ビジネス文書検定受験ガイド1・2級―礼状からEメールまで




まえがき

ビジネスの分野では,事務的な職務に携わる者に,ビ ジネス文書が書ける能力を誰に対しても求めています。
ビジネス文書の能力とは、ビジネス的な文章・文書用語・ 様式・関連知識・書写などの知識技能のことで,事務処 理のためには欠かせない基礎能力です。
しかし現実には,その能力に対して企業などからの不 満の声が高く,特に新入社員の国語力の不足や文章力の 不足などが強調されています。また,就職試験シーズン になると、決まってマスコミが,入社試験の典型的な誤解答の例を挙げて適切性や正確性などの欠如を指摘して いるのをご存じの方も多いことと思います。

コミュニケーションの在り方や方法が,とかく取りざたされる現代社会ですが,文字を通してとなると,今度 はその能力の弱さが取りざたされるというのが実情です。
「ビジネス文書技能検定試験」は,このような状況を 背景として, コミュニケーションの一方の重要な手段で ある, ビジネス文書についての知識技能を一定の審査基 準によって判定しようとするものです。

ビジネス文書には、一定の型や特有の言葉遣いがあり, それを会得することによって, ビジネスの場に対応できる正確・迅速な文書が書けることになります。
本書への取り組みによって, ビジネス文書作成技能が 向上することを望みます。ビジネス文書検定受験ガイド1・2級―礼状からEメールまで

実務技能検定協会 (編集)
早稲田教育出版; 改訂新版 (2006/4/1)、出典:出版社HP

目次

3……….まえがき
7……..ビジネス文書検定の受け方
第1章
表記技能 総合・用字・用語・書式
18…..[1]総合
文字は,正しく、丁寧に書く
19……[2]用字
1普通の実用文に使われる常用漢字とビジネス用語に使われる漢字とを書くことができる
2常用漢字表にはあるが、仮名書きすべき語句
3現代仮名遣いの用い方
4送り仮名の付け方
5数字の書き表し方
6句読点(区切り符号)の付け方
44……….[3]用語
1一般の用語
2同音異義語と異字同訓語
3慣用の手紙用語
74…[4] 書式
1縦書き通信文の構成とレイアウト74
2公印の押し方78

第II章
85….表現技能正確な文章・分かりやすい文章・礼儀正しい文章
86………[1]正確な文章
1よじれのない文が書ける86
2類義語を使い分ける91
3正しく伝えるための基本98
104…….[2]分かりやすい文章
1 表題(件名)が付けられる104
2箇条書きなどを使って、文章を分かりやすくすることができる108
3分かりやすくするための図表が書ける115
120……..[3] 礼儀正しい文章
1人を指す言葉・敬称を知っている120
2「お・ご(御)」を正しく付けられる123
3動作の言葉に付ける尊敬語と謙譲語とを、正しく使うことができる126
4丁寧な言葉遣い、丁寧な言い回しができる129
5手紙を書く上でのエチケットやしきたり134

第II章
社内文書・社外文書・文書の取り扱い。 添削指導
140……..[1]社内文書
1一般の社内文書(稟議・規定・議事録・報告書など)が 書ける140
160……..[2] 社外文書
1業務用社外文書が、文例を見て書ける160
2社交文書が,文例を見て書ける168
177……..[3]文書の取り扱い
1受発信事務ができる177
2「秘」扱い文書の取り扱い179
3郵便の知識181
4用紙の大きさと紙質183
5印刷物の校正187
194….[4] 添削指導
1部下や後輩が書いたものについて、適切な助言や 添削指導ができる194
203…2級実戦テスト
221……1級実戦テスト
239……2級実戦テスト解答
247……1級実戦テスト解答

ビジネス文書検定の受け方

1)ビジネス文書技能検定試験の概要

■ビジネス文書技能検定試験の範囲と級位
試験の範囲は,次の3領域です。
I.表記技能(総合・用字・用語・書式)
I. 表現技能(正確な文章・分かりやすい文章・礼儀正しい文章)
II. 実務技能(社内文書・社外文書・文書の取り扱い・添削指導)
級位には,3級,2級,1級があり,それぞれの級位によって必 要とされる技能の段階に違いがあります。詳しいことは「ビジネス 文書技能・審査基準」をご参照ください。 *添削指導は1級のみとなります。
2試験の方法
各級位とも,筆記試験によって、受験者の技能を審査します。問題には記述式の解答をするものと、5肢選択の解答を900 あります。
3合格基準
各級位とも,「表記技能」「表現技能」および「実務技能」の3領域から出題され,それぞれの得点 60%以上のとき合格となります。
4受験資格
どなたでも受験できます。学歴・年齢その他の制限は、一切あり ません。
5試験実施日
7月と 12 月の年2回実施します。
6検定についてのお問い合わせ
試験の実施日・会場・検定料,合否通知,合格証の発行などについては,「受験案内」をご覧ください。その他、不明な点は、下記へ お尋ねください。
公益財団法人 実務技能検定協会 ビジネス文書検定部 〒 169-0075 東京都新宿区高田馬場一丁目4番 15号 電話 03-3200-6675

2)ビジネス文書技能・審査基準

表で確認する

実務技能検定協会 (編集)
早稲田教育出版; 改訂新版 (2006/4/1)、出典:出版社HP

ビジネス文書技能の審査基準は以下の通りに定められています。
3級
程度 実務に役立つ文書作成技能について、知識と技能との基本を身に付けていることにより,上司の指示に従って,普通の文書を正しく理解し, 作成することができる
内容
総合
1文字を、丁寧に,正しく、読みやすく、整えて書くことができる。
用字
1やさしい実用文に使われる常用漢字と. 固有名詞やビジネス用語に使われる漢字とを書くことができる。
2常用漢字表にはあるが,仮名書きすべき語句を,一応,知っている。
3 「現代仮名遣い」について,一応,知っている。
4「送り仮名の付け方」を正しく使える。
5片仮名が正しく書け,仮名書きする語
句について、一応,知っている。
6数字が正しく書け,漢数字と算用数字との使い分けができる。
7句読点が正しく使える。
用語
1一般の用語について、一応、知っている。
2やさしい同音異義語や異字同訓語を使い分けることができる。
3慣用の手紙用語について,一応,知っている
書式
1横書き通信文の構成とレイアウトについて,一応,知っている。
I 表現技能
正確な文章
普通の長さの文を文法的によじれなく書ける
2類義語を使い分けることができる。
3曖昧な用語や二通りに解釈できるような語句について,一応,知っている。

程度
領域
内容
分かりやすい文章
1表題(件名)が付けられる。
2箇条書きなどを使って、文章を分かりやすくすることができる。
3分かりやすくするための図表が書ける。
礼儀正しい文章
1人を指す言葉・敬称を知っている。
2「お・ご(御)」を正しく付けられる。
3動作の言葉に付ける尊敬語と謙譲語とを,単純な場合に,正しく使うことができる。
4丁寧な言葉遣い,丁寧な言い回しが,一応,できる。
5現在用いられている手紙上のエチケットやしきたりを、一応,知っている。
III 実務技能
社内文書
1簡単な社内文書(通知文など)が書ける。
社外文書
1簡単な業務用社外文書が,文例を見て書ける。
文書の取り扱い
1受発信事務について,一応,知っている。
2「秘」扱い文書の取り扱いについて,知っている。
3郵便について,一応,知っている。
4用紙の大きさ,紙質について、一応,知っている。
5印刷物の校正について、知っている。

2級
程度
実務に役立つ文書作成技能について,知識と技能との全般を身に付けていることにより,単 独で普通の文書 を正しく理解し, 作成することが、 できる。
表記技能
総合
1文字を、丁寧に,正しく、読みやすく整えて書くことができる。
用字
1普通の実用文に使われる常用ビジネス用語に使われる漢字とを書くことができる。
2常用漢字表にはあるが,仮名書きすべき語句を、知っている。
3「現代仮名遣い」について、知っている。
4「送り仮名の付け方」を,一定の基準 に従って正しく使える。
5数字が正しく書け,漢数字と算用数字との使い分けができる。
6句読点の他,各種の区切り符号が正しく使える。
用語
1一般の用語について,知っている。
2やや難しい同音異義語や異字同訓語を使い分けることができる。
3慣用の手紙用語について,知っている。
書式
1縦書き通信文の構成とレイアウトについて,一応,知っている。
2公印の押し方について、一応,知って いる。
表現技能
正確な文章
1やや長い文を、文法的によじれなく書くことができる。
2意味の近い類義語を、使い分けることができる。
3曖昧な用語や二通りに解釈できるような語句について知っている。
わかりやすい文章
1内容を的確に表した表題(件名)が付けられる。
2箇条書きなどを使って,文章をわかりやすくすることができる。
3分かりやすくするための図表が十分書ける。

程度
領域
内容
3礼儀正しい文章
1人を指す言葉・敬称などを,よく知っている。
2「お・ご(御)」を正しく付けられる。
3動作の言葉に付ける尊敬語と謙譲語とを, 一般的な場合に,正しく使うことがで きる。
4丁寧な言葉遣い、丁寧な言い回しができる。
5現在用いられている手紙上のエチケットやしきたりを、知っている。
II 実務技能
社内文書
1一般の社内文書(稟議・規定・議事録など)が書ける。
社外文書
1普通の業務用社外文書が,文例を見て書ける。
2簡単な社交文書が,文例を見て書ける。
文書の取り扱い
1受発信事務ができる。
2 「秘」扱い文書の取り扱いについて,よく知っている。
3適切な郵便方法を選ぶことができる。
4用紙の大きさ,紙質などについて,知っている。
5印刷物の校正ができる。

1級
程度
実務に役立つ 文書作成技能について,知識と技能とを十分に身に付けているとともに,必要 に応じて,これらを適切に指導することができる。
表記技能
総合
1文字を、丁寧に、正しく、 整えて書くことができる。
用字
1かなり難しい実用文に使われる常用漢字ビジネス用語に使われる漢字書くことができる。 2常用漢字表にはあるが,仮名きすべき語句を,よく知っている。
3「現代仮名遣い」について、よく知っている。
4「送り仮名の付け方」を,一定の基準に従って正しく使える。
5数字が正しく書け,漢数字と算用数字との使い分けが完全にできる。
6句読点の他、各種の区切り符号が正しく使える。
用語
1一般の用語について,よく知っている。
2難しい同音異義語や異字同訓語を、使い分けることができる。
3慣用の手紙用語について,よく知っている。
書式
1縦書き通信文の構成とレイアウトについて,知っている。
2公印の押し方について知っている。
表現技能
正確な文章
1長い文を,文法的によじれなく書ける。
2非常に意味の近い類義語を,使い切ることができる。
3曖昧な用語や一通りに解釈できるような語句について、よく知っている。
分かりやすい文章
1内容を的確に表した表題(件名)が付けられる。
2箇条書きなどを使って、文章をわかりやすくすることができる。
3分かりやすくするための図表が十分書ける。
礼儀正しい文章
1人を指す言葉・敬称などを,よく知っている。
2「お・ご(御)」を正しく付 けられる。
3動作の言葉に付ける尊敬語と謙譲語とを、 複雑な場合にも正しく使うことができる。

程度
領域
内容
4丁寧な言葉遣い、丁寧な言い回しが,十分できる。
5現在用いられている手紙上のエチケットやしきたりをよく知っている。
実務技能
社内文書
1一般の社内文書(稟議・規定・議事録など)が書ける。
社外文書
1例外的な場合の業務用社外文書が,文例を見て書ける。
2複雑な社交文書が,文例を見て書ける。
文書の取り扱い
1受発信事務について,説明や指導ができる。
2「秘」扱い文書の取り扱いについて,よく知っている。
3適切な郵便方法を選ぶことができる。
4用紙の大きさ,紙質などについて,よく知っている。
5印刷物の校正ができる。
添削指導
1部下や後輩が書いたものについて,適s切な助言や添削指導ができる。