2次元CAD利用技術者試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




CAD利用技術者試験の概要

CAD利用技術者試験は、CADを利用する上で使用者の技術を明確にし、一定の水準に達している人に対して認定を行う制度です。CADは建築の設計やプリント基板に導入されて以来、CADを使用できる技術者の需要が高まっています。試験は、「2次元CAD利用技術者」と「3次元CAD利用技術者」に分かれており、「2次元CAD利用技術者」は基礎・2級・1級、「3次元CAD利用技術者」は2級・準1級・1級とそれぞれレベルが細分化されています。

最新のCAD利用技術者試験テキストを確認する
Amazon  Rakuten

CAD利用技術者試験の公式テキスト

コンピュータ教育振興協会が発行している公式ガイドブックがあります。CADを利用する上での技術・知識を明確にして、CAD以外の周辺知識も網羅している内容になっています。

2020年度版CAD利用技術者試験2次元1級(建築)公式ガイドブック

はじめに

一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する「CAD利用技術者試験」は、CADの初学者を対象とした2次元CAD利用技術者試験基礎、2次元CAD利用技術者試験(2級・1級)、そして機械・製造系の3次元CADの基礎知識と技能を問う3次元CAD利用技術者試験(2級・準1級・1級)の、計3種類の試験からなっています。

本書は、「2次元CAD利用技術者試験1級(建築)」受験者のための指導書です。

2次元CAD利用技術者試験1級(建築)は、単に2次元CADシステムのオペレーション技能や図面の作図時間の速さ、正確さを評価するばかりでなく、建築設計業務に関連する基本事項と周辺知識を活用し、実務において最低限のコミュニケーションができる能力を評価するためのものです。したがって、本試験では、2次元CADシステムの正確なオペレーションはもちろんのこと、図面の読図能力、周辺知識とその応用力を評価するための出題がなされています。

本書は、2次元CADシステムのコマンドの操作方法だけでなく、実践例を出して解説し、効率よく技術を身に付けることに着眼し、解説しています。また2019年度の前期・後期問題とその解答を付けることで、本書をもとに自学自習できるよう構成しました。1級(建築)受験者はもちろん、基礎受験者、2級受験者、1級(トレース)受験者、SpaceDesigner検定受験者が建築系CADに関する知識を高め、実際の操作を学ぶためにも、本書を活用していただければ幸いです。

2020年2月 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

コンピュータ教育振興協会 (著)
出版社 : 日経BP (2020/2/22)、出典:出版社HP

目次

はじめに
一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)について
CAD利用技術者試験について

2020年度2次元CAD利用技術者試験1級(建築)実施概要

■第1章 建築製図の基礎知識
1 建築業務の基本知識
建築の業務
メモ:建築という言葉の意味
メモ:図面の成り立ちと役割
建築生産の流れと図面の役割

2 建築製図
尺度と用紙サイズ
線の種類と記号表記

3建築の主な構造
木造
鉄骨造
鉄筋コンクリート造
鉄骨鉄筋コンクリート造
そのほかの構造

4 建築の主な材料と部材
建築材料の分類・種別
製品化された部材
建築現場の工程と材料

5 モデュール
モデュールとは
モデュラーコーディネーション
モデュール用語
グリッドプランニングの実例

6 建築法規
建築法規の歴史
建築法規の体系
建築基準法の目的
建築法規の役割
建築物の安全と衛生(単体規定)
安全で快適な都市環境の整備(集団規定)
建築法規とコンピュータの利用
建築業務と図面の役割
建築業務の流れと必要な図面
各種図面の目的と内容
図面の種類と記載事項

■第2章 建築生産の電子情報
1 情報の伝達と共有
情報共有の意義と手法
電子納品のメリット
データベースの作成と意義
情報共有Webサーバの意義と利用方法

2 CALS/EC
CALSの概要
建築業の電子情報交換と電子取引
国土交通省による建設CALS/ECの整備

3 3XTCAD
2次元と3次元
3次元CADにおける建築設計
BIM

4 コンピュータによるシミュレーション
建築設計におけるシミュレーション
シミュレーションの実例

■第3章 CADによる図面作成
1 図面作成RC事務所ビル
配置図兼① 階平面図の作成手順と解説
2階平面図の作成手順と解説
断面図の作成手順と解説
立面図の作成手順と解説
矩計図の作成手順と解説

2 図面作成② 木造住宅
配置図兼1階平面図の作成手順と解説
2階平面図兼屋根伏図の作成手順と解説
断面図の作成手順と解説
木造屋根の設計のポイント
南立面図の作成手順と解説
そのほかの立面図(北面、東面、西面)の作成手順と解説
矩計図の作図手順と解説
展開図の作成手順と解説

■第4章 過去問題
1 解答枠の注意事項
解答枠の様式
解答枠のレイヤ設定
尺度の確認
解答枠に関する注意事項
解答用紙および解答データの提出に関する注意事項
解答枠の提供形式解説(参考

2 2019年度試験問題
前期試験問題
後期試験問題
解答

■巻末付録 2次元CAD利用技術者試験1級(建築) 用語集
データのダウンロードのご案内
索引

コンピュータ教育振興協会 (著)
出版社 : 日経BP (2020/2/22)、出典:出版社HP

2020年度 2次元CAD利用技術者試験 1級(建築)実施概要

●受験対象者
CADシステムを利用し、建築系の設計・製図などの業務に従事して1年以上の実務経験、または1年以上の就学経験を有する方を想定して試験を行いますCADシステムの操作ができるだけではなく、将来、設計者やオペレーターの管理業務を目指す方が対象です。

●2020年度実施スケジュール

前期試験 後期試験
申込期間 4月6日(月)~5月6日(水) 8月18日 (火)~9月23日 (水)
試験日 6月14日(日) 11月8日(日)
試驗時間 80分(保存時間含む)
合格発表 8月中旬 2021年1月中旬
受験資格 2級または1級(1級2級ともに旧称号含む)の有資格者
受験料※3 15,000円(消費税別)

※1 申込期間については、変更する場合があります。
※2 2次元CAD利用技術者試験2級との併願受験はできません。1級の申し込みには、2級合格時に取得する認定番号が必要となりますが、認定番号は2級試験合格の翌日に発番されるため、1級の申込期限前日までに受験してください。申込期間最終日に2級試験を受験された場合には、次回以降の1級受験となりますので、ご注意ください。
※3 消費税は申し込み日の税率となります。なお、過去の1級合格者は、受験料10,000円(消費税別)で受験することができます。ただし、申し込み時に1級の認定番号で申請した場合に限ります。詳細は、CAD利用技術者試験公式Webページにてご確認ください。
https://www.acsp.jp/cad/

●合格基準
実技試験と筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上を合格基準とします。※総合の比率は、筆記試験と実技試験の合計点を満点として換算したもので、それぞれの正解率を足して2で割った数値ではありません。

●実技使用CADシステム基準
1. CADソフトについて
試験に使用できるCADソフトに特に制限はありませんが、下記の基本条件を満たしていることが使用条件となります。また、CAD利用技術者試験センターが提供する「受験対象CAD判定サービス」(https://www.acsp.jp/cad/2d_hatei.html)にて確認を取ることが必須となります。ただし、「AutoCADシリーズ」については、判定の必要はありません。
※体験版についても製品版と機能が変わらなければ使用可能です。

【基本条件】
① 画層(レイヤ)機能を有すること
② DXFの入出力機能を有すること ※解答枠読み込み時および試験当日に解答ファイルを保存する際に必要となります。
③ 上記データ変換においてテキスト入出力機能を有すること
④ 解答枠で用意するものと同じ形式・バージョンのDXFに対応していること
(「2004」「2007」「2010」の3種類を提供)

2. 解答枠に関する注意事項
実技試験においては、指定した解答枠を使用していただきます。受験される際は、解答枠のダウンロードおよび動作確認を試験当日までに必ず行ってください。解答枠は、自動採点のときに解答の原点位置として利用します。問題のとおり正確な寸法で描かれていることや、線分の始点・終点ポイントに注意が必要です。また、試験会場では解答枠の提供を行わないため、事前にダウンロードを行っていない場合は、「採点対象外」となります。

① ダウンロードした解答枠は、圧縮ファイル(ZIP形式)になっていますので、事前に解凍してください。解凍するとフォルダにDXFバージョン2004/2007/2010に対応した解答枠データが入っています。
② 試験当日に使用する解答枠は、使用するCADソフトに対応するDXFのバージョンに合ったものを選んでください。
③ CAD利用技術者試験センターが用意したもの以外の作図データなどの持ち込みはできません。使用した場合は失格となりますのでご注意ください。
※解答枠に関する注意事項は、第4章の「1解答枠の注意事項」を参照してください。
※団体受験者は、団体の「試験実施責任者」にご確認ください。

●受験申し込みから合否公開までの流れ

【受験申し込み】
申し込みの詳細については、公式Webページ(https://www.acsp.jp/cad/)にてご確認ください。

【受験票】
受験票公開時には、ご登録いただいているメールアドレス宛にご案内をお送りいたします。また、受験票は、「マイページ」からダウンロードすることができますので、以下記載事項をご確認のうえ、当日持参してください。
① 受験票は、ご自身にてプリントアウトを行い、写真(縦4cm×横3cm、撮影より3ヵ月以内)を貼付のうえ、試験当日ご持参ください。
※受験票および写真は、試験当日に回収いたします。
② 受験票には、お申し込みいただいた内容が記載されています。間違いがないかご確認ください。
③ 受験票に記載のある注意事項を事前に必ずご確認ください。
④ 試験会場へのアクセス方法、所要時間等を事前に必ずご確認ください。
※受験票の地図はあくまでも目安であり、CAD利用技術者試験センターおよび試験会場では、道案内を行うことはできません。

【試験当日の注意事項】
1. 必ず持参するもの
① 受験票(写真縦4cm×横3cmを貼付)
② 筆記用具(鉛筆、シャープペンシル、消しゴム)
※筆記用具以外のもの(電卓、定規等)は使用できません。
③ ノートパソコン(CADソフトがインストールされているもの)

2. 持ち込み可能なもの
① 色鉛筆、マーカー
② マウス、マウスパッド
③ テンキーボード
④ フラッシュメモリ用USB延長ケーブル
⑤ 予備バッテリーまたは外付バッテリー(UPS=無停電電源装置は使用不可)
⑥ 腕時計(スマートウォッチは不可)

3.試験実施の流れ
① 試験会場に入室
試験会場では、受験番号順に座席が指定されています。自分の受験番号を。よく確認し、指定された座席に着席し、受験票は机の通路側に置きます。
※教室内で飲食はしないこと。また、特別な事由がない限り、不正防止のため、帽子やサングラスなどは身に着けないこと。
※マスクをされている場合、本人確認のために、試験監督官の指示により、一時的にマスクを外していただきます。

② 事前説明
試験開始の前に、試験監督官より注意事項などの事前説明があります。

③ 試験開始
試験時間80分の中で、筆記試験・実技試験を行います。作図データの保存時間も含まれておりますのでご注意ください。筆記問題、実技問題のどちらから始めてもかまいません。

④ 試験終了
試験問題、解答用紙、受験票を回収します。1つでも欠けると「失格」となりますのでご注意ください。すべての提出物を試験監督官が回収し、終了の合図で試験は終了となります。

4.試験当日の注意事項
① 試験時間中にバッテリー切れにならないよう注意し、不安な場合には、予告備バッテリーまたは外付バッテリーを用意してください。
② 試験会場での電源供給は行いません。なお、勝手に試験会場の電源を使用した場合は「失格」となりますのでご注意ください。
③ 試験問題は破かないで使用してください。「1枚」でも紛失した場合は「失格」となりますのでご注意ください。
④ 作図データは、すべてDXF形式での保存となります。
⑤ 試験当日に、体調不良などにより欠席される場合、CAD利用技術者試験 センターへの連絡は不要です。ただし、受験者都合よる欠席の場合、受験料の返金や次回以降の試験への振り替えはできないことを予めご了承ください。

【合否判定】
1. 合否判定通知書
「マイページ」にて公開いたします。合否判定通知書公開時には、ご登録のいただいているメールアドレス宛にご案内をお送りいたします。なお、以下のお問い合わせおよびご要望には一切応じることができません。
① 合否結果、採点内容、採点基準、配点基準、採点結果などに関するお問い 合わせ
② 提出された試験問題、解答データ、解答用紙などの確認・返還に関するご要望
③ マイページでの公開期間終了後の合否判定通知書の再公開・再発行

2. 証明書類
合格証書類は、合格証明書、合格証書、認定カードの3種類ありますので、必要な方はお申し込みください(有償)。お申し込みからお届けまで約1ヵ月程度かかりますので、あらかじめご了承ください。

コンピュータ教育振興協会 (著)
出版社 : 日経BP (2020/2/22)、出典:出版社HP

2020年度版CAD利用技術者試験2次元1級(機械)公式ガイドブック

はじめに

一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する「CAD利用技術者試験」は、CADの初学者を対象とした2次元CAD利用技術者試験基礎、2次元CAD利用技 術者試験 (2級・1級)、そして機械・製造系の3次元CADの基礎知識と技能を問う3次元CAD利用技術者試験 (2級・準1級・1級)の、計3種類の試験からなっています。

本書は、「2次元CAD利用技術者試験1級(機械)」受験者のための指導書です。

2次元CAD利用技術者試験1級(機械)は、単に2次元CADシステムのオペレー ション技能や図面の作図時間の速さ、正確さを評価するばかりでなく、機械設計、業務に関連する基本事項と周辺知識を活用し、実務において最低限のコミュニ ケーションができる能力を評価するためのものです。したがって、本試験では、 2次元CADシステムの正確なオペレーションはもちろんのこと、図面の読図能力、 周辺知識とその応用力を評価するための出題がなされています。

本書は、2次元CADシステムのコマンドの操作方法だけでなく、実践例を出して解説し、効率よく技術を身に付けることに着眼し、解説しています。また 2020年度の前期・後期問題とその解答を付けることで、本書をもとに自学自習で きるよう構成しました。

1級(機械)受験者はもちろん、基礎受験者、2級受験者および1級(トレース) 受験者が機械系CADに関する知識を高め、実際の操作を学ぶため、あるいは3次 元受験者がCADの基本知識を学ぶためにも、本書を活用していただければ幸いです。

2020年2月 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

コンピュータ教育振興協会 (著)
出版社 : 日経BP (2020/2/22)、出典:出版社HP

目次

はじめに
一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP) について
CAD利用技術者試験について

・2020年度2次元CAD利用技術者試験1級(機械)実施概要

第1章 機械製図の基礎知識
1 設計技術者に要求される資質
設計技術者が意識すべきこと
企業の社会責任(CSR) と拡大生産者責任 (EPR)
環境保護に対する設計者の責務
メモ:3Rだけではない、循環型社会実現のための考え方
環境保護に関係する諸法規 メモ:京都議定書
メモ:CO2削減に関するキーワード
製品が与える環境負荷の評価方法
設計技術者と倫理

2 機械製図の基礎
はじめに
日本工業規格(JIS) を参照する際の注意点
図面の条件
設計作業の流れ
部品図と組立図
図面の大きさと様式
尺度
線の種類
文字
投影法
寸法記入法
寸法補助記号
メモ:面取り寸法を面で指示する場合

3 材料
機械材料の分類
メモ:ステンレスも鉄の仲間 材料記号
材料記号の構成

4 サイズ公差寸法公差>とはめあい
本項を学習するに当たって
サイズ公差〈寸法公差〉
サイズ公差〈寸法公差〉の記入方法
メモ:寸法値の小数点以下の「0」
普通公差
はめあい

5 幾何公差
幾何公差はなぜ必要か
幾何公差の種類と定義
データム
幾何公差の記入方法
最大実体公差方式

6 表面性状(面の肌)
表面性状の図示記号」
メモ:算術平均粗さとは
表面性状の記入方法

7 加工方法
成形と加工
メモ:マシニングセンター
機械加工
メモ:紀元前約40世紀から鍛造は行われていた
仕上げ
表面処理
鑄造
そのほかの加工
メモ:加工しやすい設計とは

8 機械要素
ねじの製図
軸・軸継手と軸受の製図
歯車の製図
メモ:歯先曲線
メモ:転位歯車
ばねの製図

第2章 機械製図の実践例
1 機構部品の作図
機構の種類
リンク機構の作図
カム機構の作図①
カム機構の作図②

2 投影図からの作図
第三角法を用いた三面図の作成

3 適切な数値からの作図
表の数値から片口スパナを作図する

4 立体図からの作図
コネクティングロッドの作図
ユニバーサルジョイントの作図
メモ:R40の接円の作図方法

5 練習問題
例題
例題の解説
練習問題
練習問題解答

第3章 過去問題
1 解答枠の注意事項
解答枠の様式
解答枠のレイヤ例
尺度の確認
解答枠に関する注意事項
解答用紙および解答データの提出に関する注意事項
解答枠の提供形式解説(参考)

2 2019年度試験問題
前期試験問題
後期試験問題
解答

・巻末付録2次元CAD利用技術者試験1級(機械)用語集 [JIS CAD用語] データのダウンロードのご案内
索引

コンピュータ教育振興協会 (著)
出版社 : 日経BP (2020/2/22)、出典:出版社HP

CAD教科書 CAD利用技術者試験 2次元2級・基礎 テキスト&問題集 第2版

はじめに

本書は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)が主催する「CAD利用技術者試験」の「2次元CAD2級」および「2次元CAD基礎」の合格を目指す受験者をターゲットとしています。一般企業において、今や「手書きかCADか」の議論は終わり、CADを使った設計が当たり前のこととなり、CAD利用技術者の需要は増すばかりです。

CAD利用技術者試験は、図形・製図・コンピュータ・ネットワーク・セキュリティなどの知識、CADツールの操作能力などをバランスよく備えていることを受験者に求めており、多くの受験者が試験合格を目指してチャレンジしています。

本書は、読者の皆さんに短期間で合格していただくために、試験合格に必要な知識を教科書として教えるだけでなく、実際に数多くの練習問題とその解説を紹介して、試験慣れしていただくことを目指しています。作図関連の解説においては、日本でも全世界でも最大のシェアを誇るオートデスク社のCADソフト「AutoCAD LT」を使用して具体的な操作方法を示すようにしており、最も効率よく合格を手に入れることができるよう配慮しています。

本書は、CADシステム企画・運用担当、設計者、CAD教育の経験者という多彩な執筆メンバによって、単に試験の合格を目指すだけでなく、設計・製図者として社会で通用する人を育てたいという志の下、基本的なことから丁寧に説明し、しっかり理解できる内容にするべく努めました。

各CADベンダが独自で策定したベンダ試験では、ツールの操作習熟度を認定する試験が多いのが現状です。CAD利用技術者試験は、設計・製図者として社会で通用する人材かどうかを認定できる唯一の試験です。

世間では、3次元CADを利用した設計に移行しつつありますが、3次元設計をするうえでも2次元設計の基本を押さえておく必要があります。ぜひ本書を利用して「2次元CAD利用技術者試験基礎」、「2次元CAD利用技術者試験2級」に合格され、さらなる上を目指していただきたいと思います。

「2次元CAD基礎」試験はIBT(Internet Based Testing) システムを採用し、随時、自宅で受験することが可能です。「2次元CAD2級」試験は CBT(Computer Based Testing)システムを採用し、随時、各地の試験会場で受験することが可能となりました。このように、受験の機会が大幅に広がりましたので、多くの読者の皆さんが本書で勉強され、無事に合格を手にされることを願ってやみません。

最後に、本書の企画に賛同し協力を賜ったオートデスク株式会社の方々、本書の出版に際し 多大なるご尽力を賜った株式会社翔泳社の方々に、心から感謝の意を表します。

2018年10月 編著者 吉野 彰一

吉野 彰一 (著)
出版社 : 翔泳社; 第2版 (2018/11/7)、出典:出版社HP

目次

2次元 CAD利用技術者試験2級・基礎 試験の概要

・CAD利用技術者とは
CAD利用技術者の役割
CAD利用技術者への期待

・受験の手引き
2次元 CAD利用技術者試験2級・基礎の概要
試験の対策:CAD利用技術者「2次元 CAD2級」
試験の対策:CAD利用技術者「2次元 CAD基礎」.

・本書の使い方
本文解説
学習用問題

第1章 CADシステムの基本
1.1. 2次元CADの基礎知識
CADシステムの目的
CADシステムの構成

1.2.3次元CADの基礎知識
3次元形状モデルの種類
3次元形状モデルを表す方法
3次元CADのモデリング手法、
3次元CADの表示技術

1.3 業務の中でのCADシステム
2次元CADを使った仕事の流れ
3次元CADを使った仕事の流れ
コンカレントエンジニアリング
CADソフトと他ソフトウェアの連携

1.4 データ形式
データ変換

1.5 CAD による作図機能
1.5.1 作図機能
線分と直線
ポリゴン(多角形
円弧
スプライン
楕円

ハッチング
文字
寸法記入

1.5.2 編集コマンド

1.5.3 作図への応用
線の分割
角の二等分割
三角形の作成

1.5.4 図形の描き方
作図例1
作図例2
作図例3
練習問題

第2章 コンピュータの基本
2.1 ハードウェアの基礎知識
2.1.1 コンピュータの種類
パーソナルコンピュータ
その他のコンピュータ

2.1.2 コンピュータの機能
コンピュータの5大機能の制御と情報の流れ
パーソナルコンピュータの装置構成

2.1.3 演算装置・制御装置
CPU
バス
チップセット

2.1.4 主記憶装置・補助記憶装置
主記憶装置
補助記憶装置

2.1.5 入力装置

2.1.6 出力装置
ディスプレイ装置
印刷機

2.1.7 拡張カード・拡張ボード
グラフィックボード
サウンドボード
ビデオキャプチャボード
ネットワークインターフェースカード(NIC)

2.2 周辺機器の接続
2.2.1 インターフェース
シリアルインターフェース
パラレルインターフェース

2.3 ソフトウェアの基礎知識
2.3.1 ソフトウェアの分類

2.3.2 基本ソフトウェア (OS)

2.3.3 アプリケーションソフトウェア
CAD. 文書作成ソフト
表計算ソフト
圧縮解凍ソフト
ウイルス対策ソフト

2.3.4 文字の処理
文字コード
日本語入力
辞書
書体

2.3.5 ファイル
属性
拡張子
練習問題

第3章 ネットワークの基本
3.1 ネットワークの基礎知識
3.1.1 ネットワークの種類
LANとWAN
インターネットとイントラネット

3.1.2 通信プロトコル
TCP/IP

3.1.3 IPアドレス
サブネット グローバルIPアドレスとプライベートIPア
IPv6 (Internet Protocol Version 6)

3.2 LANの基礎知識
3.2.1 LAN 0
接続機器
接続形態(トポロジ),
接続方式

3.2.2 LANへの接続方法
LAN内部の装置
外部との接続装置
LAN間での接続装置
ファイアウォール
プロキシサーバー
無線 LAN
LANのネットワーク管理

3.3 インターネットの基礎知識
3.3.1 インターネットの仕組み
DNS (Domain Name System)
URL (Uniform Resource Locator)
インターネットの代表的なサービス
ブロードバンド

3.3.2 インターネットへの接続方法
接続回線の種類
インターネットのセキュリティ
練習問題

第4章 CAD システムの運用と情報セキュリティ
4.1 CADシステムの利用環境

4.2 CADシステムの運用管理

4.3情報セキュリティの基礎知識
ウイルス
迷惑メール
迷惑メール防止法
特定電子メール

4.4 知的財産権の基礎知識
ソフトウェアの著作権
ライセンス契約
CADデータの著作権
フリーウェアとシェアウェア

4.5 個人情報保護法
個人情報保護法(個人情報の保護に関する法
個人情報に関する用語
個人情報取扱事業者の義務
練習問題

第5章 製図の基本
5.1 製図の基礎知識
5.1.1 図面の基本要件と用紙サイズ
図面の基本要件対応 JIS: JIS Z 8310
用紙サイズ対応 JIS:JIS Z 8311
Q213-10、JIS B 3402

5.1.2 図面の様式 対応 JIS :JIS Z 8311

5.1.3 図面に用いる線と文字
図面に用いる線対応 JIS :JIS Z 8312、JIS B 8316、JIS B 340D
図面に用いる文字対応 JIS: JIS Z 8313-1、JIS Z 8313-10、Jus

5.1.4 図面に用いる尺度 対応 JIS : JIS Z 8314

5.2 製図の表現方法 対応 JIS: JIS Z 8316、JIS Z 8317
5.2.1 投影法
正投影
軸測投影

5.2.2 斜投影

5.2.3 投影図
投影図の作図方法
そのほかの投影図法
断面図
全断面図
片側断面図
部分断面図
回転図示断面図
多数の断面図による図示

5.2.4 ハッチング

5.2.5 省略図
対称形状の省略
繰り返し形状の省略
中間部分の省略

5.2.6 特別な図示方法
展開図
かくれ線の省略
必要部分以外の省略
相貫
平面部の図示
四角い開口部の図示
切断面の手前側の図示
寸法記入
寸法記入の原則
寸法記入の方法
寸法線の記入法
寸法補助線の記入法
端末記号および起点記号
引出線の記入法
寸法数値の記入法
寸法公差の記入法
寸法補助記号
直径の記入法
半径の記入法
弦の長さ
円弧および中心角の記入法
等間隔の繰り返し図形
対称部品の寸法記入法
高さ寸法の記入法
尺度に比例しない形体の寸法
寸法の配置
特殊な領域の表示
練習問題

第6章 図形の基本
6.1 図形の基礎知識.
図形の基礎的な形状
角の種類とその角を持つ三角形の名称
平行線であるための条件
円の名称
円と接線の関係
円の性質
円周角の性質
内接する四角形
三角形の内角と外角
三角形の種類
三角形の性質
三角形の合同
三角形の相似
中点連結の定理
多角形

6.2 三角関数
正弦定理
余弦定理
接弦定理

6.3三平方の定理
三平方の定理の応用

6.4 立体図形の基本
球・円柱・円すい
三角柱・立方体・直方体・五角柱
三角すい・四角すい・五角すい

6.5 立体図形の展開
立体図形の展開図
立体から展開図へ(1)
立体から展開図へ(2)
展開図から立体へ(1)
展開図から立体へ(2)
練習問題

2級 学習用問題
2級 学習用問題 1(Type A)
解答·解説
2級 学習用問題 2 (Type C)
解答·解説

基礎 学習用問題
基礎 学習用問題
解答·解説
索引

吉野 彰一 (著)
出版社 : 翔泳社; 第2版 (2018/11/7)、出典:出版社HP

2次元 CAD利用技術者試験 2級・基礎試験の概要

CAD利用技術者とは
▶︎CAD利用技術者の役割多くの産業の中で設計情報の伝達手段として「図面」が用いられており、その「図面」の作成王段として「CAD(Computer Aided Design)」が利用されています。CADが世の中に誕生してから50年近くが経ちますが、当初のCADは大型コンピュータトで動き、主に大企業で導入されていました。その後、技術の発展に伴いパーソナルコンピュータ(パソコン)上で動くCADが出現し始めたことにより、一般的な企業でも導入されるようになってきました。コンピュータの進歩と共に成長してきたCADには、従来のドラフタ(製図版)に比べて、次のような利点があります。

1. 複写・編集など、情報の再利用が容易にできる
2. ライブラリなどを利用した標準設計が容易にできる
3. 情報の伝達が高品質のまま高速で容易にできる
4. 情報の保管が安全にできる

こうした利点によってCADの普及率は高まり、CAD利用者は「設計者」から「コンピュータを扱える人」へと裾野が広がってきました。CADで作成した図面は見た目が美しく、どんな図面でもベテランの設計者が製図したように見えてしまうことから、「CADの功罪」として「設計力の低下」が問題になってきています。CADはあくまでもツールにすぎず、CAD利用者イコール設計者であるとは限りません。CADには、利用形態によって「トレース」「製図」「設計」という3つの役割があり、CADを利用する技術者にも、「設計者」「オペレータ」などの役割があります。また、CADを取り巻く世界には、CADシステムの開発者・操作トレーナー・営業、運用管理者など多くの関係者がおり、CAD利用技術者を支えています。

▶︎CAD利用技術者への期待
CAD利用技術者の役割から、CAD利用技術者へのアプローチの仕方が複数あることがわかります。「設計者」が「CAD利用技術者」になるにはCADの操作方法を覚える必要があり、「オペレータ」が「CAD利用技術者」になるには設計・製図の勉強をする必要があるのです。「CAD利用技術者試験」の問題や合格基準を見てもわかるように、「CAD利用技術者」には、CADの操作能力だけでなく、コンピュータ・ネットワーク・セキュリティ・CAD・製図・図形・知的財産などについての知識が求められます。

CADから出力される「図面」には、必要な品質を確保したうえで短期間・低コストで作成できる情報を含み、なおかつ、設計変更がしやすいように描かれている必要があります。CADを操作できる人は世の中に数多くいますが、誰もが一律に良い図面を描けるとは限りません。まずはトレースから始め、製図を経験し、最終的に設計をするようになる過程で、「CADオペレータ」から「良い設計者」になることが求められています。必要なスキルを習得することに加えて、自らの業務を効率よくこなし、後工程の業務効率の向上をも同時に実現することが「CAD利用技術者」には期待されているのです。

吉野 彰一 (著)
出版社 : 翔泳社; 第2版 (2018/11/7)、出典:出版社HP

本書の使い方

本書は、2次元CAD利用技術者試験2級・基礎を受験し、合格しようと思われている方の学習書です。本書の構成を次に示します。

▶︎本文解説
学習テーマごとに解説をしています。また、各章末には本文で学習した内容に関する練習問題(学習用問題を分野別に収録したもの。学習用問題については次ページ参照)とその解答・解説を掲載しています。実際に解いてみて、学習内容の復習をしましょう。

試験に出題される問題に正解するために、重要なポイントや知っておきたい事項を示します。

・Point
学習上のポイントを示します。

・用語解説
知っておきたい用語を示します。

・MEMO
本文を補足する事項や、知っておくと便利な事項を示します。

・スキルアップ
試験だけでなく現場で役立つ知識を示します。

▶︎学習用問題
巻末には、学習用問題とそれに対する解答および解説が掲載されています。ここに掲載されている学習用問題は、過去問題のように活用することができますので、実際の試験時間に合わせて取り組んでみるとよいでしょう。なお、この学習用問題は、『2018年度版2次元CAD利用技術者試験2級・基礎公式ガイドブック』に準拠して作問されております。最新の試験範囲は、当該年度の公式ガイドブックを参照してください。

吉野 彰一 (著)
出版社 : 翔泳社; 第2版 (2018/11/7)、出典:出版社HP

最新のCAD利用技術者試験テキストを確認する
Amazon  Rakuten