銭湯検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




目次 – 銭湯検定公式テキスト

銭湯検定を行うに当たって

高温多湿の風土にあって、日本人は特に入浴を好み、その文化を愛する国民だといわれています。入浴の起源は、奈良時代の光明皇后による立願施浴であると伝えられています。

鎌倉時代には、すでに「銭湯」との文字が見られる文献もあり、江戸時代には湯屋・風呂屋として、庶民の憩いの場、情報交換の場として親しまれてきました。

現在、入浴は家庭単位、個人単位で行われるのが日常的な形となっていますが、一方では、温泉入浴にみられるような共同入浴の楽しみを強く求める傾向もあります。これは、入浴が日本人の生活シーンの中で、ひときわ大切な伝統文化を継承してきたことの証です。

こうした日本の入浴文化とそれを支えてきた銭湯を、積極的に後世に語り伝えていくことは、少なくとも業に係わるものの使命であると思います。

現在の困難な状況の中にあって、日本の持つよき文化・伝統の価値が、再認識されはじめてきているように思われます。日本のルネサンスの到来が間近なのではと期待しています。

銭湯は、今まさに時代の変化の中で、その価値が見直されようとしています。その一つの展望が、地域社会の交流やモラルを守る基盤として、銭湯を見直す機運が復活しつつあることに現れています。

そこで、私たちは、日本人ひとりひとりが「入浴」をとおして、自分自身と家族、地域、社会、国家を見つめなおす機会を作り出すために、その学習過程の一方法として「銭湯検定」を行うことになりました。

本書シリーズが、銭湯検定を受検される方々の手助けとなり、銭湯検定を通して、皆様が日本の伝統文化を再発見し、生活の新しい楽しみ方にお役に立てていただければ幸いです。

(社)日本銭湯文化協会会長

社団法人 日本銭湯文化協会 (著, 編集), 町田 忍 (監修), 米山 勇 (監修), 町田忍 米山勇 (監修)
出版社: 草隆社; 第1版 (2009/7/11)、出典:出版社HP

目次

歴史編

1銭湯のルーツをたどる〈銭湯前史〉
穢れと禊
温泉と日本人
仏教伝来と施浴
光明皇后の立願施浴
東大寺と重源上人
施浴の有料化
「湯浴」と「風呂」の違い
石風呂
窯風呂
秀吉のお風呂
銭湯の始まり

2江戸銭湯事始め
江戸最初の銭湯
蒸し風呂から湯を張った銭湯へ.
戸棚風呂
石榴口の登場
湯女風呂の盛衰
風呂のいろいろ
据風呂
鉄砲風呂、右衛門風呂、長州風呂
辻風呂、荷い水風呂、湯舟
行水
地方の風呂

3銭湯文化の発展
銭湯の営業風景
混浴の禁止と女湯の登場
江戸時代の銭湯の造り
石湯屋の2階
湯道具あれこれ
入浴に必要な七物
江戸時代の7つ道具① ~湯褌、湯文字、浴衣、手ぬぐい~
江戸時代の7つ道具② ~ヌカ袋、垢すり、軽石~
江戸時代の7つ道具③ ~毛切り石、爪切りバサミ、櫛、桶~
江戸時代の7つ道具④ ~風呂敷~
薬湯と再生温泉

4湯屋の風景
江戸時代の看板 ~明日の裏は今日休なり~
銭湯の四季 ~湯へ入って人間になる煤払ひ~
湯銭は安かった 〜常盤ほど連れて八文湯屋に呉れ~
湯浄瑠璃(のどじまん) ~湯の中で洗いざらしの芸づくし~
留湯 ~御内儀を留湯にするはきつい損~
岡湯 ~ひどくこむ岡湯芋虫ごおろごろ〜
板の間稼ぎ ~手拭をあてて湯番をにじている~
湯札(羽書) ~銭湯へ羽書で行くは品がよし~
湯屋のけんか ~大げんかふんどししたが湯番なり~
江戸っ子のあつ湯好き ~名が売れて我慢し通す熱湯好き~

5湯屋で働く人々
三助さんの由来と歴史
湯屋仲間
湯語教に見られる湯屋風俗

6明治以降の銭湯
外国人の目にうつった銭湯
改良風呂の登場
明治期の湯屋の2階
福沢諭吉と銭湯
明治、大正、昭和の銭湯盛衰
タイル、カランの登場
戦争の時代の銭湯
銭湯全盛期

建築編

1銭湯建築の特徴
宮造り銭湯の誕生
唐破風と千鳥破風懸魚と兎毛通し
極楽空間のあれこれ。
格天井
坪庭と鯉
浴室の湯気抜き
番台
浴槽
タイル絵とモザイク画.
煙突.
東京の洋風銭湯
関西の洋風銭湯
全国銭湯事情
北海道・東北、関西中部、北陸、四国、中国、九州・沖縄

2富士山の背景画
背景画誕生秘話
背景画の広がりと広告システム.
背景画絵師の仕事
背景画の題材
背景画の材料

3進化する銭湯建築
番台からフロントへ.
多彩な浴槽へ
バリアフリー化とアイデア銭湯
変化する銭湯と銭湯新時代

雑学編

石けんの歴史
温泉銭湯
屋号いろいろ
懐かしい銭湯
銭湯と北陸の関係
東京に残る江戸時代創業の銭湯
銭湯を支える職人たち
煙突屋
釜屋
あなぐらや
穴蔵屋
井戸屋
銭湯を彩る名脇役たち
暖簾
下足箱のカギ
雑学編
脱衣かごとロッカー
体重計、温度計
ベビーベッド
扇風機
マッサージ器、ドライヤ柱時計
脱衣場のポスター
縁起物
ローカルドリンク
ケロリンの桶
カラン

資料編

燃料の麥遷
軒数的变遷
入浴料の変遷

『肌競花の勝婦湯』国周筆(国立国会図書館蔵)
本文中に掲載されている電話番号や廃業等のデータは、平成21年6月8日現在のものです。

社団法人 日本銭湯文化協会 (著, 編集), 町田 忍 (監修), 米山 勇 (監修), 町田忍 米山勇 (監修)
出版社: 草隆社; 第1版 (2009/7/11)、出典:出版社HP