公務員試験 無敵の文章理解メソッド




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はじめに

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」

よく引用される「孫子」の名言だ。ところで、公務員試験を攻略するために知るべき「敵」とは、一体何を指すのだろう?

「そりゃ、出題傾向に決まってるでしょ?教養試験のうち18~25%が文章理解で、その内訳は言語論が何%、文化論が何%、最近ではこんなテーマが・・・・・」

戦略家の受験生ほど、こういったデータを集めたがる。しかし、それで問題を解けるようになるだろうか?選択肢の巧妙な間違いを見抜けるだろうか?「出題傾向」というのは、敵の「外見、服装」に過ぎない。本当の意味での「敵を知る」とは「敵の戦力と戦術と戦略」を見抜くこと。試験でいえば「出題者の手の内」を知ることだ。

出題者は毎年試験問題を作っているプロ。問題文の選び方から選択肢の作り方まで、受験者をふるいにかけるためのノウハウを体系化している。そんな出題者の「騙しのテクニック」を知れば、その裏をかくことができるではないか!

「そんな裏事情、誰が教えてくれるんですか?」

たしかに問題作成者というのは厳重な守秘義務を負っている。自分が担当者であることすら口外してはいけないものだ。公務員試験の出題者本人から「選択肢の罠の仕掛け方」を聞くことはおそらく不可能だろう。ところが、世の中には抜け道というものが存在する。それが「模擬試験の作成者」だ。

私はかつて大手大学受験予備校で18年間、現代文の講師としていわゆる「国語嫌い」の受験生たちの相手をしてきた。同時に模擬試験の問題作成にも携わってきた。大学入試センター試験の問題文を的中させたこともある。すなわち「出題者の論理」と「受験生の心理」の両方を知り尽くす立場にいたのだ。だからこそ、わかることがある。出題者の「騙しのテクニック」は単なる「ひっかけ」ではなく、人間の脳が陥る「誤読のメカニズム」に対応している。「読解力を測る普遍的な法則」ともいえるのだ。そして現在、CSS公務員セミナーで顧問講師を務めている。

実は公務員試験の「文章理解」と大学入試の「国語」は出題形式が多少異なるだけで、選択肢に仕掛けられる「騙しのテクニック」はほぼ共通。人間の「誤読のメカニズム」を利用する以上、どうしても同じになってしまうからだ。私が公務員試験の文章理解を「出題者の意図」までマニアックに解説できるのは以上のような経歴による。しかも、予備校講師である私には守秘義務がない(笑)。本書で紹介する「出題者の手の内」も、膨大な量の試験問題を研究した人間にとっては自明の法則であって、「国家機密」「企業秘密」として教えてもらったわけではないのだ。

ラッキーにも本書を手に取ってくれたあなたのために、「出題者の手の内」をすべて公開しよう。これまでとはまったく異なる「読み方、解き方」ができるようになるだろう。自己流では絶対届かない「スピード」と「正答率」が達成できるだろう。そして教養試験を高得点で突破し、余裕をもって面接に挑めるだろう。さあ、「禁断の扉」を開ける覚悟はいいだろうか?文章理解の異次元ツアーへ、ようこそ!

鈴木 鋭智 (著)
実務教育出版; A5版 (2017/4/19)、出典:出版社HP

Contents

はじめに

第1章 内容把握・要旨把握は選択肢を先に読め!
・文章理解を制する者が公務員試験を制する?!
・やってはいけない!こんな読み方
・正答率も上がる究極の速読法

問題1文章の構造を理解しよう
問題2「逆説」がわかると人間がわかる
問題3政治論では因果関係が問われる
問題4文語体では「否定語」を見落とすな問題5エッセイでは主語の省略に注意

・大公開!出題者が選択肢に仕掛けるトリック13パターン
・いよいよ実践編!本番の手順に切り替えよう

問題6「選択肢を先に見る」に挑戦しよう
問題7「最先端」は「従来」と対比される
問題8具体例が多いところは罠も多い
問題9翻訳ものは「遠回しな表現」が難しい
問題10共通点と相違点のある対比関係
問題11文明論では「誰の見解か」が大事コラム人工知能には「読解力」がない?

第2章 文章整序は「ベン図」で一発解決
・やってはいけない!こんな解き方

問題12スタート文とゴール文がヒント
問題13イメージできると対比に気付く
問題14「近代」は新しい時代?古い時代?
問題15正しい並べ方が2通りある?
問題16コウモリ段落に惑わされるな
コラム「わからないときは1番の法則」は通用するか?

第3章 空欄補充は「斬新なロジック」が決め手
・空欄補充にはタイプが2つある

問題17「似ている言葉」を区別しよう
問題18「人間の認識」を客観視できるか
問題19「斬新なロジック」を理解できるか
問題20文化論は「常識の否定」がポイント
コラム科目の「ボトルネック」を見つけよう

第4章 英文問題は4和訳できなくても大丈夫!
・大学入試の「英語」とはここが違う!
・英文の文章理解はこう攻めろ

問題21人物が複数いたら「主語」に要注意
問題22進化の話では「因果関係」が大事
問題23数字は「意味」に注目しよう
問題24生物の話は「登場人物」が複雑
問題25有名人の話でも先入観で読まない
問題26実験は「何と何を比べたのか」
問題27異質な単語が登場するのはどこか?
問題28「外国人」の言いかえを見つけられるか
コラム面接官は見逃さない、ESの「100%言葉」

問題29ゴール文をどう定義するかがカギ
問題30「before/after」を区別しよう
問題31直前を見るか、最初から読むか
問題32「かくれ否定語」で文脈が大きく変わる
問題33ジョークの「オチ」が理解できるか
問題34長い選択肢は違いを明確に

第5章 勉強の密度が2倍になる過去問集の使い方
・さあ、過去問に挑戦しよう!!
・過去問の密度を上げる「答え合わせ」の仕方
・問題演習にタイマーは必需品
・「無敵の文章理解メソッド」を超えろ!!

あとがき

鈴木 鋭智 (著)
実務教育出版; A5版 (2017/4/19)、出典:出版社HP