には問題集という組み合わせが相性のよい形です。すべてを一冊で済ませようとすると、どこかが浅くなりやすいため、自分の現在地に合わせて本を使い分けるのが効果的です。

また、制度開始初期の本には現在と異なる区分や古い説明が残っていることがあります。そのため、制度の背景や考え方を学ぶ目的では十分役立つ一方で、受験申込区分や必要書類、申込方法、プログラム施設などは、必ず最新の公式資料で確認する必要があります。この使い分けができると、古い本も十分に活かせます。

独学で学ぶ人におすすめの進め方

独学の場合、最初から問題集だけで進めると、理解の土台がないまま選択肢を覚えてしまいがちです。まずは総合テキストや制度解説本で全体像をつかみ、そのあと問題演習へ進み、間違えた部分をテキストへ戻って確認するという往復型の学習が向いています。

特に、公認心理師試験では、基礎心理学だけでなく、法制度、倫理、支援の流れ、医学的知識、多職種連携、各領域の実践まで出題範囲が広いため、「読んでわかった」と「解ける」は別物になりやすいです。知識の定着には、読む、要点をまとめる、問題を解く、解説を読む、再度テキストへ戻る、という反復が重要です。

社会人受験生で時間が限られる場合は、平日は短時間で問題演習、休日にまとまった時間で制度整理や苦手領域の復習を行う方法が現実的です。通勤時間や移動時間に一問ずつ確認できる問題集は、忙しい人ほど相性がよいでしょう。

公式情報の確認先も必ず押さえておきたい

どれだけよい参考書を使っていても、受験資格や手続に関する最終確認は公式資料で行う必要があります。特に、受験区分、証明書様式、見込受験の扱い、受験上の配慮、認定施設、外国大学等の認定審査などは、手引や制度案内を直接確認するのが安全です。

これから受験を考える人は、参考書を選ぶのと同じくらい、公式資料を見る習慣をつけておくのがおすすめです。制度の理解と試験対策を分けて考えられるようになると、情報に振り回されにくくなり、学習の迷いも減っていきます。

まとめ

公認心理師試験の学習では、最新の制度情報を確認しながら、基礎・制度・実践・演習の四つをバランスよく積み上げることが重要です。今回紹介した本は、それぞれ役割が異なります。制度理解を深めたいなら読み物型、全体を整理したいなら総合テキスト、得点力を上げたいなら問題集、というふうに組み合わせると使いやすくなります。

また、初期の制度解説本や現任者講習会系のテキストも、現在の制度と完全一致しないから不要というわけではありません。むしろ、法制度や公認心理師の職責、各領域を横断した理解、心理職の成り立ちを学ぶには今でも価値があります。そこに最新の公式情報を重ねていくことで、学習の精度はさらに高まります。

これから学習を始める方も、すでに勉強を進めている方も、まずは自分の受験区分と現在地を確認し、そのうえで必要な一冊を選んでいくのがおすすめです。焦って手を広げすぎるより、役割の異なる本を少数精鋭で使い込む方が、結果的に理解も得点も伸びやすくなります。




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