電気通信設備工事担任者試験 DD3種のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




電気通信設備工事担任者の概要

電気通信設備工事担任者は、ネットワークの配線工事や端末設備の接続、情報通信インフラ工事の監督をします。年々、電話通信のネットワークは複雑・高度化しており、インフラ技術に強い工事担任者の需要が高まっています。スペシャリストとして活躍の場が多くあります。ここでは、DD3種のおすすめ書籍を紹介します。

DD3種の公式テキスト

公式テキストはありませんが、ホームページでは過去の試験問題を見ることができます。
電気通信設備工事担任者公式HP

工事担任者 DD3種標準テキスト第5版

はしがき

本書は、工事担任者「DD第3種」の資格取得を目指す受験者のためのテキストです。

本書は、各科目の主要内容を押さえることはもとより、試験に合格するためのエッセンスを抽出し、短期間で効率的な学習ができるように工夫されています。具体的には、以下に示すような特長を持っています。

1 ひとめでわかる重要ポイント
本文の中で特に重要な点や間違えやすい点を、マーク(重要)を用いて表示しています。これにより重要ポイントがひとめでわかるので、効率良く学習することができます。

2 豊富な図表
理解しづらい電気の動きや概念、機器の回路動作、法令の規定内容などを、のべ数百点にも及ぶ豊富な図や表でわかりやすく解説しています。これにより直感的にさまざまな原理や技術内容、法制度を理解することができます。

3 実力を試せる「練習問題」と「実戦演習問題」
項目ごとに理解度を確認できる「練習問題」、また、各章末には、これまでの出題傾向を踏まえた「実戦演習問題」を掲載しています。問題を解くことで、より確かな実力が身に付きます。

本書は、2013年3月の発行以来ご好評をいただいてまいりました『工事担任者 DD3種標準テキスト 第4版』の後継書籍です。本書では、これまでの試験問題を徹底的に分析し、最新の出題傾向に即した内容を盛り込んでいます。受験者の皆さんが、本書を有効に活用することにより、合格への栄冠を獲得されることをお祈りいたします。

2017年1月
編者しるす

株式会社リックテレコム 書籍出版部 (編集)
出版社 : リックテレコム (2017/2/7)、出典:出版社HP

受験の手引

1 試験実施の公示
工事担任者資格試験は、電気通信事業法第73条に基づく国家試験であり、一般財団法人日本データ通信協会が試験事務を実施している。試験は毎年少なくとも1回は行われることが総務省令(工事担任者規則)で定められており、通常は年2回実施されている。試験の実施日、場所、申請の受付期間等については、一般財団法人日本データ通信協会電気通信国家試験センターのホームページにより公示される。

一般財団法人 日本データ通信協会
電気通信国家試験センター
〒170-8585 東京都豊島区巣鴨2-11-1巣鴨室町ビル6階
〔URL〕 https://www.shiken.dekyo.or.jp
〔電話〕 (03)5907-6556(代表)

2 試験申請
試験申請の手続きには、インターネットによる申請と、書類(申請書)による申請との2通りの方法がある。
インターネットで申請する場合は、一般財団法人日本データ通信協会のホームページからインターネット試験申請受付画面にアクセスし、表示された手順に従って操作する。試験手数料は、郵便局、銀行、または指定のコンビニエンスストアで払い込む。

また、書類による申請手続きについては、以下のとおり。
① 試験申請書(兼払込取扱票)等の申請書類は、電気通信国家試験センターまたは一般財団法人日本データ通信協会各支部の窓口において無料で入手できる。郵送で取り寄せる場合は、その旨と部数を書いたメモに、宛先を明記し部数に応じた金額の切手を貼付した封筒を同封して、各事務所に郵送する。
② 郵便局の窓口で、必要事項記入済みの試験申請書(兼払込取扱票)を用いて所定の試験手数料を払い込む。
③ 受領印が押印された試験申請書(兼払込取扱票)を一般財団法人日本データ通信協会電気通信国家試験センターに郵送する。
※受領印等の日付が受付期間を過ぎてしまった場合、申請は無効となるので注意を要する。

3 試験日及び実施地
① 試験は例年2回(5月、11月)実施されており、各種別の具体的日時は申請書類に添付の「受験の手引き」に記載されている。
② 試験実施地は、申請時に、公示された地区のうちからいずれか1つを指定する。なお、試験会場の詳細については、各申請者に個別に郵送される受験票により通知される。

4 試験時間
試験時間は、1科目につき40分相当(AI・DD総合種の技術及び理論科目のみ80分)の時間が与えられる。3科目受験の場合は120分(AI・DD総合種は160分)となるが、その時間内での各科目の時間配分は自由である。

5 合格基準
合格基準は、各科目とも、100点満点で60点以上となっている。

6 試験結果の通知
試験結果は、受験者全員に試験結果通知書にて通知される。

7 資格者証の交付
試験合格者は、資格者証交付申請書を、受験地(全科目免除者は住所地)を管轄する地方総合通信局等に提出する。なお、交付申請は、試験結果通知書に記載された合格の日から3か月以内に行うこと。

株式会社リックテレコム 書籍出版部 (編集)
出版社 : リックテレコム (2017/2/7)、出典:出版社HP

目次

第I編 電気通信技術の基礎

第1章 電気回路
1 電荷と静電気力
2 静電容量
3 オームの法則と電気抵抗等
4 直流回路の計算
5 電流計と電圧計
6 交流回路
7 交流直列回路の計算
8 交流並列回路の計算
9 磁界と電磁誘導
■ 実戦演習問題

第2章 電子回路
1 半導体の性質、種類
2 pn接合とダイオード
3 ダイオード回路
4 トランジスタの構造と原理
5 トランジスタ回路
6 電界効果トランジスタ(FET)
7 半導体集積回路(IC)
■ 実戦演習問題

第3章 論理回路
1 10進数と2進数
2 論理素子
3 ベン図と論理代数の法則
4 論理回路の出力
■ 実戦演習問題

第4章 伝送理論
1 伝送量の計算
2 特性インピーダンス、反射
3 漏話
4 雑音
■ 実戦演習問題

第5章 伝送技術
1 信号の伝送
2 変調方式
3 PCM伝送
4 光ファイバ伝送
■ 実戦演習問題

第Ⅱ編 端末設備の接続のための技術及び理論

第1章 端末設備の技術
1 ADSLモデム、ADSLスプリッタ
2 IP電話システムにおける各種端末
3 LANの概要
4 LANの伝送媒体
5 イーサネットLAN
6 LANのアクセス制御方式
7 LAN構成機器
■ 実戦演習問題

第2章 ネットワークの技術
1 データ通信の伝送方式等
2 デジタル伝送路符号方式
3 伝送制御手順
4 OSI参照モデル
5 ブロードバンドアクセスの技術
6 IPネットワークの概要
7 IPアドレス
8 IPネットワークのプロトコル
9 IP電話
10 ネットワーク管理コマンド
■ 実戦演習問題

第3章 情報セキュリティの技術
1 情報システムに対する脅威
2 端末設備とネットワークのセキュリティ
■ 実戦演習問題

第4章 接続工事の技術
1 メタリックケーブルを用いたLANの配線工事
2 光ファイバを用いたLANの配線工事
3 配線方式・配線補助用品
4 ブロードバンド回線の工事試験
5 ホームネットワークの配線工事
■ 実戦演習問題

第Ⅲ編 端末設備の接続に関する法規

第1章 電通信事業法
1 総則
2 電気通信事業
3 端末設備の接続等
■ 実戦演習問題

第2章 工担者規則、認定等規則、有線法、設備令、不正アクセス禁止法
1 工事担任者規則
2 端末機器の技術基準適合認定等に関する規則
3 有線電気通信法
4 有線電気通信設備令
5 不正アクセス行為の禁止等に関する法律
■ 実戦演習問題

第3章 端末設備等規則(Ⅰ)
1 総則
2 責任の分界
3 安全性等
■ 実戦演習問題

第4章 端末設備等規則(Ⅱ)
1 アナログ電話號末
2 移動電話端末
3 インターネットプロトコル電話端末
4 インターネットプロトコル移動電話端末
5 專用通信回線設備等端末
■ 実戦演習問題

実戦演習問題 解答&解説
索引

株式会社リックテレコム 書籍出版部 (編集)
出版社 : リックテレコム (2017/2/7)、出典:出版社HP

これ1冊で最短合格 工事担任者DD3種試験対策 テキスト&問題集

はじめに

工事担任者資格は、電気通信回線設備に端末設備を接続するための工事を行い、監督することができる資格です。インターネットが普及した現在において、資格の重要性はますます高まっています。工事担任者は、資格の種別により工事の範囲が定められています。


DD第3種は、総合デジタル通信回線(ISDN回線)を除く、1ギガビット/秒以下のデジタル回線への接続工事のうち、主としてインターネット接続のための一般家庭・小規模オフィスなどへの光ファイバ回線やADSL回線にブロードバンドルータやパソコン等を接続するための工事を実施・監督できる資格です。電気通信回線業務へのエントリー資格としての位置づけでもあり、業務に携わるうえでぜひ取得しておきたい資格の一つです。工事担任者試験の歴史は古く、1985(昭和60)年に第1回がスタートし、以降原則として年2回の試験が開催されてきました(1997年のみ1回実施)。古くから実施されているということは、それだけ過去問の蓄積量も多いということを意味しています。工事担任者試験の資格取得には、まさしくこの過去問の攻略が欠かせません。

工事担任者試験は、基礎・技術・法規と3科目あり、それぞれの内容が膨大な量になっています。あまりの範囲の広さに、挫折してしまう受験生は少なくありません。広い試験範囲の中で基準にすべきもの、それはズバリ「過去問」です。過去問は、試験委員が英知を結集して創り上げた、最高品質の問題集であり、テキストです。広大な学習範囲の中から、「学んでほしいこと」を厳選し、作成されたものです。試験には新問(過去に未出題のものも出ますが、過去問さえ完璧にできていれば合格点(60点以上)は十分にとれます。

本書では、過去問を素材とし、「合格のために勉強すべきポイント」に絞って、テキスト、問題を厳選して掲載しています。過去問頻出のポイントを網羅的に取り上げていますので、本書に取り組んでいただければ合格に必要な力は十分につくでしょう。ぜひ、本書をご活用いただき、合格に必要な知識をご習得いただければと思います。また、本書掲載の内容についてより詳しく知りたい場合は、著者ブログ(「まなびやブログ」https://manabiyablog.com)でも情報を公開していますし、同ブログ内から質問していただくことも可能です。

最後になりますが、この本を手にとっていただき、まことにありがとうございます。必ずや、あなたに合格の吉報が訪れることを願ってやみません。

令和元年11月吉日 著者 藤本勇作

藤本 勇作 (著)
出版社 : 秀和システム (2019/12/13)、出典:出版社HP

試験について(試験概要)

「工事担任者」資格は、電気通信回線と端末設備等とを接続するために必要とされる国家資格です。電気通信事業法では、電気通信回線に端末設備等を接続する場合は、「工事担任者」が直接工事を行うか、実地にこれを監督することとされています。「工事担任者」は、これからの情報通信ネットワーク社会を支えるネットワーク接続技術者として、活躍の場はますます広がっています。また、様々な企業が「工事担任者」資格の取得に積極的に取り組んでいますので、資格を持っていれば、就職、転職や昇進の際にも有利に働きます。工事担任者試験は、取り扱うことができる工事の範囲により、AI第1種~第3種、DD第1種~第3種、AI・DD総合種と計七つの試験種別に区分されます。

おおまかにいって、AIはアナログ伝送路設備(ISDN等)について、DDはデジタル伝送路設備(光回線等)について取り扱い、それぞれ端末設備との接続工事を行うことができます。では、試験がどのように実施されているのか、その概要について紹介します。

資格者証の種類 工事の範囲
AI第1種 アナログ伝送路設備に端末設備等を接続するための工事及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事。
AI第2種 アナログ伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(収容される電気通信回線の数が50以下であって内線の数が200以下のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が毎秒64キロビット換算で50以下のものに限る。)。
AI第3種 アナログ伝送路設備に端末設備を接続するための工事(収容される電気通信回線の数が1のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が基本インタフェースで1のものに限る。)。
DD第1種 デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
DD第2種 デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(デジタル信号の入出力速度が毎秒100メガビット(主としてインターネットに接続するための回線にあっては、毎秒1ギガビット)以下のものに限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
DD第3種 デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が毎秒1ギガビット以下であって、主としてインターネットに接続するための回線に限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
AI・DD総合種 アナログ伝送路設備又はデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事。

試験実施要領

試験実施時期 : 春(5月)と秋(11月)の年2回実施
試験会場 : 2019年度の実績としては、旭川、札幌、青森、盛岡、仙台、秋田、郡山、水戸、小山、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、金沢、甲府、長野、静岡、名古屋、津、京都、大阪、神戸、和歌山、米子、岡山、広島、周南、徳島、高松、松山、福岡、大村、熊本、宮崎、鹿児島、那覇(全国37地区)にて実施
受験料 : 試験手数料(1試験種別当たり)8,700円(非課税)
※同じ時間帯の試験でなければ、最大3種別まで同日受験可能
出題形式 : 多肢択一式
科目数 : 基礎、技術、法規の3科目(科目免除制度あり)
合格点 : 100点満点中60点以上で合格(科目合格制度あり)
受験資格 : 年齢・学歴・性別等に関係なく、どなたでも受験可能
試験出題範囲 :
基礎…電気回路、電子回路、論理回路、伝送理論、伝送技術から各4~5問(計22問程度)出題
技術…端末設備の技術、総合デジタル通信の技術、接続工事の技術、ネットワークの技術、情報セキュリティの技術から計20問程度出題
法規…電気通信事業法及びこれに基づく命令、有線電気通信法及びこれに基づく命令、不正アクセス行為の禁止等に関する法律、電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命今から計20問程度出題

合格率の推移について

DD3種の合格率の推移は、表のようになっています。

▼DD3種の合格率の推移

年度-回 28-2 29-1 29-2 30-1 30-2 01-1
(31-1)
3科目受験者 5,387 2,961 4,816 2,657 4,423 2,864
合格率 39.3% 36.1% 38.6% 44.0% 43.5% 35.9%
2科目受験者 538 687 441 527 409 484
合格率 25.3% 32.5% 28.1% 34.3% 29.6% 27.3%
1科目受験者 913 968 789 763 670 706
合格率 73.1% 71.2% 73.9% 76.5% 70.4% 70.3%
全科目免除者 106 142 67 65 87 71
全体
(受験者)
6944 4759 6113 4012 5589 4125
合格率 43.5% 44.6% 43.1% 49.8% 46.6% 41.9%

(電気通信国家試験センター公表資料より抜粋)

いわゆる一発合格者というのは3科目受験して合格する人を指し、2019(令和元)年度春期試験では、35.9%となっています。工事担任者試験は合格点が60点と決まっているため、問題の難易度が変わることにより、合格率も上下します。全体の傾向としては、一発合格者は例年約3~4割程度となっています。計画的に勉強を進めていけば、一発合格も十分に望めます。働きながら受験される方や、電気の勉強に慣れておられない方は、一発合格にこだわらずに、科目合格制度を積極的に利用する方法もよいでしょう。1科目受験に絞ってみれば、合格率は7割を超えてきます。目的は最終的に合格して資格を得ることですから、ご自身に最も合うルートを選択していただくことが何より大切です。

試験の傾向と対策について

試験の傾向としては、一貫して過去問からの出題が目立ちます。全体の約9割程度は、過去問およびその類題で構成されています。過去問をしっかりと解けるようになれば、合格点の60点は難しい数字ではありません。ただし、取り組む過去問の量が大切です。試験センターが公開している2年分(計4回分)の問題量では少なすぎます。少なくとも5年分の頻出問題は解いておきたいところです。それだけ取り組めば、試験問題がいかに過去問の繰り返しで構成されているか、よくわかります。本書では、過去問の出題データを分析し、本試験のエッセンスを1冊の書籍に盛り込みました。情報が凝縮されているため、読みにくいところもあるかと思いますが、無駄な情報はほぼありません。平成から令和に変わっても、過去問主体の出題傾向に変化はないので、過去問中心の勉強方法で間違いないでしょう。

試験対策としては、合格点の60点をとることが大切です。そのため、目標点は80点くらいとするのがよいでしょう。100点を目標とする試験ではありません。短期合格をするためには、習得に時間がかかりすぎる単元は、後回しにすることも肝要です。各問題の配点はほぼ同じですから、難易度の高い単元はスルーする勇気も必要です。本書でも、初学者がつまずきやすい単元は、あえて割愛してあります。本書記載の内容に専念することで、合格点奪取のための力は十分身につくものと確信しています。

藤本 勇作 (著)
出版社 : 秀和システム (2019/12/13)、出典:出版社HP

合格のための心がまえ

(1) 学習範囲を明確にする
工事担任者試験の特徴として、学習範囲の広さが挙げられます。電気の基礎から、技術的にかなり突っ込んだ内容まで、広い範囲の学習が必要になります。取り扱われている範囲を、すべてまんべんなく理解しようとすると、膨大な学習時間が必要になります。マトモに勉強していくと、数年単位での学習が必要になってくるでしょう。しかし、実際に試験に出題されるものは、かなり限られています。出るところに絞ってピンポイントで学習を進めれば、短期間での合格も十分に可能です。本書記載の内容に学習範囲をフォーカスすることで、効率よく学習を進めることができます。

(2) 過去問中心の学習法
多くの資格試験に共通することではありますが、工事担任者試験も過去問の学習が何よりも欠かせません。本書は過去問10年分を分析し、そのエッセンスを取り入れたレッスン構成になっています。過去問に出ている内容をカバーしたのはもちろんのこと、問われ方(本試験独特の言い回しなど)もできる限り再現しています。本書により、無駄なく学習を進めることができます。

(3) キーワードマップで、学習内容の位置づけを確認
工事担任者試験は学習内容が広く、専門用語も数多く出てくるため、勉強している内容を見失いがちです。これまで受験生を指導する中で、用語の位置づけの理解、整理が上手い人ほど高得点をとる傾向にあると感じていました。一般のテキストでは、用語についての細かい記述はあっても、全体における位置づけを示してくれるものは多くありません。その点、本書ではキーワードマップが各テーマについており、常に学習内容を俯瞰できるようになっています。ぜひキーワードマップを有効に活用して、知識の総整理に努めてもらえたらと思います。慣れてきたら、自分でオリジナルのマインドマップを作成してみるのもお勧めです。かなり理解が進みます。

(4) 高速学習のための、赤シートの活用
本書では、重要語句は赤字で示しており、赤シートで隠せる仕様になっています。一読したあとで、重要語句とその意味を覚えているか、紙に書き出さなくても即座にミニテストが実施できます。暗記のための鉄則は、数多く繰り返す、反復学習にあります。反復学習の要諦としては、準備に時間がかからないことも大きなポイントになります。赤シートを活用し、隙間時間にミニテストを実施する習慣を身につけてもらえれば、短期間で多くの用語を覚えることも可能になります。

(5) どうしてもわからない問題は、著者に質問をする
「はじめに」にも書きましたが、著者は工事担任者試験に関するブログを開設しており、そこで学習のノウハウを公開しています。有料で個別に受験指導を行う枠もありますが、一般的な質問は、無料でブログ経由でも受け付けています。通常業務(小中高生の学習塾指導)のあとでの回答になるため、お返事までに数日~数週間ほどの時間をいただくことになりますが、答えられる範囲で回答いたします。「理屈ではなく、暗記してください」という回答になることも多くありますが、気軽に質問していただければと思います。

本書の6つの工夫!

本書は、工事担任者試験DD第3種に最短で合格できるよう、下記のような紙面構成と様々な工夫を盛り込んでいます。これらの特徴を生かし、ぜひ確実に合格の栄誉を勝ち取ってください。

ポイントその1
学習のアドバイスで要点が把握できる!
レッスンの最初に、学習のアドバイスがあり、学習内容の概略、学習上の要点が説明されているから、スムーズに学習に取り組むことができる。

ポイントその2
学習効果が高まるキーワードマップ!
出題されるワードの関連性とレッスンの全体像が一目でわかり、ポイント1の予習効果と相まって、学習効果を高めている。

ポイントその3
出題の意図や傾向がわかる!
過去の出題傾向を分析し、出題者側の観点から問題を解くカギをわかりやすく解説。どこにポイントを置いて学習すればいいのか、効率よく学習することができる。

ポイントその4
章末問題で応用力が身につく!
章末の問題で、各章で学習した知識の定着を図る。実際に出題された問題および、出題頻度の高い問題を多く掲載。章末問題を解くことで、応用力が身につく。

ポイントその5
得点アップ講義で、特有のひっかけ問題にも対処!
試験では、随所にひっかけ問題が見られ、そのため得点が上がらない。そこで、本書では、得点アップ講義を設け、ひっかけ問題の注意点とともに、その対処法をわかりやすくアドバイス。

ポイントその6
模擬問題で試験前の総仕上げ!
本試験と同じ出題形式だから試験対策として理想的。事前の実力試しになる。

藤本 勇作 (著)
出版社 : 秀和システム (2019/12/13)、出典:出版社HP

目次

はじめに
試験について(試験概要)
合格のための心がまえ
本書の6つの工夫!
DD3種合格への効率学習ロードマップ

第1章 [基礎]電気回路
Theme 1 直流回路
Theme 2 コンデンサと静電エネルギー
Theme 3 交流回路
Theme 4 磁気回路その他
問題を解いてみよう・答え合わせ

第2章 [基礎]電子回路
Theme l 半導体とダイオード
Theme 2 トランジスタ
問題を解いてみよう・答え合わせ

第3章 [基礎]論理回路
Theme 1 2進数
Theme 2 論理回路
Theme 3 ベン図
Theme 4 ブール代数
問題を解いてみよう・答え合わせ

第4章 [基礎]伝送理論
Theme l 伝送理論の計算問題
Theme 2 ケーブル
問題を解いてみよう・答え合わせ

第5章 [基礎]伝送技術
Theme l 信号の伝送と変調技術
Theme 2 光ファイバ伝送と伝送品質評価
問題を解いてみよう・答え合わせ

第6章 [技術]端末設備
Theme 1 ADSL、IP電話機
Theme 2 PoE、無線LAN、その他重要単元
問題を解いてみよう・答え合わせ

第7章 [技術]ネットワーク技術
Theme l 伝送方式、伝送技術
Theme 2 IPネットワーク技術
問題を解いてみよう・答え合わせ

第8章 [技術]情報セキュリティ技術
Theme 1 情報セキュリティの諸技術
問題を解いてみよう・答え合わせ

第9章 [技術]接続工事の技術
Theme l 配線工事と配線工法
問題を解いてみよう・答え合わせ

第10章 [法規]電気通信事業法
Theme l 電気通信事業法および施行規則
問題を解いてみよう・答え合わせ

第11章 [法規]工事担任者規則ほか
Theme l 工事担任者規則ほか
問題を解いてみよう・答え合わせ

第12章 [法規]端末設備等規則(Ⅱ)
Theme l 総則
問題を解いてみよう・答え合わせ

第13章 [法規]端未設備等規則(Ⅱ)
Theme l 各種端末規則
問題を解いてみよう・答え合わせ

模擬問題
模擬問題1
模擬問題1解説
模擬問題2
模擬問題2解説

索引

藤本 勇作 (著)
出版社 : 秀和システム (2019/12/13)、出典:出版社HP

DD3種受験マニュアル2020年版

まえがき

近年における情報通信ネットワーク社会は,インターネットの利用を中心にIP技術を用いたブロードバンド化によるユビキタスネットワーク社会へと急速な進展を遂げています。電気通信の端末設備工事に携わるための国家資格である工事担任者の役割は,今後,ますますその重要性を増すとともに,電気通信サービスをご利用になる皆様及び企業などからの認識と期待が一層高まりつつあります。このため,工事担任者には,ネットワーク接続技術者としての,より高度な知識と技能が求められています。


本書は,平成10年に「デジタル3種受験マニュアル」として初版を発行して以来,平成17年度から実施された新しい工事担任者制度に対応した「DD3種受験マニュアル」として改訂し,これまで多くの受験者の皆様,関連企業様および学校様からご利用とご支援を頂いてまいりました。DD第3種工事担任者資格を受験される多方面の皆様からのご要望に沿うため,最新の知識と技能への学習効果と実力をさらに高め,合格率のより一層の向上に向けて毎年改版を行います。

本書は,たくさんの読者の皆様からのご要望に応えられるようにいたしました。

◎春:5月,秋:11月の試験実施に向けた受験準備に合わせて,年1回発行します。

◎見やすく,分かりやすい2色刷りとし,受験する皆さんの学習効果と実力の養成・合格率のさらなる一層の向上が図れるようにしました。

◎試験科目ごとの第Ⅰ編,第Ⅱ編,第Ⅲ編は,試験問題に準拠して,第1問~第5問(基礎科目),第1問~第4問(技術科目,法規科目)と,試験問題の出題テーマごとに標準問題・解説・解答をまとめました。

◎各編の試験科目の出題テーマごとに最新の傾向と過去に出題された重要問題(標準問題)と解説・解答を加え,さらに標準問題ごとのポイント解説を設けることにより,実戦トレーニングによる大きな学習効果と実力を高め,合格率がさらに一層確実に向上できるように工夫しました。

◎標準問題ごとのポイント解説では,図を多く用いて分かりやすいようにするとともに,特に重点ポイントについては赤文字で表記し,知識および技能について確実に学習効果の向上が図れるようにしました。

◎第Ⅲ編(法規科目)では,平成26年度第1回以降に出題された実施年度・回数別の法令を一覧表としてまとめ,出題される法令問題の傾向が一目で確認できるようにしました。

◎巻末には,実戦トレーニングのため,最新試験問題(今和元年5月・11月実施)と解説・解答を掲載しています。

本書の活用により,短期間に効率よく,最短距離で合格ラインの実力に必ず到達できるものと確信しています。また,本書は,DD第3種工事担任者資格の取得を目指す方のみならず,工事担任者として活躍している方々のスキルアップにも役立つものであります。本書を活用されて資格を取得し,ユビキタスネットワーク社会を担うネットワーク接続技術者として自信を持って活躍されることを祈念いたします。

2020年(令和2年)1月
電気通信工事担任者の会

電気通信工事担任者の会 (著)
出版社 : 電波新聞社 (2020/3/4)、出典:出版社HP

本書の構成
(合格への実戦的活用)

1. 本書は,DD第3種の試験科目ごとに,第I編 電気通信技術の基礎(基礎科目),第Ⅱ編 端末設備の接続のための技術及び理論(技術科目),第Ⅲ編 端末設備の接続に関する法規(法規科目)と大きく分けてあります。また,各編は,試験問題に準拠して,第1問~第5問(基礎科目),第1問~第4問(技術科目,法規科目)にまとめてあります。

2. 試験科目の出題テーマごとに最新の傾向と過去に出題された重要問題(標準問題)と解説・解答を加え,さらに標準問題ごとのポイント解説を設けることにより,実戦トレーニングによる大きな学習効果を上げて,合格への実力が養えるようにされています。

3. 標準問題ごとのポイント解説では,図を多く用いて理解しやすいようにするとともに,特に重点ポイントについては赤文字で表記し,知識および技能について確実に学習効果の向上が図れるようにされています。

4. 第Ⅱ編(法規科目)では,平成26年度第1回以降に出題された実施年度・回数別の法令を一覧表としてまとめ,法令問題の出題傾向が一目で確認できるようにされています。

5. 巻末には,最新試験問題(令和元年5月,11月実施)を収録し,解説・解答を掲載してあります。

電気通信工事担任者の会 (著)
出版社 : 電波新聞社 (2020/3/4)、出典:出版社HP

目次

まえがき
本書の構成(合格への実戦的活用)
受験合格ガイド

第Ⅰ編 電気通信技術の基礎(基礎科目)
1 電気回路に関する標準問題・ポイント解説
1.1 直流回路
1 オームの法則
2 合成抵抗
3 導体の電気抵抗
4 直流電力
5 電流と熱量

1.2 コンデンサ
1 静電容量
2 静電エネルギー
3 合成静電容量
4 クーロンの法則
5 静電誘導

1.3 交流回路
1 交流
2 リアクタンスとインピーダンス
3 交流回路における位相
4 直列交流回路
5 並列交流回路
6 共振回路
7 交流回路の電力

1.4 電流と磁気
1 電磁誘導
2 相互誘導
3 自己誘導
4 フレミングの法則
5 磁気回路
6 平行導体に働く力

2 電子回路に関する標準問題・ポイント解説
2.1 半導体
1 半導体の種類
2 PN接合半導体と加える電圧

2.2 ダイオード
1 ダイオードの種類
2 ダイオードの特性とクリッパ回路

2.3 トランジスタ
1 構造
2 接地方式
3 トランジスタ増幅回路
4 トランジスタスイッチング回路
5 帰還増幅回路
6 電界効果トランジスタ
7 半導体集積回路

3 論理回路に関する標準問題・ポイント解説
3.1 論理素子
1 論理素子と図記号
2 真理値表

3.2 論理回路
1 論理回路の出力
2 未知の論理素子

3.3 ブール代数(論理代数)
1 基本論理回路と論理式
2 ブール代数の公式
3 論理式の簡略化

3.4 ベン図と論理式
1 論理素子の論理式とベン図
2 ベン図と論理式
3 ベン図による論理和,論理積

3.5 2進数
1 2進数と10進数
2 2進数の加算
3 2進数の論理和・論理積

4 伝送理論に関する標準問題・ポイント解説
4.1 伝送量
1 伝送量
2 相対レベルと絶対レベル
3 伝送系の伝送損失・利得

4.2 伝送量の計算

4.3 特性インピーダンス
1 特性インピーダンス
2 反射係数
3 インピーダンス整合

4.4 漏話
1 遠端漏話・近端漏話
2 漏話減衰量

4.5 ケーブル
1 同軸ケーブル
2 平衡対ケーブル
3 静電誘導・電磁誘導

4.6 信号対雑音比(SN比)
1 SN比とその計算

5 伝送技術に関する標準問題・ポイント解説
5.1 伝送方式
1 デジタル伝送方式
2 アナログ伝送方式

5.2 変調方式
1 アナログ変調
2 デジタル変調
3 パルス変調

5.3 PCM
1 PCM方式の概要
2 PCMの原理
3 PCMの特徴

5.4 多重化伝送方式と多元接続方式
1 多重化伝送方式
2 多元接続方式

5.5 誤り制御方式
1 誤り制御方式
2 伝送品質の評価尺度

5.6 光ファイバ伝送方式
1 概要
2 光変調方式
3 光ファイバ伝送方式
4 光アクセス方式
5 光中継方式

第Ⅱ編 端末設備の接続のための技術及び理論(技術科目)
1 端末設備の技術に関する標準問題・ポイント解説
1.1 ADSLモデム,スプリッタ
1 ADSLの構成
2 ADSLスプリッタ
3 ADSLモデム

1.2 IP電話機
1 IP電話の呼制御プロトコル
2 VoIP
3 IP電話の電話番号

1.3 LAN
1 LANの概要
2 イーサネット
3 IP電話機とLANの接続
4 無線LAN
5 LAN間接続装置

2 ネットワークの技術に関する標準問題・ポイント解説
2.1 データ通信技術
1 OSI参照モデル
2 データ伝送の技術

2.2 ブロードバンドアクセスの技術
1 メタリックアクセスの技術
2 光アクセスの技術

2.3 IPネットワークの技術
1 IPネットワーク
2 IPv4
3 IPv6

2.4 CATVインターネットの技術

2.5 Windowsのコマンド

3 情報セキュリティの技術に関する標準問題・ポイント解説
3.1 情報セキュリティの概要
1 情報セキュリティマネジメント
2 不正行為
3 不正アクセス

3.2 端末設備とネットワークのセキュリティ
1 暗号化と認証
2 不正侵入対策
3 無線LANのセキュリティ
4 コンピュータウイルスとその対策

4 接続工事の技術に関する標準問題・ポイント解説
4.1 ブロードバンド回線の配線工事と工事試験
1 メタリック回線の配線工事と工事試験
2 光回線の配線工事と工事試験

4.2 ホームネットワークの配線工事と工事試験
1 LANの配線工事
2 LANの工事試験

4.3 配線工法
1 配線工法

第Ⅲ編 端末設備の接続に関する法規(法規科目)
1.1 電気通信事業法,電気通信事業法施行規則に関する条文
1 電気通信事業法,電気通信事業法施行規則
(1) 電気通信事業法 第1条(目的),第2条(定義),第3条(検閲の禁止)第4条(秘密の保護)
(2) 電気通信事業法 第6条(利用の公平),第7条(基礎的電気通信役務の提供),第8条(重要通信の確保),第9条(電気通信事業の登録),第29条(業務の改善命令)
(3) 電気通信事業法 第46条(電気通信主任技術者資格者証),第47条(電気通信主任技術者資格者証の返納),第52条(端末設備の接続の技術基準),第53条(端末機器技術基準適合認定),第55条(表示が付されていないものとみなす場合)
(4) 電気通信事業法 第69条(端末設備の接続の検査),第70条(自営電気通信設備の接続)
(5) 電気通信事業法 第71条(工事担任者による工事の実施及び監督),第72条(工事担任者資格者証),第73条(工事担任者試験)
◆第1問の年度別出題法令一覧

2 工事担任者規則,端末機器の技術基準適合認定等に関する規則,有線電気通信法,有線電気通信設備令,不正アクセス禁止法に関する条文
2.1 工事担任者規則
(1) 工事担任者規則 第4条(資格者証の種類及び工事の範囲)
(2) 工事担任者規則 第37条(資格者証の交付の申請),第38条(資格者証の交付),第40条(資格者証の再交付),第41条(資170格者証の返納)

2.2 端末機器の技術基準適合認定等に関する規則
(1) 端末機器の適合認定等規則 第1条(目的),第3条(対象とする端末機器)
(2) 端末機器の適合認定等規則 第10条(表示)

2.3 有線電気通信法
(1) 有線電気通信法 第1条(目的),第2条(定義),第3条(有線電気通信設備の届出),第5条(技術基準)
(2) 有線電気通信法 第6条(設備の検査等),第7条(設備の改善等の措置)

2.4 有線電気通信設備令
(1) 有線電気通信設備令 第1条(定義)
(2) 有線電気通信設備令 第2条の2(使用可能な電線の種類),第4条(線路の電圧及び通信回線の電力)

2.5 不正アクセス行為の禁止等に関する法律
(1) 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第1条(目的),第2条(定義)第3条(不正アクセス行為の禁止)
◆第2問の年度別出題法令一覧

3 端末設備等規則に関する条文
3.1 端末設備等規則(Ⅰ)
(1) 端末設備等規則 第2条(定義)
(2) 端末設備等規則 第3条(責任の分界)
(3) 端末設備等規則 第4条(漏えいする通信の識別禁止),第5条(鳴音の発生防止)
(4) 端末設備等規則 第6条(絶縁抵抗等),第7条(過大音響衝撃の発生防止)
(5) 端末設備等規則 第8条(配線設備等)
(6) 端末設備等規則 第9条(端末設備内において電波を使用する端末設備),第10条(基本的機能),第11条(発信の機能)

3.2 端末設備等規則(Ⅱ)
(1) 端末設備等規則〔アナログ電話端末〕 第12条(選択信号の条件),第12条の2(緊急通報機能)
(2) 端末設備等規則〔移動電話端末〕 第17条(基本的機能),第18条(発信の機能),第19条(送信タイミング),第28条の2(緊急通報機能)
(3) 端末設備等規則〔インターネットプロトコル電話端末〕 第32条の2(基本的機能),第32条の3(発信の機能),第32条の6(緊急通報機能),第32条の7(電気的条件等),第32条の8(アナログ電話端末等と通信する場合の送出電力)
(4) 端末設備等規則〔インターネットプロトコル移動電話端末〕 第32条の10(基本的機能),第32条の11(発信の機能),第32条の12(送信タイミング),第32条の23(緊急通報機能)
(5) 端末設備等規則〔専用通信回線設備等端末〕 第34条の8(電気的条件等),第34条の9(漏話減衰量)
◆第3問・第4問の年度別出題法令一覧

●最新試験問題 2019年春(5月26日)実施
Ⅰ 電気通信技術の基礎(基礎科目)
最新試験問題/解説・解答

Ⅱ 端末設備の接続のための技術及び理論(技術科目)
最新試験問題/解説・解答

Ⅲ 端末設備の接続に関する法規(法規科目)
最新試験問題/解説・解答

●最新試験問題 2019年秋(11月24日)実施
Ⅰ 電気通信技術の基礎(基礎科目)
最新試験問題/解説・解答

Ⅱ 端末設備の接続のための技術及び理論(技術科目)
最新試験問題/解説・解答

Ⅲ 端末設備の接続に関する法規(法規科目)
最新試験問題/解説・解答

電気通信工事担任者の会 (著)
出版社 : 電波新聞社 (2020/3/4)、出典:出版社HP

工事担任者2020春DD3種実戦問題

はしがき

近年、ネットワークのIP化、ブロードバンド化が急速に進展し、それに伴い、端末設備等の機能、構造も高度化しています。利用者の端末設備等を電気通信事業者のネットワーク(電気通信回線設備)に接続するための工事を行い、又は監督するためには、国家資格である工事担任者資格が必要です。実際、電気通信事業法では、「利用者は、端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者(「工事担任者」という。)に、当該工事担任者資格者証の種類に応じ、これに係る工事を行わせ、又は実地に監督させなければならない。」と規定されています。

工事担任者試験は、毎年2回(通常、5月と11月)実施され、最新試験は令和元年11月24日(日)に行われました。本書では、この最新試験の全問題を掲載するとともに、試験の内容を徹底的に分析し、出題傾向に準拠した問題を厳選して掲載しています。本書は、工事担任者資格を目指す方々に、これをもとにどのような学習をすればよいか、特に何が重点かを理解していただくことを目的として解説し、解答例を付して編集したものです。なお、本書の内容に関しては、電気通信工事担任者の会に監修のご協力をいただきました。

本書の活用により、工事担任者資格を目指す方々が一人でも多く合格し、新しい時代の担い手として活躍されることを願ってやみません。

編者しるす

電気通信工事担任者の会 (監修), (株)リックテレコム (編集)
出版社 : リックテレコム (2020/2/5)、出典:出版社HP

工事担任者について

1.工事担任者とは

工事担任者国家資格は、電気通信回線設備に端末設備又は自営電気通信設備を接続するための工事を行い、又は監督する者に必要な資格です。利用者は、電気通信事業者の電気通信回線設備に端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者に工事を行わせ、又は実地に監督させなければなりません。
工事担任者資格者証の種類は、端末設備等を接続する電気通信回線の種類や端末設備等の規模等に応じて、7種類が規定されています。アナログ伝送路設備及び総合デジタル通信用設備(ISDN)に端末設備等を接続するための工事を行うAI種と、デジタル伝送路設備(ISDNを除く)に端末設備等を接続するための工事を行うDD種に分かれ、さらにこれらを統合したAI・DD総合種があります。具体的には表1に示すとおり区分されています。
工事担任者資格者証は、工事担任者試験に合格した者又は養成課程を修了した者等に交付されます。

2.工事担任者試験について

電気通信の「工事担任者」試験は、電気通信事業法第73条に基づき実施される国家試験です。試験は、年2回(通常、5月と11月)行われており、試験事務は総務大臣の指定を受けた一般財団法人 日本データ通信協会により実施されています。
試験科目は、「基礎」「技術及び理論」「法規」の3科目となっております。それぞれの科目の満点は100点で合格点は60点以上です。各問題の配点は、試験問題設問文の末尾に記載してあります。

なお、一定の資格又は実務経験を有する場合及び総務大臣の認定を受けた教育施設(認定学校)を修了した(修了見込を含む)者には、申請により一部の試験科目が免除される場合があります。受験の申請や、試験実施日、試験の免除申請等、受験に関する詳細については、一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センターのホームページをご覧ください。
(https://www.shiken.dekyo.or.jp/)

令和元年11月24日に実施された令和元年度第2回工事担任者試験の合格率等は表2のとおりとなっています。
なお、試験問題及び解答は、試験実施日の週の水曜日に、一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家 試験センターのホームページで公表されます。

表1 資格者証の種類と工事の範囲

資格者証の種類 工事の範囲
総務省令の規定 工事の例
AI第1種 アナログ伝送路設備(アナログ信号を入出力とする電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備等を接続するための工事及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事 中~大型PBXの取付け及び配線
AI第2種 アナログ伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(端末設備等に収容される電気通信回線の数が50以下であって内線の数が200以下のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が毎秒64キロビット換算で50以下のものに限る。) 小型PBX、ボタン電話機の取付け及び配線
AI第3種 アナログ伝送路設備に端末設備を接続するための工事(端末設備に収容される電気通信回線の数が1のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が基本インタフェースで1のものに限る。) 一般電話機、ホームテレホン、ISDN端末の取付け及び配線
DD第1種 デジタル伝送路設備(デジタル信号を入出力とする電気通信回線設備をいう。以下同じ。)に端末設備等を接続するための工事。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。 中~大型IP-PBXの取付け及び配線
DD第2種 デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が毎秒100メガビット(主としてインターネットに接続するための回線にあっては、毎秒1ギガビット)以下のものに限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。 小型P-PBX.IPボタン電話機、バケット端末の取付け及び配線
DD第3種 デジタル伝送路設備に場末設備等を接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が毎秒1ギガビット以下であって、主としてインターネットに接続するための回線に係るものに限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。 家庭向けIP電話機の取付け及び配線
AI・DD総合種 アナログ伝送路設備又はデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事 以上のすべての工事

 

表2 令和元年度第2回試験の実施結果(総務省発表)

資格区分 申請者数 受験者数 合格者数
(合格率)
AI第1種 908 755 196
(26.0%)
AI第2種 246 200 63
(31.5%)
AI第3種 2,501 2,218 783
(35.3%)
DD第1種 2,897 2,295 649
(28.3%)
DD第2種 288 214 40
(18.7%)
DD第3種 6,267 5,748 2,841
(49.4%)
AI・DD総合種 4,926 3,658 796
(21.8%)
合計 18,033 15,088 5,368
(35.6%)

 

電気通信工事担任者の会 (監修), (株)リックテレコム (編集)
出版社 : リックテレコム (2020/2/5)、出典:出版社HP

目次

1 電気通信技術の基礎(基礎科目)
1. 電気回路
2. 電子回路
3. 論理回路
4. 伝送理論
5. 伝送技術

2 端末設備の接続のための技術及び理論(技術科目)
1. 端末設備の技術(Ⅰ)
2. ネットワークの技術
3. 端末設備の技術(Ⅱ)、情報セキュリティの技術
4. 接続工事の技術

3 端末設備の接続に関する法規(法規科目)
1. 電気通信事業法
2. 工担者規則、認定等規則、有線法、設備令、不正アクセス禁止法
3. 端末設備等規則(Ⅰ)
4. 端末設備等規則(Ⅱ)

電気通信工事担任者の会 (監修), (株)リックテレコム (編集)
出版社 : リックテレコム (2020/2/5)、出典:出版社HP