健康運動実践指導者試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
健康運動実践指導者の概要
健康運動実践指導者は、健康づくりのための運動指導者に与えられる称号の一つです。運動の専門知識と備え、自ら見本を示せる実技能力と、特に集団に対する運動指導技術に優れた指導者です。受験資格が設けられており、資格を満たし、講習会を受講、または養成校の養成講座を修了後に、認定試験を受けます。健康運動実践指導者の称号を取得するためには、試験合格後、登録手続きを行わなければなりません。
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「健康運動実践指導者」認定試験対策問題集 増補改訂第2版
はじめに
本書の筆者である西端は、大学での教育とともに、公益社団法人日本フィットネス協会等の資格に関連した教育に30年以上携わってきました。公益財団法人健康・体力づくり事業財団の資格である健康運動 実践指導者に関しては、その実技(エアロビックダンス)試験の試験官を数年間務めたこともあります。
また、筆記試験対策として「フィットネスインストラクター<模擬>資格試験問題集』(Station F&H、1994年)や、「フィットネス指導者のためのザ・ワークブック」((社)日本フィットネス協会、1999年)を執筆し、健康つくり運動の指導者の能力向上のお手伝いを続けてきています。これまでの西端の経験を活用することができると考え、本書の制作をお引き受けすることにしました。
本書の執筆にあたっては、松丸史氏にお手伝いをしていただきました。氏は、健康運動実践指導者の養 成校で講師を務めており、ご自身も有資格者として、東京都北区の健康増進センターでの運動指導にも関わっており、健康運動実践指導者が活躍する現場の状況もよく理解している人物です。
本書を執筆するにあたって心がけたことは、問題の選択肢を作成したり、その正解を設定したりすると きには、できるだけ健康・体力づくり事業財団「健康運動実践指導者養成用テキスト(以下、養成用テキスト)」に忠実に従うことです。また、可能な限り、『養成用テキスト」全体を網羅して問題を作成するようにしました。
しかし、すでに資格をお持ちの方も本書を活用できるように、解説においては、『養成用 テキスト」では触れられていない、より最新の情報も盛り込むようにしました。また、『養成用テキスト』に書かれていることだけでは理解が不十分になる可能性があると思われる場合は、より基礎的な解説も加えました。
「養成用テキスト」は、合計27名の、それぞれの分野の専門家によって執筆されています。しかし、本書は、基本的に西端一人で執筆しているため、『養成用テキスト」に含まれている分野の中には、西端にとっては、あまり詳しくない分野もあります。このようなことから、解説を読んでも「解説が不十分」と思われる箇所もあるかもしれません。
また、『養成用テキスト」は、その資格取得の前提として、体育専修学校(2年制) 卒以上の知識を有する人を想定したレベル設定になっているため、読者の中には、「難しい」と思われる 方もいると想定されます。そのようなときには、もっと基礎的な内容の書籍(例:小澤治夫・西端泉『最新・フィットネス基礎理論」(社日本フィットネス協会、2016年)から始めてみてください。
本書によって一人でも多くの方が資格を取得され、健康運動実践指導者として活躍されることを、心よりお祈り申し上げます。
2016年11月
改訂版にあたり問題数を増やすとともに、選択肢を5択にしました。解説も、2019年3月31日発行の「健康運動実践指導者養成用テキスト」に則したものに改めるとともに、関連学会・団体の最新情報に基づいて改変しました。
2019年9月
西端 泉
健康運動実践指導者について
「健康運動実践指導者」とは?
健康運動実践指導者は、第2次国民健康づくり運動(アクティブ80ヘルスプラン)の一環として、平成 元年(1989) 年に養成が開始されました。
「積極的な健康づくりを目的とした運動を、安全かつ効果的に実践指導できる能力を有すると認められる者」と定義されており、運動生理学や機能解剖学、栄養学をはじめとした医学的な基礎知識に加えて、健康づくりのための運動指導の知識と技能を持ち、健康づくりを目的として作成された運動プログラムに基づいて実践指導を行うことができる者を指します。
2017年12月現在、20,475人(女性12,041人、男性8,434人)の健康運動実践指導者が、全国で「運動による健康づくり」を担って活躍しています。
「健康運動実践指導者」になるには?
「適切な運動プログラムを構成する能力」と「自ら見本を示せる実技能力」をあわせ持ち、特に集団に対する運動指導技術に長けた者となるよう、養成がすすめられています。
称号を取得するには、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が実施する講習会を受講するか、財団が認定する養成校の養成講座を修了し、認定試験に合格した上で、健康運動実践指導者台帳に登録されることが必要です。
受講資格
講習会の受講資格は、次のいずれか一つに該当していることが必要です。
1) 体育系短期大学、または体育専修学校(2年制)、若しくはこれと同等以上の学校の卒業者(卒業見込み含む)
2) 3年以上運動指導に従事した経験のある者
3) 運動指導に関連する資格を有する者(例:エアロビックダンスエクササイズインストラクター、スポーツプログラマー、フィットネストレーナー、ヘルスケア・トレーナー、アスレティックトレーナー、運動普及推進員)
4) 保健医療に関する資格を有する者(例、:保健師、管理栄養士、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床 検査技師、介護福祉士、介護支援専門員、保育士、介護職員実務者研修修了者(ホームヘルパー1級)、介護職員初任者研修修了者(ホームヘルパー2級)) 5) 学校教育に関する資格を有する者(例:幼稚園教諭、小・中・高等学校教員免許)
講習会カリキュラム
※「公益財団法人健康・体力づくり事業財団ホームページ」より
科目 | 単位数 | 内容 | |
講義 | 実習 | ||
健康づくり施策概論 | 2 | ●健康の概念、わが国の現状と健康づくり施策 ●生活習慣病とその予防、メディカルチェック |
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運動生理学 | 3 | ●運動とエネルギー出力系 ●運動と筋・神経系 ●発育・発達の概論、老化の過程と機能変化 |
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機能解剖とバイオメカニクス | 2 | ●骨格、筋、心臓、血管、呼吸器の構造と機能 ●バイオメカニクスの基礎と応用 |
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栄養摂取と運動 | 2 | ●栄養学の基礎 ●食生活と運動、体重調節 | |
体力の測定と評価 | 1 | 2 | ●体力測定の理論携帯及び体脂肪の測定 ●体力測定の実際と評価、データ処理 |
健康づくりと運動プログラム | 3 | ●トレーニングの原則、健康増進のための運動効果、運動指針の具体例 ●運動プログラムの基本的考え方、目標設定 ●運動のプログラミング |
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運動指導の心理学的基礎 | 1 | ●運動における行動変容 | |
健康づくり運動の実際 | 13 | ●ウォームアップとクールダウン ●ストレッチング ●ウォーキングとジョギング (2単位)●エアロビックダンス (3単位) ●水泳・水中運動 (3単位) ●レジスタンスエクササイズ (3単位) |
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運動障害と予防・救急処置 | 2 | 2 | ●内科的障害 ●救急蘇生法 ●整形外科的障害 ●外科的救急処置とテーピング |
合計 | 15 | 17 | *1単位は90分 |
講習会に関する詳しい情報は、(公財)健康・体力づくり事業財団までお問い合わせください。
健康運動実践指導者の活躍の場
健康運動実践指導者は、全国のフィットネスクラブ、診療所・病院、老人介護・保健・福祉施設、保健所、学校等で活動しています。
目次
はじめに
健康運動実践指導者について
第1章 健康づくり施策概論
問題 1-25
解説 1-25
第2章 運動生理学
問題 1-50
解説 1-50
認知症を予防する運動ー問題
第3章 機能解剖とバイオメカニクス
問題 1-35
解説 1-35
第4章 栄養摂取と運動
問題 1-40
解説 1-40
認知症を予防する運動一問題の解答
第5章 体力測定と評価
問題 1-40
解説 1-40
第6章 健康づくり運動と運動プログラム
問題 1-30
解説 1- 30
第7章 運動指導の心理学的基礎
問題 1-25
解説 1-25
第8章 健康づくり運動の実際
問題 1-105
解説 1-105
運動強度と心拍数
第9章 運動障害と予防・救急処置
問題 1-40
解説 1-40
認知症を予防する運動・解説
本問題集は「健康運動実践指導者養成用テキスト」(公益財団法人健康・体力づくり事業財団発行の 2019年3月31日発行、第14刷に準拠しています。