おすすめ「総合旅行業務取扱管理者」と「通訳案内士」資格のダブルライセンスについて




総合旅行業務取扱管理者とは?

総合旅行業務取扱管理者の主な業務内容は、旅行に関するサービスの提供責任者として旅行業務全般の管理と監督を行うことです。
旅行業務を扱う営業所で必要になり、旅行業界唯一の国家資格となっています。

この資格を生かす仕事としては旅行代理店や旅行業者が挙げられます。なぜなら旅行業者は、旅行業法により旅行業務取扱管理者の資格を持つ者を各営業所に1名は配置しなければならないと決まっているからです。

また、この資格を持っていれば、旅行を扱うビジネスマンとして必要な知識を有しているとみなされるため、業界内での就職や転職の際のアピールポイントとなることでしょう。さらに、スキルアップの一つとして資格手当てを支給する企業もあります。

トラベル&コンダクターカレッジ (著, 編集)
出版社: 新星出版社; 改訂7版 、出典:amazon.co.jp

 

総合旅行業務取扱管理者の利点

総合旅行業務取扱管理者の資格を取得するメリットはどのような点にあるのでしょうか?
メリットをいくつかみていきましょう。

就職で有利になる

総合旅行業務取扱管理者は簡単に取得できるような資格ではありません。そのため、旅行業界で働きたいと考えている場合、この資格を持ってない人と比べたら有利に働くことがあります。

起業ができる

総合旅行業務取扱管理者の資格を持っている場合、自分一人だけで旅行関係の会社を設立することができます。将来、自分で起業をしてみたいという方にとっても非常にありがたい資格となっています。

他の試験が免除になる

総合旅行業務取扱管理者の資格を持っている場合、他の試験の際に受験科目が一部免除されることがあります。例えば、非常に人気の高い通訳案内士を受験する際、地理科目が免除になります。

以上の3つのメリットが主に考えられます。
この中でも、通訳案内士の試験が一部免除になるという点は非常に大きいです。
ここからは、通訳案内士がどんな資格なのかを解説します。

 

通訳案内士って何?

通訳案内士とは、簡単に説明すると日本に来た外国人を日本各地へ案内し、伝統や文化、生活習慣など様々なことを、外国語を使って紹介する仕事です。
通訳との違いは、単に言葉のやり取りをするだけでなく、自分からいろんな情報を話したりして能動的に動く必要があるという点です。

 

通訳案内士試験の概要について

 

全国通訳案内士は、言語系の資格の中では唯一の国家資格です。そのため、他の言語系の資格よりも難易度が高くなります。合格率も、例年10%前後です。
受験資格に制限はないため、誰でも受験することができます。

外国語の能力が求められるのは当然ですが、それ以外にも求められる能力が複数あります。
一次試験(筆記試験)の試験科目は、外国語、日本地理、日本歴史、一般常識、通訳案内の実務の5科目です。そして、二次試験には外国語の口述試験があります。一般的に、外国語のスキルとしては、英語ならば英検2級程度のレベルが必要とされています。

一次試験では全ての科目で合格基準点を取れば合格となり、外国語、日本地理、日本歴史の3科目は7割、一般常識と通訳案内の実務の2科目は6割が合格基準です。

そして、旅行業務取扱管理者を取得している人は、一次試験の地理科目が免除されます。
通訳案内士試験の合格率が10~15%程度であり、総合旅行業務取扱管理者試験の合格率は15%前後ですので、両者の難易度は同じくらいと思われるかもしれません。
ただし、総合旅行業務取扱管理者試験にも科目免除制度があり、例えば、国内旅行業務取扱管理者を取得している人は4科目のうち2科目が免除になります。この場合の合格率は、4科目を全て受験する場合よりも高くなるので、先に旅行業務取扱管理者を取得しておくことで、通訳案内士試験を有利に進めることができます。

ただし、総合旅行業務取扱管理者の試験は決して簡単ではなく、難易度が高めです。
そのため、地理科目の免除のみを目的として総合旅行業務取扱管理者試験を受験することはおすすめできません。

後述するような旅行業に関する複数の資格取得を目指す人はであれば、科目免除のメリットを無駄にせずに勉強できるので、旅行業務取扱管理者の試験を先に受験するのがよいでしょう。

 

通訳案内士の仕事内容

 

通訳案内士は、様々な日本の文化や伝統、歴史や生活習慣を日本に訪れた外国人に紹介します。日本と外国の橋渡し的な役割を果たし、民間の外交官ともいわれています。
具体的な仕事内容としては、以下の3つに大別されます。

 

1.添乗業務

旅行者が安心して旅を楽しめるように、宿泊先のホテルや移動時の交通機関の調整、対応します。事前に準備した旅行表の時間など、細部を調整することで円滑な旅にすることを目指します。

 

2.通訳業務

これがメインの仕事になります。ただ通訳をするだけでなく、旅行者に寄り添い、正確な知識や情報を織り交ぜながらこなす必要があります。日本の文化や歴史を正確にわかりやすく伝えることが求められます。

 

3.企画業務

旅行者の要望に添いつつ、効率的な工程を立てる作業です。予算や時間など、様々な要素を考慮して立案します。予定していたプランが工事や天候によって急に変更せざるを得ない状況になることも十分考えられます。柔軟で余裕のある旅行を企画する必要があります。

 

 

通訳案内士と旅行業務取扱管理者の両方を取得する利点

先にも記述した通り、旅行業法により旅行業務取扱管理者の資格を持つ者を各営業所に1名は配置しなければならないと決まっています。
これはつまり、旅行業務取扱管理者を取得すると、自分で旅行会社を営業して旅行の販売ができるようになるということです。

さらに、通訳案内士の資格を持つことで、自分で旅行の案内ができます。

この二つの資格を取得すれば、自分の働く旅行会社でできた旅行の仕事で通訳案内士として案内もできるようになります。

さらに、旅程管理主任者の資格も取得すると、ツアーコンダクターとして旅行に同行し、スケジュール調整などもできるようになり、旅行に関して全般の仕事ができるようになるのです。

これらの資格はそれぞれ単体でも十分意義がありますが、複数の資格を組み合わせて取得することで、できる仕事の幅が何倍にも広がります。自分自身でできる仕事が増えるので、より思い描いた通りに旅行を実現できるようになるでしょう。

まとめ

ここまで、総合旅行業務取扱管理者資格と通訳案内士の概要、メリットを説明しました。
それぞれの資格を生かした仕事がある一方で、両方を取得することでさらに仕事の幅も広がるということもわかりました。
日本へ訪れる外国人観光客は年々増加しており、これからの旅行業界の成長が伺えます。
将来性のある業界で通用する資格を取得して、自身の成長にもぜひ役立てましょう。

トラベル&コンダクターカレッジ (著, 編集)
出版社: 新星出版社; 改訂7版 、出典:amazon.co.jp