オシロスコープを学ぶためのおすすめ本 – 電気工事関係の資格の参考書にも!




オシロスコープの理解を深めよう

オシロスコープとは、電気信号の変化していく様子を観測できるようにした波形測定器です。現在、社会の高度化、高齢化などの様々な要因で電子機器が増え、これらに使われるデジタル回路の動作障害を解決するためにオシロスコープは欠かせないものとなっています。ここでは、オシロスコープの概要や使い方に加え、資格を取得する上でも役立つ本をご紹介します。

ランキングも確認する
出典:出版社HP

オシロスコープ超入門 (測定器入門シリーズ)

はじめに

本書「オシロスロープ超入門」に関心をもっていただいたということは、下記のような疑問や不安をお持ちなのではないでしょうか。

・つなぎ方を間違えると壊れるのでは。誤って壊してしまわないか不安。
・使ったことのない機種になるとさっぱり使い方がわからない。
・見よう見まねで使ってはいるが、基本的な知識を再確認しておきたい。
・取扱説明書を見ても専門用語が多くてよく分からない。

オシロスコープに限らず、どんな測定器でも使えば覚えますし使わなければ忘れてしまいます。オシロスコープは昔に比べて安くなったとはいえ、ハンディのマルチメータなどと比べるとまだまだ高価な測定器です。破損することを恐れて使うのを躊躇しているようでは、慣れるのに時間がかかってしまいます。本書で、オシロスコープの基本的なしくみさえ学習していただければ、あとは怖がらずどんどん使って慣れるだけです。

個々のオシロスコープの操作方法は、お使いの取扱説明書をご覧いただく方が良いでしょう。本書はどんなオシロスコープを扱う上でもベースとなる知識を身に付けていただけるよう構成しました。

測定器学習研究委員会 (著)
アドウィン; 初版 (2020/5/25)、出典:出版社HP

目次

1はじめに
2オシロスコープとは
3各部名称

4校正信号を見てみよう
【波形の種類】

5画面の見方
【交流電圧の表記】

6プローブの減衰比

7プローブの役割と影響
【実際に観測される波形例】

8プローブの入カインピーダンス
【インビーダンスとは】

9ブローブの補正
10電圧レンジ・ポジションの調整

11時間レンジ・ポジションの調整
【信号のデジタル化】

12直面表示内容
【プローブに触れた時に現れる波形の正体】

13オシロスコープのGND
【アースの役割】
【感電とは】
【接地とは】

14おろそかになりがちな注意事項
【差動信号とは】

15オシロで家庭用電源を観測できるか
16帯域幅(周波数帯域)
17日入力結合(入カカップリング)
18オシロで家庭用電源を観測できるか(続き)
19トリガの役割
20各種トリガ設定

21帯域幅短形波の場合
22帯域幅ゲイン実測
23サンプリングレート
24メモリ
25参考資料

測定器学習研究委員会 (著)
アドウィン; 初版 (2020/5/25)、出典:出版社HP

オシロスコープ入門講座

はじめに

オシロスコープは電気信号を観測する手段として、もっとも基本的な計測器として約60年前に開発されました。その最大の特長は「電気を目で見ることが出来る」ことです。それゆえ電気信号を扱う職場では必ずと言っていいほど設備されています。

いま、社会の高度化、高齢化など、様々な要因で電気・電子機器が増えつつあります。しかし、そこで広く使われるデジタル回路の動作障害の多くが“ノイズ”“ひずみ”などのアナログ的な問題に起因しています。オシロスコープはまさにこれらを観測するのにうってつけの計測器です。従って現在でも数多くの機種が発売され、年々発展を続けているのです。

本書では序章でオシロスコープのあらまし、第1章では基本であるアナログ・オシロスコープ。第2章ではデジタルオシロスコープとその応用について述べ、高度なアプリケーションを利用する人にも役立つ手引き書にもなるよう配慮しました。
執筆は序章を佐藤健治、第1章を小澤智、第2章を長濱龍が担当しました。

2005年2月執筆者を代表して
佐藤健治

小沢 智 (著), 長浜 龍 (著),佐藤 健治 (著)
電波新聞社 (2005/3/25)、出典:出版社HP

目次

序章 オシロスコープとは
1.オシロスコープとは
2.オシロスコープが必要な理由
3.オシロスコープの原理
(1)オシロスコープの基本動作
(2)オシロスコープの同期
(3)オシロスコープの種類

●方式による種類
1アナログ・オシロスコープ
2デジタル・オシロスコープ
3サンプリング・オシロスコープ

●性能による種類
1低帯域機種
2広帯域機種

●機能による種類
1アナログ・オシロスコープ
2デジタル・オシロスコープ

●マップによる種類

第1章 アナログ・オシロスコープ

概要
1.アナログ・オシロスコープの原理
(1)ブラウン管(CRT)の原理
1ブラウン管の性能
(イ)良いCRTとは
(ロ)CRTの加速電圧と輝度
2蛍光体の焼け
(2)CRTの波形表示方法
(3)オシロスコープの構成
1垂直軸(Y齢:電圧軸)
2水平軸(X軸:時間軸)
3トリガ回路
42輪回路
5高圧電源回路

2.オシロスコープの性能
(1)オシロスコープの周波数帯域
(2)オシロスコープの立ち上がり時間

3.垂直軸(電圧軸)回路
(1)垂直軸回路の構成
(2)入力回路(AC/DC/GND)
1DC結合
2AC結合
IGND結合
(3)入力インピーダンス
(4)電圧感度
(5)ポジション
(6)ALT、CHOP(多現象表示)
1多現象を観測する二つのモード
2ALT(オルタネート方式)
SCHOP(チョップ方式)
(7)ADD.INVERT
(8)帯域制限(BANDWITHLIMITER)
(9)選延線(ディレイライン)のはたらき

4.トリガ回路
(1)トリガ回路の構成
(2)トリガ・レベル。
1トリガ感度
(3)トリガーソース
(4)トリガ・カップリング
AC
2LFREJ(Low Frequency Reject)
3HFREJ(High Frequency Reject)…
4DC
(5)トリガ・スロープ
(6)特殊トリガ(TV、イベント)

5.水平軸(時間軸)回路
(1)水平軸回路の構成
(2)掃引時間
(3)MAG(掃引拡大)
(4)AUTO、NORM、SINGLE
1AUTO(自動掃引)
2NORM
3SINGLE
(5)A、ALT、B.
1ASWEEP
2ALTSWEEP
3BSWEEP
(6)ホールド・オフ

6.Z軸(輝度)回路とCRTコントロール回路
(1)Z軸回路の構成
(2)インテン
(3)フォーカス
(4)ビームファインド
(5)トレース・ローテーション

7.その他のオシロスコープの機能と特性
(1)リード・アウト表示
(2)カウンター
(3)セーブ/リコール
(4)AUTO・SETUP

8.外部出力
(1)CAL
(2)CH2OUT
(3)EXTZIN

9.X-Y機能

10.オシロスコープの基本測定
(1)電圧測定の基本
1直流電圧の測定
2.交流電圧の測定
(2)時間軸の測定
1時間測定
2周波数の測定
3パルス測定
4パルスの立ち上がり/立ち下り時間の測定
5パルス応答測定
6カーソル測定
(3)周波数/位相の測定
1リサージュ図形による観測
2位相比較
最新アナログ・ストレージスコープの技術と応用観測

第2章 デジタル・オシロスコープ

概要
1.デジタル・オシロスコープの原理
(1)どのような波形が見えますか?
1商用電源の波形
2インタフェースの波形

2.デジタルオシロスコープの基本
(1)デジタル・オシロスコープのハードウェア構成
(2)周波数帯域
(3)立ち上がり特性
(4)サンプリング
(5)周波数帯域とサンプリング
(6)エリアシング
(7)分解能:
(8)メモリ長
(9)画面表示

デジタル・オシロスコープ原理のまとめ
◎練習問題1

3.トリガ機能
(1)トリガ機能概要
(2)トリガ・モード
(3)エッジ・トリガー
(4)トリガ・カップリング

4.高機能トリガ
(1)エッジ・トリガのホールド・オフ機能
1時間によるホールド・オフ機能
2イベント数によるホールド・オフ
(2)ウィンドウ・トリガ機能
(3)パルス幅トリガ機能
(4)インターバル・トリガ機能
(5)ドロップ・アウト・トリガ機能
(6)スルー・レート・トリガ機能
(7)パターン・トリガ機能
(8)クオリファイ・トリガ
(9)グリッジ・トリガ機能
(10)ラント・トリガ
(11)TVトリガ

トリガ機能・高機能トリガまとめ
◎練習問題2

5.タイムベース
(1)シングル・ショット(リアル・タイム・サンプリング)
(2)ランダムインターリーブド・サンプリング
(3)ロール・モード
(4)シーケンス・モード
(5)ピーク・デテクト
(6)タイムベースの安定性

◎練習問題3

6.波形演算
(1)カーソル測定
(2)パラメータ演算
(3)測定上の誤差要因
(4)関数演算
(5)ヒストグラム(統計)処理
(6)FFT演算
(7)分解能向上演算
(8)エンベロープ機能
(9)加算平均と連続平均

◎練習問題4.

7.プローブと測定方法
(1)プロービングの基礎
(2)プローブの仕様
(3)10M2系パッシブ・プローブ
(4)高速信号用5000系パッシブ・プローブ
(5)高速波用アクティブ・プローブ
(6)高電圧用パッシブ・プローブ
(7)高電圧用差動プローブ
(8)高精度基準電源付き差動アンプ付きプローブ
(9)電流プローブ
(10)電流プローブの校正
(11)変位計測用プローブ

◎練習問題5

8.データの保存・出力
9.リモートコントロール
(1)GP-IBコントロール
(2)イーサネット・コントロール
(3)新しいコマンド体系
10.高度な解析
(1)デジタル回路の解析
(2)PLLのタイミング解析
(3)自動車計測
(4)パワー測定
(5)自動合否判定
(6)光インターフェースの解析
●電力ラインの解析
●回転系、高速繰り返し信号のノイズ除去
●基板上に飛び交うノイズOne Point Check!
●電圧ゲインの考え方
●電力比の考え方

基本実習1
(1)1kHz、1V矩形波の校正信号を測定
(2)タイムベースの設置
(3)垂直軸の設定
(4)トリガ設定
(5)プリ・トリガとポスト・トリガ
(6)カップリングの違い
基本実習2 パルス計測の基本
基本実習3 プローブの使い方
基本実習4 高速伝送ラインの反射の影響

◎練習問題の解答

[参考資料] 1.デジタルオシロスコープの画面基本例と設定名称
オシロスコープの画面表示例
■カーソル測定設定メニュー例
■カーソル測定例

2.デジタル・オシロスコープの関数演算例
■加算演算
■減算演算
■乘算演算
■除算演算
■自乗演算
■平方根演算
■絶対値演算
■逆数演算
■反転演算
■積分演算
■微分演算
■FFT演算
■アベレージング演算(連続、加算あり)
■リスケール演算
■エンベロープ演算
■ルーフ演算
■フロア演算

索引

小沢 智 (著), 長浜 龍 (著),佐藤 健治 (著)
電波新聞社 (2005/3/25)、出典:出版社HP

電気に弱い人にもわかるオシロスコープ入門―2現象オシロスコープの簡単操作ガイドブック

はじめに

本書では、これからオシロスコープの操作を習いたい人、使い始めて間もない人、あるいはみようみまねで取りあえず使っている人々など、いわゆるビギナーを対象にオシロスコープの使い方を説明しています。

それ故、オシロスコープがどのような仕組みで動作しているかなど、ここでは細かく説明していません。オシロスコープそのものはブラック・ボックスであっても、オシロスコープの操作の習得に支障はありません。どのようにすれば波形の観測ができるのか?、交流電圧や周波数を求めるには?精度の高い測定方法は?など、実践的な内容に重点をおいています。

理系の人でないと理解し難いオームの法則やデシベルなど、電気の専門知識が必要な記述は使わず、文系の人にも理解しやすいように別の表現に変えたり、オシロスコープの操作の習得に限れば、急いで知る必要もないと思われるものはあえて省略しました。最初のページから順に読む必要はなく、自分のオシロスコープに対する理解度により、知りたい内容のページへ一気にジャンプして読まれるほうがスキルアップの早道です。ぜひこの機会にプロフェッショナルへの道を目指して頑張ってください。

オシロスコープ(Oscilloscope)とは

オシロスコープとは、時間の経過と共に電気信号(電圧)が変化していく様子をリアルタイムでブラウン管に描かせ、目では見ることのできない電気信号の変化していく様子を観測できるようにした波形測定器です。このブラウン管は、ドイツ人のブラウン(KarlFerdinand Braun)が、大学の学生に電流の波形を見せるための教材として1897年に試作した陰極線管(Cathode Ray Tube)が原型とされ、今では彼の名前で広く呼ばれるようになりました。

現在、テレビジョンに使われているブラウン管は、オシロスコープのものとは仕組みが異なりますが、ルーツを辿れば同じ所へ行き着きます。オシロスコープは、このブラウン管上の輝点の動きの速さや振れの大きさを測ることで、間接的に電気信号の電圧の時間的変化を簡単に測ることができます。ですから、測定しようとする現象が電圧の形に変換できれば、電気信号の変化だけでなく、温度、湿度、速度、圧力・・・・など、色々な現象の変化量を測ることができます。

また、メータ類と大きく異なるところは、単にその電圧の平均的な値を測るためのものではなく、電圧が変化していく様子を時々刻々と目で追いかけたり、突発的に発生する現象も捉えることができます。しかも、非常に高い周波数の電気信号の変化もブラウン管に描くことが可能で、エレクトロニクス分野のエンジニアには必携の波形測定器として重宝がられています。

本書は、ビギナーを対象にしているので、難解な回路構成や信号処理にはあえて触れず、オシロスコープの概念と基本的操作、使い方に絞ってやさしく解説しています。オシロスコープのハードウェアの説明よりも、どのように操作すればオシロスコープの機能を100パーセント活用できるのかを説明することにウエイトをおいてます。ぜひ、皆さんも本書を片手にオシロスコープを操作してみてください。習うより慣れろ・・・・意外に簡単であることがわかってくると思います。

ここでマスターすることはオシロスコープのベーシックですから、その基本的な考え方は将来も変わることはありません。本書が皆さんのオシロスコープによる測定技術の向上に少しでもお役に立てば幸いです。最後になりましたが、執筆に際しご協力頂いた横井俊彦さんをはじめ、出力センター、印刷会社、出版社など、多くの方々のお世話になりありがとうございました。この紙面をお借りして厚くお礼申し上げます。

2000年7月 田中新治

目次

第1章 波形と電圧との関係
直流電圧と交流電圧
代表的な波形正弦波
ノコギリ波
方形波
パルス波
交流電圧計の限界

第2章 ブラウン管の基礎知識
ブラウン管の種類
電磁偏向形ブラウン
静電偏向形ブラウン管
静電偏向形ブラウン管の構造

電子銃部(ガン)
カソード
制御グリッド
第2グリッド
第1陽極
第2陽極
後段加速電極

偏向部(ヨーク)
ブラウン管の偏向部
偏向板の構造
垂直偏向板(Y軸偏向板)
水平偏向板(X軸偏向板)
偏向板の機能
偏向感度

蛍光面(スクリーン)
残光時間
目盛

第3章 オシロスコープの動作原理
基本的な動作
同期方式
同期掃引方式
トリガ掃引方式
トリガ掃引方式オシロスコープの回路構成
入力減衰器
垂直プリアンプ
遅延回路(ディレーライン)
垂直メイン・アンプ
トリガ発生器
掃引ゲート回路
掃引発生器
ホールドオフ回路
水平軸増幅器
アンブランキング回路
電源/高圧回路
校正電圧回路
ブラウン管
2現象オシロスコープの回路構成
2信号の切替方式
ALT(オルタ)方式とは
CHOP(チョップ)方式とは

第4章 ノブ(つまみ)やスイッチの説明
SCREEN(蛍光面)
POWER(電源スイッチ)
SCALEILLUM(目盛照明調整)
INTENSITY(輝度調整)
FOCUS(焦点調整)
TRACEROTA(輝線傾き調整)
VERTICALPOSITION(垂直位置調整)
CHIINPUT/CH2INPUT(信号入力端子)
AC-GND-DC(入力結合切替)
VERTICALMODE(垂直入力切替)
CH2INV(CH2反転)
X-Y(X-Yモード切替)
VOLTS/DIV(垂直感度調整)
VARIABLE(垂直感度微調整)
リアパネルにある機能
CHIOUT(CH1信号出力)
ZAXISINPUT(輝度変調入力)
SWEEPTIME/DIV(掃引時間切替器)
VARIABLE(掃引時間微調整)
HORIZONTALPOSITION(水平位置調整)
×10MAG(10倍掃引拡大)
CAL(校正用電圧端子)
EXT.TRIG(外部トリガ入力端子)
GND(接地端子)
TRIGGERINGMODE(トリガ・モード選択)
TRIGGERINGSOURCE(トリガ信号選択)
TRIGGERINGSLOP(トリガ・スロープ設定)
TRIGGERINGLEVEL(トリガ・レベル調整)

第5章 オシロスコープの操作方法
電源をONする前にあらかじめ基本ポジションにセット
基本ポジションにセットしたら電源ON
ノブやスイッチのセットが完了したら信号を入力.
①波形の位置を上下に移動させる
②波形の位置を左右に移動させる
③波形の振幅を連続的に変える
④大信号や微少信号を適当な大きさ(振幅)にする
⑤波形の周期を連続的に変える
⑥波形の周期を適当な数にする

 

第6章 2現象オシロスコープの操作方法
電源をONする前にあらかじめ基本ポジションにセット
二つの信号を同時に観測する
AUTOとNORMを切り替えてみる
VERTMODE/CHI/CH2を切り替えてみる
スロープの+と-を切り替えてみる
入力信号を切り替えて表示波形を確かめてみる

第7章 オシロスコープの基本測定
電圧の測定
時間の測定
リサジュー図形による測定
電圧の基本測定
交流電圧の測定
直流電圧の測定
交流分を含んだ直流電圧の測定
「直流電圧分の測定」
「交流電圧分の測定」
時間の基本測定
時間の測定
周波数の測定
リサジュー図形による基本測定
振幅の比較
位相差の算出
周波数の比較

第8章 リサジュー図形の仕組み
同じ周波数によるリサジュー図形
「リサジュー」と言われる由縁
リサジュー図形の例

第9章 プローブ(Probe)
プローブの種類
プローブの仕組み
プローブの仕様
プローブの校正

第10章 測定時の誤差
読み取り誤差を少なくする(電圧測定)
読み取り誤差を少なくする(時間測定)
周波数特性による測定誤差
立上り時間(パルス)の測定誤差
定格で定められた許容誤差

第11章 スキルアップ・テクニック.
電源をONする前にあらかじめ基本ポジションにセット
基本ポジションにセットしたら電源ON
トリガソースの選択方法
VERTMODEがトリガ信号を自動選択
[LINE]は電源同期(50Hzor60Hz)専用
[EXT]は外部信号でトリガ
×10MAGの測定
×10MAGとSWEEPTIME/DIVの測定は同じか?
×10MAGとSWEEPTIME/DIVの動作の違いは?
「×10MAG」と「SWEEPTIME/DIV」それぞれの波形表示
方形波やパルス波の測定
方形波、パルス波の各部分の定義
スクリーンの目盛
立上り時間の測定
立下り時間の測定
パルス幅の測定
2信号の時間差と位相差の測定
2信号の時間差の測定
2信号の位相差の測定
2信号の和と差の測定
2信号の和の測定
2信号の差の測定
映像信号(ビデオ信号)の観測
ビデオ信号の観測

第12章 FAQ(よく聞かれる質問)
●他の場所にオシロスコープを移動したら輝線が傾いてしまった
●波形の輝度が普段より暗い
●電源スイッチをONしたがブラウン管に何も現れない
●輝度が暗く波形というよりは斜線(または円弧の一部)に見える.
●波形の輝度が暗くスクリーンの左右外側にも波形が続いている。
●輝線が太く滲んでいるように見える
●TRIGGERINGMODEスイッチがNORMの時に輝線が見えない
●TRIGGERINGMODEスイッチがAUTOでも輝線が見えない
●信号を入力しているが輝線しか見えない
●CH1に信号を入れても波形が見えない
●CHIとCH2に同時に信号を加えているがCH1の波形しか見えない」
●電源スイッチをONしたが輝点しか見えない
●CHIに信号を加えたが縦に輝線が1本見えるだけ
●リサジュー図形がHORIZ.POSITIONノブで横方向に移動できない
●リサジュー測定の時に図形の縦と横が説明と違う
●CH2の信号がTRIGGERINGSLOPの設定と逆にトリガする
●VERTICALMODEをADDにしたが予想した波形と異なっている
●HORIZ.POSITIONノブを回しても輝線がスクリーンから外へ出ない
●TRIGGERLEVELノブが中央付近にあっても波形が静止しない
●波形の振幅を小さくすると波形が静止しない
●波形の振幅が1div位から小さくなると静止しなくなる
●TriggeringModeスイッチがNORMでも波形が静止しない.
●波形の立ち上がり部分から見たいのに立ち下がり部分からになる
●低周波(50Hz以下)になると波形が時々動いてしまう
●ビデオ信号が静止しない
●X10MAGスイッチをONにすると波形が左右に揺れ動いている
●低周波を2現象表示している時に波形がちらついて見にくい.
●2現象表示している時に表示波形が細切れになる
●信号(直流電圧)を加えたが輝線が動かない.
●直流分を含んだ微少交流電圧を測定したいが波形が見えない
●同じ信号源からの測定で前回と全然違う測定値となった
●測定波形に交流雑音が混じっている
●高い周波数で測定した電圧は誤差が大きいようだ?
●パルス波の立上り時間を測定したが測定値が大き過ぎる?
●プローブを使用したら測定値が一桁小さくなってしまった

第13章 定格の読み方
「ブラウン管」
形式
加速電圧
有効面
「垂直軸」
動作樣式
感度、減衰器
周波数特性
入カインピーダンス
最大入力電圧
CHOP周波数
「水平軸」(CH2入力)
動作樣式感度
入カインピーダンス
周波数特性
X-Y間位相特性
「掃引」
掃引時間
掃引拡大
直線性
「同期」
トリガ・ソース
トリガ・モード
トリガ感度
「その他」
校正電圧
輝度变調
CHI信号出力

第14章 オシロスコープの用語集
インデックス
Appendix遅延掃引(Delayed Sweep)
SWEEPTIME/DIVスイッチによる波形拡大
「×10MAG」による波形拡大
遅延掃引とは
遅延掃引の特徴
主掃引と遅延掃引
A&BSWEEPTIME/DIV(A&B掃引時間切替器)
遅延時間
拡大する部分の設定
「×10MAG」との相違
連続遅延と同期遅延
連続遅延(Starts After Delay)
同期遅延(Triggerable After Delay)

ディジタル・オシロスコープ実践活用法―しくみを知れば真の波形が見えてくる (MC BASIC)

まえがき

小学生の頃、マーブル・チョコレートの筒に巻いたコイル、ポリ・バリコン、ゲルマニウムダイオードで作ったゲルマニウム・ダイオードのラジオから聞こえてきたアナウンサの声、それが私をエレクトロニクスの世界に引き入れました。今から40年以上前のことです。

眼には見ることができない「電気」を測りたいお小遣いで入手したものが、アナログ式のテスタでした。DC/AC電圧、DC電流、抵抗しか測れませんでしたが、抵抗モードでダイオードやトランジスタの不良を見分けたりして、少ない情報からあれこれ、電気の働きを知る手がかりを得ることができました。

当時は電気の動きが「眼で見える」オシロスコープはエンジニアでも高根の花の存在、アマチュアが入手できるものではありませんでした。何とか自作で間に合わせたのがグリッド・ディップメータでした。長年、電子計測の世界で仕事をしてきました。アナログ・オシロスコープの絶頂期、そしてディジタルオシロスコープへオシロスコープの構造は変わり、周波数帯域等の性能は飛躍的に高くなり、ジッタ解析やデジタル変調解析などいろいろな解析機能を搭載できる機種も増えてきました。

しかしオシロスコープの性能機能を100%使いこなせているかどうかというと、自信をもって「YES」といえる方は多くないのでは?と思います。本書ではオシロスコープを使いはじめた初心者の方から、普段オシロスコープをお使いの方を対象に、基本計測器クラスのオシロスコープの性能。機能を100%引き出して、できる限り正しい波形計測ができるように解説します。

ロジック信号が高速になり、アナログ的な挙動を正しく捉えることがデバッグの早道です。取り扱い説明を読んでもなかなか読み取れない。この使いこなしテクニックを身につけることができると、高速シリアル信号を扱うGHzクラスのオシロスコープを使いこなすこともさほど難しいことではなくなると思います。

2010年 春天野典

目次

まえがき

本書のねらい
イントロダクション 信号波形を正確に観測するテクニックを身に付ける
0.1正しく観測できていない例
0.1.1AUTO機能のメカニズムを理解していますか?
0.1.2ブロープのしくみを理解していないことが原因
●グラウンドが長い
●周波数特性の校正が必要

0.2ディジタルオシロの多彩な機能を使い切れていない例
0.2.1正しくトリガをかけられていないことが原因
0.2.2サンプル・レートを考慮していないことが原因
0.2.3見えない波形も見えてくる!

第1部 オシロスコープのしくみと仕様
第1章 刻々と変化する信号を測定する
1.1目的は電気の時間変化を波形で表示すること
1.1.1波形を表示する計測器はいくつかある
1.1.2オシロスコープは高速な信号を扱える
1.1.3最近はディジタル・オシロスコープが主流

1.2被測定信号に対してサンプリング周波数は2倍以上必要
1.2.1オシロスコープに必要なA-D変換の速度は?
1.2.2繰り返し信号は正弦波の集まり
1.2.3必要な帯域は測定したい信号の立ち上がり時間で決まる

1.3電圧レベルと時間の分解能の考え方
1.3.1ディジタル家電の先駆けコンパクトディスク
●昔は磁気テープ・レコーダが使われていた

1.3.2コンパクト・ディスクの規格
●入が聞こえる周波数からサンブル・レートが決められた
●人の耳ほどダイナミック・レンジがあるものはない
●圧分解能はかなり細かい

1.3.3オシロスコープに使われるA-D変換の分解能
●電圧分解能
●時間分解能

1.3.4オシロスコープの分解能をCDの分解能と比較してみる
1.3.5なぜオシロスコープのA-D変換器は8ビットが多いのか

1.4電圧の確度は直流で決められている
1.4.1周波数応答の平坦度は規定されていないことが多い
1.4.2電圧確度は使い方で大きく変わる
コラムオシロスコープの分解能を確認する方法

第1章AppendixA よく使われる計測器のしくみと確度
A.1計測器の種類と使いどころ
A.1.1周波数カウンタ
●計測の原理
●周波数が低いときに分解能を保つには
●クロックとトリガ回路が鍵

A.1.2ディジタルマルチメーター
●直流電圧の計測なら高い確度が得られる
●交流電圧の計測
●電流の計測

A.2計測器の確度はどれくらいか
A.2.1測定器の確度
A.2.2確度と精度
A.2.3オシロスコープの確度

第2章 三つの重要な性能指標とその意味
2.1三大性能その1:周波数帯域
2.1.1周波数帯域の一般的な考え方
2.1.2オシロスコープの周波数帯域とは?
2.1.3周波数応答とパルス応答
2.1.4実際の信号を入力した場合のパルス応答
2.1.5オシロスコープの周波数帯域はどれだけあれば良いのか?

2.2三大性能その2:サンプル・レート
2.2.1標本化定理
2.2.2周波数帯域とサンプル・レートのバランスが大切

2.3三大性能その3:レコード長
2.3.1時間軸を極端に速くすると実質的なレコード長はどんどん短くなる

2.4カタログに現れない性能
2.4.1ちょっと無理すると大きなエラーが発生することがある
2.4.2故意に電圧感度を上げた使い方・オーバードライブ

2.5カタログに現われにくいトリガの性能

第3章 オシロスコープの種類と動作原理
3.1アナログ・オシロスコープの構造
3.1.1信号の振幅方向の表示
3.1.2信号の時間方向の表示

3.2アナログ・オシロスコープとディジタル・オシロスコープの違い
3.2.1画面表示の違いを波形の例で確認
●アナログ・オシロスコープの表示
●ディジタル・オシロスコープの表示

3.2.2波形の密度が分かるアナログ・オシロスコープ
●頻度の低い現象は見逃してしまう

3.3アナログ・オシロスコープでの波形解析方法
3.3.1単発現象の取り込み機能を実現する方法
●専用機材とテクニックを駆使して単発信号をカメラで撮影
●特殊なブラウン管を使ったオシロスコープ
●幅広ビームを使ってA-D変換するアイデアも
●データの記録できる範囲が非常に狭かった

3.4ディジタルオシロスコープの限界と進歩
3.4.1初期のディジタルオシロスコープはアナログ・オシロスコープの機能も持っていた

3.4.2ディジタル・オシロスコープのデメリット
●波形の取りこぼしが多い
●時間軸の設定で周波数帯域が変わってしまう

3.4.3ディジタル・オシロスコープのメリット
●発生頻度が低い波形を確認できる
●トリガ以前の波形を確認できる
●波形の表示/解析も便利になった

3.5ディジタル・オシロスコープの構造

第2部 測定前に知っておきたい標準的な機能と使い方
第4章 電圧や時間を「正しく」測定するための基礎知識
4.1測定に必要なレコード長を選ぶ
4.1.1狙い打ちで短いレコード長でも高精度に測定
4.1.2どんな信号を測るかで最適なレコード長が異なる

4.2目視確認で重要な波形取り込みレート
4.2.1レコード長は長ければ良いのか?
4.2.2目視確認では適切なレコード長の選択が重要
4.2.3繰り返し波形を速い時間軸で観測する場合、ロング・レコードの意味はあまりない

4.3電圧を「正しく」測定するために
4.3.1ゼロ電位のずれを避けるにはウォーミングアップが大切
4.3.2正しい感度(電圧分解能)の決め方
4.3.3十分な電圧分解能がないと時間分解能も悪化
4.3.4電流リプルの測定にはACカップリング入力を使う
4.3.5瞬間的な電圧降下の測定にはオフセットを使う

4.4時間を「正しく」測定するために
4.4.1正しい時間」(サンプル・レート)の設定
4.4.2必要な時間分解能を分かっていることが重要
コラムオシロスコープでもデータの記録と解析ができる

第5章 正確な波形取得に欠かせないトリガのテクニック
5.1自動測定の落とし穴
5.1.1自動測定における波形パラメータの求め方
5.1.2実際に測定してみた…立ち上がり時間がばらつく
5.1.3波形を正しく取り込むにはサンプル・レートを意識する
5.1.4自動測定が可能なサンプル・レートを再検証

5.2確実にトリガをかける方法
5.2.1基本の確認 トリガ・レベルとトリガ・スロープ
5.2.2トリガにはどのチャネルを選ぶのか

5.2.3さまざまな波形の取り込みでトリガ・モードを使い分ける
●オート・トリガー
●ノーマル・トリガー
●シングル・トリガー

5.3さらに上手にトリガをかける方法
5.3.1フィルタを利用してノイズの影響を取り除く
5.3.2外部の信号をトリガとして利用する
5.3.3誤動作を示す信号を利用する
5.3.4遅延取り込みを利用する
5.3.5重ね書きを利用し、まれに発生する事象を取り込む
5.3.6パルス幅トリガを利用する

第6章 測定に不要なノイズを減らすノウハウ
6.1必要な周波数帯域で信号を測定する
6.1.1信号を計測する場合はノイズを減らしたい
6.1.2周波数帯域が広ければよいわけではない
6.1.3帯域を制限して波形が変化しなければOK

6.2アベレージを使って安定した計測結果を求める
6.2.1平均化によってノイズレベルが低下する
6.2.2トリガが安定しないと正しく平均化できない

6.3単発波形に適用できる移動平均
6.3.1 1回しか起こらない信号のノイズを減らす
6.3.2電圧分解能を高め、ノイズを減らせるハイ・レゾリューション・モードとは

6.4ピーク検出機能と低サンプルレートの併用

6.5安定したトリガを得るためのテクニック
6.5.1計測したい信号に同期した安定信号源を探す
6.5.2アベレージにはノーマル・トリガを使うべし
6.5.3トリガ・ホールドオフは次のトリガまで待機する
6.5.4トリガ・ホールドオフを活用するとロング・レコードなしで長い周期の信号を観測できる
6.5.5簡単なパルス幅トリガの積極活用
6.5.6最近実用化されたソフトウェア・トリガ

 

第7章 FFTを使った周波数解析の手法
7.1FFTの使い方
7.1.1前後をつなげて繰り返し信号のように解析
7.1.2サンプル・レートが低いと折り返し誤差が発生
7.1.3FFTの電圧は1Vers%3D0dBVと読み取る

7.2周波数の計測確度を上げるには周波数カウンタを利用する
コラムオシロスコープとスペクトラム・アナライザー

第3部 実例で学ぶプロービング・テクニック
第8章 信号をプローブで正しく取り出す
8.1測るということ自体が誤差を招く

8.2標準プローブを理解しよう
8.2.1感度が1/10?
8.2.2オシロスコープの入力インピーダンス
8.2.3どのようにして信号源とつなぐか?
8.2.4巧妙に考えられた10:1プローブ

8.2.5調整が必要な標準プローブ
●プローブを付け替えるたびに調整が必要

8.2.6減衰比切り替えスイッチに注意
●ブローブが負荷になり回路動作に影響を与える
●測定波形が変わってしまう

8.3グラウンド線の悪影響と対策
●インダクタンスを減らすには

8.3.1正しいグラウンド線のつなぎ方
8.3.2アクティブ・プローブの活用
8.3.3簡単にできる高周波用プローブ

8.4電流波形を見るには
8.5オシロスコープとプローブのセットで高周波特性が決まる場合も
8.6高電圧を計測するには8.7誤差を招く三つの要因

第9章 電源回路の基本測定テクニック
9.1配線インピーダンスによる悪影響と対策方法
9.1.1電源回路の出力は低電圧化と大電流化が進む
9.1.2分散電源で負荷変動による電源電圧の変動を抑える

9.2リブルと電圧ドロップの測定
9.2.1電源回路に起因するリプルの測定

9.2.2負荷変動による電圧ドロップを測定する
●電源電圧自体のふれをトリガにする場合
●何らかの現象をトリガにする場合

9.3高速デバイスによるノイズの測定
9.3.1多数の信号線が同時にON/OFFすることで生じる電源電圧のリプルが信号のジッタを招く
9.3.2高速信号による影響の測定と外来ノイズの対策

9.4電流プローブによる電流測定
9.4.1スイッチング電流の検出
●使い方が限られるシャント抵抗
●直流と交流を簡単に測れる
●直流も測れるDC/AC電流プローブ

9.4.2電流プローブの測定範囲
9.4.3電流プローブにもある負荷効果

9.5フローティング電圧の測定
9.6スイッチング・デバイスのオン電圧の測定

9.7電力の測定 電圧プローブと電流プローブにはスキューが生じる
●スキューの調整方法

9.8高調波の測定

第9章AppendixB 変動する信号は表示モードを変えて観測
B.1.1スイッチング・モード・オーディオアンプの波形のエッジがずれている?
B.1.2編射ノイズのピークを低減するスペクトラム拡散クロック波形の観測

第10章 シリアル・バスの観測とアクティブ・プローブの安全な使い方
10.1組み込み機器に使われる低速シリアル・バスIPCとSPI-
10.1.1PCの概要
10.1.2SPIの概要

10.2 1PCの信号の取り込み
10.2.1解析とレコード長の制限
10.2.2実際の波形

10.3低速シリアル・バス信号のトリガのかけ方
10.3.1連動する波形をトリガ・ソースにする
10.3.2パルス幅でトリガをかける

10.4使う前に知っておきたいアクティブ・プローブの基礎知識
10.4.1内部構成
10.4.2メリット/デメリット

10.5アクティブ電圧プローブの使い方には細心の注意を
10.5.1最短のリード線で接続する
10.5.2アクティブ電圧プローブでもうまく測れないケース

10.6アクティブ電圧プローブは破損に注意!
10.6.1静電気に弱い

10.6.2商用電源には極性がある!
●電源のグラウンドと商用電源の接続
●商用電源のホット(非接地)、コールド(接地)の確認
●シャーシ・グラウンドは接地する
コラムプロ仕様の製品とは?

第11章 高速信号の扱いと測定方法
11.1パラレル・バスの限界とシリアルへの変換
11.1.1伝送量の増加にともないバスの基板占有面積が増加
11.1.2特性面や機器間の接続にも問題発生
11.1.3シリアル・データへの変換でバス幅は小さくできる
11.1.4ただし高速なのでアナログ信号として扱う必要あり

11.2電気信号を波として考える
11.2.1インピーダンスの不整合により反射波が生成される
11.2.2伝送線路が反射を起こすようす
11.2.3反射の原因を知る
11.2.4高速信号を「波」と考えなければならない理由

11.3高速オシロスコープによる波形測定
11.3.1オシロスコープと高速オシロスコープの違い
11.3.2高速オシロスコープの周波数特性

11.4高速プローブを扱う上でのポイント-
11.4.1プローブのアクセサリで大幅に特性が変化する

11.4.2高速信号用の測定機器を接続する方法
●機器を直列に並べて接続する
●時間のずれなく信号を二つに分配する

11.5オシロスコープやプローブの周波数帯域とは?
11.5.1一般的な周波数帯域の測定方法
11.5.2アクティブ・プローブとの使い分け
コラムプローブのしまい方

AppendixC オシロスコープの操作パネルと機能
●操作パネルは大きく三つの機能をもつ
●電源はできるだけグラウンドを取る
●精度を高めるためにも2~30分程度のウォーミング・アップが必要

AppendixD オシロスコープ選択時に知っておきたいポイント
●仕様の読み方
●実時間サンプルと等価時間サンプル

索引
著者略歴
参考文献

ディジタル・オシロスコープ活用ノート―トップ・エンジニアを目指してスタートダッシュ! (トランジスタ技術SPECIALforフレッシャーズ)

はじめに

ディジタル・オシロスコープが市場に出回り始めたころは、「表示波形が粗く、スピードが遅い」という印象でした、しかしディジタル・オシロスコープは予想を超えた速度で進化し、アナログ・オシロスコープに取って代わることができるようになってきました。

ディジタル・オシロスコープは、トリガ条件が分からなくても、STOPボタンで波形を静止できるという芸当ができます。また、帯域もアナログ・オシロスコープをはるかに凌駕しています。したがって、今ではよほど特殊な分野でない限り、アナログ・オシロスコープを備える理由はなくなってきました。

本書はこのような背景から「ディジタル・オシロスコープを早く使いこなせるようになりたい」という要望に応えることができるように構成しました。特に、図や写真にコメントを入れて、とっつきやすく分かりやすくしました。漫画を読むように短時間のうちに最後まで見ていただけると思います。

若いうちは、お金も時間もありません。私はかつて、オシロスコープ欲しさのあまりに、2、700円でブラウン管を入手し、時間を見つけて自作したものでした。今では、少し貯金すれば、性能の良いディジタル・オシロスコープが手に入ります。オシロスコープを使えば、今まで見えなかった「世界が見えてきます。望遠鏡で未知の宇宙を探るように、電子の世界を垣間見る、そんな喜びを味わっていただけたらと思います。

漆谷正義

CONTENTS

第1章 電子回路開発のための必需品
オシロスコープは電気信号を見る道具

1-1電子回路の動きを見るところから始める
電気信号ってどうやって見ればいいんだっけ?

1-2電子回路の診断装置はこんな格好をしている
ディジタル・オシロスコープの素顔

1-3電気信号のふるまいをディスプレイに映し出す
ディジタル・オシロスコープを使ってみる
1どんな物理量も電気信号でその姿を観測できる!
2実験その1 レモン汁を使って化学電池の起電力の変化を観測
3実験その2 DVDのディジタル音声出力波形を観測

1-4習うより慣れろ
身近な製品の電気信号を見てみる
1ワンチップFMラジオ・レシーバICの入出力
2ワンチップAMラジオ・レシーバICの入出力
3赤外線リモコンICの入出力
4ビデオ・テープ・レコーダの再生ヘッド出力
5DVDプレーヤのピックアップ出力とビデオ出力
6イーサネットの差動シリアル信号
7液晶ディスプレイのビデオ入力信号
8シリアルATAインターフェースの信号

1-5オシロスコープに表示されるのは教科書の波形と違う
現実の信号波形とその呼称

第2章 測定ターゲットに合ったオシロスコープを選ぶ
ディジタルオシロスコープの適材適所

2-1堅牢で野外の厳しい環境下でも安心して使える。
電池動作が可能なハンディ・オシロスコープ

2-2まれに発生する異常波形も捕らえる
長時間の波形を蓄積できるロング・メモリ・オシロスコープ

2-3テスタで物足りなくなったら
基本機能を備えたスタンダード・タイプ

2-41台二役!アナログとディジタルを一度に観測
ミクスト・シグナル・オシロスコープ

2-5アナログ・オシロスコープの長所を兼ね備えた
輝度階調表現が可能なディジタル・オシロスコープ

2-6パソコンの液晶モニタ・ディスプレイに表示
USBインターフェースの小型ディジタル・オシロスコープ

2-7専用のプローブで高速信号の姿を確実に捕らえる
Gbps超の差動伝送線路を評価できるディジタル・オシロスコープ

第3章 信号を捕らえてオシロスコープに伝える聴診器
プローブの基礎知識

3-1ターゲットの動作に影響を与えることなく確実に信号を伝える
プローブが必要な理由とそのしくみ
1電子回路の聴診器「プローブ」の働き
2プローブを構成するパーツの外観と呼称
3プローブに付属しているアクセサリ・キット

3-2信号のタイプに合わせて選ぶ
プローブの種類と適材適所
1最もよく使うパッシブ・プローブ
2ターゲットへの影響がとても小さいアクティブ・プローブ
3任意の2点間の電圧差を観測できる差動プローブ
41kV以上の電圧信号を観測できる高圧プローブ
5配線をつかむだけで電流値がわかる電流プロープ
6ファイン・ピッチにコンタクトできる照明ルーペ付きプローブ

3-3信号の波形を正しく評価するために
プロービングの作法
1作法その1テスト端子や電線のつかみ方
2作法その2はんだ部やICの端子に直接当てる方法
3グラウンド・リードの接続のしかた
4プロービングを手助けしてくれるアクセサリのいろいろ
5ケーブルを延長する方法

3-4調整されていないプロープを使った観測には意味がない
大切な校正作業
1調整その1 低周波補正
2調整その2 高周波補正

3-5ターゲットの動作に影響を与える
プローブの入力インピーダンス

第4章 表示波形の拡大/縮小から振幅値の読み取り方まで
ディジタル・オシロスコープの基本操作

4-1オシロスコープの動作状態や波形が表示される情報窓
ディスプレイの見方

4-2波形のディテールを観測するための基本
表示波形の伸縮とポジショニング
1X軸とY軸のゲインと位置のコントロール
2波形操作を体感する
3水平掃引時間と水平位置を設定する

4-3限られた波形表示部をめいっぱい使って観測
波形の一部を詳しく見る
1直流成分を除いて交流分だけを拡大する
2波形の一部をクローズアップする遅延掃引

4-4データの比較や資料作成に役立つ
大切な波形データを内部メモリに保存する
1操作方法
2演習…CAL波形の保存と呼び出し
3演習・垂直軸と水平軸の設定を保存する

4-5目盛りと垂直軸感度、そしてプローブの設定で決まる
入力信号の電圧振幅の読み取り方
1交流信号の振幅を読み取る
2演習・正弦波の振幅を求める
3直流分を含む交流信号の振幅を測定する

4-6周期を読み取り逆数を取る
信号の周波数を求める
1周波数とは1秒間に繰り返される波の数
2表示波形から周期を読み取る

4-7波形の電圧値や時間の測定を補助してくれるカーソルの使い方
1カーソルを使った波形パラメータの測定
2演習・・・カーソルを使ってCAL信号の振幅と周期を測定する
3演習・・・CAL信号の立ち上がり時間を測定する
4立ち上がり時間と立ち下がり時間を自動測定する

4-8二つの信号の位相差や周波数比を図形で確認する
CH-1とCH-2の入力信号を2次元表示する
1二つの信号の位相差と振幅比が一目でわかる
2リサージュ波形からわかること
3演習・CAL信号をX-Y表示する

4-9表示をコントロールする
波形の輝度や色の変更

第5章 内蔵の波形蓄積メモリ操る
表示波形を安定させるトリガのテクニック

5-1オシロスコープの登竜門
トリガをマスタすれば一人前

5-2オシロスコープの内部でどんな働きをしているのか
トリガ回路のしくみ
1トリガがかかると波形蓄積メモリから表示メモリに波形データが転送される
2波形蓄積メモリにおけるトリガ点の移動
3トリガと波形蓄積メモリの関係

5-3表示の設定と入力チャネルの選択
トリガ動作の開始条件を設定する
1トリガ動作をしていないとき波形を表示するかしないかの選択
2トリガ回路への入力チャネルの選択
3波形に合わせて選ぶ3種類のトリガ・モード

5-4もっともよく利用する
立ち上がり/立ち下がりで引っ掛けるエッジ・トリガー
1トリガ設定の基本
2CAL信号をエッジ・トリガで捕らえる
3ノイズの多い信号の表示を安定させる

5-5方形波を確実に捕まえたいときは
パルス幅で引っ掛けるパルス・トリガ

5-6アナログ・ビデオ信号を捕まえたいときはテレビ信号の同期信号で捕まえるビデオ・トリガ
1ビデオ・トリガの用途と使いかた
2DVDプレーヤのアナログ・ビデオ信号を観測する

5-7単発信号を捕えたり垂れ流し表示する方法
トリガ・テクニックのいろいろ
1単発現象を捕らえるシングル・トリガ
2H/Lの組み合わせで指定するパターン・トリガ
3絵巻きのようにゆっくりと波形表示するロール・モード
4一定期間だけトリガ機能を抑止するホールド。
5表示波形を録画/再生する

第6章 周波数分析からパソコンによる制御まで
ディジタルならではの便利な機能

6-1FFT解析機能を使って周波数分解
波形に含まれる周波数成分を表示する
1周期信号を単一周波数の正弦波に分解するフーリエ変換
2.FFT機能を使ってみる
3窓関数の使い分け

6-2差動信号の観測などに威力を発揮!
波形の加減算

6-3電力波形の観測などに利用する
波形の乗算

6-4アベレージング機能や帯域制限機能を駆使する
雑音を除去して精度良く観測する
1必要十分な測定帯域で正確に観測する
2ディジタル・フィルタを使った特定の周波数成分の抽出
3ランダム・ノイズを除去するアベレージング

6-5ハード・ディスクに保存したりExcelでデータ整理
パソコンに波形データを取り込む

6-6BASICやCでプログラミング
オシロスコープを自動運転する
1GP-IBやEIA-232-E経由でオシロスコープを遠隔操作
2アドレスを使って測定器を指定する
3スケール/トリガの設定やデータ取り込み用の指示文
4オシロスコープを解析モードにする

6-7目視よりも高精度&手間要らず
振幅や立ち上がり時間の自動測定機能
1自動測定コントロール
2自動測定できる電圧パラメータ
3電圧値の自動測定の例
4時間幅の自動測定
5自動測定は手動よりも高精度
6CR回路のパルス応答波形の自動測定

6-8モデル波形と実測波形を重ね描きして一発チェック
信号が規格内にあるかどうか自動判定するマスク・テスト
1信号品質を自動判定するマスク機能
2マスク・テスト機能を使ってみる

6-9温度や経時変化による特性のずれを見つけ出して元に戻す
状態を表示したり診断、校正する機能
1自己校正
2セルフ・テスト

第7章 測定器は万能じゃない!
誤差の原因や測定限界
7-1オシロスコープの入力インピーダンスや
プローブのグラウンド・リードが影響する
ターゲットの信号を変化させる要因のいろいろ
1オシロスコープは本当の信号レベルより小さく表示する
2オシロスコープの入力インピーダンスが波形レベルに影響を与える例
3プロープのグラウンド・リードが表示波形を変化させる
4低周波信号はDC結合で観測する

7-2オシロスコープにも周波数特性がある
帯域の限界が与える波形への影響
1精度良く振幅を観測できるのは帯域の70%程度
2立ち上がり時間の測定限界

7-3表示部にも誤差要因が潜んでいる
液晶ディスプレイの表示分解機能による
1測定誤差

7-4偽の表示波形にだまされないためにサンプリング周波数、帯域、波形蓄積メモリ容量の関係
1オシロスコープの波形取り込み部の特性
2メモリ容量とサンプリング・レート
3偽信号の発生

コラム
オシロスコープの入力回路
カーソルを波形に沿って移動させるトラッキング機能
フーリエ変換は身近なところにある
振幅ばらつきが一目でわかるピーク検出機能
グラウンド・リードは観測信号の4分の1波長が目安
サンプリング・レートと帯域の関係
垂直軸回路の精度と最大入力電圧

索引