中国語検定HSK公式問題集2018年度版5級
目次
Contents
はじめに
HSK概要
■HSK5級 試験概要
HSK5級について
試験当日の流れ
試験の流れ
問題形式の確認
聴力試験のスクリプト
解答用紙
■過去問題
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
■解答・解説
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
音声ファイル無料ダウンロード
本書内の表示がある箇所の音声は、上記URLにて無料でダウンロードできます。
※音声ファイルは、各パートごとのパート別バージョンと、テスト開始の挨拶から終了の合図までのテスト本番バージョンの2パターンございます。
【手順】
①上記URLかQRコードよりページにアクセス
(URLからアクセスする際は、検索欄ではなく、ページ上部のURLか表示されている部分に直接ご入力下さい。)
②アクセス先のページで上記パスワードとメールアドレス等の必要事項を入力
(必ずパソコンで閲覧できるメールアドレスをご入力下さい。)
③ご入力いただいたメールアドレス宛にダウンロードページURLが記載されたメールが届く
(自動返信の為、ご入力いただいたメールアドレスに必ずお送りしています。受信しない場合は、迷惑メールフォルダー等をご確認下さい。それでも受信していない場合は再度初めからご登録下さい。)
④ダウンロードページにて音声(MP3)ファイルをダウンロード
※音声ダウンロードはパソコンでのみ行うことができます。(携帯・スマートフォン・タブレットは不可)
ダウンロード後は、パソコンや携帯オーディオプレーヤー等でご利用いただけます。
携帯オーディオプレーヤー・スマートフォン等に直接にダウンロードはできませんので、一度パソコンにダウンロードし、携帯オーディオプレーヤー・スマートフォン等へお取り込み下さい。なお、CDはご用意しておりませんのでご了承下さい。
はじめに
1.本書について
◯本書には、2016年に実施された新HSKの試験5回分の問題を収録しています。聴力問題の音声はすべて無料でダウンロードしていただけます。詳細は2ページをご覧ください。
◯143ページからの解答・解説には、聴力問題のリスニングスクリプトと和訳、読解問題の和訳と解説を掲載しています。
◯本書では、逐語訳を基本としていますが、訳文がなるべく自然な日本語となるよう、各文法要素が読み取れるような表現を使用しています。
2.文法用語
解説では次の用語を使用しています。
文を構成するもの及び文の成分
・単語、連語(=フレーズ)、節
・主語、述語、目的語、状語(=連用修飾語)、定語(=連体修飾語)、補語(状態補語、程度補語、結果補語、方向補語、可能補語、数量補語)
品詞等
名詞、時間詞、場所詞、方位詞、数詞、量詞(名量詞、動量詞)、数量詞、代詞(人称代詞、指示代詞、疑問代詞)、動詞、能願動詞(=助動詞)、形容詞、副詞(一般副詞、否定副詞)、介詞、接続詞、助詞(構造助詞、動態助詞、語気助詞)、感動詞、擬声詞、離合詞、成語、慣用語、接頭辞、接尾辞
HSK概要
HSKとは??
HSKは中国語能力検定試験 (Hanyu Shuiping Kaoshi)のピンポイントの頭文字をとった略称です。HSKは、中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)が認定する世界共通の中国語の語学検定試験で、母語が中国語ではない人の中国語の能力を測るために作られたものです。現在、中国国内だけでなく、世界各地で実施されています。
新HSKの導入と試験内容
HSKは、1990年に中国国内で初めて実施され、翌1991年から、世界各国で実施されるようになりました。
2010年から導入された新HSKでは、これまで以上にあらゆるレベルの学習者に対応できるよう、試験難易度の幅を広げ、各段階での学習者のニーズを満たすことを目指しました。また、HSKは、中国語によるコミュニケーション能力の測定を第一の目的とした実用的な試験です。そのため、実際のコミュニケーションで使用する会話形式の問題や、リスニング、スピーキング能力の測定に重点をおいた試験となっています。
HSK受験のメリット
HSKは、中国政府の認定試験であるため、中国において中国語能力の公的な証明として通用し、HSK証書は中国の留学基準や就職の際にも活用されています。
また、2010年のリニューアルでは、ヨーロッパにおいて外国語学習者の能力評価時に共通の基準となるCEFと合致するよう設計されたため、欧米各国の外国語テストとの互換性から難易度の比較がしやすく、世界のどの地域でも適切な評価を受けることが可能となりました。
中国語能力の測定基準
自分の中国語能力を測定することで、学習の効果を確認するとともに、学習の目標として設定することでモチベーション向上につながります。
企業への中国語能力のアピール
企業採用選考時の自己アピールとして中国語能力を世界レベルで証明できるだけでなく、入社後の実務においても中国語のコミュニケーション能力を社内でアピールする手段になり、現地(中国)勤務や昇進等の機会を得ることにつながります。
中国の大学への留学や中国での就職
HSKは大学への本科留学の際に必要な条件となっています。また、中国国内での就職を考える際にも、中国語能力を証明するために必要な資格であると言えます。
日本国内の大学入試優遇
大学入試の際にHSKの資格保有者に対し優遇措置をとる大学が増えてきています。
(詳細はHSK事務局HP:http://www.hskj.jp)
CEF(ヨーロッパ言語共通参照枠組み:Common European Framework of References for Languages Learning teaching, assessment)は、ヨーロッパにおいて、外国語教育のシラバス、カリキュラム、教科書、試験の作成時、及び学習者の能力評価時に共通の基準となるもので、欧州評議会によって制定されたもの。学習者個人の生涯に渡る言語学習を、ヨーロッパのどこに住んでいても断続的に測定することができるよう、言語運用能力を段階的に明記している。
HSK各級のレベル
新HSKでは、1級から6級までに級が分けられ、合否およびスコアによって評価されます。
HSK5級 試験概要
※2018年12月試験時点
HSK5級について
HSK筆記5級は、受験生の日常中国語の応用能力を判定するテストで、「中国語の新聞や雑誌が読めるだけでなく、中国の映画やテレビも鑑賞でき、さらに、中国語でスピーチすることができる」というレベルが求められます。主に週2~4回の授業を2年間以上習い、2,500語程度の常用単語を習得している者を対象としています。
試驗內容
聴力(聞き取り):約30分・放送回数1回
第1部分 放送される会話の内容に関する問いに答える 20題
第2部分 放送される会話や短文の内容に関する問いに答える 25題
読解:45分
第1部分 短文中の空所に適切な語句を補う 15題
第2部分 短文の内容に一致する選択肢を選ぶ 10題
第3部分 長文の内容に関する問いに答える 20題
書写:40分
第1部分 与えられた語句を並べ替えて文を作る 8題
第2部分 与えられた複数の語句を用いて80字程度の作文をする 与えられた絵や写真について80字程度で説明をする 各1題
〇試験開始の前に、解答用紙に個人情報を記入する時間が与えられます。
〇聴力試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。
成績および有効期間
〇聴力、読解、書写の配点はそれぞれ100点、合計300点で評価されます。
〇HSK5級の成績報告には、聴力、読解、書写のそれぞれの得点および総得点が明記されます。
〇成績報告は合否に関わらず受験者全員(試験無効者を除く)に送付され、発送には試験後約60日を要します。
〇試験の約1か月後から、HSK公式ホームページ(http://www.hskj.jp)にて成績照会を行うことが可能(准考証号と姓名の入力が必要)です。
〇HSKの成績は、外国人留学生が中国の大学に入学するための中国語能力証明とする場合、その有効期間は受験日から起算して2年間とされています。
試験当日の流れ
ここでは、試験当日の注意事項や、試験の概要を紹介します。
持ち物
試験当日の持ち物を確認しておきましょう。
□受験票(顔写真を貼りつけたもの)
□身分証明書(顔写真付きのもの)
□鉛筆(2B以上の濃いもの)
□消しゴム
□時計(携帯電話等は不可)
集合時間
受験票に記載されている集合時間を確認しておきましょう。
試験開始時刻の20分前に受付が開始されます。
試験開始時刻から試験の事前説明が始まり、これ以降は入室できなくなりますので注意しましょう。
試験の流れ
試験開始から終了までは次のような流れで進行します。
1.試験開始・注意事項の説明
2.必要事項の記入
3.問題用紙の配布
4.聴力試験
5.読解試験
6.書写試験
7.試験終了
次ページ以降では、試験の流れを詳しく見ていきます。
※5級の試験では、試験開始以降の指示は中国語と日本語の両方で行われます。指示内容は12、14ページで、聴力試験の放送内容は18ページで紹介していますので、事前に確認しておきましょう。
試験の流れ
1.試験開始・注意事項の説明
試験開始時刻になると、事前説明が始まります。
試験中の注意事項および試験の内容に関して、説明が行われます。
この説明開始以降は、原則として試験終了まで入退室できませんので注意しましょう。
2.必要事項の記入
試験開始時間になったら、試験官の指示に従い、受験票に記載されている番号などを参考にして必要事項の記入を行いましょう。
①(名前)
②(中国語の名前:記入不要)
③(受験番号)
④(受験地番号)
⑤(国籍:番号)
⑥(年齢)
⑦(性別)
※③~⑥は左側の空欄に数字を記入したうえで、その横に並んでいる番号のうち、該当するものをそれぞれマークしてください。
3.問題用紙の配布
必要事項の記入が始まると、問題用紙が配布されます。問題用紙は試験官から指示があるまで開封できません。
問題用紙に記載してある注意事項について、試験官から次のような説明があります。
①HSK5級の試験は3つの部分に分かれています。
1.聴力(聞き取り)試験(45題、約30分間)
2.読解試験(45題、45分間)
3.書写試験(10題、40分間)
②解答は直接解答用紙に記入してください。聴力試験の後、解答用紙に記入するための予備時間が5分間与えられます。
③試験時間は全部で約135分間です。(事前説明および個人情報を書き込む時間を含む)
※説明の後、会場ごとに聴力試験、読解試験、書写試験の開始時間および終了時間が記入・掲示されますので、終了時間は会場ごとに異なる場合があります。
4.聴力試験
説明の後、試験官より聴力試験開始の合図があります。
「問題用紙の1ページ目を開いてください。」
「今から、聞き取り試験を開始します。解答用紙に直接解答をしてください。」
その後、放送が開始します。聴力試験の試験時間は約30分間です。
※聴力試験の放送内容は18ページで紹介しています。
放送終了後、試験官より次のような指示があります。
「ただいまより5分間、時間を提供します。解答を書き終えていない方は引き続き解答を記入してください。書き終わっている方は、そのままでお待ち下さい。」
その後5分間が与えられますので、解答を書ききれなかった場合は、この時間で解答の記入を行います。
5.読解試験
解答用紙の記入時間が終了すると、次の指示があり、読解試験が開始します。
読解試験の試験時間は45分間です。
「解答をやめて下さい。引き続き、読解試験を開始します。問題用紙を開き、解答を始めて下さい。解答用紙に直接解答して下さい。読解試験は45分間です。」
読解試験終了の5分前に、次のアナウンスがあります。
「読解試験の残り時間はあと5分です。」
6.書写試験
読解試験終了時間になると、次の指示があり、書写試験が開始します。
書写試験の試験時間は40分間です。
「解答をやめてください。以上で読解試験を終了いたします。」
「引き続き、書写試験を開始いたします。書写試験は40分間です。」
書写試験終了の5分前に、次のアナウンスがあります。
「書写試験の残り時間は5分です。」
7.試験終了
試験終了時間になると、試験官が問題用紙と解答用紙を回収します。
これで試験は終了です。試験官の指示に従って退出しましょう。
問題形式の確認
ここでは、HSK 5級の各パートの問題形式を確認しておきましょう。
1
第1部分 正しい答えを選びなさい。
第1部分は、会話の内容に関する問題です。
2人の会話とその内容に関する問いがそれぞれ1回だけ読み上げられます。問いに対する答えとして正しいものを、与えられた4つの選択肢から選びましょう。あらかじめ4つの選択肢に目を通しておきましょう。
第2部分 正しい答えを選びなさい。
第2部分は2つのパートに分かれています。
前半10問は、会話の内容に関する問題です。2人の会話とその内容に関する問いがそれぞれ1回だけ読み上げられます。問いに対する答えとして正しいものを、与えられた4つの選択肢から選びましょう。(第1部分の会話より少し長い会話です。) あらかじめ4つの選択肢に目を通しておきましょう。
後半15問では、まとまった長さの問題文とその内容に関する問いがそれぞれ1回だけ読み上げられます。問いに対する答えとして正しいものを、与えられた4つの選択肢から選びましょう。1 つの問題文に対して、問いは複数問あるので注意しましょう。問題文は5~6つ程度あり、問いは全部で15問あります。あらかじめ4つの選択肢に目を通しておきましょう。
2
第1部分 正しい答えを選びなさい。
第1部分は、空所補充問題です。
長文の空所部分に適切な語句を補い、意味の通る文章を作りましょう。1つの長文に対し、空所が複数あり、それぞれの空所に対し、語句の選択肢は4つ与えられています。前後の文脈をしっかり確認しましょう。
第2部分 問題の内容に一致するものを選びなさい。
第2部分は、文の内容に関する問題です。
長文をよく読み、その内容と一致するものを与えられた4つの選択肢から選びましょう。
第3部分 正しい答えを選びなさい。
第3部分は、長文読解問題です。
問題文とその内容に関する問いが与えられています。問題文の内容をよく読み、問いに対する答えとして正しいものを与えられた4つの選択肢から選びましょう。長文の内容をしっかり理解できているかを問う問題になっています。
3
第1部分 文を完成させなさい。
第1部分は、語句の並べ替え問題です。
与えられた語句をすべて1回ずつ使って、意味の通る文を作りましょう。語句の意味や文法上の性質に注意して並べ替えましょう。
解答は解答用紙に直接記入しましょう。
第2部分 短い文を書きなさい。
第2部分は短文を作る問題です。
1問目は与えられた語句を使って文を作る問題です。語句をすべて用いて、80字程度の文を作りましょう。文は1文でなくても構いません。
もう1問は、与えられた写真に関する文を作る問題です。写真を見て、80字程度の文を作りましょう。この問題も文は1文でなくても構いません。
解答は解答用紙に直接記入しましょう。
聴力試験のスクリプト
ここでは、聴力試験の放送内容を紹介しています。問題のスクリプトは解答・解説を参照してください。実際の試験では日本語は読み上げられません
「みなさん、こんにちは。HSK5級の試験にようこそ。」
(3回読み上げられます。)
「HSK5級の聴力試験は2つの部分に分かれており、全部で45題です。それでは。今から聴力試験を始めますので、注意して聴いてください。」
その後、問題説明文が読み上げられ、
「それでは、第◯題から始めます。」
というアナウンスの後、すぐに問題が始まります。
複数の問題が続いている場合には、
「第◯題~第◯題は次の話から出題します。」
という指示があります。
すべての問題が終わると、
「これで聴力試験は終わります。」
とアナウンスがあり、試験官の指示が続きます。