[合格へ]応用情報技術者試験は役に立つ?就職や実務での活かし方




応用情報技術者試験とは、日本情報処理機構(IPA)の主催する試験の一つで、基礎的な情報処理の知識・技能を問われる基本情報技術者試験の一つ上のレベルであるレベル3に位置付けられます。基本情報技術者試験と比較すると、より応用的な内容が試験内容として出題されます。

この試験の合格率は約20%と決して高くはありませんが、その分知名度は高く役に立つ場面も多くあると言えます。今回は、その応用情報技術者試験の概要と、取得のメリットについて見ていきましょう。

応用情報技術者試験の概要

応用情報技術者試験は、テクノロジやマネジメント等の情報技術に関する応用的な知識・技能を証明する試験です。

試験内容は午前試験と午後試験に分かれ、それぞれの試験で60%以上が合格ラインとなっています。午前・午前ともに150分と非常に長い試験となり、その合格率は約20%と低い水準となっています。合格率からも分かるとおり、難易度としてはかなり難しい試験と言えます。

午前試験は、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3つの分野から80問の4択問題が出題されます。それぞれの分野の出題数は決まっており、テクノロジ系は80問中50問と多く出題されます。基本情報技術者試験も同様の問題数ではありますが、それぞれの問題のレベルが高く、なかには解くのにかなり時間がかかる問題もあります。対策としては、参考書を読破しある程度知識を頭に入れた段階で過去問に取り組み、問題形式に慣れることが重要です。

午後問題は、大問11問のうち5問を選択して(情報セキュリテイのみ必須)、午前試験で使った知識を総動員して回答する問題が出題されます。基本情報技術者試験の午後問題も似たような形式ではありますが、記述式であることや必要となる知識のレベルが段違いであり、かなりの対策を積む必要があります。

応用技術者試験は役に立つか?メリットと注意点について

応用情報技術者資格は様々な場面において、役に立つ資格です。しかしその一方で、取得を考える際にいくつかの注意点もあります。

メリット

就職・転職活動

応用情報技術者は、レベルの高い国家資格の1つでもあり、IT企業への就職や転職を行う際に役に立ちます。新卒の就職活動の場合は、情報処理の知識・技能が身に付いていることが評価され優遇される場合もありますが、直接的でなくともこの難しい試験に挑戦し合格したという過程もアピールポイントとすることができるでしょう。転職活動の際には、実績や経験が評価されることが多いですが、目に見える資格として応用情報技術者試験を取得しておくことで一定の知識があるという証明にすることができます。

企業の昇進・昇給

企業によっては昇進や昇給の要件になる場合もあります。ITエンジニアに必要とされる共通知識や技術の土台を身につけることができる応用情報技術者は、技術面の育成や社内資格認定としても活用されています。それだけではなく、その後のキャリアを考えていく上で自分の興味や得意分野を知ると言う意味でも、網羅的な学習ができる応用情報技術者試験は役に立つと言えます。

大学受験などにおける入試優遇等

これは応用情報技術者試験に関わらずではありますが、全国で361校もの学校が情報技術者試験を活用しており(2018年時点・日本情報機構公式HPより)、入試優遇や単位認定として役に立つこともあります。

注意点

長時間の学習時間の確保が必要

デメリットの1つとしては、応用情報技術者試験の合格のためにかなり長い学習時間が求められることです。元々のレベルにより異なるため一概には言えませんが、基本情報技術者試験に合格している人で200時間以上、IT初学者の場合500時間以上もの対策が必要だと言われています。そのため、気軽に取れる試験ではなく本当に自分にとって必要な資格なのかを考えた上で受験を検討してみてください。

業界以外ではそれほど必要ない

IT業界ではなく他の業種であれば、応用情報技術者試験ほどのレベルが求められることは非常に稀です。どの業種であれIT化が進む現代においては、一定のITリテラシーを見につけておくことは非常に重要です。その場合であれば、応用情報技術者より難易度の低いITパスポートや基本情報技術者資格の取得をおすすめします。

まとめ

いかがでしょうか。基本情報技術者試験のさらに上に位置づけられる応用情報技術者試験は難易度はやや高いですが、就職活動や昇進・昇給などで役に立つ場面も多くあります。一方で、IT業界以外ではそれほどのレベルが必要されないことや、かなりの学習時間を確保しなければならないことから、自分に必要な資格かをしっかり吟味した上で受験を検討してみてください。