2020-2021年版 高圧ガス製造保安責任者試験 丙種化学(特別) 攻略問題集




【高圧ガス製造保安責任者試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)】も確認する

はしがき

本書は、国家資格試験「高圧ガス製造保安責任者試験丙種化学(液化石油ガス)」について,平成26年度から令和元年度までの直近6年間の試去問題を解説したものです.

法令試験問題は項目別(分野別)と年度別に,保安管理技術試験問題と学識試験問題は項目別(分野別)に分類しています.特に法令の項目別は,各設問のイ,ロ,ハの3つの選択肢を完全に分離してまとめていますが,各選択肢は出題年度と問題番号が一目でわかるように掲載してあります.また,その解説では,各選択肢のキーワードを太字で示し,一目で法令試験問題の内容と出題傾向がわかるようになっています.

読者がこの項目別を学習されると,同様な問題が繰返し出題されていることがわかり,また,まとめて掲載しているので記憶に残りやすく,系統的に理解が進むと確信しています.また本試験は,他の国家試験とは異なり,3つ(法令)もしくは4つ(保安管理技術,学識)の選択肢の正誤を完全に理解していないと,正解ができない仕組みになっているので,本書のような項目別分類は,正確な理解に大いに貢献するものと考えています.

ところで,高圧ガス製造保安責任者は,高圧ガスによる災害を防止するための鍵となる重要な職務を担っています.現在では,最新の技術を適用して予防や警報をはじめ,さまざまな保安措置などが取られていますが,どのような措置が取られていても,それらの管理や検査などが一定の水準に維持されなければ,災害を予防することはできません.高圧ガス製造保安責任者は,この点で極めて重要な役割を果たす位置にいるといえます.

読者の皆さんは,すでに実務に携わっている方が多いと思います.現場では,いろいろな問題に遭遇し解決することが求められます.この際に重要なことは,問題解決に必要な広範囲な知識と経験を身につけていることはもとより,単にそれだけではなく,それらを有機的に結び付けて解決する能力です.その能力は,関係するどんな些細なことにも関心をもち,常に疑問の課題として抱えておくことによって,身につくものと考えています.

保安関係に関する技術進歩は日進月歩であることはいうまでもありません.この国家資格の合格をきっかけに,関連する他の国家試験にも挑戦していただき,絶えず自己研鑽と現場に即した技術を身につけられることを期待しています.

最後に,本書の読者から多くの合格者が誕生すれば,これに勝る喜びはありません.

2020年2月
著者しるす

主な法律名の略語一覧
法:高圧ガス保安法
令:高圧ガス保安法施行令
一般則:一般高圧ガス保安規則
液石則:液化石油ガス保安規則
コンビ則:コンビナート等保安規則
容器則:容器保安規則
液石法:液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律
液石法令:液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行令
液石法則:液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則

三好 康彦 (著)
出版社: オーム社 (2020/3/10)、出典:出版社HP

目次

第1章 法令(項目別編)
1.1 高圧ガス保安法
1.1.1 法の目的
1.1.2 高圧ガスの定義
1.1.3 法の適用・単位換算
1.1.4 許可・届出等(変更工事・販売事業・消費を除く)

1.1.5 危険時の措置
1.1.6 移動
1.1.7 輸入検査
1.1.8 ガスの廃棄

1.2 法と容器則
1.2.1 高圧ガス充てん
1.2.2 容器・附属品の検査・再検査
1.2.3 刻印及び表示
1.2.4 容器の表示・明示
1.2.5 くず化

1.3 法及び液石則(特定高圧ガス消費者)
1.3.1 設備距離
1.3.2 貯槽
1.3.3 火気使用・引火性・発火性
1.3.4 保安責任者関係

1.4 法及びコンビ則(技術上の基準)
1.4.1 貯槽間・所定の距離・保安区画内・保安区画間
1.4.2 異常事態・危険状態の措置
1.4.3 計器室

1.4.4 連絡・連絡体制(標識の掲示も含む)
1.4.5 防消火設備
1.4.6 インターロックの設置
1.4.7 導管の接合

1.5 法と一般則による技術上の基準
1.5.1 危害予防規程
1.5.2 保安教育計画
1.5.3 保安統括者(代理者)
1.5.4 保安係員関係
1.5.5 保安技術管理者

1.5.6 講習
1.5.7 完成検査・軽微な変更等
1.5.8 保安検査
1.5.9 (定期)自主検査
1.5.10 耐震設計・耐震構造

1.5.11 耐圧試験
1.5.12 気密試験
1.5.13 漏えいガスへの措置
1.5.14 圧力計の設置
1.5.15 液面計

1.5.16 貯槽の配管・遮断措置・配管のバルブ
1.5.17 貯槽からの流出防止措置
1.5.18 貯槽等温度上昇防止措置
1.5.19 貯槽の支柱・基礎
1.5.20 貯槽等の沈下状況の測定

1.5.21 貯槽への充てん
1.5.22 製造・貯槽ガスの識別・危険標識・警戒標の掲示
1.5.23 配管等の接合
1.5.24 バルブ・コック等の操作性
1.5.25 電気設備の防爆性能・停電対策措置

1.5.26 容器関係
1.5.27 有すべき距離
1.5.28 火気取扱施設への措置
1.5.29 安全弁・止め弁・放出管・安全装置
1.5.30 ガス設備の修理・清掃

1.5.31 正常作動確認・点検
1.5.32 防消火設備
1.5.33 使用材料

第1章 法令(年度別編)
令和元年度 丙種化学(特別試験科目) 法令試験問題
平成30年度 丙種化学(特別試験科目) 法令試験問題
平成29年度 丙種化学(特別試験科目) 法令試験問題
平成28年度 丙種化学(特別試験科目) 法令試験問題
平成27年度 丙種化学(特別試験科目) 法令試験問題
平成26年度 丙種化学(特別試験科目) 法令試験問題

令和元年度 丙種化学(特別試験科目) 法令解答解説
平成30年度 丙種化学(特別試験科目) 法令解答解説
平成29年度 丙種化学(特別試験科目) 法令解答解説
平成28年度 丙種化学(特別試験科目) 法令解答解説
平成27年度 丙種化学(特別試験科目) 法令解答解説
平成26年度 丙種化学s(特別試験科目) 法令解答解説

第2章 保安管理技術
2.1 金属および非金属材料の選定・用途
2.2 金属の防食・腐食
2.3 溶接および溶接の欠陥
2.4 非破壞検査
2.5 高圧装置(塔槽,貯槽,熱交換器)

2.6 プロセス制御
2.7 バルブ(弁),配管,継手,ガスケット
2.8 安全計裝
2.9 計測器
2.10 圧縮機

2.11 ポンプ
2.12 軸封装置(ガスケット・パッキン,その他)
2.13 防爆構造・静電気·接地·危険箇所
2.14 安全(保安)装置
2.15 緊急遮断弁・逆止弁

2.16 防消火設備・消火活動
2.17 ガス漏えい検知警報設備
2.18 防災設備(流動拡散防止装置・障壁・防火壁),防災活動,温度上昇防止対策
2.19 ベントスタック・フレアースタック
2.20 毒性ガスの漏えい措置

2.21 運転中の異常現象と対応措置
2.22 用役設備
2.23 誤作動防止
2.24 運転管理・運転開始方法
2.25 緊急措置

2.26 保全方式
2.27 気密試験・耐圧試験
2.28 塔槽内作業・バルブ操作
2.29 工事の安全管理・維持管理

第3章 学識
3.1 基礎化学
3.1.1 単位
3.1.2 原子,分子,元素
3.1.3 理想気体・計算問題

3.1.4 純物質の性質・状態変化・臨界状態
3.1.5 純物質の飽和蒸気圧
3.1.6 化学反応(燃焼計算・燃焼反応式)
3.1.7 熱量計算

3.2 燃焼・爆発

3.3 物質の特性
3.3.1 沸点・潜熱・顕熱・密度
3.3.2 ガスの性質
3.3.3 ガスの工業的製造法

3.4 円管内の流体の流動
3.5 伝熱

3.6 応力とひずみ
3.6.1 応力とひずみ
3.6.2 応力の計算
3.6.3 金属材料の強度と破壊
3.6.4 炭素鋼・ステンレス鋼

3.7 金属の腐食
3.8 溶接・溶接欠陥
3.9 計測器(濃度計,温度計,圧力計,流量計)
3.10 ガス圧縮
3.11 ポンプ

参考文献

索引

三好 康彦 (著)
出版社: オーム社 (2020/3/10)、出典:出版社HP