カンタン解説! 改正介護保険—2018-19介護保険法改正内容に準拠—




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はじめに

監修者より
2000(平成12)年の介護保険制度施行から17年が経過し、本制度はいまや高齢者関係法制の中心的な制度となっています。

その間、2005(平成17)年、2008(平成20)年、2011(平成23)年、2014(平成26)年と主に3年ごとに見直しが図られてきました。そして、2017(平成29)年5月「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が成立し、介護保険法については順次改正・施行されているところです。

わが国においては、2025年には団塊世代すべてが75歳以上となり、そのわずか15年後の2040年には団塊ジュニア世代が65歳以上になるなど、今後さらなる人口の高齢化が見込まれています。こうした状況等も踏まえ、今回の改正介護保険法においては、「地域包括ケアシステムの深化・推進」と「介護保険制度の持続可能性の確保」を柱とし諸事項の改正がなされます。

いうまでもなく、法律は制度内容を良くするために改正されます。しかしながら、改正を重ねるごとに内容が複雑化し、我々にとって理解・認識し難い制度になっているのも事実です。その一方で、“自己選択・自己決定”が叫ばれ、サービス利用者はもとより要介護者のご家族の方も介護保険制度に関する適切な知識を有することが求められるようにもなっています。

そこで、本書におきましては、“わかりやすさ”を第一に考え、介護保険制度のしくみをはじめ、改正点、サービス内容、さらには利用手引き等に対する事細かな解説・説明を加えています。是非とも一人でも多くの方に本書を手にとって頂き、制度理解・制度活用の一助となれば幸いです。また、社会福祉士国家試験の受験科目の一つでもある『高齢者に対する支援と介護保険制度』のサブテキスト、参考書として多くの学生にご活用頂けることも願っています。本書が介護保険制度について学ぶうえでの必読書として、さまざまな年代の方々から支持される書籍となることを祈念いたします。

2018年6月
土屋昭雄

厚有出版編集室 (著, 編集), 土屋 昭雄 (監修)
出版社 : 厚有出版 (2018/7/8)、出典:出版社HP

目次

はじめに
介護保険サービス利用の流れ
本書のご利用にあたって

第1章 転換期から発展期へと向かう介護保険制度
1 2025年を見据え医療・介護を総合的に法整備
2 整備・強化が進む地域包括ケアシステム
3 地域の実状に応じて再編された地域支援事業
4 機能・連携強化が進む地域包括支援センター
5 「共生型サービス」が位置づけられる
6 ICT・介護ロボットの活用を促進
7 介護保険を持続させるための施策
8 保険者機能を強化し自立支援、重度化防止施策を支援
9 地域包括ケア構築のカギを握る「地域ケア会議」
10 生活中心型の担い手拡大化を推進(訪問介護)
コラム1 日本と海外の介護保険の違いは?

第2章 まず「介護保険」とは何かを理解しよう
1 介護保険制度とはどんなもの?
2 介護保険サービスを利用できる人は?
3 介護保険サービスの利用者はどのくらいいるの?
4 介護の費用総額は年間でいくらかかっているの?
5 医療保険と介護保険との違いは?
6 介護保険の保険者とは?
7 介護保険の被保険者とは?
8 被保険者の保険料はどうやって決まるの?
9 介護保険料の滞納が続くとどうなる?
10 保険料の市町村格差を補う方策は?
コラム2 介護保険でもマイナンバーは必要?

第3章 介護保険をより深く知ろう
1 介護保険は何年ごとに見直されるの?
2 予防給付とは?
3 [2014年改正より] 総合事業1 一部の予防給付が地域支援事業の「総合事業」に完全移行
4 [2014年改正より] 総合事業2 介護予防・生活支援サービス事業の概要
5 [2014年改正より] 総合事業3 一般介護予防事業と介護予防ケアマネジメント
6 [2014年改正より] 総合事業4 「総合事業」サービス利用の手続きにつ いて
7 基本チェックリストとは?
8 介護予防手帳とは?
9 地域密着型サービスとは?
10 介護サービス事業者の情報を調べるには?
11 増え続ける認知症患者に対する介護保険施策は?
12 補足給付とは?
13 介護職員でも提供可能な医療行為とは?
14 住所地特例とは?
コラム3 介護保険適用除外施設の住所地特例が見直された

第4章 介護保険サービスを利用する1 ―申請~要介護認定―
1 介護保険サービスを利用するには?
2 介護保険で受けられるサービスの内容は?
3 要介護度とは?
4 要介護認定の申請場所・申請に必要なものは?
5 認定調査って何?
6 審査・判定はどのように行われるの?
7 要介護認定等基準時間とはどんなもの?
8 「主治医の意見書」はなぜ必要?
9 要介護認定は変更できる?
10 認定に不満がある場合は?
11 非該当(自立)となった場合は?
コラム4 新オレンジプランを軸とする認知症施策が目指すもの

第5章 介護保険サービスを利用する2 ―ケアプラン作成~サービスの利用開始―
1 ケアマネジャーとは?
2 ケアマネジメントとは?
3 ケアプランとは?
4 施設のケアプランで重要なことは?
5 ケアプランの更新・変更は可能?
6 介護報酬とは?
7 サービスを利用した時の自己負担は?
8 利用者負担がきつい場合の軽減措置はある?
9 低所得者や生活保護者にも軽減措置はある?
10 介護保険の指定事業者とは?
11 サービス内容に不満がある場合は?
12 やむを得ない事情でサービスを利用した場合は?
13 介護サービスと医療サービスの使い分けは?
14 家族が介護した場合現金の給付は受けられる?
15 介護休業給付とは?
コラム5 介護保険と障害者福祉施策

第6章 サービスの種類と内容を知ろう
1 居宅サービス1(自宅で利用するサービス)[介護サービス]訪問介護
2 居宅サービス2(自宅で利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]訪問入浴介護
3 居宅サービス3(自宅で利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]訪問看護
4 居宅サービス4(自宅で利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]訪問リハビリテーション
5 居宅サービス5(自宅で利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]居宅療養管理指導
6 居宅サービス6(自宅から通って利用するサービス)[介護サービス] 通所介護
7 居宅サービス7(自宅から通って利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]通所リハビリテーション
8 居宅サービス8 (施設に入所して利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]短期入所生活介護
9 居宅サービス9(施設に入所して利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]短期入所療養介護
10 居宅サービス10 (施設に入居して利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]特定施設入居者生活介護
11 居宅サービス11(在宅の生活を支えるサービス) [介護サービス/介護予防サービス]福祉用具貸与
12 居宅サービス12(在宅の生活を支えるサービス)[介護サービス/介護予防サービス]福祉用具購入費支給
13 居宅サービス13(在宅の生活を支えるサービス) [介護サービス/介護予防サービス]住宅改修費の支給

14 施設サービス 1(施設に入所して利用するサービス)[介護サービス]介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
15 施設サービス2(施設に入所して利用するサービス) [介護サービス]介護老人保健施設
16 施設サービス3(施設に入所して利用するサービス)[介護サービス]介護療養型医療施設(療養病床等)
17 施設サービス4(施設に入所して利用するサービス)[介護サービス]介護医療院

18 地域密着型サービス1(在宅で利用するサービス)[介護サービス] 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
19 地域密着型サービス2(在宅で利用するサービス) [介護サービス] 夜間対応型訪問介護
20 地域密着型サービス3(自宅から通って利用するサービス)[介護サービス] 地域密着型通所介護
21 地域密着型サービス4(自宅から通って利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]認知症対応型通所介護
22 地域密着型サービス5(組み合わせて利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス] 小規模多機能型居宅介護
23 地域密着型サービス6(施設に入居して利用するサービス)[介護サービス/介護予防サービス]認知症対応型共同生活介護
24 地域密着型サービス7(施設に入居して利用するサービス)[介護サービス] 地域密着型特定施設入居者生活介護
25 地域密着型サービス8(施設に入所して利用するサービス)[介護サービス]地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
26 地域密着型サービス9(組み合わせて利用するサービス)[介護サービス] 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
27 サービス付き高齢者向け住宅とは?
コラム6 利用者の終の住処に特化していく特養ホーム

巻末資料
付録 (1) 介護・福祉関連用語解説
付録 (2) 地域区分の適用地域

厚有出版編集室 (著, 編集), 土屋 昭雄 (監修)
出版社 : 厚有出版 (2018/7/8)、出典:出版社HP

本書のご利用にあたって

◎本書は、2017年6月に公布された「改正介護保険法」並びに2018年3月30日事務連絡「護保険事務処理システム変更に係る参考資料(確定版)」等をもとに執筆しています。

◎本書において「市区町村」または「市町村」と記載している所は、全国の市町村及び特別区(東京23区)を指します。

◎本文中の年号の表記については、基本的に西暦で記載しています。必要と判断した場合のみ、平成の年号を括弧( )で併記しています。

◎本書では、介護保険サービスの種類と内容について、便宜上以下のように分けてご紹介しています。

1 「居宅サービス」及び「施設サービス」に関しては、第6章「サービスの内容を知ろう」でサービスの種類別に解説しています。
2 「介護予防サービス」(予防給付)については、介護サービスの各サービスジャンルに付随して説明を加えています。

◎巻末に、比較的頻繁に使われる介護・福祉関連用語について、50音順に解説しています。 なお、第1章~第6章で詳しく紹介している用語に関しては、掲載箇所がすぐに見つかる よう、本章掲載の章・項を記載しています。

◎第6章で掲載している各サービスの「費用の目安」では、「介護報酬の算定構造」に記載 されている介護報酬(単位)に基づき、基本報酬および加算についてサービス費用、利用 者負担を記載しています(ただし、ページの都合上加算は一部抜粋しています)。

厚有出版編集室 (著, 編集), 土屋 昭雄 (監修)
出版社 : 厚有出版 (2018/7/8)、出典:出版社HP