大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡
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おそらく、学生で社会保険労務士の資格を取得しようという人は少数派のはず。私が大学生の頃は、気軽に行政書士試験や宅建試験を受ける人がいて、「あぁ、みんな気軽に受けているんだなぁ」と思ったもの。これらの資格も、簡単そうだけれども、実際に取り組むとなるとやっぱりそれなりの労力が必要。
本当に行政書士になりたくて受けているような感じではなく、「何か資格でもとっておけば将来有利なんじゃないか」という感覚でその人達は行動していたのだろうと思う。「あんた、行政書士の資格を取ったとして、行政書士になるの?」と聞きたくなるほど。なりもしない職業を選択肢に入れたり、活用する予定があるわけでもない知識を身に付けてどうするんだろうか。などと想いを馳せたりもした。
とはいえ、大学生が何らかの資格に興味を持つのは不思議なことではない。
現に、私自身もそんな大学生の1人だったのだから。
「なぜ大学生が社会保険労務士に興味なんか持ったの?」と思うかもしれない。そう思うのは至極当然。だって、資格なんて他にイッパイあるんだから、あえて選りに選って社会保険労務士なのか。そりゃあ不思議だよね。私も、なぜこの資格を選んだのか、そんなにハッキリと理由を言えるわけじゃない。でも、どういうきっかけで社会保険労務士を知って、その資格を取得していったかは説明できる。
おそらく、学生で社会保険労務士の資格を取得しようという人は少数派のはず。私が大学生の頃は、気軽に行政書士試験や宅建試験を受ける人がいて、「あぁ、みんな気軽に受けているんだなぁ」と思ったもの。これらの資格も、簡単そうだけれども、実際に取り組むとなるとやっぱりそれなりの労力が必要。
本当に行政書士になりたくて受けているような感じではなく、「何か資格でもとっておけば将来有利なんじゃないか」という感覚でその人達は行動していたのだろうと思う。「あんた、行政書士の資格を取ったとして、行政書士になるの?」と聞きたくなるほど。なりもし∂4142
「なぜ大学生が社会保険労務士に興味なんか持ったの?」と思うかもしれない。そう思うのは至極当然。だって、資格なんて他にイッパイあるんだから、あえて選りに選って社会保険労務士なのか。そりゃあ不思議だよね。私も、なぜこの資格を選んだのか、そんなにハッキリと理由を言えるわけじゃない。でも、どういうきっかけで社会保険労務士を知って、その資格を取得していったかは説明できる。
どうやって情報を集めて、どうやって勉強して、どうやって結果を出したか。それをこの本ではキチンと伝えるつもり。と偉そうに書いているけれども、私は社会保険労務士試験に一度不合格になっているので、鮮やかなほどのノウハウを知っているわけではない。ナメてかかったら追い払われた。ありがちなタイプなのだ。
マイナーな資格なんだから、「ちょこっと勉強すればサラっと合格できるだろう」と思ってしまったために、後からムキになってリベンジすることになったわけ。会計士や税理士、弁護士に比べると、社会保険労務士はあまり認知されていないため、おそらく多くの人は社会保険労務士の試験は簡単だろうと思ってしまうはず(たぶん10人いたら、9人は簡単だろうと思い込んでいるんじゃないかな)。簡単だと思うため、すぐに合格できるだろうと考えてしまう。その結果、落ちる。この辺りのことは本文で詳しく書こう(経験者は語るのだ)。
本の副題に書かれている数字を見て、「合格率が0.07%なわけがないじゃな
いか。実際はもっと高い数字だろう」そう思ったでしょ?パッと数字だけを
示されたらそう感じるもの無理はないね。
じゃあ、2011年に実施された本試験のデータを使って説明してみよう。
第43回目(2011年の8月に実施)の本試験では、受験者が53,392人いました。そのうち合格者は3,855人でした(全体での合格率は約7.2%)。さらに、3,855人のうち、学生が1%含まれていたので、人数を計算すると約38人。受験者が53,392人で合格者が38人だったので、38/53,392=0.07%となる。合格者のうち38人だけが学生で合格している。学生が1年で38人しか合格できない。それが社会保険労務士試験なのです。よって、学生が合格できる確率は、0.07%ということになる。
でも、この数字、明らかになっていないデータがある。それは、学生は何人が受験したのかという点。合格者は38人だろうけど、「そもそも受験者が少ないんじゃないの?」という指摘ができるよね。そう、その可能性もある。受験者は合格者の13.8倍なので、その数字を基準にすれば、大雑把だけども、学生の受験者は38×13.8倍、524人ぐらいじゃないかな。
0.07%というイヤラシイほどの数字。嫌味を感じるほどの数字。私もそう思う。なにもここまで学生の合格率が低いことを強調する計算をしなくてもいいだろうと。
でもね、わざとらしく「凄く難しい試験で、合格できるのは珍しいんですよ」などと強調したいわけではなく、実際のデータを使って計算すると上記のようになるというだけ。
なぜ学生の合格率がこれほど低いかを考えてみると、真っ先に考えられる理
由は社会保険労務士試験が難しいから。というのはおそらくウソで(けれども、ある程度は本当)、データが表しているように、受験者が相対的に少ないからだろうな。
社会人になると、雇用保険や労災保険、健康保険や厚生年金について触れる機会があるでしょうから、社労士について認知されやすくなる。一方、学生だと雇用保険や社会保険に自分で加入している人はあまりいないだろうから、認知もされにくい。それゆえ、受験者の母数が少なくなり、合格者の数も少なくなってしまう。0.07%のカラクリを知ってしまえば、「なんだ、そんなことか」と思ってしまうかもしれない。
社会保険労務士が学生に認知されていないためか、もし興味を持ったとしても情報が少なく、学生の時点で合格した人の体験を知る機会が少ないんです。合格体験記も市販されているけれども、社会人の体験記が多いんだ。学生の立場での合格体験記を知りたくても、学生で受験する人が少ないため、どういう環境で、どんな教材を使って、どうやって学習時間を工面しているのか、さらには授業やバイト、人によってはサークルに参加している人もいるかもしれない。社会人と学生では生活の環境が違うので、学習への取り組み方も違うはず。
だから、数少ない、レアな経験者として、学生の視点で社労士試験にチャレンジした軌跡を伝えて、これから社労士試験にチャレンジしようとしている人の参考になるようにこの本を書いたというわけ。
ちなみに、学生という立場もあったけど、いわゆる資格学校には通っていなかったし、本屋で売っているテキストなり問題集を使って合格したので、資格に費やす時間やお金を節約したい人にも参考になると思う。
合格率は0.07%。では、その中に入る方法をこの本で丁寧にお伝えしていこ
と、その前に。
ここから先に何が書かれているか、ざっと要約を書いておこう。ダラダラと読まされるのは苦痛だし、何がどういう順番で書かれているのかを先に開示
する方が読む側にはありがたいよね。
一章では、大学生活のこと、どういう経緯で社労士のことを知ったのか、学生が将来を選択するときの視野の狭さについて書いている。社労士試験のノウハウには関連しない部分なので、興味がない場合は読み飛ばしてもいい。
二章では、1回目の社労士試験で不合格になった経緯について書いている。「たかが社労士ごとき」とナメてかかるとどうなるか。ここでは初受験の無残な体験を知ることができる。
三章では、独学にするか資格学校を利用するかを決める基準、使ったテキストは何か、テキストや問題集をどうやって使うかという点について主に書いている。ノートを作らない、六法も使わない学習法についても紹介している。三章はこの本のハイライトと言うべき部分なので、ぜひ読んで欲しい。
四章では、国家試験対策を2つ同時に進めたこと、毎日の小テストについて書いた。欲張って2つも取り組んだ結果、危うく「二兎を追うものは一兎をも得ず」になるところだった。頭の準備体操として、小テストをしていたが、これがなかなか役に立った。
五章では、2回の模擬試験について、さらに本番の結果はどうだったかについて書いた。さらに、大学から商品券がプレゼントされたことについても書いている。
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1章:資格を探す典型的な大学生
1-1:会社員、公務員、資格。学生の進路は3本道
大学生が進路を考えだすのは、おそらく3年になった頃かな。1年、2年と過ごしてきて、3年になった4月頃に、「そろそろ、将来のことを考えないとなぁ、、」とか、「就活のために動かないといけないんじゃないか?」などと思い始める。
今までボーッと学生生活を送ってきたのに、突然、就活の雰囲気が生まれて、企業に関する情報を集め、企業が開催する説明会に参加するためにウェブサイトから申し込む。茶髪の人は髪を黒く染めて、地味なグレーや紺色のスーツを着て、説明会に行く。企業に就職する人は、みんな似たような見た目で、似たような行動をしているんじゃないかな。
おそらく、大学生が考える進路は、大まかに分けて3つに分かれる。
1.企業に就職する。2.公務員試験を受けて、公務員になる。3.何か資格を取得して、専門的な仕事をする。
【目次】
1章 資格を探す典型的な大学生
1−1:会社員、公務員、資格。学生の進路は3本道
1−2:資格ぐらい1つは持っとかないとな
1−3:桜上水駅前の本屋で初対面
1−4:ゼミナールに入るか資格を取るか
2章:無名の資格だとナメてかかり、ボコボコにされる
2−1:傲慢さを発揮して甘く見る
2−2:史上最高にマズい親子丼
2−3:時間を2時間余らせる
3章:資格学校 vs. 独学
3−1:資格学校か独学か
3−2:独学は不安?
3−3:使った教材はコレだ
3−4:問題を解く、基本書で調べる。この繰り返し。
3−5:10kgのカバン
3−6:ノートを作らない
3−7:通達集、判例、六法を使わない
4章:二正面作戦で進撃。そして撃沈
4−1:大学3年から、司法試験との二正面作戦。2つの国家試験に同時トライ
4−2:専用の自習室があったが、貧相
4−3:消化不良になり、選択と集中
4−4:同じ問題集を繰り返す
4−5:毎日の小テスト
5章:試験本番の結果は?
5−1:模試は2回受けた
5−2:本番の試験は大阪で受験
5−3:採点の結果は?
5−4:大学から賞状と商品券を受け取る
終章:中途半端にやると何も残らない