登録販売者は独学でも合格できるのか?おすすめの勉強法やポイントまで
1 はじめに−登録販売者とは?
登録販売者とは、第2類医薬品、第3類医薬品を販売することができる資格のことで、2009年の改正薬事法により新たに誕生しました。
一般に、医薬品の販売というと薬剤師をイメージすると思いますが、第2類医薬品と第3類医薬品に限れば登録販売者だけで販売することができます。
登録販売者がいれば、薬局やドラッグストアのほか、コンビニやスーパーなどでも医薬品の販売ができるため、薬剤師不足という状況の中で、登録販売者はニーズの高い資格となっています。
2 登録販売者試験の概要
(1) 受験資格
登録販売者試験に受験資格はありません。
平成26年度までは試験を受けるために学歴や実務経験などの制限がありましたが、平成27年度に登録販売者制度が改正されて以降、受験資格の制限がなくなりました。
現在は、誰でも登録販売者としての資格を目指すことができます。
(2) 試験は都道府県ごとに実施
試験は、毎年8月から12月の間に、都道府県ごとに実施されます。
試験は各都道府県で年に1回しか実施されませんが、試験日程が被らなければ、複数の都道府県で受験することができるため、年に複数回受験することもできます。
受験料も都道府県ごとに異なりますが、2021年度の試験は、12,800円〜18,200円となっています。
(3) 出題内容
登録販売者試験では、厚生労働省が公開している「試験問題の作成に関する手引き」から出題されます。出題範囲は次の5項目に分かれています。
・医薬品に共通する特性と基本的な知識
・人体の働きと医薬品
・主な医薬品とその作用
・薬事関連法規・制度
・医薬品の適正使用・安全対策
この5項目のうち、「主な医薬品とその作用」のみ40問出題され制限時間が80分となっていますが、それ以外の項目は、それぞれ20問ずつで制限時間は40分です(合計で120問、240分)。
問題形式は全てマーク形式となっています。
3 独学で合格をめざせる?
(1) 合格率、合格基準
登録販売者試験の合格率は、都道府県によって異なりますが、全国平均は大体40%から50%です。2020年の全国の平均合格率は41.5%でした。
また、登録販売者試験の合格基準点は、全体の7割以上の得点となっています。
これに加えて、先ほど見た試験項目ごとに3.5割以上(都道府県によっては4割以上)の正答も必要です。
このように、5項目のうち1つでも一定点数に届いていないと不合格になってしまいます。
(2) 独学で合格できる?
ここまで見てきた合格率や出題内容を踏まえると、登録販売者試験は独学でも合格を目指すことができます。
出題範囲をきちんと把握した上で、苦手分野をなくして全体的に抜けのないように勉強し、合格基準点が取ることができれば、独学でも十分合格できるといえるでしょう。
4 どのように勉強すればいいの?
登録販売者試験は、厚生労働省による「試験問題作成に関する手引き」から出題されます。
では「登録販売者試験問題作成に関する手引き」をテキストとして勉強すればいいのでは?と思った方も多いと思います。
しかし、この手引きはあまり見やすいとはいえないため、この手引きを元にして作られた自分自身に合った市販の参考書を選ぶといいでしょう。
参考書を選ぶ時のポイントとして、図や表が載っていることや白黒ではないこと、過去問や予想問題が載っているものが良いでしょう。
また、「試験問題作成に関する手引き」は、毎年3月から4月に改正される可能性があります。改正のない年もありますが、改正があった場合に古いテキストのまま勉強してしまうと、間違った内容で勉強し続けることになってしまいます。できる限り最新のテキストを使用するようにしましょう。
勉強する際、ノートを作る必要はありません。
まとめることによって覚えるなどの理由なら別ですが、参考書に綺麗に内容がまとまっているのに、ノートにまとめ時間を費やし勉強した気になっていても時間の無駄になっていることが多いのです。効率的に勉強することを目標としましょう。
そして、勉強する上で何より大切なのが過去問を解くことです。
過去問は実際に登録販売者試験に出題されたものであり、傾向や難易度を理解するためにうってつけの問題演習といえます。
過去問をベースとして解説や参考書をみながら勉強を進めていくと良いでしょう。
5 まとめ
登録販売者試験についてご理解いただけたでしょうか。
登録販売者試験の大きな特徴として、独学でも十分合格できるということができます。
自分にあった勉強法を見つけ、出題範囲の5分野に関して苦手分野を克服することが、合格への近道であるといえるでしょう。