食品表示検定 初級・問題集




ルールの正しい理解により食品表示を「信頼の絆」に

私たちが、日々健全な食生活を送るためには、購入する食品の表示ルールを正しく理解し、活用することが大切です。一方、こうした食品を提供する立場の方々にとっても、商品に適正な表示をすることはもちろんのこと、ときには消費者に対して積極的に表示内容の説明ができる知識を身につけておくことが必要となります。また、このような食品の消費サイドと供給サイドの適正な対応により、食品表示が両者の信頼の絆につながることも事実です。

安全性確保情報以外にも、私たち消費者は店先等においていろいろな情報を参考にして食品を選択します。例えば、「遺伝子組換え」「原材料」「栄養成分」など、求める情報も個々の消費者によって異なりますが、その食品の特性に関する情報を伝える表示は大変重要な役割を果たしています。
しかし、こうした食品表示の重要性の高まりとともにそのルールも年々複雑化の一途を辿ってきたのに対して、これらの根拠となる法律や所管省庁が複数関わってきたこと等から、一層わかりづらい制度となっていました。
こうした状況を踏まえ、2009年(平成21年)に食品表示の所管が新設の消費者庁に一元化されるとともに、2013年(平成25年)に新たに食品表示法が制定され、同法に基づく食品表示基準が2015年(平成27年)4月から施行されたことにより、組織・ルールともに一本化が図られました。新制度では、従来の各種基準の改正とともに、栄養成分表示の義務化や機能性表示食品制度など新たな基準も盛り込まれ、我が国の食品表示制度史上、最も大きな改革となっています。
他方、新基準の施行後には、これまで積み残されていた加工食品の原料原産地表示や遺伝子組換え表示等に関する検討がなされており、このうち原料原産地表示に関する基準が2017年(平成29年)9月から施行されました。当該基準は、原則すべての加工食品が表示義務の対象とされるとともに、いわゆる「又は表示」や「大括り表示」といった例外表示も認められるなど、活用するためには正しい理解が不可欠なルールになっています。
本テキストは、上記の食品表示法に基づく複雑な食品表示制度をわかりやすく解説した既刊に、原料原産地表示に関する新基準の説明も追加すること等で、最新の食品表示制度に対応したものとなっています。また、食に関する基礎知識についても解説することで、消費者にとっては日常の賢い食生活のサポーターとして、供給者にとっても食品表示に関する社員教育等の推進に役立つものと確信しています。
さらに、新基準の経過措置の期限(2020年3月末[原料原産地表示については2022年3月末])が迫っている現在、本書の活用により、食品表示に関する知識や理解度の目安として当協会が実施している食品表示検定試験の合格を目指していただくことについても大いに期待している次第です。

一般社団法人 食品表示検定協会 理事長 池戸重信

一般社団法人食品表示検定協会 (著, 編集)
ダイヤモンド社、出典:出版社HP

目次

ルールの正しい理解により食品表示を「信頼の絆」に
この本の使い方
食品表示検定について
食品表示検定・初級のご案内

第1章 食品表示は消費者と事業者をつなぐ架け橋
1-1 食品表示の目的と役割
1-2 食品表示に関連する法律
1-3 食品が食卓に届くまで
1-4 食品情報を追跡するには
Column 1 いわゆる「あいまい表現」の表示も規制の対象となります

第2章 生鮮食品の表示
2-1 生鮮食品の表示の基本
2-2-1 農産物 野菜
2-2-2 農産物 果物
2-2-3 農産物 玄米・精米(袋詰めされているもの)
2-3-1 畜産物 食肉
2-3-2 畜産物 殻付き鶏卵(生食用/パック詰めされているもの)
2-4 水産物 鮮魚
2-5 有機食品・特別栽培農産物の表示

第3章 加工食品の表示
3-1 加工食品の表示の基本
3-2 名称の表示について
3-3-1 原材料名の表示について
3-3-2 原材料名<アレルギー表示について>
3-3-3 原材料名<遺伝子組換え食品の表示について>
3-4 添加物の表示について
3-5 原料原産地名の表示について
3-6 内容量の表示について
3-7 期限表示について
3-8 保存方法の表示について
3-9 原産国名の表示について
3-10 食品関連事業者の表示について
3-11 栄養成分表示について
3-12 禁止されている表現について
Column 2 のりについて

第4章 いろいろな食品表示の例
4-1 加工食品扱いとなる異種混合品(カット野菜・カットフルーツ・合挽肉)
4-2 乾燥野菜・果物
4-3 農産物漬物
4-4 豆腐・納豆
4-5 食肉製品(ソーセージ)
4-6 食肉製品 (チルドハンバーグステーキ)
4-7 牛乳・乳飲料
4-8 乳製品(チーズ・発酵乳・アイスクリーム類)
4-9 うなぎ加工品
4-10 塩干魚類(アジの開き)
4-11 乾めん(干しそば・手延べそうめん)
4-12 即席めん(カップめん)
4-13 調理冷凍食品
4-14 マーガリン類(マーガリン・ファットスプレッド)
4-15 調味料(しょうゆ・砂糖・食用塩)
4-16 調味料(マヨネーズ・ドレッシング類)
4-17 食用油(食用なたね油・香味食用油)
4-18 レトルトパウチ食品
4-19 缶詰(農産物缶詰)
4-20 菓子類
4-21 もち・米菓子
4-22 飲料 (ミネラル ウォーター・清涼飲料水)
4-23 パン類(食パン・菓子パン)
4-24 おにぎり・弁当・惣菜
4-25 ベビーフード
4-26 酒類 混成酒類 リキュール(低アルコールリキュール)
4-27-1 外食の店頭表示
4-27-2 外食店の義務表示事項
4-27-3 外食店の推奨表示事項
Column 3 インターネットで販売される商品の表示はどうなるの?

第5章 その他の食品表示やマーク
5-1 保健機能食品・特別用途食品
5-2 スマイルケア食について
5-3 農林水産省の食品表示マーク
5-4 容器包装の識別マーク
5-5 公正競争規約の食品表示マーク
5-6 地理的表示保護制度のマーク(GIマーク)

第6章 私たちの食生活について考える
6-1 私たちの食生活と健康
6-2 食育について
6-3 日本や世界の食料事情を学ぶ
Column 4 ハラールについて

資料
従来から原料原産地表示の対象になっていた加工食品と新規で追加になった品目(食品表示基準別表第15に該当するもの)

索引

一般社団法人食品表示検定協会 (著, 編集)
ダイヤモンド社、出典:出版社HP

この本の使い方

●本書は、一般社団法人 食品表示検定協会が主催する「食品表示検定・初級」向けの協会認定テキストとして作成したものです。食品表示についての考え方を学ぶためのものであり、食品メーカーやスーパー等での食品表示ラベル作成のためのマニュアルではありません。法律の改正は随時行われていますので、実際に食品表示ラベルを作成される際は、関連する法律や基準等の最新版を入手の上、各法律の表示担当機関にご確認ください(法律・基準の内容は、特別な年月日の記載がない場合は2017年10月1日現在の内容に基づいています)。
●本書で触れている食品表示に関する法令の内容は、一部抜粋したものであり、各法律の全内容を解説しているものではありません。また、わかりやすさを優先しているため、法令の用語をそのまま使用していない場合もあります。
●食品表示ラベルの実例は、食品表示の知識を学ぶことを目的として一般的な事例を採用しています。ただし別記様式枠外へ表示すべき内容については、紙面の都合上、一般的な表示位置とは異なる場合がありますのでご注意ください。また、例示した表示が必ずしも「推奨される表示」とは限りませんのでご了解ください。
●栄養成分表示については、すべての加工食品に義務付けられていますが、原則として表示を掲載していません。また、米トレーサビリティ法による産地情報の伝達については、別記様式欄外に表示することも可能なため、本文中の表示例では省略している場合があります。
●学習のために、食品表示例に太文字、下線等で内容を強調したものがありますが、実際の食品表示にはありません。あくまでも学習用に付加したものです。
●索引を付けていますので、知りたい項目を探す際にご活用ください。

○本書に関するご意見・ご質問は、以下の宛先まで書面、メール、FAXにてお送りください(電話でのお問い合わせにはお答えいたしかねますのでご了承ください)。
○個別の商品の表示等、本書の記述を超えた内容のご質問には回答できません。

一般社団法人 食品表示検定協会
〒102-0082 東京都千代田区一番町23番地3 千代田一番町ビル1階
(メールアドレス) info@shokuhyoji.jp
(FAX番号) 03-5226-6723

●実際の商品の表示に関することは、お近くの保健所や消費者庁(食品表示企画課)にお問い合わせください。
消費者庁:03-3507-8800(代表)

一般社団法人食品表示検定協会 (著, 編集)
ダイヤモンド社、出典:出版社HP

食品表示検定について

後援:一般社団法人 日本農林規格協会(JAS 協会)
:日本チェーンストア協会

食品表示は消費者と事業者との信頼の架け橋です
食品表示は、消費者にとってその商品の品質を判断し購入する上で、貴重な情報源となっています。また、食品に関わる事業者は常に、安全・安心な食品を提供することが求められており、正しい食品情報を消費者に伝える上で、食品表示は重要な役割を果たしています。
生産者、食品メーカー、小売業者、消費者まで含めた、幅広い分野の皆さんに、食品表示の知識を習得する機会として「食品表示検定」を活用していただきたいと考えています。

【各級の概要】
初級と中級は、どちらからでも受験していただけます。また、同日に初級・中級を両方受験することも可能です。なお、上級は中級合格者の方が対象です。

初級
<対象者>
・食品表示を理解し、商品を選択したい消費者の方
・商品の生産、製造、流通に携わり、食品表示の基本を知りたい方(学生、販売員、販売パートの方など)
<メリット>
・食品表示の基礎知識を得ることができ、安心・安全な食品を選択する目を養える。
・販売などの実際の業務の場で知識を役立てることができる。

中級
<対象者>
・食品表示の知識が必要とされる、生産、製造、流通の現場の方(品質管理部門員、販売部門員の方など)
<メリット>
・食品表示に関するお客様からの質問に的確に答えられるようになる。
・食品表示に関する専門的な知識を得て、業務に活かすことができる。

上級
<対象者>
・中級合格者の方が対象です。
・食品表示を食品の生産、製造、流通において責任を持って業務を行う方(品質管理部門員、販売部門責任者、販売部門責任者の方など)
<メリット>
・食品表示に責任を持ち業務を実施することができる。
・食品表示の不備等があった場合、的確な対応をすることができる。
・社内資格制度、昇格制度の要件の1つとすることができる。

一般社団法人食品表示検定協会 (著, 編集)
ダイヤモンド社、出典:出版社HP

食品表示検定・初級のご案内

試験概要

実施時期 年2回、6月と11月に実施しています。
受験資格 年齢・資格などは問いません。
食品表示を理解し、商品を選択したい消費者の方や、食品の生産・製造・加工・流通にたずさわる食品表示の初心者の方を中心に幅広く受験いただけます。
試験内容 認定テキストからの基礎知識と、それを理解した上での応用力を問います。
出題形式 マークシート方式による選択問題です。
試験時間 90分
合格基準 70点以上が合格です(100点満点)。
試験場所 全国主要都市で実施予定です。

※受験料、試験日時、試験場所、申込み期間、申込み方法等の詳細は、(一社)食品表示検定協会のホームページでご確認ください。

お問い合わせ先

主催 一般社団法人 食品表示検定協会
住所・連絡先 〒102-0082 東京都千代田区一番町23番地3千代田一番町ビル1階
TEL:03-5226-6737 FAX:03-5226-6723
最新情報 検定試験の最新情報は、食品表示検定協会ホームページでご確認ください。
http://www.shokuhyoji.jp

上記の記載内容は、予告なしで変更する場合があります。

一般社団法人食品表示検定協会 (著, 編集)
ダイヤモンド社、出典:出版社HP