[合格へ]応用情報技術者試験とその他IPA高度試験について – どのようにステップアップする?

応用情報技術者試験とは

応用情報技術者試験とは、高度IT人材として働く人を対象とした、データベース・セキュリティ等多岐にわたる情報技術の知識・技能を証明する資格の一つです。体系的な知識・技能を学ぶことのできる試験として、ITパスポート試験や基本情報技術者試験が挙げられますが、応用情報技術者試験はその中で最もレベルの高い資格となります。

高度情報処理技術者試験

応用情報技術者試験の上位試験として、8つの試験が用意されています。これらの試験は、応用情報技術者までの知識・技能をベースとして、それぞれの分野についてさらに内容を深めた試験となります。高度情報処理技術者試験には、以下の8つの試験が用意されています。

ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
プロジェクトマネージャ試験
ネットワークスペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITサービスマネージャ試験
システム監査技術者試験

また、この８つの試験とは別に情報処理安全確保支援士試験というサイバーセキュリティを推進する人材となるための国家資格も存在します。こちらは情報処理技術者試験から独立した資格となるので注意が必要です。

これらの高度試験は、スキルレベル３と定義されている応用情報技術者試験のさらに上であるスキルレベル４であることからも分かるように、難易度はかなり高いです。これまでの基本情報技術者試験・応用情報技術者試験はさまざまな分野に渡る体系的な内容が問われてきましたが、高度試験ではさらに専門性の高い高度な知識が要求されます。一体高度試験ではどのような専門性が求められる試験が用意されているのでしょうか。それぞれの高度試験に関する概要を見ていきましょう。

各高度試験の概要

ITストラテジスト試験

経営戦略に基づいて情報技術を活用し、事業革新・業務改革などのビジネス上の基本戦略を策定・提案・推進するために必要な知識・技能についての試験。CIOやCTO、ITコンサルタント等の、開発プロセスの最上流に関わる仕事に役立つ。

システムアーキテクト試験

ITストラテジストからの提案を受け、システム開発の上流工程を主導する立場にいる人が対象となる。ニーズに合致したアーキテクチャを設計し、完成に導く上級エンジニアとしての業務に役立つ。

プロジェクトマネージャ試験

システム開発プロジェクトの品質・コスト・納期に責任を持ち、プロジェクト全体の意思決定を担いながら実行・管理する業務に役立つ。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークに関連する知識・技能に専門性を持ち、ニーズに合致した大規模かつ堅牢なネットワークを構築・運用・保守する業務に役立つ。

データベーススペシャリスト試験

データベースに関連する知識・技能に専門性を持ち、ニーズに合致した情報システムの構築・運用・保守を担う業務に役立つ。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

ハードウェアとソフウトウェアを繋ぐIoT技術に専門性を持ち、ニーズに最適なシステムの構築・製造を担う業務に役立つ。

ITサービスマネージャ試験

より安全性と信頼性の高いITサービスを提供することを目的とし、要求事項を受けその改善のためにサービスの計画立案・設計・移行を管理または実行する業務に役立つ。

システム監査技術者試験

情報システムに関するリスクを分析・評価することによって、監査報告の利用者に情報システムのガバナンス・コントロール等の適切性を保証したり改善に働きかけたりする業務に役立つ。

概要を見ただけでもそれぞれの試験に高い専門性が求められることが分かります。日頃の業務に知識・技能を役立てたいのであれば、業務内容と近い試験を選んで受験するのが良いでしょう。

また、情報処理技術者の高度試験には条件を満たすことで試験の一部が免除される免除制度が用意されています。以下のいずれか一つの条件を満たすことで、情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士の共通的知識を問う午前I試験が免除されます。

①応用情報技術者試験（AP）に合格
②情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
③情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績をとる

しかし、以上の条件をクリアしたとしても免除制度が利用できる期間には注意が必要です。免除申請が可能となる期間は、上記条件を満たしてから2年間です。その間であれば何度でも一部免除を申請可能ですが、２年をすぎると免除の権利がなくなってしまいます。応用情報技術者試験に加えて高度試験の取得を検討していたり、また別の高度試験を受けようと考えている人は、合格後２年間に間に別試験を受けるようにすると、効率的に資格取得ができます。

複数資格を取得するメリット

IPAの主催する情報処理技術者資格はどれも国家資格の一種であり、多くの企業や大学で高く評価されるものです。基本情報技術者や応用情報技術者は勿論、それより高度な知識が求められる高度試験であれば、さらに評価や信頼が高まることが期待できるでしょう。応用情報技術者が体系的な知識・技能が身に付く資格である一方で、高度試験は専門性を追求した試験となります。実際の業務上の成果に加えて、複数の高度試験を取得しておくことは、キャリアアップや転職などで有利に働くでしょう。また、IT業界で働く人であれば高度試験を取得しておくことで、普段の業務に自身の専門性を活かすことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。情報処理技術者試験の高度試験は、基本情報技術者試験・応用技術者試験と比較してそれぞれの専門性に特化した試験であり、難易度も非常に高いです。しかし、IT業界において自身の専門性を磨きその知識と技能を証明できる有用な試験であることは間違いありません。応用情報技術者試験に合格していれば、その後２年間は免除制度を活用して試験に臨むことができます。IT業界でのキャリアアップや転職を考えている人は、ぜひ受験をしてみてはいかがでしょうか？