コンクリート技士/コンクリート主任技士のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法)




コンクリート技士/コンクリート主任技士の概要

コンクリート技士/コンクリート主任技士とは、コンクリートの製造や施工、品質管理を行う技術者の技術の向上を図るための資格です。コンクリート技士はコンクリートの製造、施工、配合、検査、管理などの業務を実施するスキルを有していることを証明する資格です。一方、コンクリート主任技士はコンクリート技士の能力に加え、研究や指導などの高度な技術を持った技術者であることを証明します。コンクリートは建物、道路と基盤になる材料です。年々、工事が複雑化しているので、技術者も対応する必要があります。資格取得者は、工事現場だけでなく、コンクリートのメーカーなど多くの場所で活躍しています。

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コンクリート技士/コンクリート主任技士の公式テキスト

1.「2018年版 この一冊で合格! コンクリート技士 徹底図解テキスト」(ナツメ社)

コンクリート関連検定試験研究会 (著)
出版社: ナツメ社 (2018/6/11)、出典:amazon.co.jp

材料、施工、各種コンクリートなどの出題範囲から、とくに試験に出るポイントを解説!過去10年の問題を分析、出題傾向を解説。平成28、29年の試験問題、解答例と解説を掲載。

 

2.「平成30年版 コンクリート技士試験問題と解説 付・『試験概要』と『傾向と対策』」(技報堂出版)

大即 信明 (著, 監修), 桝田 佳寛 (著, 監修), 網野 貴彦 (著), 井上 健 (著)
出版社: 技報堂出版 (2018/6/22)、出典:amazon.co.jp

出題傾向が自然にわかる。最新の5年分の問題を分野別に整理し解説。ポイントを見れば必要な知識がわかる。過去10年の全問題と解答を掲載。

 

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目次 – コンクリート主任技士試験完全攻略問題集2019年版

はじめに

本書を斯界に上梓以来、約10年にもなった。常に反省の意を込めて内容を見直しているが、今回も学問、技術の進歩や解釈の進化を含め、各業界を知り尽くした執筆陣により、「わかりやすさ」をモットーに直近5年間で出題された過去問題と、基本を重視した演習問題の解答と、そこに至るまでの解説を簡潔にまとめた本書を発行した。とくに現場の流れを汲み取り演習問題を作成、集録した。

当該資格試験の内容はコンクリート材料・同性質・耐久性・配(調)合設計・製造・品質管理・施工・製品・構造設計等の広範多岐にわたる分野で構成され、しかも側圧や型枠設計に関しての労働安全規則も含んでいるのである。すなわち、人命尊重の理念・よりよい社会基盤構造物構築を目的としている。

このため、工業標準化法によりJIS認証レディーミクストコンクリート工場に関し、コンクリート製造、施工、試験、検査および管理などの技術的業務を実施する能力のある技術者(コンクリート主任技士等)が常駐しており、配合設計および品質管理等を適切に実施できることとなっている。よって、有資格者の存在の重要性と責任は重かつ大である。

なお、付言すると規格・規律の変更・追加が行われることもあるので、関連記事コンクリート新聞(コンクリート新聞社)、コンクリート工学(コンクリート工学会)}に注意を払うこともすすめたい。

2017年からは小論文の構成、執筆要領が開示された。公平さが保たれ、ありのままを記述すればよく、執筆しやすくなったといえる。

最後に、本問題集を繰り返し熟読玩味演練することを希望している。四肢択一回答にあたって、「適当なものはどれか」、「不適当なものはどれか」の両者を勘違いしないように、老婆心ながら申し添えたい。完璧を期し、成功を祈るや切である。

学校法人浅野工学園浅野工学専門学校
理事教授博士(工学)加藤直樹

コンクリート主任技士・技士完全攻略問題集作成委員会 (著), 浅野工学専門学校 (監修)
コンクリート新聞社; 初版 (2019/6/29)、出典:出版社HP

目次

はじめに

Part1 コンクリート主任技士試験の概要

Part2 傾向と対策

Part3 2018年度試験問題の解答と解説

Part4 過去問題と演習問題の解答と解説
コンクリート用材料
セメント(A)
演習問題(A)
骨材(B)
演習問題(B)
混和材料(C)
演習問題(C)
水(D)
演習問題(D)
鋼材(E)
演習問題(E)
フレッシュコンクリート(F)
演習問題(F)
硬化したコンクリート(G)
演習問題(G)
コンクリートの耐久性(H)
演習問題(H)
コンクリートの配(調)合設計(I)
演習問題(I)
計量・練混ぜ、品質管理・検査(J)
演習問題(J)
レディーミクストコンクリートの製造(K)
演習問題(K)
コンクリートの施工(L)
演習問題(L)
特殊なコンクリート(M)
演習問題(M)
コンクリート構造の設計(N)
演習問題(N)

Part5小論文を乗り越えよう
小論文(0)
演習問題(0)

発行後に判明しました訂正事項および補記は、弊社ホームページ(www.beton.co.jp)にてお知らせしておりますので、ご参照ください。

陣内先生が動画で試験問題のポイントを解説!

コンクリート新聞社では、『コンクリート主任技士試験完全攻略問題集2019年版』のご購入者の試験合格をより一層支援するため、講義動画を無料で配信します。

著者の陣内浩氏(東京工芸大学教授)が講師となり、本書の演習問題を使ってポイントを解説します。

①講義動画の配信開始予定日
2019年8月9日に講義動画の配信を予定しています。公開は2019年11月末で終了します。
なお、諸般の事情により予告なく内容を変更したり、配信を中止したりする場合があります。

②閲覧方法
講義動画はYouTubeの「コンクリート新聞社チャンネル」で閲覧できます。スマートフォンなどでQRコードを読み取り、アクセスしてください。通信料はご利用者のご負担になります。

コンクリート技士・主任技士試験の概要

1.受験資格
2019年9月1日現在、下表のいずれかに該当する人が試験を受けることができます。

資格 コンクリートの技術関係業務(注1)の必要実務経験年数 C証明書等
技士 主任技師
A1
A2
A3
A4
A5
A6
A7
コンクリート診断士
一級建築士
技術士(建設部門)
技術士(農業部門 – 農業土木)
(特別上級・上級・1級)土木技術者(土木学会)
RCCM(鋼構造及びコンクリート)(建設コンサルタンツ協会)
コンクリート構造診断士(プレストレストコンクリート工学会)
いずれかを登録していること 実務経験の記入および勤務先の証明など不要 登録証明書、管理技師資格者証等のコピー
A8 1級土木施工管理技士または、
1級建築施工管理技士
管理技術資格を有すること
B1. コンクリートの技術関係業務実務経験者(学歴・年齢は関係なし) 3年以上 7年以上、またはコンクリート技士合格後2年以上(注2) 実務経歴書およびその証明(受験願書に記載)
A1〜A8・B1の資格がない場合 B2 大学
B3 高等学校
コンクリート技術に関する科目を履修(成績) 修した卒業者(注3) 2年以上 4年以上 実務経歴書およびその証明(受験願書に記載)卒業証明書および履修(成績)証明書
B4 短期大学
B5 高等専門学校
コンクリート技術に関する科目を履修(成績) 修した卒業者(注3) 2年以上 4年以上
B6 高等学校 コンクリート技術に関する科目を履修(成績) 修した卒業者(注3) 2年以上 5年以上

 

(注1)コンクリートの技術関係業務:レディーミクストコンクリート・コンクリート製品の製造、コンクリートの品質管理・施工管理、コンクリートの設計ならびにコンクリートの試験・研究等に関する業務をいう。
(在学中のアルバイトなどは実務経験年数に該当しません。)

(注2)コンクリート技士合格者:2016年度(平成28年度)までに「コンクリート技士」に合格し、その後2年以上の実務経験を有する人。

(注3)コンクリート技術に関する科目(コンクリート工学、土木材料学、建築材料学、セメント化学、無様材料工学、等)
※大学院でコンクリートに関する研究を行った期間を実務経験とする場合は、実務経歴書に研究アーの記入と、大学院の修了証明書が必要です。

2.選考基準

3.資格取得の流れ
コンクリート技士試験・コンクリート主任技士試験
受験願書販売期間 2019年7月初旬~8月23日(金)
受験願書提出期間 2019年8月1日(木)~9月2日(月)
受験票 2019年11月初旬発送予定
試験実施 2019年11月24日(日)
合否通知(登録申込用紙) 2020年1月中旬発送予定
登録申込2020年1月中旬~2月3日(月)(予定)
登録証2020年3月下旬発送予定
(有効期限 2024年3月31日)

コンクリート技士・主任技士の試験の実施要領に関する問い合わせ先
公益社団法人日本コンクリート工学会
〒102-0083東京都千代田区麹町1-7相互半蔵門ビル
Tel.03-3263–1571 Fax.03-3263-2115
ホームページhttp://www.jci-net.or.jp

傾向と対策

①どんな人が受かるのか
日本コンクリート工学会の受験案内によれば、コンクリート技士は、コンクリートの製造、施工、配(調)合設計、試験、検査、管理および設計など、日常の技術的業務を実施する能力のある技術者となっており、主任技士は、技士の能力に加えて、研究および指導などを実施する能力のある高度の技術を持った技術者となっている。

また、同受験案内の選考基準では、主任技士には技士よりも応用力が備わっていることを求めていることが読み取れる。四択問題だけでなく、小論文などを上手く活用して、コンクリート技術者としての応用力を示すことができれば、合格に近づくと考える。

②問題のレベルは
四択問題は、技士試験と問われていること自体はそれほど変わらないが、少しだけ深い知識が要求されるようになってくる。簡単な例文を作ると、技士試験で「コンクリートは固まる」という設問であったものが、主任技士試験では「コンクリートはセメントの水和反応によって固まる」というような少し長い設問になったりする。

技士試験ではコンクリートが固まることさえ知っていれば解答できるが、主任技士試験では、コンクリートが固まることだけでなく、その理由が「セメント」にあることや、セメントの反応が「水和反応」であることなども含めて問われるのである。

小論文は技士試験にない問題である。普段から文章を書くような業務ではない人には、最大の難関は小論文という人も多い。口頭ではなく、文章で前述したような応用力があることを示さなければならない。

③合格のために何から勉強すべきか
本来、コンクリート主任技士は①で書いたような能力のある技術者であるべきで、そのために様々な知識を身に着けた人が合格者となるべきであるというのが正論である。ただし、高校受験や大学受験などと同様に、正論だけで試験に挑むのは無謀で、過去に出題された問題などを確実にマスターしてから試験に挑むのが合格への近道である。

過去の問題を見る限り、コンクリート主任技士試験の出題傾向は、人を振るい落とすための試験ではなく、必要な知識を持った人にコンクリート主任技士の資格を付与するためにできていると考えられる。したがって、過去に出題したものと類似の問題は出題されないということはなく、必要な知識の確認のためであれば、度々、過去問と類似の問題が出題されている。

四択の問題で、設問すべてが過去問と同じということはないが、過去問を解く学習を繰り返すと、四択のうち、一つ二つは見たことがあると思う設問が混ざることが多く、事実上、二択となるような問題も多い。

ここまで記述したように、まずは過去5年の過去問題を解くところから始めることを勧める。過去問を解くと説明すると5年分を1回だけ解く人もいるのだが、1回ではなかなか覚えないので、個人的には3回解くことを勧めている。3回目に解いている時はほぼ過去問5年分が頭に入っていることを実感できると思う。簡単な資格試験であれば、この勉強だけでも十分に合格圏内の知識が身につく。

小論文の練習にあたっては、解答例を参考にするだけでなく、受験案内の選考基準で、主任技士に何を求められているのかなども確認しておくとよい。コンクリートの品質をないがしろにして実益を出したことなどを得意げに書いたりすると不合格になってしまう可能性が高いので、気をつけるべき。

④過去問題集以外に参考書を使うとすれば
日本コンクリート工学会の受験案内によれば、選考基準の表に土木学会示方書と日本建築学会JASS5の知識が必要であることがはっきり示されている。しかし、両書を丸暗記することは不可能に近く、これらを参考書として試験勉強することはあまりお勧めしない。

コンクリート主任技士試験の過去問題を調べた結果から考えると、この試験の参考書として役に立つのは、日本コンクリート工学会の「コンクリート技術の要点」であると思われる。日本コンクリート工学会が講習会テキストとして販売しているこの本は、土木学会示方書や日本建築学会JASS5などの要点を取りまとめた本であり、コンクリート主任技士試験の問題が、この本で特に重要として下線が引かれているような解説から出題されることも多い。

普通に考えれば日本コンクリート工学会が重要と考えている部分から出題されるのは当然なので、参考書としては最適と思われる。過去問を覚えつつ、その周辺知識を参考書で補いながら学習を進めれば、合格はさらに近づくと思われる。

コンクリート主任技士・技士完全攻略問題集作成委員会 (著), 浅野工学専門学校 (監修)
コンクリート新聞社; 初版 (2019/6/29)、出典:出版社HP