これ1冊で最短合格 工事担任者DD3種試験対策 テキスト&問題集




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はじめに

工事担任者資格は、電気通信回線設備に端末設備を接続するための工事を行い、監督することができる資格です。インターネットが普及した現在において、資格の重要性はますます高まっています。工事担任者は、資格の種別により工事の範囲が定められています。


DD第3種は、総合デジタル通信回線(ISDN回線)を除く、1ギガビット/秒以下のデジタル回線への接続工事のうち、主としてインターネット接続のための一般家庭・小規模オフィスなどへの光ファイバ回線やADSL回線にブロードバンドルータやパソコン等を接続するための工事を実施・監督できる資格です。電気通信回線業務へのエントリー資格としての位置づけでもあり、業務に携わるうえでぜひ取得しておきたい資格の一つです。工事担任者試験の歴史は古く、1985(昭和60)年に第1回がスタートし、以降原則として年2回の試験が開催されてきました(1997年のみ1回実施)。古くから実施されているということは、それだけ過去問の蓄積量も多いということを意味しています。工事担任者試験の資格取得には、まさしくこの過去問の攻略が欠かせません。

工事担任者試験は、基礎・技術・法規と3科目あり、それぞれの内容が膨大な量になっています。あまりの範囲の広さに、挫折してしまう受験生は少なくありません。広い試験範囲の中で基準にすべきもの、それはズバリ「過去問」です。過去問は、試験委員が英知を結集して創り上げた、最高品質の問題集であり、テキストです。広大な学習範囲の中から、「学んでほしいこと」を厳選し、作成されたものです。試験には新問(過去に未出題のものも出ますが、過去問さえ完璧にできていれば合格点(60点以上)は十分にとれます。

本書では、過去問を素材とし、「合格のために勉強すべきポイント」に絞って、テキスト、問題を厳選して掲載しています。過去問頻出のポイントを網羅的に取り上げていますので、本書に取り組んでいただければ合格に必要な力は十分につくでしょう。ぜひ、本書をご活用いただき、合格に必要な知識をご習得いただければと思います。また、本書掲載の内容についてより詳しく知りたい場合は、著者ブログ(「まなびやブログ」https://manabiyablog.com)でも情報を公開していますし、同ブログ内から質問していただくことも可能です。

最後になりますが、この本を手にとっていただき、まことにありがとうございます。必ずや、あなたに合格の吉報が訪れることを願ってやみません。

令和元年11月吉日 著者 藤本勇作

藤本 勇作 (著)
出版社 : 秀和システム (2019/12/13)、出典:出版社HP

試験について(試験概要)

「工事担任者」資格は、電気通信回線と端末設備等とを接続するために必要とされる国家資格です。電気通信事業法では、電気通信回線に端末設備等を接続する場合は、「工事担任者」が直接工事を行うか、実地にこれを監督することとされています。「工事担任者」は、これからの情報通信ネットワーク社会を支えるネットワーク接続技術者として、活躍の場はますます広がっています。また、様々な企業が「工事担任者」資格の取得に積極的に取り組んでいますので、資格を持っていれば、就職、転職や昇進の際にも有利に働きます。工事担任者試験は、取り扱うことができる工事の範囲により、AI第1種~第3種、DD第1種~第3種、AI・DD総合種と計七つの試験種別に区分されます。

おおまかにいって、AIはアナログ伝送路設備(ISDN等)について、DDはデジタル伝送路設備(光回線等)について取り扱い、それぞれ端末設備との接続工事を行うことができます。では、試験がどのように実施されているのか、その概要について紹介します。

資格者証の種類 工事の範囲
AI第1種 アナログ伝送路設備に端末設備等を接続するための工事及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事。
AI第2種 アナログ伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(収容される電気通信回線の数が50以下であって内線の数が200以下のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が毎秒64キロビット換算で50以下のものに限る。)。
AI第3種 アナログ伝送路設備に端末設備を接続するための工事(収容される電気通信回線の数が1のものに限る。)及び総合デジタル通信用設備に端末設備を接続するための工事(総合デジタル通信回線の数が基本インタフェースで1のものに限る。)。
DD第1種 デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
DD第2種 デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(デジタル信号の入出力速度が毎秒100メガビット(主としてインターネットに接続するための回線にあっては、毎秒1ギガビット)以下のものに限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
DD第3種 デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が毎秒1ギガビット以下であって、主としてインターネットに接続するための回線に限る。)。ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備等を接続するための工事を除く。
AI・DD総合種 アナログ伝送路設備又はデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事。

試験実施要領

試験実施時期 : 春(5月)と秋(11月)の年2回実施
試験会場 : 2019年度の実績としては、旭川、札幌、青森、盛岡、仙台、秋田、郡山、水戸、小山、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、金沢、甲府、長野、静岡、名古屋、津、京都、大阪、神戸、和歌山、米子、岡山、広島、周南、徳島、高松、松山、福岡、大村、熊本、宮崎、鹿児島、那覇(全国37地区)にて実施
受験料 : 試験手数料(1試験種別当たり)8,700円(非課税)
※同じ時間帯の試験でなければ、最大3種別まで同日受験可能
出題形式 : 多肢択一式
科目数 : 基礎、技術、法規の3科目(科目免除制度あり)
合格点 : 100点満点中60点以上で合格(科目合格制度あり)
受験資格 : 年齢・学歴・性別等に関係なく、どなたでも受験可能
試験出題範囲 :
基礎…電気回路、電子回路、論理回路、伝送理論、伝送技術から各4~5問(計22問程度)出題
技術…端末設備の技術、総合デジタル通信の技術、接続工事の技術、ネットワークの技術、情報セキュリティの技術から計20問程度出題
法規…電気通信事業法及びこれに基づく命令、有線電気通信法及びこれに基づく命令、不正アクセス行為の禁止等に関する法律、電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命今から計20問程度出題

合格率の推移について

DD3種の合格率の推移は、表のようになっています。

▼DD3種の合格率の推移

年度-回 28-2 29-1 29-2 30-1 30-2 01-1
(31-1)
3科目受験者 5,387 2,961 4,816 2,657 4,423 2,864
合格率 39.3% 36.1% 38.6% 44.0% 43.5% 35.9%
2科目受験者 538 687 441 527 409 484
合格率 25.3% 32.5% 28.1% 34.3% 29.6% 27.3%
1科目受験者 913 968 789 763 670 706
合格率 73.1% 71.2% 73.9% 76.5% 70.4% 70.3%
全科目免除者 106 142 67 65 87 71
全体
(受験者)
6944 4759 6113 4012 5589 4125
合格率 43.5% 44.6% 43.1% 49.8% 46.6% 41.9%

(電気通信国家試験センター公表資料より抜粋)

いわゆる一発合格者というのは3科目受験して合格する人を指し、2019(令和元)年度春期試験では、35.9%となっています。工事担任者試験は合格点が60点と決まっているため、問題の難易度が変わることにより、合格率も上下します。全体の傾向としては、一発合格者は例年約3~4割程度となっています。計画的に勉強を進めていけば、一発合格も十分に望めます。働きながら受験される方や、電気の勉強に慣れておられない方は、一発合格にこだわらずに、科目合格制度を積極的に利用する方法もよいでしょう。1科目受験に絞ってみれば、合格率は7割を超えてきます。目的は最終的に合格して資格を得ることですから、ご自身に最も合うルートを選択していただくことが何より大切です。

試験の傾向と対策について

試験の傾向としては、一貫して過去問からの出題が目立ちます。全体の約9割程度は、過去問およびその類題で構成されています。過去問をしっかりと解けるようになれば、合格点の60点は難しい数字ではありません。ただし、取り組む過去問の量が大切です。試験センターが公開している2年分(計4回分)の問題量では少なすぎます。少なくとも5年分の頻出問題は解いておきたいところです。それだけ取り組めば、試験問題がいかに過去問の繰り返しで構成されているか、よくわかります。本書では、過去問の出題データを分析し、本試験のエッセンスを1冊の書籍に盛り込みました。情報が凝縮されているため、読みにくいところもあるかと思いますが、無駄な情報はほぼありません。平成から令和に変わっても、過去問主体の出題傾向に変化はないので、過去問中心の勉強方法で間違いないでしょう。

試験対策としては、合格点の60点をとることが大切です。そのため、目標点は80点くらいとするのがよいでしょう。100点を目標とする試験ではありません。短期合格をするためには、習得に時間がかかりすぎる単元は、後回しにすることも肝要です。各問題の配点はほぼ同じですから、難易度の高い単元はスルーする勇気も必要です。本書でも、初学者がつまずきやすい単元は、あえて割愛してあります。本書記載の内容に専念することで、合格点奪取のための力は十分身につくものと確信しています。

藤本 勇作 (著)
出版社 : 秀和システム (2019/12/13)、出典:出版社HP

合格のための心がまえ

(1) 学習範囲を明確にする
工事担任者試験の特徴として、学習範囲の広さが挙げられます。電気の基礎から、技術的にかなり突っ込んだ内容まで、広い範囲の学習が必要になります。取り扱われている範囲を、すべてまんべんなく理解しようとすると、膨大な学習時間が必要になります。マトモに勉強していくと、数年単位での学習が必要になってくるでしょう。しかし、実際に試験に出題されるものは、かなり限られています。出るところに絞ってピンポイントで学習を進めれば、短期間での合格も十分に可能です。本書記載の内容に学習範囲をフォーカスすることで、効率よく学習を進めることができます。

(2) 過去問中心の学習法
多くの資格試験に共通することではありますが、工事担任者試験も過去問の学習が何よりも欠かせません。本書は過去問10年分を分析し、そのエッセンスを取り入れたレッスン構成になっています。過去問に出ている内容をカバーしたのはもちろんのこと、問われ方(本試験独特の言い回しなど)もできる限り再現しています。本書により、無駄なく学習を進めることができます。

(3) キーワードマップで、学習内容の位置づけを確認
工事担任者試験は学習内容が広く、専門用語も数多く出てくるため、勉強している内容を見失いがちです。これまで受験生を指導する中で、用語の位置づけの理解、整理が上手い人ほど高得点をとる傾向にあると感じていました。一般のテキストでは、用語についての細かい記述はあっても、全体における位置づけを示してくれるものは多くありません。その点、本書ではキーワードマップが各テーマについており、常に学習内容を俯瞰できるようになっています。ぜひキーワードマップを有効に活用して、知識の総整理に努めてもらえたらと思います。慣れてきたら、自分でオリジナルのマインドマップを作成してみるのもお勧めです。かなり理解が進みます。

(4) 高速学習のための、赤シートの活用
本書では、重要語句は赤字で示しており、赤シートで隠せる仕様になっています。一読したあとで、重要語句とその意味を覚えているか、紙に書き出さなくても即座にミニテストが実施できます。暗記のための鉄則は、数多く繰り返す、反復学習にあります。反復学習の要諦としては、準備に時間がかからないことも大きなポイントになります。赤シートを活用し、隙間時間にミニテストを実施する習慣を身につけてもらえれば、短期間で多くの用語を覚えることも可能になります。

(5) どうしてもわからない問題は、著者に質問をする
「はじめに」にも書きましたが、著者は工事担任者試験に関するブログを開設しており、そこで学習のノウハウを公開しています。有料で個別に受験指導を行う枠もありますが、一般的な質問は、無料でブログ経由でも受け付けています。通常業務(小中高生の学習塾指導)のあとでの回答になるため、お返事までに数日~数週間ほどの時間をいただくことになりますが、答えられる範囲で回答いたします。「理屈ではなく、暗記してください」という回答になることも多くありますが、気軽に質問していただければと思います。

本書の6つの工夫!

本書は、工事担任者試験DD第3種に最短で合格できるよう、下記のような紙面構成と様々な工夫を盛り込んでいます。これらの特徴を生かし、ぜひ確実に合格の栄誉を勝ち取ってください。

ポイントその1
学習のアドバイスで要点が把握できる!
レッスンの最初に、学習のアドバイスがあり、学習内容の概略、学習上の要点が説明されているから、スムーズに学習に取り組むことができる。

ポイントその2
学習効果が高まるキーワードマップ!
出題されるワードの関連性とレッスンの全体像が一目でわかり、ポイント1の予習効果と相まって、学習効果を高めている。

ポイントその3
出題の意図や傾向がわかる!
過去の出題傾向を分析し、出題者側の観点から問題を解くカギをわかりやすく解説。どこにポイントを置いて学習すればいいのか、効率よく学習することができる。

ポイントその4
章末問題で応用力が身につく!
章末の問題で、各章で学習した知識の定着を図る。実際に出題された問題および、出題頻度の高い問題を多く掲載。章末問題を解くことで、応用力が身につく。

ポイントその5
得点アップ講義で、特有のひっかけ問題にも対処!
試験では、随所にひっかけ問題が見られ、そのため得点が上がらない。そこで、本書では、得点アップ講義を設け、ひっかけ問題の注意点とともに、その対処法をわかりやすくアドバイス。

ポイントその6
模擬問題で試験前の総仕上げ!
本試験と同じ出題形式だから試験対策として理想的。事前の実力試しになる。

藤本 勇作 (著)
出版社 : 秀和システム (2019/12/13)、出典:出版社HP

目次

はじめに
試験について(試験概要)
合格のための心がまえ
本書の6つの工夫!
DD3種合格への効率学習ロードマップ

第1章 [基礎]電気回路
Theme 1 直流回路
Theme 2 コンデンサと静電エネルギー
Theme 3 交流回路
Theme 4 磁気回路その他
問題を解いてみよう・答え合わせ

第2章 [基礎]電子回路
Theme l 半導体とダイオード
Theme 2 トランジスタ
問題を解いてみよう・答え合わせ

第3章 [基礎]論理回路
Theme 1 2進数
Theme 2 論理回路
Theme 3 ベン図
Theme 4 ブール代数
問題を解いてみよう・答え合わせ

第4章 [基礎]伝送理論
Theme l 伝送理論の計算問題
Theme 2 ケーブル
問題を解いてみよう・答え合わせ

第5章 [基礎]伝送技術
Theme l 信号の伝送と変調技術
Theme 2 光ファイバ伝送と伝送品質評価
問題を解いてみよう・答え合わせ

第6章 [技術]端末設備
Theme 1 ADSL、IP電話機
Theme 2 PoE、無線LAN、その他重要単元
問題を解いてみよう・答え合わせ

第7章 [技術]ネットワーク技術
Theme l 伝送方式、伝送技術
Theme 2 IPネットワーク技術
問題を解いてみよう・答え合わせ

第8章 [技術]情報セキュリティ技術
Theme 1 情報セキュリティの諸技術
問題を解いてみよう・答え合わせ

第9章 [技術]接続工事の技術
Theme l 配線工事と配線工法
問題を解いてみよう・答え合わせ

第10章 [法規]電気通信事業法
Theme l 電気通信事業法および施行規則
問題を解いてみよう・答え合わせ

第11章 [法規]工事担任者規則ほか
Theme l 工事担任者規則ほか
問題を解いてみよう・答え合わせ

第12章 [法規]端末設備等規則(Ⅱ)
Theme l 総則
問題を解いてみよう・答え合わせ

第13章 [法規]端未設備等規則(Ⅱ)
Theme l 各種端末規則
問題を解いてみよう・答え合わせ

模擬問題
模擬問題1
模擬問題1解説
模擬問題2
模擬問題2解説

索引

藤本 勇作 (著)
出版社 : 秀和システム (2019/12/13)、出典:出版社HP