ゼロからスタート! 馬淵敦士のケアマネ1冊目の教科書 (KADOKAWA「1冊目の教科書」シリーズ)




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本書の特徴

① 必修ポイントが、マスターできる
プロ講師が試験のツボを伝授。だから確実に合格に近づける!

② 10時間でざっと学べる
出るところだけを厳選して解説。時間がない人も学べる構成です。

③ 人気講義を再現
左ページに解説、右ページに図・イラストの講義スタイルでわかりやすい!

④ 全ページオールカラー
見やすさ抜群。初学者の試験勉強に最適です。

指導実績トップクラスの馬淵講師が合格をナビゲート!

介護支援専門員試験講師
馬淵敦士(まぶち,あつし)
ベストウェイケアアカデミー学校長。「かいごの学校 ベストウェイケアアカデミー」を設立し、大阪府豊中市を中心に介護人材の育成を行っている。介護系受験対策に精通し、介護福祉士・ケアマネジャー(以下、ケアマネ)受験対策講座を各地で開催。全国合格率を大幅に上回る実績を残している。

STEP1 馬淵講師のここがすごい!
① 講師歴12年・指導実績1千人超で合格者を多数輩出!
ケアマネ講座の講師歴は12年で、自社講座・外部セミナーの指導実績は1千人を超えています。また、親身な指導でわかりやすいと支持を得ています。

② 定番の過去問集を毎年執筆。合格ポイントを熟知
受験者の多くが使用する過去問解説集を毎年執筆。合格ポイントを完全に把握しており、忙しい社会人からも効率的な指導法だと好評です。

受講者の声
・ポイントを絞った解説で試験に出るところがよくわかった
・勉強が苦手でもわかりやすく伝えてくれた
・活きた講義であっという間に時間が過ぎた
・介護経験がなくても介護支援分野がよくわかった
・学習のフォローが万全で親切だった

STEP2 合格への確実な一歩が踏み出せる
ケアマネ試験の範囲はそれほど広くありません。しかし、その分専門知識を正確に理解し、定着させなければなかなか得点はとれません。近年は合格率も低下傾向にあり、単に用語を覚えているだけでなく、解答の根拠を自分で考えられる必要があります。本書は徹底した過去問分析から試験の「出るところ・出たところ」を丁寧に解説しています。問題演習の際に必要な「解く力」がみるみる身に付きます。

STEP3 最短ルートの学習法を示します
その1 実際の講義をベースに出るところを凝縮!
人気講義を忠実に再現。頻出ポイントを押さえたムダのない解説により、最短で基礎知識の習得ができます。

その2 重要事項は図表で整理。記憶に定着しやすい
ケアマネ試験は暗記項目が多いため、「覚えるべきところ」と「覚えなくてもよいところ」のメリハリをつけて暗記することが肝心です。整理されたポイントを図表で何度も見返すことで、知識の定着が図れます。

その3 10時間で読み切れる見開き構成
ケアマネ合格に必要な基礎知識を1冊に凝縮。1項目見開きで左にポイントを押さえたわかりやすい解説、右に理解しやすい図やイラスト満載でどんどん読み進められます。

ケアマネ合格を実現!
馬淵講師の合格メソッドを誌面で再現

はじめに

はじめまして。大阪にある介護系資格に特化した学校「ベストウェイケアアカデミー」で介護支援専門員(ケアマネージャー。以下、「ケアマネ」)の受験対策講座の講師をしている馬淵敦士といいます。ケアマネは、高齢者がイキイキと自立した生活を送っていくために、支援の専門家として、在宅・施設を問わず必要とされる資格です。大変な仕事ではありますが、やりがいのある仕事でもあります。

しかしながら、2018年の受験資格の厳格化により、受験者数が大幅に減少しました。医療や介護の業界においても、「ケアマネはもう足りているのではないか」「回はこれ以上、ケアマネを必要としていないのではないか」などという声も多く聞くようになりました。一方で、「2025年問題」という言葉も出現しています。団塊の世代が75歳以上となるこの年、4人に1人が後期高齢者となり、日本社会はさまざまな分野で大きな変化を余儀なくされることを指します。そうした超高齢社会の中で介護に関わる専門家として、ケアマネのニーズは依然として高いといえます。

受験者数の減少や合格率の低下は、あなたにとって大きな葉になるかもしれません。しかし、その壁は乗り越えられないものでは決してありません。この本を使ってしっかり基礎固めの学習を進めることで、効果的・効率的に合格点がとれる学習法が身につくでしょう。そして、晴れてケアマネとして、一人でも多くの高齢者が活力を持って生活できる社会を構築していく役割を担う一人として、その力を思う存分に発揮していってください。この本を活用して、ぜひ「合格」を手に入れましょう!

ベストウェイケアアカデミー 代表 馬淵 敦士

試験にチャレンジしてみよう

① ケアマネ試験の概要
ケアマネ試験は「実務研修」の受講資格を得るためのもの

ケアマネになるには、ケアマネ試験に合格する必要がありますが、じつは合格するだけではケアマネを名乗ることはできません。ケアマネ試験の正式名称は、介護支援専門員実務研修受講試験(以下、「ケアマネ試験」)といいます。ケアマネになるためには、試験に合格するだけでなく、介護支援専門員実務研修(以下、「実務研修」)を修了しなければならないのです。つまり、ケアマネ試験は、実務研修受講の権利を得るためのものという位置づけです。また、ケアマネ試験を受験するには、受験資格として次のように一定の実務経験が必要となっています。

受験資格
① 医療、保健、福祉の法定資格の保有者(介護福祉士、看護師、理学療法士、作業療法士、保健師など)で、登録してからその業務に5年以上かつ900日以上従事している者

② 規定された医療、保健、福祉の施設等で、次の相談援助業務に従事した期間が、5年以上かつ900日以上ある者
1) 生活相談員
2) 支援相談員
3) 相談支援専門員
4) 主任相談支援員

ケアマネの登録には、5年間の有効期限あり!
ケアマネ試験に合格し、さらに実務研修を受講して修了すると、修了証が交付されます。「長い道のりも、これでようやく終わり」と思いきや、もう1つ行わなければならないことがあります。それは、これから従事する勤務先が所在する都道府県に登録することです。

これはケアマネとして仕事をするうえで必須です。それにより都道府県から介護支援専門員証が交付され、晴れてケアマネ業務に就くことができるのです。ただし、ケアマネの登録には、5年間の有効期間があります。5年後も引き続きケアマネとして従事する場合は、更新研修を受講する必要があります。

介護支援・保健医療・福祉サービスの分野から60問が出題
ここからは、肝心の試験内容について見ていきましょう。試験は、毎年1回、10月に行われます。各都道府県の指定する大学等が試験会場となります。実施要綱の交付や願書提出時期は都道府県によって異なりますので、提出遅れのないようにしましょう。

試験時間は120分(午前10時~12時)です。出題される分野ですが、合計60問のうち、介護支援分野25問・保健医療分野20問・福祉サービス分野15問となっています。問題内容は全国同じです(ただし、解答用紙の形式等は各都道府県で異なる場合があります)。出題形式は五肢複択方式で、5つの選択肢より正しいもの・適切なものを2つないし3つ選択します。すべてを正解しなければ得点になりません。

「正答率70%」が合格の目安
合否の判定方法ですが、2つに分けて(介護支援分野25問と保健医療・福祉サービス分野35問)それぞれの合格点が示され、両方の合格点を上回われば合格となります。たとえば、介護支援分野で15点、保健医療・福祉サービス分野で23点という合格点が示された場合、介護支援分野で満点の25点をとれたとしても、保健医療・福祉サービス分野を合わせて22点しかとれなければ、不合格となってしまいます。

気になる合格基準ですが、各年度によって異なります。つまり、「○点とれば合格」といういわゆる絶対基準がないのです。そのため試験後は毎年やきもきしてしまうのですが、近年の合格点を検証してみると、「正答率70%」が基準とされているようです。ということは、介護支援分野で18点、保健医療・福祉サービス分野で25点が合格の目安となります。

過去3年の合格基準点

分野 第19回 第20回 第21回
介護支援分野 13点/25点 15点/25点 13点/25点
保健医療・福祉サービス分野 22点/35点 23点/35点 22点/35点

 

ちなみに、ケアマネ試験の合格率は近年低下傾向にあります。第21回(2018年度)試験は全国平均10.1%でした。ただし、これは制度変更によるもので、試験問題が極端に難しくなったわけではないようです。そのため、合格率10%台の試験であっても合格できるチャンスは十分あります。

受験者数・合格者数・合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
第16回(2013年度) 14万4,397人 2万2,331人 15.50%
第17回(2014年度) 17万4,974人 3万3,539人 19.20%
第18回(2015年度) 13万4,539人 2万0,924人 15.60%
第19回(2016年度) 12万4,585人 1万6,281人 13.10%
第20回(2017年度) 13万1,560人 2万8,233人 21.50%
第21回(2018年度) 4万9,333人 4,990人 10.10%

※第22日以降は時生労働省のウェブサイトにてご確認ください。

合格したら実務研修の申込手続きへ
合格発表は11月下旬~12月上旬です。各都道府県の試験実施団体のウェブサイト等で公表されます。各都道府県によって発表時刻が異なりますが、合格基準は全国どこでも同じですので、ほかの都道府県の発表が早ければそのウェブサイトで確認してもよいでしょう。

また、同時に受験者には書類等が送られます(発表当日に届く都道府県もあれば、発表日に投函する都道府県もあるようです)。合格者はその後、実務研修に進んでいきますので、書類を確認して申込等の手続きを忘れないようにしましょう。

② 効果的な学習プランの立て方
ケアマネ試験は毎年10月に実施されますが、難関試験で一発合格を目指すには、使用教材の選定や無理のない学習スケジュールを立てることが必要です。ここでは、効果的に学習ができる教材や目安となるスケジュールをご紹介します。

ケアマネのおすすめ教材
学習では、国が示しているケアマネ試験の出題範囲に準拠している「[八訂]介護支援専門員基本テキスト』(一般財団法人 長寿社会開発センター)が基本書となりますが、独学者では一人で読み進めていくのが難しいため、より試験対策を意識した書籍で学習するほうが効率的です。以下におすすめの材をあげていますので、教材選びの参考にしてください。

① 入門書(本書)
まずは本書を通読してケアマネ試験の全体像と基礎用語を把握しましょう。以降の学習が効率的に進みます。直前対策のまとめとしても使えます。

② テキスト
「ケアマネジャー試験 ワークブック」(中央法規出版)
出題範囲について、豊富な図表を使用し、平易な解説でまとめた受験参考

③ 過去問集
「ケアマネジャー試験 過去問解説集」(中央法規出版)
私が毎年解説を執筆している過去問集です。過去5年分を収録しており、過去問はこの1冊を解けば十分でしょう。また、一部の問題には「解き方のテクニック」という5代から正解を絞るためのヒントも付けていますので、参考にしてください。

④ セミナー
中央法規出版が毎年ケアマネ受験対策セミナーを開講しています。私は直前対策セミナーを担当しており、東京と大阪で2日間の日程で行っています。合格に必須のポイントが短期間で学べますので、お近くの方は参加してみるとよいでしょう。ぜひ会場でお会いしましょう。

⑤ 動画による講座
いまはYouTubeなどでケアマネの受験情報が公開されています。私も以前から試験対策動画をアップしていますので、苦手な分野がある場合は動画で学習すると理解の助けになるでしょう(https://www.youtube.com/channel/UCHNjhx8jEwkA.JGcioxl6UeQ/videos)。
また、ベストウェイケアアカデミーでもDVD講座を提供しています。

学習スケジュール
ケアマネ試験の学習期間は約7カ月強が平均のようです。受験者は仕事をしながらの学習となるのがほとんどだと思います。スキマ学習や完璧を目指さない学習法で効率的に合格に必要な知識を獲得するようにしましょう。

ケアマネの標準的な学習スケジュール

準備期間 3月 まずは仕事の状況などに照らして無理のない学習スケジュールを立てることから始めましょう。また、本書を使ってざっと基礎固めを行うとよいでしょう。
テキスト中心の学習期間 4月 テキストを使用して試験範囲を学んでいきます。理解が浅い分野については、ウェブなどで調べたり、問題集を解いてみたりするのもおすすめです。
5月
6月
演習中心の学習期間 7月 過去問集を使って、テキストで学んできた知識の定着を図ります。テキストと問題集を往復することで確実に得点力をアップさせましょう。
8月
直前期 9月 知識定着の総ざらいのために直前対策セミナーを受講したり、実力確認のために模擬試験を受けるとよいでしょう。
試験本番 10月 今まで学習してきた実力を発揮できるよう体調管理に注意しましょう。

 

③ 10数年の指導から編み出した究極の学習法
合格者続出の5つの学習法

ここからは、ケアマネ試験に受かるための具体的な学習法について述べていきます。これから紹介するのは、私が過去10数年の指導から編み出した究極の学習法といえるものです。ちなみに、私は基本的に「勉強」という言葉を使いません。「勉強」というと、強制されている感じがするため、いいイメージが持てないからです。一方、「学習」は「自ら学び習う」という意味ですから、そうした姿勢で学び続けてほしいという思いで「学習法」という言葉を使っています。では、さっそくその学習法を紹介していきましょう。

学習法① 「10分間学習法」を毎日の習慣にする
私は2007年(平成19年)からケアマネ受験者を指導していますが、合格者のみなさんから必ず聞くのは、「毎日、学習しました」という言葉です。「継続は力なり」はやはりウソではありませんね。

ただ、「毎日1時間、机に向かいましょう」と言われても、なかなか簡単ではないでしょう。そこで私は受験者に、「毎日10分間、ケアマネの学習に触れてください」とアドバイスしています。「学習する」のではなく、「触れる」というのがポイントです。この「触れる」とはどういうことかというと、ケアマネテキストを、「持ち歩く・開く・目を通す」の3つです。受験者のみなさんからは、「えっ?それだけでいいの?」とビックリされますが、それだけでいいのです。でも、毎日続けてください。

テキストを持ち歩いているだけで、意識がそこに向きます。開いて目を通すだけでも脳にインプットされます。これだけでつねに「ケアマネ試験」のことを意識することができるのです。

人間はたくさんのことを覚えることができる一方、忘れることもできます。なにせ目に入ったものすべてが脳に残ってしまえば、脳はいっぱいになってしまい、必要なときに必要な情報を取り出すことができなくなります。そこで人間には、「不必要な情報」を一瞬で忘れる能力と、「必要な情報」を脳に残す能力の両方が備わっているのです。そして、毎日毎日繰り返しテキストを見ていれば、「これは重要な情報である」と脳が認識し、その情報は脳に残りやすくなります。だからこそ、「毎日触れる」が大事なのです。

学習法② 就寝時&起床時に5分間テキストを見る
ここで「触れ方」の具体的な方法を紹介します。それは、「寝る前5分間、本書を見ながら眠りにつき、起きて5分間、本書を見る」です。

学習スタート当初は「何を書いてあるかがさっぱりわからない」とだんだん眠くなってしまうこともあるでしょう。そのときは迷わず寝てOKです。そして目覚めたら枕元のテキストを手にとり、昨夜目を通した箇所を再度見ます。この夜と朝の合計10分間の「触れる」を毎日繰り返すのです。

これを毎日繰り返していると、「もっと知りたい」と、テキストの関連部分を「読みたく」なってきます。そうなれば、テキストを読む時間が自然と増えていきます。さらに、「過去問も解いてみようかな」という気持ちも出てくるはずです。こうした、「毎日10分」が、「小さな階段」(スモールステップ)ではありますが、確実に力がついていく「階段」となってくれるのです。

学習法③ 「問題演習」の繰り返しでアウトプット力を鍛える。
スモールステップである程度知識がついても、残念ながら過去問が解けるようになるわけではありません。「テキストを覚える」と「問題を解く」は、そもそも別物だからです。「テキストを覚える」というのは、これは「インプット」です。一方、「問題を解く」はアウトプットです。

インプットは、「運動」でいえば「筋トレ」です。筋トレだけをやっていても、たとえば、野球の試合でヒットやホームランを打つのは難しいでしょう。打てるようになるには、やはりバッティング練習が必要です。つまり、問題を解けるようになるには、問題を実際に解く練習(トレーニング)が必要なのです。それが、「問題演習」です。

ただし、合格するレベルにまで持っていくには、これでは不十分です。たとえば、野球でも、ただストレートだけを打てるようになっても活躍できませんよね。時には変化球を打つ練習もしなければなりません。つまり、トレーニングのバリエーションを増やしていく必要があります。試験の学習法においてその部分に当たるのが、直前期に行う「過去問」と「模擬問題集」の活用です。

学習法④ 「9割学習法」で、本番は8割獲得を目指す
ケアマネ試験は、7割正解できれば合格できる試験だと先述しました。とはいえ、「7割」を目指して学習するのはオススメできません。かといって、「10罰を目指せ」といっているわけでもありません。

私のオススメは9割学習法です。これは、出題範囲の9割を学習することで、本番では8割獲得を目指すという学習です。ちなみに、9期学習しても本番では9割正解することはおそらくできません。なにせ「試験は水物」です。当日、何が起こるかわかりません。緊張してマークシートを塗り間違えたり、まわりの鉛筆の音に平常心を失い、あり得ない間違いをしてしまったり…。

こうした失敗による失点を1割程度と予測し、事前に9割を学び、本番で8割正解を目指すのです。なお、幅広い出題範囲の中で「9割」を選び出していくには、過去問をどんどん解いて、出題傾向をつかんでいく必要があります。本書でも、過去問分析で抽出した出題ポイントを右ページの「ワンポイント」で述べています。参考にしてください。

学習法⑤ 模擬試験で意識するのは、「試験の疑似体験」
本番までに、会場での模擬試験を1度は受験しておきましょう。これは、本番前の「練習試合」のようなものです。ただし、そこで「勝つ」必要はありません。

逆に、模擬試験でいい点数がとれると油断してしまう危険性があります。その意味でも点数が悪くても落ち込むことはないのです。それよりも、時間配分はどうだったか、マークミスはなかったか、緊張しなかったかなどを、試験後にきちんと振り返りましょう。

一方で、結果表の「正答率」は気にしてください。その中で、正答率70%以上の問題を間違えていないかを確認します。ほかの多くの受験者が正解している問題を間違えれば、本番での「命取り」につながります。そうした問題はしっかり復習することを忘れないでください。

覚え方のポイント4原則
以上が、私がお勧めする5つの学習法です。では、具体的にインプットするにはどうすればよいのでしょうか。実際、受験者の多くは、仕事や家事、子育て等をしながらの受験となるでしょう。学生時代のように覚えるための時間が十分に確保されているわけではありません。そこで、短時間で効率的に覚えるための4つの原則を紹介していきます。

原則① 「ゴロ合わせ」は使わない
「覚えるときにはゴロ合わせ」という受験生は多いと思います。たしかにゴロ合わせが威力を発揮するときもあります。しかし、ケアマネ試験の性質上、ゴロ合わせはあまり有効とはいえません。

ケアマネ試験は実務研修を受講するための試験であり、ここで培った知識は現場でも大きく役に立ちます。そのため、ケアマネになってから再度覚え直すよりも、今のうちにしっかりとした知識を身につけておいたほうが結果的には非常に効率的だからです。その意味でゴロ合わせで表面的に覚えるよりも、「知識」として確実に身につけるほうが賢明なのです。

原則② 客観的な数字を活用する
たとえば、「社会保険」という項目があります。インプットする際には、最初から「労働、雇用…」と中身を覚えていくのではなく、まず「社会保険は5つある」と項目の「数」を覚えてしまいましょう。そのうえで中身をインプットしていきます。一気に覚えるよりも、このようにスモールステップに分けて覚えたほうが、インプットしやすくなります。

数字を活用する効果はもう1つあります。それは、「社会保険には、医療と介護と、あとは何だったっけ?」となった場合に、「あと3つ覚えればいいんだ」とゴールが明確になることです。マラソンは42.195kmという非常に長い距離を走りますが、なぜ多くの人が完走できるのかというと、ゴールが明確だからでしょう。もしマラソンが「とにかく長い距離を走る」という競技だったら、誰も走ろうと思わないのではないでしょうか。

原則③ 「木を見て森を見ず」で細部まで覚えるのはNG
細かいところまで覚えないことも、試験に受かるためには重要です。細部まで覚えようとすれば、いわゆる「ドツボ」にはまってしまうからです。

とくに保健医療分野の疾病などは、調べれば調べるほど、たくさんの情報が出てきて、医学の専門書レベルになってしまいます。しかし、試験にはそこまで出題されません。そのため、浅く広く覚えることが重要で、それぞれの病気の全体像を把握し、関係ある部分だけを覚えればいいのです。

原則④ 「長い名前」には意味がある
効率的な学習を進める中で、逃げてはならない「長い名前」もあります。たとえば、「介護給付費等審査委員会」などです。これはそのまま覚える必要があります。というのも、名前そのものが正解を導き出すヒントになってくれるからです。たとえば、「介護給付費等審査委員会はどこに設置されるか?」という出題があった場合に、「『介護給付費』を審査」するのはどこか?」と、この2つのキーワードから「国民健康保険団体連合会」という正解を導き出せます。

一方、「国民健康保険団体連合会」については、国民健康保険に関する出題がないため、「国保連」と短縮して覚えるだけでOKです。なお、こうした見分け方も、過去問を数多く解いていく中で、だんだんと見えてきます。安心して学習を進めてください。

Contents

本書の特徴
はじめに
試験にチャレンジしてみよう
① ケアマネ試験の概要
② 効果的な学習プランの立て方
③ 10数年の指導から編み出した究極の学習法

第1章 介護支援分野
01 「介護保険制度」は社会保険の1つ
02 市町村(保険者)の仕事
03 国や都道府県の仕事
04 被保険者の資格要件
05 強制適用と適用除外

06 被保険者資格の取得・喪失
07 住所地特例
08 被保険者証は誰に交付される?
09 要介護状態・要支援状態
10 特定疾病

11 要介護認定・要支援認定の申請
12 認定調査
13 「主治医意見書」は誰が請求する?
14 認定に関する「審査・判定」の流れ
15 新規認定と更新認定

16 ほかの法律との給付調整
17 保険給付の3つの種類
18 介護給付と予防給付のサービス内容
19 介護報酬の審査・支払い
20 支給限度基準額

21 利用者負担
22 保険給付の方法
23 事業者・施設の指定
24 居宅サービス・介護予防サービス
25 居宅介護支援・介護予防支援

26 地域密着型サービス
27 介護保険施設
28 市町村介護保険事業計画
29 都道府県介護保険事業支援計画
30 介護保険基本財政構造

31 第1号被保険者の保険料
32 第2号被保険者の保険料
33 財政安定化基金
34 地域支援事業と地域包括支援センター
35 介護予防・日常生活支援総合事業

36 包括的支援事業
37 介護サービス情報の公表
38 国民健康保険団体連合会
39 介護支援専門員
40 介護支援サービス

41 計画の作成とモニタリング
42 居宅介護支援事業の基準
43 介護予防支援事業の基準
コラム 介護支援分野の出題傾向の分析

第2章 保健医療分野
01 老年症候群
02 在宅医療管理
03 バイタルサインと検査
04 脳・神経の疾患
05 循環器の疾患

06 呼吸器の疾患
07 消化器・腎臓・泌尿器の疾患
08 骨・関節・皮膚の疾患
09 感覚器の疾患
10 感染症の予防

11 認知症高齢者の介護
12 ケアにおけるリハビリテーション
13 ターミナルケア
14 薬の知識
15 介護技術の展開① 食事の介護

16 介護技術の展開② 排泄の介護
17 介護技術の展開③ 清潔・入浴の介護と口腔ケア
18 介護技術の展開④ 睡眠の介護
19 介護技術の展開⑤ 褥瘡の介護
20 訪問看護

21 訪問リハビリテーション
22 居宅療養管理指導
23 通所リハビリテーション
24 短期入所療養介護、
25 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

26 看護小規模多機能型居宅介護
27 療養通所介護
28 介護老人保健施設
29 介護医療院
コラム 保健医療分野の出題傾向の分析

第3章 福祉サービス分野
01 ソーシャルワーク
02相談面接技術
03 障害者福祉制度
04 生活保護制度
05 生活困察者自立支援制度

06 後期高齢者医療制度
07 高齡者住去法
08 老人福祉法
09 個人情報保護法
10 育儿·介護休業法

11 高齡者虐待
12 成年後見制度
13 日常生活自立支援事業
14 訪問介護
15 訪問入浴介護

16 通所介護・地域密着型通所介護
17 短期入所生活介護
18 特定施設入居者生活介護
19 福祉用具
20 住宅改修

21 夜間对应型訪問介護
22 認知症対応型通所介護
23 小規模多機能型居宅介護
24 認知症対応型共同生活介護
25 地域密着型特定施設入居者生活介護
26 介護老人福祉施設・地域密着型特養
コラム 福祉サービス分野の出題傾向の分析