言語聴覚士のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




言語聴覚士の概要

言語聴覚士とは、「話す」、「聞く」、「食べる」といったコミュニケーションのスペシャリストのことです。事故や先天的にコミュニケーション能力が損なわれている人に対して、訓練、助言、指導などを通して援助をしていきます。言語聴覚士は、主に医療と福祉、教育の現場で必要とされています。厚生労働省が認可している国家資格ですので、専門機関や養成所で学ぶ必要があります。

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言語聴覚士の公式テキスト

言語聴覚士の公式テキストはありません。基本的に専門学校や養成所を修了する必要があるため、授業で使用していたテキストで学習する方が良いでしょう。国家試験対策として問題集や過去問題集を活用するといった具合で学習を進めると良いです。

言語聴覚士のおすすめテキスト

1.「言語聴覚士国家試験 受験対策実戦講座 2019~20年版」(診断と治療社)

梅田 悦生(赤坂山王クリニック院長)(著), 梅田 紘子(武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部名誉教授)(著), 神山 政恵(東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科言語聴覚学専攻准教授)(著)
出版社: 診断と治療社; 初版(2018/11/15)、出典:amazon.co.jp

第 I 編「総復習編」では,言語聴覚士国家試験の出題範囲となる分野の参考書として知識を整理できるようになっている.第 II 編「過去問題編」では,国試第19回,20回(2017,2018)の最新2年分の過去問を解説とともに掲載.第 III 編「頻出問題理解編」では,過去9年間(2008~2016)の全問題1,800題から執筆者が精選した頻出160題を分野別に収載した.国試の傾向をつかみ,ぜひ合格を!

2.「言語聴覚士テキスト 第3版」(医歯薬出版)

大森 孝一(編集), 永井 知代子(編集), 深浦 順一(編集), 渡邉 修(編集)
出版社: 医歯薬出版; 3版(2018/3/30)、出典:amazon.co.jp

言語聴覚士を目指している学生や若手の言語聴覚士の定番テキスト。言語聴覚障害学の内容を網羅しており、重要な知識を身につけることができる。コミュニケーションにおける領域のみならず、人文科学や社会科学などの分野も収録されている。第3版では病理学や人口中耳の分野を追加。総合的な知識を深めることができる内容になっています。

3.「言語聴覚士国家試験過去問題3年間の解答と解説〈2019年版〉」(大揚社)

言語聴覚士国家試験対策委員会(編集)
出版社: 大揚社(2018/7/1)、出典:amazon.co.jp

言語聴覚士試験の過去問題集。直近3年間の試験の解答と解説も収録。

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目次 – 言語聴覚士テキスト 第3版

第3版の序

人類の歴史の中で言語と聴覚を考えてみますと、はじめに音声と聴覚があり伝達手段となって脳機能の発達とともに言語が生まれ、言語により文明や文化は発展し人類の存在が意義あるものとなっています。言語と聴覚で人と人がコミュニケーションをとることでコミュニティが生まれ人間らしい生活の営みや社会的な活動を円滑にする役割を果たしてきました。

音声機能、言語機能聴覚に障害が生じるとコミュニケーションに支障をきたし生活の質が低下します。これらの機能の維持向上を図るために、検査や助言、指導、訓練などを行う者として、1999年に国家資格をもつ言語聴覚士が誕生し、今年で20年目になります。有資格者の数は現在29,000人を上回り、言語、聴覚、発声発語、摂食嚥下、高次脳機能などにかかわる医療に貢献してきました。

現在、わが国では超高齢社会を迎えて、コミュニケーションを含めて生活の質を保ったままでの健康長寿が求められており、一方で乳幼児のコミュニケーション障害には早期の介入が有用であることが明らかとなっております。言語聴覚士への社会的ニーズが高まってきており、さらには医療だけでなく介護においても活躍するフィールドの幅は広まっています。

本書は2005年に「言語聴覚士テキスト」として第1版、2011年に第2版を刊行し、言語聴覚士の教育や臨床に大きな役割を果たしてきました。この度、国内外の言語聴覚学の発展や実地臨床の進歩に対応するため、編者、著者に新しいメンバーの参加を得て、第3版が上梓される運びとなりました。まず言語聴覚士を目指す学生に必要な項目について「言語聴覚士国家試験出題基準」をもとに網羅し、さらに言語聴覚士の卒後の生涯教育や臨床現場での対応に役立つような内容を目指しました。

今回は、病理学の項目を追加して基本的な疾患の病態の理解を深め、人工中耳の項目を加えるなど言語聴覚に関わる最新の医療を内容に含めました。コラムは一新して先進的な取り組みについても取り上げました。それぞれの項目については、経験豊富な一流の執筆陣にお願いして、わかりやすく簡潔にまとめていただきました。ここに改めて御礼を申し上げます。本書が言語聴覚学の学習に役立ち、リハビリテーション医療の質の向上に貢献することを願っています。

2018年3月
編者を代表して
大森孝一

大森 孝一 (編集), 永井 知代子 (編集), 深浦 順一 (編集), 渡邉 修 (編集)
出版社: 医歯薬出版; 3版 (2018/3/30)、出典:出版社HP

第2版の序

わが国において、はじめて国家資格をもつ言語聴覚士が誕生して以来、有資格者の数はすでに17 000人を上回り、言語聴覚士の社会的意義が高まりつつある現状である。言語聴覚士の養成プログラムの充実と有資格者の研鑽に役立つための情報を整理し、広く深い知識を提供することを目的として、我々はすでに去る2005年に「言語聴覚士テキスト」(第1版)を刊行したこの第1版は幸いにも多くの読者を得て、十分にその目的を達したと考えられる。

しかしコミュニケーション障害学とその周辺の学問領域においては、第1版の刊行後も日進月歩の新しい知識が積み重ねられており、また「言語聴覚士国家試験出題基準」も、平成20年4月版が発行された。これらをさらに統合して版をあらためることがきわめて有意義であると考えるに至った。

そこで「言語聴覚士テキスト」の第2版として、編集者、著者に新しいメンバーの参加を得て、本書が刊行される運びとなった。本書は第1版と同様、言語聴覚士を目指す学生の卒前教育のみならず、言語聴覚士資格保有者の卒後のいわゆる生涯教育をも視野に入れ、関連する多くの領域のなかでとくに重要と考えた科目を選んで構成した。本書が言語聴覚士の資質のさらなる向上に役立つことを切望するものである。

今回、第1版にもご協力いただいた岩田誠名誉教授に加え、小川郁教授、立石雅子教授に編集者としてご参加いただいたことは監修者として喜びに耐えず、この機会にあらためて御礼申し上げるものである。また第1版に引き続きご協力いただいた医歯薬出版株式会社編集担当者に深謝する。

2011年1月
廣瀬肇

大森 孝一 (編集), 永井 知代子 (編集), 深浦 順一 (編集), 渡邉 修 (編集)
出版社: 医歯薬出版; 3版 (2018/3/30)、出典:出版社HP

第1版の序

今回、多数の著者の協力を得て「言語聴覚士テキスト」を刊行することとなった。言語聴覚障害学という概念は、本来ことばの生成と聴取における障害を中心とし、コミュニケーション障害学とほぼ同義とされていたと考えられる。しかしわが国において平成10年に言語聴覚十法が施行され、翌年に国家資格を有する言語聴覚士が誕生するに至り、その受験管格を得るための養成校のカリキュラムとして、かなり広い領域にわたる課目が要求されるようになった。

かくて現在の言語聴瓦卓吉子の範囲はコミュニケーション機能とその障害に関連する科学のみならず、その周辺あるいは背景にある人文科学、社会科学なども含め、多くの分野を総合したものとなりつつある。

このような時期にあたり、本書ではこうした総合的な見地に立って、言語聴覚士を目指す学生の卒前教育のみならず、言語聴覚士資格保持者の生涯教育をも視野に入れ、関連する多彩な学問領域のなかでとくに重要と思われる科目を選ぶこととした。したがって、本書は国家試験受験のための参考書とは一線を画するものを目指していることを強調しておきたい。

言語聴覚士の社会的意義が認められつつある現況から、今後は言語聴覚士にとってさらに広く、しかも深い知識が要求される時代となっていくと思われる。本書がこれらの要求に応えるための一助となることを切望するものである。

本書の刊行に当たっては、小松崎篤名誉教授、岩田誠教授、藤田郁代教授に編集者として参加していただき、さらに鹿取廣人名誉教授には企画段階から貴重なご意見を賜ることができた。この機会に監修者として心から御礼申し上げたい、また終始ご協力いただいた医歯薬出版株式会社編集担当者に深謝する。

2005年1月
廣瀬肇

大森 孝一 (編集), 永井 知代子 (編集), 深浦 順一 (編集), 渡邉 修 (編集)
出版社: 医歯薬出版; 3版 (2018/3/30)、出典:出版社HP

Contents

第3版の序
第2版の序
第1版の序

I 基礎医学

1.医学総論(岡島康友)
1少子高齢化の問題
1.高齢社会の到来
2.地域医療と介護の問題

2日本人の死因と要介護の原因

3障害の概念

4リハビリテーションの概念

5医の倫理
1.守秘義務
2.個人情報保護
3.生命倫理
4.臨床医学研究と倫理
5.インフォームド・コンセント
6.根拠に基づく医療

6医療安全と感染予防
1.医療安全の推進
2.感染予防の実際

7健康管理と予防医学
1.母子保健
2.成人・老人保健
3.精神保健
4.環境保健

2.解剖学・生理学(小林靖)
1人体の構成
1.人体の階層性
2.組織
3.器官と器官系
4.身体の部位や方向を表す用語

2運動器系
1.骨格
2.骨格筋

3循環器系
1.心臓
2.血管系
3.リンパ系

4呼吸器系
1.鼻腔・副鼻腔
2.頭
3.接頭
4.気管
5.肺
6.呼吸運動

5消化器系
1.口腔
2.咽頭・食道
4.小腸
5.大腸
6.蠕動運動
7.肝臟·胆囊
8.膵臓

6泌尿器系
1.腎臟
2.尿管
3.膀胱
4.尿道

7生殖器系
1.男性生殖器
2.女性生殖器

8内分泌系

9免疫系上血液
1.免疫細胞
2.リンパ節
3.胸腺
4.脾臟
5.血液

10神経系
1.神経系の区分
2.神経系の細胞とその機能
3.中枢神经系
4.末梢神経系
5.自律神経系

11感覚系
1.皮膚感覺
2.視覺
3.聴覚‧平衡感覚
4.嗅覚味覚

12言語に関する器官の発生

3病理学(小杉伊三夫)
1疾病原因
1.外因
2.内因

2病変
1.退行性病変
2.進行性病変
3.循環障害
4.炎症
5.腫瘍
6.先天異常と奇形

3遺忘

4免疫
1.免疫過敏症による組織傷害とアレルギー性疾患
2.自己免疫疾患

Ⅱ 臨床医学

1.内科学(上月正博)
1内科診断学総論
1.呼吸機能検査
2.循環機能検査(心電図など)
3.血液検査
4.尿検査
5.画像検査

2内科治療学総論
1.急性疾患の管理
2.慢性疾患の管理

3循環器疾患
1.先天性心疾患
2.心臓弁膜症
3.虚血性心疾患
4.高血圧と動脈硬化
5.心不全と不整脈

4呼吸器疾患
1.上気道疾患
2.気管・気管支疾患
3.肺疾患

5アレルギー・免疫疾患・膠原病
1.アレルギー疾患
2.気管支喘息
3.自己免疫疾患
4.膠原病
5.免疫不全

6血液疾患
1.貧血
2.白血病
3.出血性疾患

7消化器疾患
1.食道・胃・腸疾患
2.肝・胆道・膵疾患

8腎臓疾患
1.腎炎・腎臓障害
2.腎不全
3.慢性腎臓病(CKD)

9内分泌・代謝疾患
1.内分泌疾患
2.代謝疾患

10感染症
1.感染症
2.感染症の予防と治療

11老年病学
1.老年障害の特徴と疫学
2老化
3.長期臥床
4.廃用症候群

2.小児科学(斎藤加代子)
1小児科学とは

2成長と発達
1.発育期の分類
2.成長とその評価
3.発達とその評価

3出生前の因子による疾患
1.遺伝子病
2.染色体異常症と多発奇形症候群
3.胎芽病
4.胎児病

4小児神経疾患、精神疾患
1.神経系の奇形
2.けいれん性疾患
3.神経系感染症
4.脳腫瘍
5.神経皮膚症候群
6.変性疾患

5小児の神経筋疾患
1.脊髄性筋萎縮症(SMA)
2.ギラン・バレー症候群(GBS)
3.遺伝性ニューロパチー、シャルコ・マリー・トゥース病
4.重症筋無力症
5.筋ジストロフィー
6.先天性ミオパチー
7.代謝性ミオパチー
8.筋強直性ジストロフィー(筋緊張性ジストロフィー:DM

6遺伝カウンセリング

3.精神医学(三村將)
1精神疾患の分類
1.内因性、心因性、器質性
2.操作的診断分類

2正常と異常
1.正常性の判断
2.パーソナリティ障害

3内因性疾患
1.統合失調症
2.気分障害(感情障害

4心因性疾患
1.神経症
2.心因反応
3.心身症
4.生理的障害

5器質性疾患
1.認知症
2.中毒性精神障害

6各年齢期の障害の特徴

4リハビリテーション医学(芳賀信彦)
1概論

2評価と検査

3治療

4疾患・障害のリハビリテーション
1.損傷
2.末梢神経障害
3.脳性麻痺
4.神経筋疾患
5.脊髄障害
6.骨・関節疾患
7.呼吸器・循環器疾患、がん

5耳鼻咽喉科学(折舘伸彦)
1耳科学
1.外耳疾患
2.中耳疾患
3.内耳疾患
4.顔面神経疾患
5.聴力改善手術
6.前庭・平衡系の構造と機能
7.前庭・平衡系の検査
8.めまい疾患

2鼻科学
1.固有鼻腔と副鼻腔の構造
2.固有鼻腔と副鼻腔の機能
3.固有鼻腔と副鼻腔の検査
4.鼻副鼻腔疾患
5.嗅覚とその障害

3口腔・咽頭科学
1.口腔・咽頭の構造
2.口腔・咽頭の機能
3.口腔・咽頭の検査
4.口腔疾患
5.咽頭疾患
6.唾液腺疾患
7.鼻咽腔閉鎖不全をきたす疾患
8.味覚とその障害

4喉頭科学
1.喉頭疾患
2.音声外科
3.喉頭摘出術

5気管食道科学
1.気管・気管支・食道の構造
2.気管・気管支・食道の機能
3.気管・気管支・食道の検査
4.気管・気管支疾患
5.食道疾患
6.気管切開と気道確保
7.嚥下障害
8.気道・食道異物

6臨床神経学(永井知代子)
1神経系の解剖・生理
1.中枢神経系の構造と機能
2.末梢神経系の構造と機能
3.伝導路
4.脳血管
5.髄液循環

2神経学的検査

3神経症候学
1.意識
2.脳神経系
3.運動系
4.感覚系
5.反射
6.髄膜刺激症候

4臨床神経学各論
1.腦血管障害
2.頭部外傷(外傷性腦損傷
3.脳腫瘍
4.中枢神経感染症
5.神経性疾患
6.認知症
7.水頭症
8.脱髓疾患
9.末梢神経障害
10.筋疾患(ミオバチー)および神経筋接合部疾患
11.代謝性疾患
12.天他疾患

7形成外科学(鈴木茂彦)
1形成外科学総論
1.皮膚の解剖と生理
2.創傷治癒

2組織移植
1.植皮
2.皮

3外傷、熱傷、皮膚潰瘍
1.顔面外傷
2.顔面神経麻痺
3.顔面熱傷
4.気道熱傷(損傷)
5.電擊傷、化学学熱傷(損傷)、凍傷
6.褥瘡

4口唇・顎・口蓋裂
1.分類、発生
2.手術時期、術式
3.二次手術
4.口蓋裂に伴う合併症

5頭蓋、顏面先天異常
1.ピエール・ロバン(PierreRobin)症候群
2.トリーチャー・コリンズ(TreacherCollins)症候群
3.頭蓋骨縫合早期癒合症、頭蓋顏面異骨症
4.顔面裂

6頭頸部手術に伴う障害
1.術後性障害
2.再建手術

7瘢痕とケロイド
1.定義七臨床經過
2.肥厚性瘢痕とケロイドの相違
3.瘢痕拘箱

大森 孝一 (編集), 永井 知代子 (編集), 深浦 順一 (編集), 渡邉 修 (編集)
出版社: 医歯薬出版; 3版 (2018/3/30)、出典:出版社HP

Ⅲ 臨床科医学

臨床歯科医学(園部純也・別所和久)
A臨床做科医学
1歯・歯周組織
1.発生
2.構造
3.機能
4.南周疾患上治療

2口腔、頸、顏面
1.発生
2.構造
3.機能(摂食、咀嚼、嚥下、構音など)

3鎖関節
1.発生
2.構造
3.機能(其食、咀嚼、嚥下、構音

4唾液腺
1.発生
2.構造
3.機能(其食、咀嚼、聽下

5口腔ケア
1.予防
2.疾患
3.治療

6歯科医学的処置
1.補綴、保存、歯科矯正などの処置

B.口腔外科学
1構音、摂食、咀嚼の障害と関係のある疾患
1.口唇裂、顎裂、口蓋裂、唇顎口蓋裂、および類似疾患患
2.舌、口底(口腔底)、類、口唇異常
3.咬合異常
4.変形拆
5.頸の先天異常、発育異常
6.題製節疾患
7.液腺疾患
8.末梢神經異常
9.口腔乾燥症
10.口腔粘膜疾患

2構音、摂食、咀嚼の障害に対する歯科医学的治療法
1.手術的療法
2.人工材料による機能回復
3.訓練

3南、口腔、霸、顔面炎症、感染症、腫瘍、囊胞、外傷衣並びに治療後の欠損
1障害
2.治療
3.再建と機能回復

4中枢性疾患乙太口腔機能障害
1.障害
2.治療
3.評価

5加齢による口腔機能障害
1.障害
2.治療
3.評価

IV 心理学

1.認知・学習心理学(板口典弘・福澤一吉)
1感覚
1.感覚の種類
2.感覚可能範囲と感度
3.物理量と心理量
4.感覚モダリティ
5.感覚の統合
6.順応と対比

2知覚・認知
1.色彩知覚
2.奥行き知覚
3.図地の分化と形態知覚
4.運動知覚
5.知覚恒常性
6.運動協応
7.認知地図
8.対人認知
9.感覚遮断

3学習
1.古典的条件づけ
2.オペラント条件づけ
3.強化
4.弁別学習
5.技能学習
6.社会的学習
7.学習の転移
8.動機づけ
9.要求水準

4記憶
1.記憶過程
2.記憶の分類
3.短期記憶
4.長期記憶
5.記憶範囲・記憶容量
6.忘却

5思考
1.問題解決
2.概念形成
3.概念の獲得
4.概念の構造
5.象徴機能
6.イメージ
7.スキーマ
8.推理

6言語
1.非言語的、前言語的コミュニケーション
2.象徴、記号、言語
3.言語使用と知識
4.言語理解と産出
5.言語と認知
6.言語と思考

2臨床心理学(丹野義彦)
1人格理
1.性格(類型論と特性論)

2異常心理
1.異常心理の諸相
2.人格障害(パーソナリティ障害
3.異常心理の原因
4.素因ストレスモデル
5.欲求不満・防衛機制・ストレス対処行動

3発達各期における心理臨床的問題

4臨床心理学的査定(心理学的アセスメント
1.精神症状のアセスメント
2.行動特性のアセスメント
3.知的能力のアセスメント
4.性格のアセスメント
5.信頼性と妥当性

5心理療法
1.クライエント中心療法
2.行動療法
3.認知療法・認知行動療法
4.精神分析療法・遊戯療法・集団心理療法
5.心理療法の効果

3生涯発達心理学(重野純)
1発達の概念
1.発達の規定要因
2.発達研究法
3.発達理論

2新生児期・乳児期
1.知覚・認知の発達
2.運動の発達
3.愛着の発達

3幼児期・児童期
1.遊びと認知機能の発達
2.自己・他者認知の発達と仲間関係
3.保育・学校教育と発達

4青年期
1.親子関係・友人関係
2.自我同一性の確立
3.知的機能の発達

5成人期・老年期
1.職業生活
2.家族生活
3.加齢
4.知的機能
5.死への対応

4心理測定法(柴田寛)
1精神物理学的測定法(心理物理学的測定法)
1.測定対象
2.測定方法
3.閾値の測定
4.恒常誤差
5.尺度水準

2尺度構成法
1.尺度構成法とは
2.測定方法

3テスト理論
1.標準化
2.信頼性
3.妥当性

4調査法
1.質問紙法
2.サンプリング

5データ解析法

大森 孝一 (編集), 永井 知代子 (編集), 深浦 順一 (編集), 渡邉 修 (編集)
出版社: 医歯薬出版; 3版 (2018/3/30)、出典:出版社HP

V ことばの言語学的基礎

1言語学(箕浦信勝)
1言語学とは
1.言語学が取り扱う範囲
2.パロールとラング
3.通時態と共時態

2言語の基本的な性質
1.記号表現と記号内容
2.言語記号の恣意性と有契性
3.二重分節
4.線条性(線状性
5.統合的関係と範列的関係

3音韻論
1.音声学と音韻論の対象
2.弁別素性
3.音韻規則
4.音節とモーラ
5.共通語(東京方言)の名詞のアクセント
6.動詞と形容詞のアクセント
7.複合語のアクセント

4形態論
1.形態素
2.無標形と有標形
3.自由形態素と拘束形態素
4.形態論的プロセス
5.派生文法と日本語文法

5統語論
1.単文・節
2.基本語順
3.項と付加語句
4.n項動詞
5.ボイス
6.格助詞
7.テンスとアスペクト

6意味論
1.語の意味
2.文の意味
3.日本語のモダリティ

7語用論
1.直示・前方照応
2.トピック・コメント・フォーカス・対比
3.敬語
4.ウチとソト

8文字論

9言語と言語の間の関係を探る
1.言語類型論
2.対照言語学

10社会言語学
1.記述主義と規範主義

2音声学(益子幸江)
1音声学の位置づけ

2音声の分類
1.IPA(国際音声字母)
2.調音器官
3.調音運動の観察
4.母音と子音
5.子音の分類
6.母音の分類

3音素
1.ミニマルペア
2.相補分布、異音、自由変音

4音の結びつき
1.音節
2.調音結合と同化
3.音位転換
5表音文字と音声表記

6超分節的要素
1.イントネーション
2.アクセント
3.リズム

7日本語の音声
1.日本語の音素体系
2.日本語の母音音声
3.日本語の子音音声
4.モーラ音素
5.アクセント
6.その他の特徴

3音響学(荒井隆行)
1音とは
1.波の基本
2.疎密波と音圧
3.音波の性質
4.音波の波長・周期・周波数・音速
5.単振動と純音
6.音圧レベルと音の大きさのレベル

2時間波形と周波数スペクトル
1.純音の場合
2.周期的複合音の場合
3.非周期音の場合

3音響管の共鳴
1.一様音響管

4音声生成の音響理論
1.線形時不変システム
2.音源(ソース)フィルタ理論
3.音源の特性
4.声道の伝達特性
5.放射特性

5音声の信号処理
1.デジタル信号処理
2.AD変換とDA変換
3.標本化定理
4.スペクトル分析
5.サウンドスペクトログラム

6音声の音響分析
1.母音の音響特性と知覚
2.子音の音響特性と知覚
3.連続音声中の母音と子音
4.超分節的要素の音響特徴と知覚

4聴覚心理学(世木秀明)
1音の心理物理学
1.聴覚閾値、痛覚閾値、可聴範囲
2.音の大きさ(ラウドネス
3.音の高さ(ピッチ)
4.音色
5.弁別閾と比弁別闘
6.持続時間の短い音(短音)の知覚
7.時間的パタンの知覚

2聴覚の周波数分析とマスキング現象
1.同時マスキングと聴覚フィルタ
2.継時マスキング
3.両耳間マスキングと中枢性マスキング

3両耳の聞こえ
1.両耳加算効果
2.音源定位
3.カクテルパーティー効果

4環境と聴覚

5言語発達学(瀬戸淳子)
1言語発達を説明する理論
1.学習説
2.生得説
3.認知説
4.社会・相互作用説

2前言語期の発達
1.コミュニケーション行動の発達
2.発声行動・言語知覚の発達
3.感覚運動的知能の発達

311~2歳の言語発達
1.初語の出現・語彙の増加
2.言語発達を促す大人の関わり
3.構文の発達
4.象徴機能の発達

4幼児期の言語発達
1.語彙・構文の発達
2.談話能力の発達
3.音韻意識の発達

5学童期の言語発達
1.読み書き能力の発達
2.語彙・構文の発達
3.談話能力の発達

Ⅵ 社会福祉・教育学社会福祉・教育学(岡部卓)

1社会保障制度
1.社会保障と社会福祉
2.社会保障の体系と範囲
3.社会保障を構成する各制度
4.社会福祉の法律と施策および運用
5.障害者に関する施策と実施
6.介護保険
7.社会福祉援助技術
8.社会保障の実施体制

2リハビリテーション概論
1.リハビリテーションと障害論
2.リハビリテーションの分野

3医療福祉教育・関係法規

Ⅶ 言語聴覚障害学総論言語聴覚障害学総論(深浦順一)

言語聴覚障害学総論言語聴覚障害学総論(深浦順一)
1言語聴覚士の歴史と現状
1.歴史
2.現状

2言語聴覚士の業務と職業倫理
1.業務
2.連携
3.職業倫理
4.リスクマネジメント

3言語聴覚障害、摂食嚥下障害の特徴と種類
1.特徴
2.種類、原因
3.発生率、有病率

4言語聴覚療法の実際
1.評価・診断
2.訓練、指導、助言、その他の援助

5今後の展望

大森 孝一 (編集), 永井 知代子 (編集), 深浦 順一 (編集), 渡邉 修 (編集)
出版社: 医歯薬出版; 3版 (2018/3/30)、出典:出版社HP

Ⅷ 成人言語障害学

1失語症(藤原加奈江)
1失語症の定義

2失語症の原因疾患と病巣

3言語症状と失語症候群
1.失語症の言語症状
2.古典的失語症候群(新古典的分類)
3.その他の失語症候群

4失語症の評価と診断
1.評価法
2.関連情報の収集
3.失語症の経過と予後

5失語症の訓練・援助
1.言語訓練の理論と技法
2.訓練計画

6各期訓練·援助
1.機能回復訓練

7小児失語

2高次脳機能障害(阿部晶子)
1高次脳機能障害
1.高次脳機能障害とは
2.背景症状

2失行
1.觀念運動性失行·観念性失行.
2.肢節運動失行
2.口舌顏面失行(口部顏面失行)
3.着衣失行

3失認
1.視覺性失認
2.相貌失認
3.聽覺性失認
4.触覚性失認、
5.身体失認·病態失認

4視空間障害
1.半側空間無視
2.地誌的兒当識障害
3.(Balint)症候群
4.構成障害

5記憶障害
1.記憶分類
2.記憶の神経系回路
3.記憶障害の種類
4.健忘症候群

6注意障害

7遂行機能障害

8半球離断症候群
1.左右半球の機能分化
2.半球離断症候群

9認知症

Ⅸ 小児言語障害学

1言語発達障害(内山千鶴子)
1言語発達障害とは
1.言語機能
2.言語の構造
3.言語発達障害の疾病分類

2言語発達障害の病態
1.発達の生理学
2.発達の病理
3.脑機能

3言語発達障害の評価
1.基礎情報
2.先達検査
3.評価のまとめ

4言語発達障害の指導、訓練
1.言語発達段階に即した指導、訓練、支援
2.障害別指導、訓練支援
3.指導技法を用いた指導、訓練、支援
4.地域支援

2.小児の重複障害(脳性麻痺・重症心身障害など)(斉藤吉人)
1小児の重複障害
1.重複障害
2.重症心身障害

2脳性麻痺
1.脳性麻痺とは
2.評価
3.発達支

Ⅹ 聴覚障害学

1.聴覚医学総論(検査を含む)(大島猛史)
1成人聴覚検査
1.検査法の適用と鑑別・目的
2.純音聴力検査
3.語音聴力検査
4.マスキング
5.インピーダンスオージオメトリ
6.内耳機能検査
7.他覚的聴力検査一聴性誘発反応
8.耳音響放射(otoacousticemission:OAE)
9.耳管機能検査
10.耳鳴検査
11.平衡機能検査

2小児聴覚検査
1.検査法の適用と鑑別・目的
2.小児聴覚検査と種類
3.聴覚の発達(聴覚発達質問紙)

2補聴器(聴覚・情報保障支援システムを含む)(亀井昌代)
1補聴器の構造と機能
1.補聴器の構造・構成要素
2.補聴器の種類
3.補聴器のデジタル機能
4.その他

2補聴器の周波数特性の測定
1.補聴器特性試験装置
2.補聴器性能の測定(メーカー側の測定)

3補聴器のフィッティング
1.補聴器のフィッティングと選択法
2.補聴器特性の測定
3.耳型の採取とイヤモールドの作製・調性

4補聴器適合検査と装用指導、聴能訓練
1.補聴器適合検査
2.装用指導

5聴覚・情報保障支援システム
1.聴覚補償支援システム
2.聴覚代替支援システム(聴覚障害用屋内信号装置など)
3.情報保障・支援システム

3人工聴覚器(人工内耳・人工中耳)(熊川孝三)
A.人工内耳
1原理、構造と機能
1.補聴器と人工内耳の違い
2.構造と機能

2コード化法
1.時間分解能重視型
2.周波数情報重視型

3わが国の現況

4わが国の適応基準

5対象疾患

6適応決定のための検査
1.聴性行動反応観察検査(BOA、COR)
2.電気生理学的聴覚検査
3.補聴器の装用効果の判定

7手術と合併症
1.手術
2.術後合併症の説明と同意

8マッピングの注意点と環境整備

9装用効果の評価
1.成人
2.小児
3.他覚的聴力検査

10小児人工内耳治療における長期の注意点

11おわりに

B.人工中耳
1植込型骨導補聴器(BAHA).
1.原理、構造と機能
2.現況
3.わが国の適応基準と対象疾患
4.手術と合併症

2人工中耳(VSB)
1.原理、構造と機能
2.わが国の現況
3.わが国の適応基準
4.手術
5.フィッティング上の留意点

3BAHAとVSBの比較

4小児聴覚障害(視覚聴覚二重障害を含む)(山口忍)
1聴覚の発達と聴覚障害の原因

2幼小児の聴覚検査

3小児難聴の補聴・発達検査と療育

4視覚聴覚二重障害

5成人聴覚障害(視覚聴覚二重障害を含む)(倉内紀子)
1成人聴覚障害の種類と特性
1.伝音難聴と感音難聴
2.先天性難聴と後天性難聴
3.ライフステージによる違い

2成人聴覚障害の評価と訓練
1.関連情報の収集
2.指導・支援の基本方針
3.聴取能力の評価と指導
4.読話能力の評価と指導
5.発声発語の評価と指導
6.書記言語能力の評価と指導
7.コミュニケーションの評価と指導
8.高齢難聴者・重複障害者への配慮事項

3環境調整
1.聴覚障害をサポートする各種機器
2.関連団体の紹介

4視覚聴覚二重障害の評価と訓練

大森 孝一 (編集), 永井 知代子 (編集), 深浦 順一 (編集), 渡邉 修 (編集)
出版社: 医歯薬出版; 3版 (2018/3/30)、出典:出版社HP

Ⅺ 発声発語障害学
1音声障害(城本修)
1声の特性と機能および調節
1.声の特性
2.発声の物理的特徴
3.発声の生理とその調節

2音声障害の発生メカニズムと分類
1.病的音声と正常音声の区別
2.障害の判定における留意点
3.発声機構と障害のメカニズム

3音声の検査・評価・診断
1.検査の種類と目的および基本的な検査の方法
2.特殊な検査とその臨床的意義
3.評価と診断

4音声障害の治療
1.治療法の種類:外科的治療と保存的治療
2.音声治療の種類と理念
3.声の衛生指導
4.音声訓練の種類、目的、適用
5.音声訓練の方法

5無喉頭音声
1.喉頭摘出後の呼吸・発声・発語のメカニズム
2.喉頭摘出患者に対する話しことばの検査と評価
3.無喉頭音声の種類と特徴および選択基準
4.音声訓練の方法

6気管切開患者への対応
1.コミュニケーション手段の種類と選択
2.気管切開チューブ(気管カニューレ)についての基礎知識
3.気管切開患者の管理

7音声障害患者の社会復帰
1.社会復帰の問題点
2.社会復帰のための言語聴覚士の役割

2小児構音障害(今井智子)
1構音障害の概念と分類

2小児の構音障害

3構音(音韻)の発達

4小児にみられる構音の誤り
1.構音の誤り
2.発達途上の構音の誤り(未熟構音)
3.発達途上の誤り以外の構音の誤り

5機能性構音障害
1.機能性構音障害にみられる音の誤り
2.評価・診断
3.構音訓練

6口蓋裂に伴う発話障害
1.口蓋裂に伴う発話特徴
2.口蓋裂類似疾患
3.言語管理
4.評価・診断
5.治療・訓練
6.チームアプローチ

3成人構音障害
はじめに(椎名英貴)
A.運動障害性構音障害(椎名英貴)
1発話の神経生理と運動障害性構音障害のタイプ

2検査・評価
1.運動障害性構音障害の評価
2.発声発語器官の運動評価

3言語聴覚療法
1.介入の原則
2.機能改善を目指したアプローチ
3.代償的アプローチ
4.高次脳機能障害への対応

B.器質性構音障害(山下夕香里)
1舌・口底切除、中咽頭切除、顎切除後の
構音障害の発生メカニズムと構音障害の特徴
1.舌・口底切除
2.中咽頭切除
3.顎切除

2検査・評価
1.情報収集
2.構音器官の形態と機能の評価
3.構音評価
4.鼻咽腔閉鎖機能評価
5.評価時期

3治療・訓練・指導
1.医学的アプローチ
2.補綴的発音補助装置の種類と適応基準
3.訓練・指導

4チームアプローチ

4吃音(原由紀)
1「吃音の定義と鑑別診断

2吃音の疫学的データ
1.発症率・有症率・男女差
2.自然治癒率

3吃音の発症メカニズムと理論的背景
1.遺伝との関連
2.脳科学研究との関連
3.聴覚フィードバックに関する研究
4.社会環境との関連
5.言語力との関連
6.複合した理論(多因子モデル)

4吃音症状の特徴と進展

5吃音の評価
1.情報聴取から得られる内容(本人、家族との面接により評価)
2.発話サンプルからの評価
3.環境面の評価
4.吃音に対する情緒的反応・心理面の評価

6吃音の指導・訓練
1.幼児期
2.学齢期
3.中高生〜成人

7合併する問題を併せもつ場合の治療

5摂食嚥下障害(倉智雅子)
1摂食・咀嚼・嚥下
1.咀嚼
2.摂食嚥下のメカニズム
3.嚥下・呼吸の神経筋機構

2嚥下の年齢的変化
1.新生児・乳児・小児
2.成人
3.高齢者

3摂食嚥下障害発症のメカニズム
1.嚥下障害の原因と分類
2.嚥下障害の病態と症状
3.嚥下障害の合併症

4摂食嚥下障害の検査・評価
1.基本情報の収集
2.摂食場面の観察
3.音声・構音検査
4.簡易検査
5.嚥下内視鏡検査(videoendoscopicexaminationofswallowing:VE)
6.嚥下造影検査(videofluoroscopicexaminationofswallowing:VF)
7.その他の検査
8.嚥下機能検査におけるリスクと対策

5摂食嚥下障害の治療・訓練
1.間接訓練(基礎訓練
2.直接訓練(摂食訓練
3.予後予測
4.家族指導・カウンセリング
5.訓練のリスクと限界
6.手術的治療
7.代替栄養
8.チームアプローチ

6訓練実施上の留意点
1.口腔・咽頭の衛生・管理
2.呼吸・姿勢保持
3.認知機能の障害と嚥下機能の関連
4.味覚・嗜好
5.救急法の基礎知識
6.気管切開とその管理

Column
チーム医療(岡島康友)
1日安静にするだけで2歳年をとる!(上月正博)
リハビリテーション分野におけるロボット工学の活用(芳賀信彦)
タウオパチーと前頭側頭葉変性症(永井知代子)
皮膚の再生医療:培養表皮と人工真皮(鈴木茂彦)
地域包括ケアと地域における言語聴覚療法の提供(黒羽真美)
特別支援教育における言語・覚士の役割(内山千鶴子)
脳室周囲白質軟化症(PVL)と高次脳機能障害(斉藤吉人)
難聴の遺伝子診断(石川浩太郎)
嚥下における「期」と「相」の違い(倉智雅子)

索引

大森 孝一 (編集), 永井 知代子 (編集), 深浦 順一 (編集), 渡邉 修 (編集)
出版社: 医歯薬出版; 3版 (2018/3/30)、出典:出版社HP

目次 – 言語聴覚士のための臨床実習テキスト 成人編

序文

言語聴覚士の養成教育において、臨床実習は重要な役割を担っている。特に最終学年で実施される総合臨床実習は、病院・施設等で言語臨床を行う言語聴覚士となる上で特に重要な位置を占めている。

臨床実習実施上の一つの基準として、臨床実習指導者、養成校教員向けには一般社団法人日本言語聴覚士協会が2004年に作成し、2010年に改訂した「臨床実習マニュアル」がある。しかし、臨床実習に参加する養成校の学生に焦点を当てた教科書は、これまでに刊行されていないのが現状であった。臨床実習が効果的に実施されるためには、学生が明確な目的・目標意識をもって実習に参加することが必要であり、また臨床実習指導者も養成校における臨床実習の内容や到達目標の確立、そして養成校の方針に賛同し、後進の育成に努めるという倫理的視点と自らの資質向上の視点から指導することが必要である。

本書は、臨床実習に出る学生を対象に、実習で十分な成果を上げてもらうことを願い企画したものである。実習に臨むにあたり必要となる最低限の知識と、実習の成果報告として採用されている症例報告書の作成について重点的に取り上げた。具体的には、実習の概要、目的や各領域の基礎的知識を解説した後に、領域別に代表的な障害について見本症例を用いたケーススタディを展開し、症例検討、評価と報告書の作成手順などを掲載し、臨床実習に結び付けられるような内容とした。また、成人領域の実習と小児領域の実習とでは異なる側面があるため、姉妹本『言語聴覚士のための臨床実習テキスト(小児編)』とともに二分冊とした。

本書(成人編)では、情報収集に関してそれぞれの項目のもつ目的を丁寧に説明している。また、ケーススタディは失語・高次脳機能障害や摂食・嚥下障害にとどまらず、耳鼻咽喉科領域の音声障害や聴覚障害にも紙面を割き、言語聴覚士が担当する分野を網羅するよう努めた。

本書は、多くの言語聴覚士の力をお借りして完成した。お忙しい中ご協力いただいたことに御礼を申し上げます。実習に関する基本的知識の各章は、その道の第一人者の先生方にご執筆いただいた。学生の皆さんにとってはしっかりと理解していただきたいところである。またケーススタディは、臨床現場の最前線で活躍する先生方にモデルケースとその報告書の作成例を提供いただいた。本書をご活用いただき、限られた時間の中で行われる実習をより充実した内容で実施できるように貢献できれば幸いである。

細心の注意を払い編纂したが、不十分な点が残ることと考えている。いったん世に出し読者の皆さんの評価を受け、よりよい実習書にしていきたいと願っている。

2017年4月
編著者
深浦順一
為数哲司
内山量史

深浦 順一 (著), 爲数 哲司 (著), 内山 量史 (著)
出版社: 建帛社 (2017/5/1)、出典:出版社HP

目次

第1章 臨床実習の概要
1臨床実習の目的
1.臨床現場で求められている水準
2.実習の内容とそれを通して得られるもの
3.実習に臨むにあたって

2臨床実習の種類と目標.
1.観察実習
2.臨床評価実習
3.総合臨床実習

第2章 情報収集の項目と方法およびその解釈
1基礎情報
1.一般的情報
2.医学的情報

2現症に関する情報
1.観察によって得られる情報
2.質問紙による情報取集
3.他職種からの情報収集
4.検査により得られた結果からの情報
5.ベッドサイドにおける情報収集の一例

3国際生活機能分類(ICF)
1.障害のとらえ方とICFの特徴
2.生活機能について
3.障害と各レベルの関係(マイナスをプラスの中に位置づける)
4.「している活動」と「できる活動」
5.生活機能と因子(健康状態・環境因子・個人因子)
6.合生活機能の関係(相互依存性と相対的独立性)
7.目標設定について

第3章 言語聴覚療法の評価・診断の知識
1失語症領域
1.評価・診断の目的と留意点
2.評価の分析における留意点
3.評価の過程における留意点
4.結果の分析における留意点
5.問題点の抽出における留意点
6.合併することの多い障害との鑑別診断

2高次脳機能障害領域
1.はじめに
2.学術用語としての高次脳機能障害
3.行政的定義による高次脳機能障害
4.高次脳機能障害の評価法および診断の留意点.

3発声発語障害領域
A音声障害
1.評価・診断の留意点
2.評価の流れ
3.評価・診断の実際
4.治療と再評価
B成人構音障害
1.運動障害性構音障害
2.器質性構音障害(舌癌術後)

4摂食・嚥下障害領域
1.評価の目的と意義
2.スクリーニング検査の適応と留意点
3.嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査の適応と留意点
4.摂食嚥下機能・障害の総合評価

5成人聴覚障害領域(高齢者)
1.高齢期難聴の基礎知識
2.聴覚リハビリテーションにおける言語聴覚士の役割
3.評価
4.訓練

6評価・診断のまとめ方(ケースレポートのまとめ方)
1.評価・診断の整理
2.記載すべき内容
3.書き方の留意点

第4章 ケーススタディー
1失語症領域
Aブローカ失語
Bウェルニッケ失語
C全失語
D伝導性失語

2高次脳機能障害領域
A脳外傷後の高次脳機能障害
B遂行機能障害
C記憶障害
D社会的行動障害(病因不問、非言語性コミュニケーション障害含む)
E注意障害
Fアルツハイマー型認知症(レビー小体型認知症との鑑別)

3構音障害領域
A一側性上位運動ニューロン性(UUMN)構音障害
B運動低下性構音障害(パーキンソン病)
C失調性構音障害
D混合性構音障害(ALS)

4摂食・嚥下障害領域
A偽性球麻痺性嚥下障害
Bワレンベルグ症候群による嚥下障害
C頭頸部癌術後の嚥下障害
D神経難病の摂食・嚥下障害

5耳鼻咽喉科領域
A音声障害(ケース1筋緊張性発声障害(過緊張性発声障害))
B音声障害(ケース2声帯結節)
C成人聴覚障害

6生活行為向上マネジメント症例
A ICFを用いたリハビリ後の社会参加の例1
B ICFを用いたリハビリ後の社会参加の例2

深浦 順一 (著), 爲数 哲司 (著), 内山 量史 (著)
出版社: 建帛社 (2017/5/1)、出典:出版社HP

目次 – 言語聴覚士のための臨床実習テキスト 小児編

序文

言語聴覚士の養成教育において、臨床実習は重要な役割を担っている。特に最終学年で実施される総合臨床実習は、病院・施設等で言語臨床を行う言語聴覚士となる上で特に重要な位置を占めている。

臨床実習実施上の一つの基準として、臨床実習指導者、養成校教員向けには一般社団法人日本言語聴覚士協会が2004年に作成し、2010年に改訂した「臨床実習マニュアル」がある。しかし、臨床実習に参加する養成校の学生に焦点を当てた教科書は、これまでに刊行されていないのが現状であった。臨床実習が効果的に実施されるためには、学生が明確な目的・目標意識をもって実習に参加することが必要であり、また臨床実習指導者も養成校における臨床実習の内容や到達目標の確立、そして養成校の方針に賛同し、後進の育成に努めるという倫理的視点と自らの資質向上の視点から指導することが必要である。

本書は、臨床実習に出る学生を対象に、実習で十分な成果を上げてもらうことを願い企画したものである。実習に臨むにあたり必要となる最低限の知識と、実習の成果報告として採用されている症例報告書の作成について重点的に取り上げた。具体的には、実習の概要、目的や各領域の基礎的知識を解説した後に、領域別に代表的な障害について見本症例を用いたケーススタディを展開し、症例検討、評価と報告書の作成手順などを掲載し、臨床実習に結び付けられるような内容とした。また、成人領域の実習と小児領域の実習とでは異なる側面があるため、姉妹本『言語聴覚士のための臨床実習テキスト(小児編)』とともに二分冊とした。

本書(成人編)では、情報収集に関してそれぞれの項目のもつ目的を丁寧に説明している。また、ケーススタディは失語・高次脳機能障害や摂食・嚥下障害にとどまらず、耳鼻咽喉科領域の音声障害や聴覚障害にも紙面を割き、言語聴覚士が担当する分野を網羅するよう努めた。

本書は、多くの言語聴覚士の力をお借りして完成した。お忙しい中ご協力いただいたことに御礼を申し上げます。実習に関する基本的知識の各章は、その道の第一人者の先生方にご執筆いただいた。学生の皆さんにとってはしっかりと理解していただきたいところである。またケーススタディは、臨床現場の最前線で活躍する先生方にモデルケースとその報告書の作成例を提供いただいた。本書をご活用いただき、限られた時間の中で行われる実習をより充実した内容で実施できるように貢献できれば幸いである。

細心の注意を払い編纂したが、不十分な点が残ることと考えている。いったん世に出し読者の皆さんの評価を受け、よりよい実習書にしていきたいと願っている。

2017年4月
編著者
深浦順一
為数哲司
内山量史

深浦 順一 (著), 内山 千鶴子 (著)
出版社: 建帛社 (2017/5/1)、出典:出版社HP

目次

第1章 臨床実習の概要
1臨床実習の目的

2臨床実習の種類と目標
1.臨床実習施設の種類と臨床実習の目標と評価
2.実習形態による臨床実習の種類

第2章 情報収集の項目と方法およびその解釈
1基礎情報
1.主訴
2.現病歴と現症
3.発達歴
4.既往歴
5.保育・教育歴
6.環境
7.他領域からの情報

2現症に関する情報
1.基礎的検査
2.行動観察
3.発達検査
4.他部門、他機関からの情報
5.情報のまとめと解釈

3小児におけるICFの活用・
1.ICFの基本的概念
2.ICF-CYの活用例…

第3章 言語聴覚療法の評価・診断の知識
1知的障害領域
1.知的障害とは
2.言語・コミュニケーションの症状
3.評価

2自閉症スペクトラム障害
1.自閉症スペクトラム障害とは
2.自閉症スペクトラム障害の症状
3.評価
4.指導

3学習障害領域
1.発達性読み書き障害
2.算数障害

4特異的言語発達障害領域.
1.特異的言語発達障害(SL)とは
2.SLIの発達プロフィール
3.評価
4.指導

5聴覚障害領域
1.聴覚障害とは
2.聴覚障害の症状
3.評価
4.指導
5.重複障害

6構音障害、吃音領域
A小児の構音障害
1.小児の構音障害とは
2.小児の構音障害の症状
3.評価
4.指導

B吃音
1.吃音とは
2.吃音の症状
3.評価
4.指導

7脳性麻痺、重症心身障害領域
A脳性麻痺
1.脳性麻痺とは
2.脳性麻痺の症状
3.評価
4.支援・指導

B重症心身障害
1.重症心身障害児者
2.重症心身障害児者への支援

8評価・診断のまとめ方(ケースレポートのまとめ方)
1.評価・診断をまとめることの意義
2.記載すべき内容と留意点
3.文章作成上の注意
4.まとめの例

第4章 ケーススタディー
1精神遅滞領域
A知的障害
Bダウン症
Cウィリアムズ症候群

2自閉症スペクトラム障害
A知的障害を伴う例
B知的障害を伴わない例

3高次脳障害領域
A特異的言語発達障害
B発達性読み書き障害
C発達性読み書き障害(ADHDを含む症例)

4聴覚障害領域
A聴覚障害
B重複障害(聴覚障害と言語の遅れ)

5構音障害、吃音領域
A器質性構音障害(口蓋裂)
B運動麻痺による構音障害(脳性麻痺)
C機能性構音障害
D吃音

6.脳性麻痺領域
A脳性麻痺

付章 重度心身障害児とのかかわり方

深浦 順一 (著), 内山 千鶴子 (著)
出版社: 建帛社 (2017/5/1)、出典:出版社HP

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