秘書検定集中講義(準1級)改訂版 ケーススタディで学ぶ




秘書検定の参考書・テキストの選び方(独学勉強法)もチェックする。

まえがき

秘書検定準1級は応用編で「応用の職場常識」といえます。これから社会に出る学生さんにとっても,仕事の幅を広げて質の高い職務をしたいという秘書や一般事務職の人にとっても、準1級で問う内容を知ることは,とても大切なことです。上司の指示はどのように受けてどう処理すればよいのか,言葉遣いはどのようになるのかなど,一検定試験ではありますが,応用の職場常識の宝庫でもあります。

皆さま方は3級や2級で,秘書技能としての態度,振る舞い、言葉遣い,話し方の調子などを知識として学んできました。これらが基になって,感じがいいということになり,人柄がいいと言われるようになることも学んでいただいたと思います。

しかし,知識が加わっただけでは感じがいいと思われるところまではいきません。感じがいいところまでいくには,普通のレベルを超える必要があります。その勉強をするのが面接試験です。

秘書検定準1級にはロールプレイング(役割演技)による面接試験があります。この面接試験は,現職の皆さんにとっては秘書技能としての人柄を,学習者の皆さんにとっては,就職対策として必要な人柄を学べるツールになります。では秘書検定に面接試験がある意義は何でしょうか。私たちは人を見て,「感じがいい」とか「悪い」という言い方をします。このときの「感じ」は「人柄」に対してです。補佐を受ける上司にしても,就職面接のときの選考にしても、人が人を選ぶときの決め手は人柄です。

では,この人柄は何によってつくられているのでしょうか。繰り返しになりますが,集約すると態度,振る舞い、言葉遣い,話し方の調子,といえそうです。秘書検定の面接試験ではそれが審査されるのです。

面接試験の受験については本書の最終章で具体的に学んでください。せっかくここまできたのですから,面接試験合格を目指し、態度,振る舞いなどの感じのよさを身に付けていただき,人柄を評価されるようになっていただくことを願っています。公益財団法人実務技能検定協会秘書検定部

実務技能検定協会 (編集)
出版社: 早稲田教育出版; 改訂版 (2011/3/1)、出典:出版社HP

この本の使い方

秘書の仕事は領域が広いため学ぶべき事柄も広範囲にわたりますが,本書では審査基準に設けられた範囲を確実にカバーし、内容もレベルも,級位に沿って編集しています。
準1級では,上級秘書としての知識と,その業務を行うのに必要とされる技能に関して出題されます。「秘書的な仕事を率先して実行する」能力と「状況に応じてより適切に判断して実践する」能力が要求されます。試験の出題範囲は,以下の理論領域と実技領域になります。詳細は,「秘書技能審査基準準1級」(p.12)を参照してください。

理論領域I必要とされる資質,I職務知識,III一般知識
実技領域Vマナー・接遇,V技能

●集中講義シリーズの特長—自分一人でも学習できる
本書は,次のような点に配慮して編集されています。
◆本文での解説はできるだけ平易な言葉を用いている。
◆難しい漢字には振り仮名を付けている。
◆難しい用語には「*」マークを付け,そのページの下段に解説欄(「ワードCheck」)を設けている。
◆秘書技能検定の試験範囲を十分にカバーし,個々の項目を詳しく解説しているので、独学でも無理なく学習を進めることができる。
◆学校で秘書の勉強をしている人にとっても,講義から得たものを補強する最適な参考書となるよう編集している。

●本書の学習の仕方―より効率的な学習をするために次のような利用の仕方をすると、一層効果的に学習できます。
◆「CASE STUDY」では最適な対処法を自分で考えてみる。提示された状況説明を読んだ後,すぐに解答・解説(「対処例」や「スタディ」)を読むのではなく,イラストをじっくり見ながら考え,まず自分なりの解答を出すようにする。その後,自分の答えと照らし合せて解答・解説を読むと視覚効果も相まって記憶に残りやすくなる。
◆各Lessonの本文説明で重要な部分は箇条書きにしてあるので,注意して読むことが大切。ここからの出題が少なくない。また,自分で留意したいと思う個所にマーカーを引くなどしておくと,読み返すときに,ポイントを絞った効率的な学習ができる。

◆言葉は知っていても意味をあいまいにつかんでいることが多い。「*」マークの用語があれば,「ワードCheck」で確認するほか,自分で不確かな用語は印を付けて調べるようにする。また,関連用語を列挙した箇所には用語の前にロマークが付いているので,理解したらそこにチェック印を入れておくとよい。

◆Lessonの本文を読み終えたら,「SELF STUDY」の「POINT出題CHECK」と「CHALLENGE実問題」で過去問題を研究する。
①「POINT出題CHECK」でどのような問題が出るかを把握する。
◎ここでの過去問題は,「テーマ」や「ケース」別に分類し,全出題範囲をカバーしている。また,選択肢は理解しやすいように重要なものに絞って掲載しているので,問題の傾向がつかみやすくなっている。
◎ここでの過去問題にはすでに「○」,「×」が付けられているが,これは何度も目を通すときに、すぐに「○」「×」を確認して記憶に残すためである。従って、最初は各選択肢がなぜ「×」,あるいは「○」なのかを考えてみることが重要。その後,解説を読んでその理由を理解するようにしたい。実力試しに解答を隠して,自分で選択肢に「○」「×」を付けてみるのもよいが,不明な点があれば,該当する本文解説を読み直すことが大切である。
◎選択肢の問題だけでなく、記述式の問題もできるだけ多く取り上げた。2・3級では1割程度だった記述問題も、準1級の検定試験では出題数で約4割を占めるからである。代表的な記述問題を中心に選別しているので,これらは確実に押さえておくようにしたい。実際にノートなどに解答を書いて検証してみるのもよいだろう。

②「CHALLENGE実問題」では学習した効果を検証する。◎難易度の☆マークは,「★」~「★★★★★」まであり,「★」=正解率85%以上,「★★」=正解率65~84%,「★★★」=正解率40~64%,「★★★★」=正解率20~39%,「★★★★★」は正解率20%未満である。
◆準1級には筆記試験のほかに面接試験があるが,これについても,十分対応できるよう、本書では面接対策の章(第6章)を設けている。会場到着から控室に入るまで、試験開始から退室までと,実際に行われる面接試験の流れを具体的に示し、面接で実施される課題への取り組み方や要所ごとに押さえておくべき留意点を明示しているので,本章を熟読すれば面接対策は十分であろう。
◆巻末には模擬試験問題が掲載されているので,全学習が終了したら挑戦して実力を確認してみる。忘れていたところや弱点部分を自分でチェックして,再度本文部分を重点的に学習

実務技能検定協会 (編集)
出版社: 早稲田教育出版; 改訂版 (2011/3/1)、出典:出版社HP

◆目次◆ – 秘書検定集中講義(1級)改訂版 ケーススタディで学ぶ

◆まえがき
◆この本の使い方
序章 受験対策基礎知識
SECTION1 検定試験の受け方
1 準1級試験の受け方と審査基準
2 マークシート方式の答え方
SECTION2 筆記試験対策
1 選択問題対策
2 記述問題対策
SECTION3 受験のための基礎知識
1 箇条書きの要領
2 漢字の基礎知識
第1章 必要とされる資質
SECTION1 上級秘書の資質と能力
1求められる人柄と資質
●SELF STUDY
2 仕事を遂行する能力
●SELF STUDY
3 新人秘書や後輩秘書の指導
●SELF STUDY
SECTION2 対人関係の心得
1 来客・取引先への対応
●SELF STUDY
2 上司への対応
●SELF STUDY
3 社内関係者への対応
●SELF STUDY

第2章SECTION
1秘書の機能と役割
1上司と秘書の機能と役割の違い
SELF STUDY
2 仕事に対する基本姿勢
SELF STUDY
気遣いのある対応
●SELF STUDY
SECTION2 秘書の業務
1 定型業務
●SELF STUDY
2 非定型業務.
●SELF STUDY

第3章 一般知識
SECTION1 企業と経営
1 会社と組織の一般知識
●SELF STUDY
2 企業会計
●SELF STUDY
3 税・印鑑の知識|
●SELF STUDY
SECTION2 社会常識と基本用語
1 常識としての一般知識
●SELF STUDY
2 社会常識としての基本用語
●SELF STUDY

第4章 マナー・接遇
SECTION1 人間関係と話し方
1 秘書と人間関係
●SELF STUDY
2 来客,取引先への話し方
●SELF STUDY
3 上司への話し方
●SELF STUDY
4 話し方の応用
●SELF STUDY
SECTION2 電話応対と接遇
1 電話応対
●SELF STUDY
2 来客接遇
●SELF STUDY
SECTION3 交際
1 慶事の知識と対応
●SELF STUDY
2 弔事の知識と対応
●SELF STUDY
3 パーティーと宴席の知識
●SELF STUDY
4 見舞いの知識
●SELF STUDY
5 贈答・暦の知識と年中行事
●SELF STUDY
6 現金の包み方・上書きの知識
●SELF STUDY

第5章 技能
SECTION1 会議
1 会議の準備から終了まで
●SELF STUDY
2 会議の知識
●SELF STUDY
SECTION2 文書の作成
1 社内文書・社外文書(商用)
●SELF STUDY
2 社交文書
●SELF STUDY
3 グラフの作成・助数詞
●SELF STUDY
SECTION3 文書の取り扱い
1 文書の受信業務
●SELF STUDY
2「秘」扱い文書
•SELF STUDY
3 郵便の知識
●SELF STUDY
SECTION4 情報管理
1 資料管理
●SELF STUDY
2 資料収集と情報提供の仕方
SELF STUDY
SECTION5 日程管理・オフィス管理
1 日程管理の要領・オフィスレイアウト
SELF STUDY

第6章 面接
SECTION1 面接試験の予備知識
1 面接試験の概要
2 面接試験に臨む前の点検事項
SECTION2 面接試験の実際
1 面接試験の実際の流れ
2 三つの課題への対応
SELF STUDY
終章 模擬試験
SECTION1 仕上げ1 TEST
SECTION2 仕上げ2 TEST
SECTION3 仕上げ3 面接

◆本書の漢字表記について
「常用漢字表」の改定,および日本新聞協会の「新聞常用漢字表」の改訂に伴い,秘書検定試験問題は平成23年度からこれらの資料を参考にして漢字表記が変更されています。本書ではその変更に準じて表記しています。なお,解答する上では,新旧どちらの表記でも減点になることはありません。
(変更になった漢字表記例)「個条書き」→「箇条書き」,「(切手を)張る」→「貼る」「(封筒の)あて名」→「宛て名」(「上司あての電話」などは平仮名)など

実務技能検定協会 (編集)
出版社: 早稲田教育出版; 改訂版 (2011/3/1)、出典:出版社HP