設備士(空気調和・衛生工学会)試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




設備士(空気調和・衛生工学会)の概要

設備士(空気調和・衛生工学会)とは、建築設備の空気調和および給排水衛生設備に関わる設計や施工の技術や知識を検定する資格試験です。空気調和・衛生工学会が認定する民間資格で、受験資格に実務経験または大学の理科系課程を修了していることが条件となっています。検定級には、空調部門と衛生部門があり、空調部門は暖房・冷房・換気空調調和に関する専門知識。衛生部門は、給水・給油・衛生器具に関する専門知識が求められます。

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設備士(空気調和・衛生工学会)試験の公式テキストは?

公式テキストはありません。空調部門と衛生部門ともにテキストが多く出版されています。

設備士(空気調和・衛生工学会)のおすすめテキスト

1.「空気調和・衛生設備の知識(改訂4版)」(オーム社)

空気調和・衛生工学会 (編集)
出版社: オーム社; 改訂4版 (2017/3/25)、出典:amazon.co.jp

空気調和・衛生設備の定本を、さらにわかりやすく、基本的知識を体系的にまとめた一冊。2002年3月発行の「空気調和・衛生設備の知識(改訂2版)」の改訂版。現行版の記述内容を土台として、最新の技術動向を取り入れるだけでなく、環境指向や安全志向といった今日的観点を取り込み刷新している。

2.「給排水衛生設備計画設計の実務の知識(改訂4版)」(オーム社)

空気調和・衛生工学会 (編集)
出版社: オーム社; 改訂4版 (2017/3/25)、出典:amazon.co.jp

衛生設備技術者の必携書として、長く支持され続けている「給排水衛生設備計画設計の実務の知識」の最新改訂版。設計にかかわる実践的な知識を網羅し、全体のフローを見せることを念頭に、基本概念から設計例までを実務に即して徹底解説しています。

3.「空調・給排水衛生設備の基礎知識早わかり」(オーム社)

大浜 庄司 (著)
出版社: オーム社 (2014/10/18)、出典:amazon.co.jp

この本は、空気調和(空調)設備、給排水衛生設備を初めて学習しようと志す人のために、現場技術者としての実務に役立つ基礎知識について、絵と図でやさしく解説した“入門の書”です。

4.「やさしい建築設備」(学芸出版社)

伏見 建 (著), 朴 賛弼 (著)
出版社: 学芸出版社 (2017/11/24)、出典:amazon.co.jp

本書では一目でわかるように設備のしくみを図解し現場写真を多数掲載。項目ごとの簡潔な解説により初学者でもわかりやすい構成となっている。

5.「建築設備の知識(改訂3版)」(オーム社)

建築設備の知識 編集委員会 (編集)
出版社: オーム社; 改訂3版 (2018/10/24)、出典:amazon.co.jp

初めて建築設備について学ぶ方から実務者に長年ご活用いただいている本書を大幅改訂。最近の現場実務にもとづき、関連法規の改正等への対応はもちろん、収載内容および解説の方法も大幅にリニューアルしています。

目次 – 空気調和・衛生設備の知識(改訂4版)

地球温暖化問題が顕在化する中,二酸化炭素排出量の削減を目標に掲げた都市・建築を創造することは,建築・設備技術者にとっても大切な使命であり,それには省エネルギーや省資源化に配慮した建築設備技術が欠かせない.その実現に向けて,担い手となる設備技術者の役割も大変重要なものになってきており,学習し,習得すべき基礎的な知識は,以前にも増して,新しく,また広範囲に及んでいる.

本書「空気調和・衛生設備の知識」は,1965年にその前身である「空気調和・衛生設備のやさしい知識」が刊行されて以来,初学者や初級技術者向けに空気調和設備と給排水衛生設備についての基礎的な知識をやさしく記述することを主眼に編集されており,入門書として多くの読者に親しまれてきた.

旧版となる2010年に刊行された「空気調和・衛生設備の知識(改訂3版)」は,2002年に刊行された「空気調和・衛生設備の知識(改訂2版)」について,その内容を抜本的に見直し,冒頭で述べた地球環境時代の技術者育成を大きな目標に,基礎的な知識から昨今の話題に至るまでを新たな視点から概説する日次や内容構成とし,時代のニーズに合うように執筆を行った.

改訂3版出版時に特に記載内容について考慮したのは,以下の四点であった.第一は,地球環境時代における空気調和・給排水衛生設備のあり方やその概要を1章で述べ,学生等の初学者や初級技術者に建築設備に対する興味を抱いてもらうように試みたことであった.第二は,2章「空気調和設備」,3章「給排水衛生設備」,4章「空気調和・衛生設備に関する電気設備」の各章で要点を述べることとし,前記の三つの設備の要点を把握できるように記述内容を再検討したことであった.第三は,空気調和設備・給排水衛生設備に関連した電気設備については,4章として新たに章を設け,初学者が必要とする知識について概説したことであった.第四は,随所にコラム欄を設け,キーワードや重要な事項の補足説明を行い,建築設備に対する理解を深めてもらうようにしたことであった.

その後,2011年3月に起きた東日本大震災,最近では2016年4月の熊本地震といった大災害の教訓として,改めて建築設備の耐震化への課題も認識し,ライフラインが途絶した際のBCP(事業継続計画)やLCP(生活継続計画)に配慮した建築設備計画・設計のあり方への関心も高まっている.

また,法令関係は2014年に都市・建築の利水・治水を目的とした「雨水法」が施行され,都市型洪水の抑制と水資源としての雨水利用システムの普及,促進が期待されている.一方,省COを推進するうえで民生エネルギー消費の合理化が喫緊の課題でもあり,その対策として2015年に「建築物省エネルギー法」が制定され,省エネルギー性能表示制度への誘導措置も開始された.いよいよ今年から一定規模以上の非住宅建物に省エネルギー基準適合とその判定を義務づける制度も施行される.

このように都市・建築を取り巻く社会環境が激変する中,本学会は創立100周年を迎える.そんな時期に,本改訂委員会が発足され旧版の改訂作業を実施してきた.今回の改訂では,基本方針は旧版(改訂3版)を踏襲し内容構成等は同じとするが,前述の背景などを鑑み,各章において新たな都市・建築設備技術のあり方や考え方を追記するものとする.また,次回の改訂に向けて,さらなる進展が期待できるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やエネルギーの面的利用などの分野に関連した新しい環境設備技術の記述も増やし充実させた.コラム等にも新しい話題を取り上げた.

本書は,前記の趣旨で初学者や初級技術者向けに執筆し構成されているので,さらに詳しく実務的な技術を学ぼうとする方々には,本書の内容をさらに発展させた「空気調和設備計画設計の実務の知識(改訂4版)」,「給排水衛生設備計画設計の実務の知識(改訂4版)」を活用していただき,より実践的な知識を身につけていただきたい.

最後に,今回の発刊に際して旧版を精読して改訂方針をまとめていただいた.出版委員会知識・実務の知識改訂準備小委員会ならびに知識・実務の知識改訂小委員会の委員の方々,および執筆者ならびに査読委員の方々には深く感謝いたします.また,事務局ならびに製作を担当されたオーム社の方々のご尽力に対しても厚く御礼申し上げます.

2017年3月
出版委員会
知識・実務の知識改訂小委員会
給排水衛生設備担当
主査 大塚雅之
空気調和設備担当
主査 村上公哉

出版委員会
知識・実務知識改訂小委員会

空気調和設備担当
主査
村上 公哉(芝浦工業大学)
委員
佐藤 孝輔(日建設計)
佐藤 秀幸(新日本空調)
永岡 真紀(高砂熱学工業)
百田 真史(東京電機大学)
森田 英樹(清水建設)

給排水衛生設備担当
主査
大塚 雅之(関東学院大学)

委員
青木 一義(西原衛生工業所)
稲田 朝夫(須賀工業)
小原 直人(小原技術士事務所)
土井 章弘(竹中工務店)
松村 佳明(山下設計)
村田 博道(森村設計)

執筆者一覧(執筆順) 担当箇所
村上 公哉(芝浦工業大学) 1章1~2節2章1節
大塚 雅之(関東学院大学) 1章3~4節,3章4,7,8節
森田 英樹(清水建設) 2章2~3節(共著),8節(共著)
橋本 洋(鹿島建設) 2章2節(共著),8節(共著)
瀧澤 博(前 鹿島建設) 2章3節(共著)
亀谷 茂樹(東京海洋大学) 2章3節(共著)
佐藤 秀幸(新日本空調) 2章4,6節
永岡 真紀(高砂熱学工業) 2章5節(共著)
吉田 直裕(日建設計) 2章5節(共著)
佐藤 孝輔(日建設計) 2章7,10節
森山 修治(日本大学) 2章9節
百田 真史(東京電機大学) 2章11節(共著)
湯澤 秀樹(日建設計総合研究所) 2章11節(共著)
小原 直人(小原技術士事務所) 3章1節
村田 博道(森村設計) 3章2節
松村 佳明(山下設計) 3章3節
土井 章弘(竹中工務店) 3章5,9節
青木 一義(西原衛生工業) 3章6節
滝澤 総(日建設計) 4章

査読者一覧 (50音順)
青木 一義(西原衛生工業所)
稲田 朝夫(須賀工業)
大塚 雅之(関東学院大学)
小原 直人(小原技術士事務所)
篠倉 博之(日本ガス協会)
佐藤 孝輔(日建設計)
佐藤 秀幸 (新日本空調)
高橋 健彦 (関東学院大学)
土井 章弘(竹中工務店)
永岡 真紀(高砂熱学工業)
松村 佳明(山下設計)
村上 公哉(芝浦工業大学)
村田 博道(森村設計)
百田 真史(東京電機大学)
森田 英樹(清水建設)

空気調和・衛生工学会 (編集)
出版社: オーム社; 改訂4版 (2017/3/25)、出典:出版社HP

Contents

1章
空気調和・給排水衛生設備の概要
1.1 地球環境時代における空気調和・給排水衛生設備
1.1.1 地球環境・建築憲章と建築設備
1.1.2 エネルギー・水消費と環境問題
1.1.3 建築のライフサイクル
参考文献

1.2 空気調和・給排水衛生設備と都市・地域生活とのかかわり
1.2.1 都市設備
1.2.2 地域設備
1.2.3 空気調和設備と都市設備との相互関係
1.2.4 給排水衛生設備と都市設備との相互関係
1.2.5 BCP・建物機能継続
1.2.6 スマートコミュニティ
参考文献

1.3 建物における空気調和・給排水衛生設備の要点
1.3.1 空気調和設備の構成と概要
1.3.2 給排水衛生設備の構成と概要
1.3.3 ビル管理システムの必要性
参考文献

1.4 建築計画と空気調和・給排水衛生設備とのかかわり
1.4.1 建築設備の計画・設計のプロセス
1.4.2 建築・構造計画と環境配慮
1.4.3 建物と設備関連スペース
1.4.4 地球環境に配慮した建築・設備技術

2章
空気調和設備
2.1 空気調和設備の概要
2.1.1 空気調和設備の役割
2.1.2 空気調和方式の種類
2.1.3 空気調和設備(中央方式)の構成
2.1.4 空気調和設備の計画
参考文献

2.2 室内の温熱環境・空気環境
2.2.1 温熱環境評価指標のあらまし
2.2.2 温熱環境評価指標
2.2.3 室内空気環境と汚染源
参考文献

2.3 空気調和の負荷
2.3.1 空調負荷の概要
2.3.2 設計条件
2.3.3 空調負荷の計算方法
2.3.4 湿り空気線図と空調プロセス
2.3.5 空調装置負荷と装置容量
参考文献

2.4 空調方式
2.4.1 中央熱源方式と個別熱源方式
2.4.2 熱搬送媒体による空調方式

2.5 熱源システム(中央方式)
2.5.1 熱源方式と選定
2.5.2 冷凍機・ヒートポンプ
2.5.3 ボイラー
2.5.4 冷却塔
2.5.5 ポンプ
2.5.6 蓄熱システム
2.5.7 コージェネレーション
2.5.8 地域冷暖房
参考文献

2.6 空気調和システム(中央方式)
2.6.1 空調システム選定の考え方
2.6.2 空調方式
2.6.3 空調システムの構成機材

2.7 パッケージ型空調システム
2.7.1 パッケージ型空調システムの種類と特徴
2.7.2 ビル用マルチパッケージ型空調システムの設計と留意点

2.8 換気システム
2.8.1 換気の目的と概要
2.8.2 換気関連法規と必要換気量
2.8.3 換気方式
2.8.4 居室の換気
2.8.5 外気二酸化炭素濃度の実態
2.8.6 居室以外の換気
参考文献

2.9 排煙設備
2.9.1 排煙設備の性能
2.9.2 排煙設備の方式
2.9.3 付室等の煙制御方式
2.9.4 煙制御方式の組合せ上の留意点
参考文献

2.10 空気調和設備にかかわる省エネルギー技術
2.10.1 負荷を抑制する技術
2.10.2 再生可能エネルギーを活用する技術
2.10.3 エネルギーを有効に利用する技術

2.11 空気調和設備のマネジメント
2.11.1 マネジメントの要点
2.11.2 建物のエネルギー管理
2.11.3 中央監視・自動制御設備
2.11.4 コミッショニング
参考文献

3章 給排水衛生設備
3.1 給排水衛生設備の概要
3.1.1 給排水衛生設備の役割
3.1.2 給排水衛生設備の構成
3.1.3 給排水衛生設備の原則
3.1.4 給排水衛生設備と社会・環境とのかかわり
3.1.5 給排水衛生設備の設計計画の流れ
参考文献

3.2 給水設備
3.2.1 目的と要求条件
3.2.2 給水方式
3.2.3 給水量と給水圧力
3.2.4 上水の汚染防止
3.2.5 機器容量
3.2.6 配管計画設計
参考文献

3.3 給湯設備
3.3.1 給湯設備にかかわる基礎知識
3.3.2 給湯温度と湯量
3.3.3 給湯方式
3.3.4 加熱装置
3.3.5 配管材料・配管設
3.3.6 安全装置
3.3.7 汚染防止
参考文献

3.4 衛生器具設備
3.4.1 衛生器具の分類と要求条件
3.4.2 水受け容器
3.4.3 給水器具・排水器具・付属品
3.4.4 設備ユニット
3.4.5 衛生器具のスペースと所要器具数
参考文献

3.5 排水通気設備
3.5.1 排水の種類と排水方式
3.5.2 トラップと阻集器
3.5.3 排水配管
3.5.4 通気方式
3.5.5 排水槽
3.5.6 排水通気管径の決め方
3.5.7 雨水排水
参考文献

3.6 排水処理・雨水利用設備
3.6.1 排水の汚染度の指標項目
3.6.2 排水処理方法の分類と特徴
3.6.3 浄化槽
3.6.4 特殊排水処理
3.6.5 除害施設
3.6.6 排水再利用設備
3.6.7 雨水利用設備
参考文献

3.7 消火設備
3.7.1 火災の種類
3.7.2 消火の方法
3,7.3 消火設備の種類と目的
3.7.4 屋内消火栓設備
3.7.5 スプリンクラ設備
3.7.6 水噴霧消火設備
3.7.7 泡消火設備
3.7.8 不活性ガス消火設備
3.7.9 ハロゲン化物消火設備
3.7.10 粉末消火設備
3.7.11 屋外消火栓設備
3.7.12 消防用水
3.7.13 連結散水設備
3.7.14 連結送水管
参考文献

3.8 ガス設備
3.8.1 ガスの種類と特性
3.8.2 都市ガス設備
3.8.3 液化石油ガス(LPガス)設備
3.8.4 ガス設備と設計上の留意点
3.8.5 安全装置
3.8.6 ガス機器の給排気方式
参考文献

3.9 配管材料
3.9.1 配管材料と継手
3.9.2 弁(バルブ)
参考文献

4章
空気調和・衛生設備に関する電気設備
4.1 電気設備の概要
4.1,1 電気設備とは
4.1.2 電気の理論
4.1.3 電気設備の計画
参考文献

4.2 電力設備の概要
4.2.1 電源設備
4.2.2 電灯・コンセント設備
4.2.3 動力設備
4.2.4 配線の種別
参考文献

4.3 通信・情報・防災・中央監視制御設備の概要
4.3.1 通信・情報設備
4.3.2 防災設備の概要
4.3.3 中央監視制御設備の概要

4.4 搬送設備の概要
4.4.1 エレベータ
4.4.2 エスカレータ
索引

Column
環境性能評価による建築物の格付け
都市の熱汚染と健康被害・気温感応度
HASP/ACLDと標準年気象データ
米国における冷凍トンの定義
冷凍用冷媒の今昔
BCP・LCP
地球の淡水量と日本の水資源賦存量
生活用水量のトレンド
レジオネラ症の感染事故
混合水栓の節水と節湯
排水ヘッダ
ディスポーザ排水処理システム
火災の進行プロセスと防火安全上の問題点
汚泥バイオマスとバイオガス利用

空気調和・衛生工学会 (編集)
出版社: オーム社; 改訂4版 (2017/3/25)、出典:出版社HP

目次 – 完全図解 空調・給排水衛生設備の基礎知識早わかり

はじめに

この本は,空気調和(空調)設備,給排水衛生設備を初めて学習しようと志す人のために,現場技術者としての実務に役立つ基礎知識について,絵と図でやさしく解説した“入門の書”です.

この本は,初めて学ぶ人にも,空調設備,給排水衛生設備をより理解していただくために,次のような工夫をしてあります.

(1)空調設備,給排水衛生設備に関するテーマを細分化して,“1ページごとにテーマを設定して,学習の要点を明確にしてあります.

(2)ページごとのテーマに対し,ページの上欄にテーマの内容を絵と図で詳細に示し,すべてのページを“完全図解”することにより,容易に内容が理解できるようにしてあります.

(3)空調設備,給排水衛生設備とその構成機器を実際と同じ立体図で描いてありますので,初めて学ぶ人が臨場感をもって学ぶことができます.

この本は,次のような,内容になっています.

(1)第1章は,空調設備に関する基礎知識として,冷房負荷と暖房負荷,空調方式,空調機の制御回路,空調設備の構成機器,冷凍サイクルと冷凍機,ボイラーとその制御回路,熱搬送設備について示してあります.

(2)第2章は,空調設備のメンテナンスの基礎知識として,事後保全と予防保全,保全性を図る尺度,空調設備を構成する空気加熱器,空気冷却器・空気ろ過器・加湿器・送風機・熱搬送機器のメンテナンス,ボイラー運転保守管理と定期自主検査・性能検査,冷凍機の運転操作と保守点検について示してあります.

(3)第3章は,給排水衛生設備に関する基礎知識として,上水道・下水道と水質基準,給水設備の給水方式と給水制御,給湯設備の給湯方式と加熱器,衛生器具,排水設備の排水方式と排水制御,トラップと阻集器,通気設備,排水処理と排水基準,浄化槽について示してあります.

(4)第4章は,給排水衛生設備のメンテナンスの基礎知識として,給水設備における特定建築物の水質管理と排水槽の点検・清掃,給湯設備の維持管理と性能検査・清掃,排水槽の定期点検と清掃,衛生器具の清掃,排水トラップ・阻集器・排水管の清掃,浄化槽の保守点検・清掃の基準ついて示してあります.

このように,この本は,空調設備,給排水衛生設備について,基礎から実務に役立つ知識を納得のゆくまで習得できるように工夫してあります.多くの人々が,この本を活用され,一日も早く,空調設備,給排水衛生設備の技術を習得され,活躍していただけるならば,筆者の最も喜びとするところです.

オーエス総合技術研究所 所長 大浜庄司

大浜 庄司 (著)
出版社: オーム社 (2014/10/18)、出典:出版社HP

目次

完全図解
空調・給排水衛生設備の基礎知識早わかり

第1章 空気調和設備の基礎知識

イラストで学ぶ 空調の制御方式のいろいろ
イラストで学ぶ 中央式空気調和機のしくみ

1.空気調和とはどういうことか
空気調和とは空気を調和する/空気調和における温度と湿度/結露と不快指数/
空気調和における気流と清浄度/熱の伝わり方/換気には自然換気と機械換気がある

2.空気調和負荷には冷房負荷と暖房負荷がある
冷房は熱を奪い,暖房は熱を加える/侵入熱負荷は室内に入ってくる熱量をいう/
室内発熱負荷には人体発熱負荷と機器発熱負荷がある/
空気調和負荷と冷房負荷・暖房負荷との関係/空気調和機による冷房方式/
空気調和機による暖房方式

3.空気調和方式のいろいろ
空気調和方式とはどういう方式か/全体制御方式・個別制御方式・ゾーン制御方式/
方位別ゾーン制御方式・使用別ゾーン制御方式/単・複熱源方式熱媒・冷媒供給方式/
冷媒方式―パッケージユニット方式・ヒートポンプ方式―/空気調和方式の種類

4.空気および水を媒体とする空気調和方式
全空気方式とはどういう方式か/単一ダクト方式には「定風量方式」と「可変風量方式」がある/
各階ユニット方式・二重ダクト方式・マルチゾーンユニット方式/
全水方式―ファンコイルユニット方式―/ファンコイルユニット方式の制御回埼/
空気・水方式とはどういうものか

5.パッケージ形空気調和機の制御回路
パッケージ形空気調和機とはどういう機器か/送風運転動作図/送風運転・冷房運転の動作/
冷房運転動作図/暖房・加湿運転の動作/暖房・加湿運転動作図

6.空気調和設備の構成
空気調和機とはどういう機器か/空気調和設備の構成/空気調和設備の全体機能図/
空気調和機内蔵の空気冷却器・空気加熱器/空気調和機内蔵の空気ろ過器・加湿器/
空気調和設備の熱搬送設備

7.空気調和設備では冷熱源に冷凍機を用いる
冷熱源をつくり出す装置を冷凍機という冷媒の素発・圧縮で冷却する冷凍サイクル/
圧縮冷凍サイクルで冷却する圧縮式冷凍機/吸収冷凍サイクルで冷却する吸収式冷凍機/
冷凍機にはいろいろな種類がある/冷却塔は冷凍機の凝縮器冷却水を冷却する

8.空気調和設備では温熱源にボイラーを用いる
ボイラーは空調設備の暖房の温熱源となる/ボイラーにはいろいろな種類がある/
ボイラーの出力・運転に関する用語/ボイラーの燃料と燃焼/ボイラーの水処理/
ボイラーの異常現象と事故

9.ボイラーの制御回路
ボイラーの始動動作順序(1)/ボイラー始動動作主バーナ用モータ運転動作図/
ボイラーの始動動作順序(2)/ボイラーの始動動作主バーナ着火動作図/
ボイラーの停止動作順序/ボイラーの停止動作図

10.熱搬送設備は熱媒体を搬送する
熱搬送設備はどのような機器で構成されているか/
空気調和設備にはターボ型遠心式ポンプが用いられる/送風機は空気に搬送する力を与える/
ダクトは空気を搬送するための専用道路/ダンパ・吹出口・吸込口/
配管は冷温水・蒸気を搬送する専用道路

イラストで学ぶ 空調の熱媒・冷媒の運ばれ方

第2章 空気調和設備のメンテナンス

1.設備保全とはどういうことか
保全とはどういうことか/保全には予防保全と事後保全がある/状態監視保全と事後保全/
故障率は経年により変わる/保全性を測る尺度/故障にはどんな種類があるのか

2.空気調和機のメンテナンス
空気調和設備を構成する機器/空気加熱器・空気冷却器のメンテナンス/空気ろ過器のメンテナンス/加湿器のメンテナンス/送風機のメンテナンス―日常点検―
送風機のメンテナンス―定期点検―

3.ボイラーのメンテナンス
ボイラーは法令により規制されている/ボイラーの運転保守管理/
ボイラーの定期自主検査項目―ボイラー本体・燃焼装置―/
ボイラーの定期自主検査項目―自動制御装置―/ボイラーの性能検査項目(開放検査)/
ボイラーの事故のいろいろ

4.冷凍機のメンテナンス
高圧ガス使用の冷凍機は法規制を受ける/冷凍機の運転操作と点検事項/
往復動冷凍機の保守点検/遠心冷凍機の保守点検/吸収式冷凍機の保守点検/
冷凍機の災害事象には冷媒ガス漏洩事故が多い

5.熱搬送設備のメンテナンス
熱搬送設備を構成する機器/ポンプは保守点検し機能を維持する/空調ダクトは清掃する/
配管のフランジ結合部の取外し・取付け/バルブには外部漏れと内部漏れがある/
冷却塔は保守点検し冷却水の水質を維持する

イラストで学ぶ パッケージ形空調機

第3章 給排水衛生設備の基礎知識

イラストで学ぶ 給排水衛生設備
イラストで学ぶ 給水設備の給水方式

1.給排水衛生設備とはどのような設備か
給排水衛生設備は生命を維持し健康を保持する/ビルの給排水衛生設備/
上水道より給水を受け下水道に排水する/給水には使用目的により上水と雑用水がある/
給水設備は建物で必要とする水を供給する/需要家は水質管理を行い水質基準を維持する

2.給水設備にはいろいろな給水方式がある
給水方式には水道直結方式と受水槽方式がある/水道直結増圧方式・ポンプ直送方式/
高置水槽方式は重力により給水する/圧力水槽方式は圧縮空気圧力により給水する/
高層ビルの給水方式のいろいろ

3.給水設備の給水制御回路
高置水槽方式の給水制御とはどういう制御か/
高置水槽方式給水制御回路構成機器の機能と動作/揚水ポンプの運転動作順序/
揚水ポンプの運転動作図/揚水ポンプの停止動作順序/揚水ポンプの停止動作図

4.給湯設備は湯を供給する
給湯設備にはどのような方式があるのか/局所式直接加熱給湯方式/
中央式間接加熱給湯方式/ボイラー利用中央式間接加熱給湯方式/
給湯設備の加熱機器にはいろいろある/給湯配管の考慮すべき事項

5.衛生器具は給排水を必要とする箇所に設ける
衛生器具とはどういう器具か/大便器の形式とその給水方式―水受け容器―
大便器の洗浄方式―水受け容器―/小便器の形式と洗浄方式―水受け容器―
洗面器の形状と取付け方式―水受け容器―/浴槽と給水栓の種類

6.排水設備は排水を処理する
排水にはこんな種類がある/排水の種類による排水方式/排水方法による排水方式/
重力式排水方式による排水配管/排水配管施工の留意事項
機械式排水方式の排水制御回路

7.排水設備にはいろいろな機能がある
直接排水と間接排水/排水設備にトラップはなぜ必要なのか/
管トラップはサイホン式トラップに属する/
隔壁トラップは非サイホン式トラップに属する/トラップはこのような原因で破封する/
阻集器は排水中の有害物質の流下を阻止する

8.排水の通気設備は排水の流れを円滑にする
排水の通気設備とはどういう設備か/なぜ排水管内の気圧は変動するのか/
通気方式にはどのような種類があるのか/通気系統は種々な機能をもつ通気管よりなる/
排水配管・通気配管系統はどうなっているか/地下階での排水は排水槽に貯留する

9.排水処理は河川などの水質汚濁を防ぐ
排水を河川などに放流すると水質汚濁を生じる/公共用水域への排水基準/
排水の汚染度を示す指標項目/汚水処理に係わる微生物/
大腸菌群と残留塩素による消毒効果判定

10.浄化槽は汚水・生活雑排水を浄化する
単独処理浄化槽と合併処理浄化槽がある/浄化槽は生物化学的処理により浄化する/
生物学的処理には好気性処理と嫌気性処理がある/
生物膜法は担体に微生物を繁殖させ分解する/活性汚泥法は微生物を浮遊させ分解する/
嫌気ろ床接触曝気方式の浄化槽

イラストで学ぶ 給湯設備の給湯方式

第4章 給排水衛生設備のメンテナンス

1.給水設備のメンテナンス
ビルなどでの飲料水の水質は所有者が維持する/給排水衛生設備の維持管理に関連する法令/
特定建築物における飲料水は水質管理する/貯水槽等飲料水に関する設備は点検する/
貯水槽は清掃する/飲料水系統配管は維持管理する

2.給湯設備のメンテナンス
給湯設備は湯を必要箇所に供給する/給湯設備は維持管理し汚染を防止する/
給湯温度を管理するとともに滞留水を防止する/給湯設備は清掃し水質検査をする/
貯湯槽は法令により性能検査を受ける/浴場施設は衛生的環境を確保する

3.排水槽のメンテナンス
排水槽は地階で生ずる排水を貯留する/排水槽の悪臭・衛生害虫の発生を防止する/
排水槽清掃のために事前準備をする/排水槽内を清掃する/
排水ポンプは適切に運転し貯留水腐敗を防止する/
排水槽の発生障害は原因を追究し対策をとる

4.衛生器具・排水関連設備のメンテナンス
衛生器具は清掃し清潔を保つ/大便器を清掃する/小便器・洗面器を清掃する/
排水トラップを清掃する/グリース阻集器を清掃する/排水管を清掃する

5.浄化槽のメンテナンス
浄化槽管理者は浄化槽を管理する責任がある/浄化槽管理者は浄化槽の保守点検を行う/
浄化槽の使用に関する準則/浄化槽の保守点検の技術上の基準/
浄化槽の清掃の技術上の基準/浄化槽管理者は浄化槽の法定検査を受ける

イラストで学ぶ 排水方式

索引

大浜 庄司 (著)
出版社: オーム社 (2014/10/18)、出典:出版社HP

ビル管理15の心得

1メンテナンスは安全第一
2メンテナンスは重点主義で
3目標を決めて計画的な実施
4生きた点検基準を作ろう
5日常点検は手まめに
6設備をたいせつにする習慣を身につけよう
7温度,湿度やちり,ほこりに注意
8うまず,たゆまず勉強と経験を積み上げよう
9五感をフルに使って名診断
10記録や資料を整備
11メンテナンスの経験を新設備に生かそう
12仕事の改良に終わりなし
13予備品管理に注意し,いつでも使えるように
14メンテナンスの効果の表し方を研究しよう
15非常のときの処置を常に日ごろから訓練しておこう

大浜 庄司 (著)
出版社: オーム社 (2014/10/18)、出典:出版社HP

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