CPA めざせ!米国公認会計士 改訂6版




はじめに

今、日本社会を悲観論が覆っています。

確かに、金融危機による世界的な需要の減少や、少子高齢化を背景とする国内市場の縮小など、日本経済の前途に不安を感じさせる要素には事欠きません。しかし、悲観論に浸るだけでは、不安要素を取り除くことはできません。

目を国外に転じてみると、異なる様相が見えてきます。旺盛な成長意欲を見せる中国を先頭に、新興国が世界経済を牽引することは、疑い無い見通しです。米国や欧州も、その流れに乗って自国の経済的プレゼンスを確保しようとしのぎを削っています。また、会計基 準が国際会計基準(IFRS)へ統一される動きなど、経済のグロー バル化は留めることのできない趨勢です。

多くのビジネスパーソンが、悲観論に流されて、内向き、後ろ向き思考である今こそ、世界の流れを見据え、成長分野に打って出ることを考えるべきではないでしょうか。

本書で紹介する米国公認会計士(以下CPA: Certified Public Accountant)という資格は、国際的なフィールドで活躍を望む全てのビジネスパーソンにとって、大きな武器となります。

その理由を一言で言えば、CPAで証明できる「会計」と「英語」の専門知識です。

EU各国で2005年1月から導入されたIFRSは、米国、日本においても、その導入に向けた具体的な動きが進んでいます。世界の会 計基準がIFRSに統一されれば、ある国の会計知識をそのまま外国で活かすことができるようになるでしょう。そして、IFRSの策定 に大きな影響を与えているのが米国会計基準です。

また、会計士資格の相互承認が議論される中、CPAという米国の資格でもって、様々な国で会計士として活躍できる時代がすでにはじまっています。

さらに、会計知識を基礎としつつ、「英語で仕事ができる」能力は、グローバルビジネスにおいて、標準装備といってもいい、能力といえるでしょう。

この「会計」と「英語」に係る専門知識を高いレベルで証明できる資格がCPAなのです。

CPA試験は、日本の会計士試験のような競争試験ではなく、プロフェッショナルとしての「スタートラインに立たせる試験」です。正しい方法できちんと学習すれば、約1年で合格することができます。

加えて、これまで米国でしか受験ができなかったCPA試験が、2011年8月から日本で受験できるようになりました。これにより、渡航費などが不要となり、受験までのスケジュール調整が容易になるなど、日本人にとってますますアクセスしやすい資格になったのです。

本書では、CPAを初めて知る方でも、試験のアウトラインから、 効率的な学習の方法、合格後の活かし方まで、一通りすべてご理解 いただけるようになっています。また、図表やサンプルを多く使い、視覚的にわかりやすく示すことにも心掛けました。

私の経営する受験専門校でも、私自身の受験体験に基づいたきめ細かなサービスをさせていただいておりますので、お気軽にお問い 合わせください。

困難な時代は逆にいうとチャンスの時代でもあります。多くの皆さんがCPA資格を自分自身の武器として大いに活用されることを 願っています。

2011年7月

アビタス代表取締役
米国公認会計士/公認内部監査人
三輪豊明

三輪 豊明 (著)
出版社: 日本能率協会マネジメントセンター; 改訂6版 (2011/9/8)、出典:出版社HP

目次

はじめに

第1章 脚光を浴びるCPA(米国公認会計士)
1 今、求められている資格、「CPA」
2 ビジネス知識の宝庫、CPA
3 グローバルビジネスの現状に対応する資格、CPA
4 受験しやすく合格しやすい、CPA

第2章 活かせる資格、CPA合格者の活躍先
1 英文会計・CPAに対する求人状況
2 CPA受験者の多くは30歳前後の会社員
3 合格者の転職先にみるCPAが活かせるビジネス分野
4 会計事務所・コンサルティング会社でのCPAを活かした仕事
5 外資系企業の経理・財務部門でのCPAを活かした仕事
6 日本企業でのCPAを活かした仕事
7 海外企業でのCPAを活かした仕事

第3章 これがCPA試験の全貌だ
1 CPA試験制度のポイント
2 CPA試験を構成する科目
3 CPA試験の出題形式
4 受験日と受験地
5 合格基準と合格後のステータス
6 受験の現状

第4章 CPA受験手続きの流れを押さえよう
1 CPA受験手続きの流れ
2 受験手続きは州ごとに規定されている
3 出願州の確定
4 学歴評価依頼
5 出願手続き
6 試験会場予約
7 本試験受験

第5章 CPA試験に最適な学習方法とは
1 合格までに必要な学習時間
2 会計の初学者は入門コースから
3 高度な英語能力は求められていない
4 出題形式に対応した学習方法
5 代表的な洋書テキストでの学習方法
6 オリジナルテキストを使った受験専門校での学習方法
7 科目別の学習方法はここがポイント
8 著者自身の体験的受験学習アドバイス

第6章 問題傾向と解答方法
1 ビジネス環境及び諸概念(BEC)の例題
2 法規(REG)の例題
3 財務会計(FAR)の例題
4 監査及び証明業務(AUD)の例題

第7章 先輩達のCPA合格体験記と資格の活かし方

参考資料 CPA試験の関係書類サンプル

三輪 豊明 (著)
出版社: 日本能率協会マネジメントセンター; 改訂6版 (2011/9/8)、出典:出版社HP