電気回路が一番わかる (しくみ図解シリーズ)




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はじめに

「複素数って何だろう」「複素数って聞いたことがあるけど訳がわからない」「複素数と電気回路に何の関係があるのだろう」

電気は止まっている電気と動いている電気があります。電気は動くことによっていろいろな働きをしますが、電気が動くためには電気回路が必要になります。そして、電気回路がどのように働くのかを知るためには、電気回路のそれぞれの部位にどのくらいの電流が流れ、どのくらいの電圧がかかるのかを考える必要があります。しかし、電気は目に見えないものなので、電気の理論や法則に基づいて予想しなければなりません。

直流の電気回路は、比較的簡単な計算で電気回路の状態を予想することができますが、交流の電気回路は「波形」や「位相」など直流回路にはない概念が存在するため、「複素数」という数を用いて考える必要があります。「複素数」は使いこなすことができれば非常に便利なのですが、ただでさえとっつきにくい交流の電気回路を、複雑怪奇な「複素数」で考えられるようになるのは、骨の折れる努力が必要なのではと、「複素数」が大きな壁になっているのも事実です。

そこで、本書ではまず電気の基本や直流と交流の違いを考え、その次になぜ交流の電気回路の解析に「複素数」が必要なのか、「複素数」を理解し、使いこなすコツは何か、「複素数」を実際に活用するにはどのように扱うのかという3つのポイントに着目してみました。この3つのポイントはきっと「複素数」の壁を壊す一助になると思っています。本書を手に取られた一人でも多くの方が、「複素数」というツールを自由自在に使いこなせる様になられることを、心より祈念しております。

有馬良知

有馬 良知 (著)
出版社 : 技術評論社 (2018/11/28)、出典:出版社HP

目次

はじめに

第1章 電気のしくみ
1 懐中電灯のしくみ
2 原子と電子
3 電子の振る舞い
4 電流は正電荷の流れ
5 電流の特徴
6 電子はノロノロ動く
7 電気を流す力<電圧>(1)
8 電気を流すカ<電圧>(2)
9 電気の流れを妨げる力<抵抗>(1)
10 電気の流れを妨げる力<抵抗>(2)
11 電気のエネルギー<電力>
12 電力量

第2章 直流回路入門
1 直流とは
2 電圧、電流、抵抗の関係(オームの法則)
3 ショートとは
4 抵抗の直列接続
5 抵抗の並列接続
6 電圧の配分(分圧)
7 分流
8 キルヒホッフの法則(電流則)
9 キルヒホッフの法則(電圧則)
10 電池の直列接続
11 電池の並列接続
12 電球の直列接続と並列接続の違い(1)
13 電球の直列接続と並列接続の違い(2)

第3章 静電気と磁気
1 動く電気と動かない電気
2 電界
3 クーロンの静電界の法則
4 静電誘導
5 コンデンサのしくみ
6 静電容量
7 磁石
8 磁界
9 クーロンの静磁界の法則
10 磁気誘導
11 コイルのしくみ
12 フレミング左手の法則
13 フレミング右手の法則
14 自己誘導作用
15 相互誘導作用

第4章 交流回路入門
1 交流とは
2 正弦波交流
3 周波数
4 瞬時値
5 実効値
6 最大値と平均値
7 交流回路の抵抗、コンデンサ、コイル
8 コンデンサ
9 容量リアクタンス
10 コイル
11 誘導リアクタンス
12 位相
13 位相差
14 インピーダンス
15 交流の電力
16 力率
17 力率改善
18 単相交流の配電方式
19 三相交流の配電方式
20 三相の特徴

第5章 復素数入門
1 複素数とは
2 複素数とベクトル
3 複素数の合成
4 三角関数
5 単位円
6 いろいろな三角関数
7 極座標表示
8 極座標表示の和差積商
9 60分法と弧度法
10 正弦波交流の瞬時式
11 リアクタンスのベクトル
12 インピーダンスのベクトル
13電力のベクトル
14 さまざまな複素数の表し方
15 複素数の活用(1)<力率>
16 複素数の活用(2)<三相交流>

参考文献
資料:電気公式集
用語索引

コラム 目次
電気回路のトラブル1 短絡
電気回路のトラブル2 漏電
電気回路のトラブル3 トラッキング
電気回路のトラブル4 感電
電気回路のトラブル5 雷

有馬 良知 (著)
出版社 : 技術評論社 (2018/11/28)、出典:出版社HP