オシロスコープ入門講座




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はじめに

オシロスコープは電気信号を観測する手段として、もっとも基本的な計測器として約60年前に開発されました。その最大の特長は「電気を目で見ることが出来る」ことです。それゆえ電気信号を扱う職場では必ずと言っていいほど設備されています。

いま、社会の高度化、高齢化など、様々な要因で電気・電子機器が増えつつあります。しかし、そこで広く使われるデジタル回路の動作障害の多くが“ノイズ”“ひずみ”などのアナログ的な問題に起因しています。オシロスコープはまさにこれらを観測するのにうってつけの計測器です。従って現在でも数多くの機種が発売され、年々発展を続けているのです。

本書では序章でオシロスコープのあらまし、第1章では基本であるアナログ・オシロスコープ。第2章ではデジタルオシロスコープとその応用について述べ、高度なアプリケーションを利用する人にも役立つ手引き書にもなるよう配慮しました。
執筆は序章を佐藤健治、第1章を小澤智、第2章を長濱龍が担当しました。

2005年2月執筆者を代表して
佐藤健治

小沢 智 (著), 長浜 龍 (著),佐藤 健治 (著)
電波新聞社 (2005/3/25)、出典:出版社HP

目次

序章 オシロスコープとは
1.オシロスコープとは
2.オシロスコープが必要な理由
3.オシロスコープの原理
(1)オシロスコープの基本動作
(2)オシロスコープの同期
(3)オシロスコープの種類

●方式による種類
1アナログ・オシロスコープ
2デジタル・オシロスコープ
3サンプリング・オシロスコープ

●性能による種類
1低帯域機種
2広帯域機種

●機能による種類
1アナログ・オシロスコープ
2デジタル・オシロスコープ

●マップによる種類

第1章 アナログ・オシロスコープ

概要
1.アナログ・オシロスコープの原理
(1)ブラウン管(CRT)の原理
1ブラウン管の性能
(イ)良いCRTとは
(ロ)CRTの加速電圧と輝度
2蛍光体の焼け
(2)CRTの波形表示方法
(3)オシロスコープの構成
1垂直軸(Y齢:電圧軸)
2水平軸(X軸:時間軸)
3トリガ回路
42輪回路
5高圧電源回路

2.オシロスコープの性能
(1)オシロスコープの周波数帯域
(2)オシロスコープの立ち上がり時間

3.垂直軸(電圧軸)回路
(1)垂直軸回路の構成
(2)入力回路(AC/DC/GND)
1DC結合
2AC結合
IGND結合
(3)入力インピーダンス
(4)電圧感度
(5)ポジション
(6)ALT、CHOP(多現象表示)
1多現象を観測する二つのモード
2ALT(オルタネート方式)
SCHOP(チョップ方式)
(7)ADD.INVERT
(8)帯域制限(BANDWITHLIMITER)
(9)選延線(ディレイライン)のはたらき

4.トリガ回路
(1)トリガ回路の構成
(2)トリガ・レベル。
1トリガ感度
(3)トリガーソース
(4)トリガ・カップリング
AC
2LFREJ(Low Frequency Reject)
3HFREJ(High Frequency Reject)…
4DC
(5)トリガ・スロープ
(6)特殊トリガ(TV、イベント)

5.水平軸(時間軸)回路
(1)水平軸回路の構成
(2)掃引時間
(3)MAG(掃引拡大)
(4)AUTO、NORM、SINGLE
1AUTO(自動掃引)
2NORM
3SINGLE
(5)A、ALT、B.
1ASWEEP
2ALTSWEEP
3BSWEEP
(6)ホールド・オフ

6.Z軸(輝度)回路とCRTコントロール回路
(1)Z軸回路の構成
(2)インテン
(3)フォーカス
(4)ビームファインド
(5)トレース・ローテーション

7.その他のオシロスコープの機能と特性
(1)リード・アウト表示
(2)カウンター
(3)セーブ/リコール
(4)AUTO・SETUP

8.外部出力
(1)CAL
(2)CH2OUT
(3)EXTZIN

9.X-Y機能

10.オシロスコープの基本測定
(1)電圧測定の基本
1直流電圧の測定
2.交流電圧の測定
(2)時間軸の測定
1時間測定
2周波数の測定
3パルス測定
4パルスの立ち上がり/立ち下り時間の測定
5パルス応答測定
6カーソル測定
(3)周波数/位相の測定
1リサージュ図形による観測
2位相比較
最新アナログ・ストレージスコープの技術と応用観測

第2章 デジタル・オシロスコープ

概要
1.デジタル・オシロスコープの原理
(1)どのような波形が見えますか?
1商用電源の波形
2インタフェースの波形

2.デジタルオシロスコープの基本
(1)デジタル・オシロスコープのハードウェア構成
(2)周波数帯域
(3)立ち上がり特性
(4)サンプリング
(5)周波数帯域とサンプリング
(6)エリアシング
(7)分解能:
(8)メモリ長
(9)画面表示

デジタル・オシロスコープ原理のまとめ
◎練習問題1

3.トリガ機能
(1)トリガ機能概要
(2)トリガ・モード
(3)エッジ・トリガー
(4)トリガ・カップリング

4.高機能トリガ
(1)エッジ・トリガのホールド・オフ機能
1時間によるホールド・オフ機能
2イベント数によるホールド・オフ
(2)ウィンドウ・トリガ機能
(3)パルス幅トリガ機能
(4)インターバル・トリガ機能
(5)ドロップ・アウト・トリガ機能
(6)スルー・レート・トリガ機能
(7)パターン・トリガ機能
(8)クオリファイ・トリガ
(9)グリッジ・トリガ機能
(10)ラント・トリガ
(11)TVトリガ

トリガ機能・高機能トリガまとめ
◎練習問題2

5.タイムベース
(1)シングル・ショット(リアル・タイム・サンプリング)
(2)ランダムインターリーブド・サンプリング
(3)ロール・モード
(4)シーケンス・モード
(5)ピーク・デテクト
(6)タイムベースの安定性

◎練習問題3

6.波形演算
(1)カーソル測定
(2)パラメータ演算
(3)測定上の誤差要因
(4)関数演算
(5)ヒストグラム(統計)処理
(6)FFT演算
(7)分解能向上演算
(8)エンベロープ機能
(9)加算平均と連続平均

◎練習問題4.

7.プローブと測定方法
(1)プロービングの基礎
(2)プローブの仕様
(3)10M2系パッシブ・プローブ
(4)高速信号用5000系パッシブ・プローブ
(5)高速波用アクティブ・プローブ
(6)高電圧用パッシブ・プローブ
(7)高電圧用差動プローブ
(8)高精度基準電源付き差動アンプ付きプローブ
(9)電流プローブ
(10)電流プローブの校正
(11)変位計測用プローブ

◎練習問題5

8.データの保存・出力
9.リモートコントロール
(1)GP-IBコントロール
(2)イーサネット・コントロール
(3)新しいコマンド体系
10.高度な解析
(1)デジタル回路の解析
(2)PLLのタイミング解析
(3)自動車計測
(4)パワー測定
(5)自動合否判定
(6)光インターフェースの解析
●電力ラインの解析
●回転系、高速繰り返し信号のノイズ除去
●基板上に飛び交うノイズOne Point Check!
●電圧ゲインの考え方
●電力比の考え方

基本実習1
(1)1kHz、1V矩形波の校正信号を測定
(2)タイムベースの設置
(3)垂直軸の設定
(4)トリガ設定
(5)プリ・トリガとポスト・トリガ
(6)カップリングの違い
基本実習2 パルス計測の基本
基本実習3 プローブの使い方
基本実習4 高速伝送ラインの反射の影響

◎練習問題の解答

[参考資料] 1.デジタルオシロスコープの画面基本例と設定名称
オシロスコープの画面表示例
■カーソル測定設定メニュー例
■カーソル測定例

2.デジタル・オシロスコープの関数演算例
■加算演算
■減算演算
■乘算演算
■除算演算
■自乗演算
■平方根演算
■絶対値演算
■逆数演算
■反転演算
■積分演算
■微分演算
■FFT演算
■アベレージング演算(連続、加算あり)
■リスケール演算
■エンベロープ演算
■ルーフ演算
■フロア演算

索引

小沢 智 (著), 長浜 龍 (著),佐藤 健治 (著)
電波新聞社 (2005/3/25)、出典:出版社HP