司法書士7カ月合格法




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まえがき

わたしは、本著のほかにこのたびの合格体験記を2作品書いています。

一つはすでにエール出版社の「私の司法書士合格作戦」用に。そして、もう一つは某予備校の「合格体験記」用に。しかし、世の中に出たものは、本著と、エール出版のものだけです。つまり、予備校用に書いたものは採用されなかったということです。

そもそも、私は予備校用に合格体験記を書くことには消極的でした。あれは一種の宣伝本です。従って、「入門から合格まで全部この予備校だけを利用しました!」という文章を書かなければなりません。本著のように、自由にありのまま、やったこと、あったこと、すべての真実を書くことが出来ません。

何にしろ私は、その予備校だけで受かりましたとは口が裂けても言えない方法で合格しています。第一、予備校の仰せのままに状態では、7カ月合格は有り得ません。そんなこと誰が考えても明白です。予備校の標準カリキュラムは5カ月合格な訳ですから…。

ワタシは嘘が大嫌いです。それでも、その予備校から締め切り2日前という無茶な依頼をお受けしたのは、私と伴侶とその予備校との間にちょっとしたしがらみがあったからです。そういう事情から、その予備校の宣伝になりつつも、嘘を書かない形での合格体験記を、悩みに悩み書き上げました。

それなのに、奥様の合格は、司法試験の経験をフルに活かしたスーパー合格法だの、特殊すぎるだの、司法書士を目指すレベルの人にはスーパー過ぎてついていけないだのと言うのです。だから不採用だと。

非常に残念でした。私はただ司法試験講義に通っていただけのダメ大学生でしたし(しかも3年も前)、伴侶が、司法試験講師だからといって、魔法の合格法を教えてもらったわけでもありません。また能力的にもスーパーとは、程遠い超努力型人間です。それなのに、勝手にスーパーって決めつけられて、没にされ、読んでいただく機会を減らされました。

この本を手に取られた方は、7カ月だからスーパーなんて決め付けないで下さい。最初から関係ないなんて思わないで下さい。実践している内容自体はけっこう普通です。だれもがやるようなことの寄せ集めかもしれません。確かに多少はマゾ的です。

それでも所詮私にできたこと。誰にだってできるはず。要は気合の問題。それだけです。一つもとりこぼさないようにと、一生懸命書きました。一人でも多くの方に読んでいただきたいと切に思います。

柴田 幸 (著), 柴田 孝之 (監修)
出版社: ダイヤモンド社 (2003/4/17)、出典:出版社HP

本書の目的と特色

本書には、監修者が合格体験記に注釈(※1)をつけたり、コラムを書いたりしている。この監修者・柴田孝之とは著者、柴田幸の夫であり、司法試験合格者であり、職業は勉強法学者である。

だから監修によって、
(1) 受験生の家族、特に夫の視点を知ることが出来る
(2) 監修者は司法試験1回合格後、現在も効率的な学習法を研究している。そういう勉強法学者からみた著者がとった方法の評価がわかる。

…というメリットが生まれる。要するに、著者と監修者の合作により、本書は通常の合格法の本の2・5冊(?)分くらいの価値があるようになっている…と考えてもらって構わないわけである。

ところで、司法試験合格者がついているとなると、妻の合格が有利になったのではないかと考える人が出てくるかもしれないが、それは司法書士試験の勉強をあまりしていない証拠であろう。司法書士試験の某有名受験指導者に言わせると、司法書士試験が要求する細かさについていけない人が司法試験に乗り換えてすぐに合格したりするらしいから。

このことが本当かどうかはさておき、司法試験合格者でも受験指導そのものができるわけではなく、あくまで勉強方法のアドバイス程度しかできない…ということは、本文を読んでもらえればわかるだろう。

拙著『試験合格の技術』で解説したことだが、実力社会化が進展する中、自分の能力を客観的にアピールするための保障として難関資格の取得を考える人が増えている。しかし、一つ資格を取得しようといっても、極端に難しい試験であると、本当に合格するかわからず、大原の時間とお金をどぶに捨てることになるのではないか…という不安が先に立つ。かといって、確実に合格する試験であれば、それはあまり価値がないということになる。なかなか取得できない大型資格であるが、確実に合格できる…そういう虫のよい資格はないか。

そういうバランスがよい資格、コストパフォーマンスがよい資格がずばり、司法書士である。
司法書士は合格さえすれば、司法書士として登録し、仕事をすることができるし、独立も容易である。1年半〜3年の長期の研修期間を踏まねばならない関係で、司法試験、公認会計士、税理士とも合格するだけでは、実務に就けないのと大きな違いである。つまり、資格を取得してから、現在の会社につとめ続けて特に不利益はない…これが司法書士試験である。

しかし、司法書士試験はそう簡単ではなかろう。合格率は司法試験を下回るし、現に何度受験しても合格しない受験生がたくさんいる。司法書士の子供で、司法書士試験に合格した人はあまりいないぞ…という声も聞こえてくる。となると、確実に合格できない以上、やはり司法書士資格の取得を目指すのは、危険ではないか…ということである。

ここに本書の価値がある。司法書士試験は簡単ではないが、「努力が報われる試験」であると考える。何度受験しても合格しない受験生がいるのは、合格のための策をきちんと積み重ねていないからにすぎない。監修者が受験指導している司法試験と司法書士試験が最も大きく違うのは、司法書士試験では手の打ち方を間違えなければ、確実に結果が出せる点である。

これは理論面だけの話ではない。現に本書の執筆者が実証している。本書の執筆者は、試験の7カ月前から試験勉強を始めて、升目を一つ一つ埋めるように打てる手を確実に打ち、必勝の策を練り上げ、結果、一発合格を果たした。これが偶然合格したことではない証拠に、すでに5月6月の模擬試験では、合格点を数度とっていたことが挙げられる。

合格点を何度もとっているのに合格しないで不思議がられるということはあるが、合格点を何度もとって合格したということを偶然だと言う人はいない。司法試験の勉強を2年前にしていたから…というなら、あなたも司法試験からはじめればよかろう。

司法書士試験に合格ができず苦しまないように、受験勉強に無駄な時間を使わないように、監修者としては、こういう技術はぜひ世間に公開すべきだ…これが本書作成の動機である。

監修者は7年前、『司法試験機械的合格法』によって初めて体系的な司法試験合格の方法を明らかにした。そこで解説した方法の中でも、この7年のうち非常識だとされていたことが、どんどん常識に変わっている。試験合格法という世界はまだまだ未開拓な世界で、発見されてないことはいくらでもある。

一般に言われていない事実だからこそ、本の形にして世に広く紹介する価値がある。もちろん、技術の紹介では、「なぜそうすると効果的か」という理由もきちんと明らかにする。だから本書は、何の根拠もなく、ただ意見を押しつけるだけの合格法解説本とは一線を画した内容になっているはずである。

実のところ、本書で紹介する技術は、大学入試、司法試験という他の難関試験ではすでに常識になっているアイデアの応用にすぎない。本書執筆者が司法書士試験の受験を開始し、一緒に司法書士試験の合格法を検討した監修者は、司法書士試験における現状が自分の司法試験を受験していた当時に非常に似ている点に驚いた。

つまり、昔の大学受験や司法試験と同じ、学力重視、問題軽視の傾向である。こういう状況で、既に他で練り上げられた技術を投入したわけであるから、まさにこれは牛刀をもって鶏を割くようなもの…執筆者が7カ月1発合格を果たしたのも、ある意味必然ですらあると言える。

ぜひ、本書を利用し、役に立つところを吸収して、無駄な時間を使うことなく試験に合格し、人生を楽しんでもらいたい。

監修者 柴田孝之

柴田 幸 (著), 柴田 孝之 (監修)
出版社: ダイヤモンド社 (2003/4/17)、出典:出版社HP

目次

司法書士7カ月合格法
著者 まえがき
監修者序 本書の目的と特色

目次

第1部 7カ月合格体験記
0 プロフィール この本を書いた私って?
私という実験台
私という受験生
まとめ この合格体験記を参考に出来る方

1 勉強開始以前【2度の挫折〜新たな受験の決意】諸事投げ出し症患者の告白
大学2年 春司法書士でも受けてみるかと考えた
大学2年 秋最初のトライ。根抵当で挫折して投げ出す
大学3年 次再挑戦したが根抵当でまた挫折
大学4年次 なんちゃって司法試験受験生
大学卒業 結婚して司法試験もあきらめた
結婚2年半後 がんばって簿記3級を受けてみた

2 インプット(知識習得)期【12月~1月】7カ月の闘いの始まり
合格の秘訣 段階式の勉強法はやめる
勉強開始時 どれくらい法律知識があったのか?
インプットの期間(1) 私は1カ月半で聴き終えた
インプットの期間(2) おすすめのインプット法は2カ月完成法
通信教材のすすめ おすすめは通信教材の一括購入

2カ月間で聴き終える意味 インプットは楽だから早く終わらせよう
反芻式復習法 いっぺんにいっぱい聴いてサクッと反芻
インプット期にアウトプットは必要か? 2カ月間、インプットに集中しよう
インプット期の書式勉強の是非 書式の勉強は択一過去問が完成してから
7カ月合格するための私の信条 『試験勉強の技術』から得たこと
登記六法は購入すべきか? 私はポケット六法だけ買った
12月の勉強日記 講義聴くのは「楽な勉強」なんです

3 答練スタート期【1月〜2月】本格的な闘いが始まる
答練受講の動機それは本試験を闘うための実戦訓練
答練の必要性 「力」とは、付けるも大変、出すも大変
私の受けた答練 LEC・Wセミナー・東京法経学院
本当はこうやりたかった答練受講パターン Wセミナーのホップ+ステップ+LECファイナル
答練の予習法 過去問を時間を計って解くに限る

過去問の使い方 詳細! 私の過去問演習方法
過去問をやっても答練でいい点とれない時 答練より過去問を信じよ
本当に過去問だけで本試験は大丈夫? 過去問だけで確実に合格点が取れる
答練の復習はすべき? 答練の復習するより過去問やれ
1月から3月の書式対策 答練の書式をあきらめず解答すること
この時期の学力の変化 過去問は突然できるようになる
夜型の人は合格しないか? 夜型を嘆くよりいっそ徹夜で受験
1月〜3月の日記 合格者もかなり悩んだ受験初期

4 受験中期【4月〜6月】合格判定がとれた!でも悩みは尽きず
4月からの書式対策 択一対策が十分なら書式はすぐできる
書式対策使用教材 書式の勉強は答練と問題集を中心に
いきなり本試験レベルの書式問題を解く意味 択一の知識が十分なら書式の成長は早い
具体的書式対策 短期集中で良質な問題をがんがん解く
雛型の暗記は必要か? 暗記するより問題の演習で「体得」せよ
書式対策と択一対策の割合 4月のみ択一1書式9で勉強した

5月は出願書類の提出 絶対に最終日に提出がイイ!
4月〜6月の予備校答練 4月から答練のレベルは急上昇する
6月になって初めてテキストを読む 強いて読むならこの時期か?
暗記カードとか使った? 5月頃から択一知識の補強に使った
1日の勉強時間 平均して1日7時間だと思います
本試験の解答ペース 択一の目安は1時間。問を理想とせよ
2次試験は、択一から? 書式から? 迷わず択一から解いていけ
公開模試の成績 私の成績の変遷を公開します
時間がない!と思った時 択一過去問を最優先で完成させろ
4月・5月の日記 答練の成績に踊らされつつ過去問に邁進

5 受験直前期【6月下旬から7月7日(本試験日)まで】とうとう受験日がやってきた!
直前の10日間 最後の10日でもやはり過去問中心
本試験当日実況中継 試験の当日、気分は意外と明鏡止水
6月・7月の日記 負けたくない、そんな気持ちが強くなる

6 受験後【本試験日から口述試験まで一受かっててほしいな
自己採点 択一は0でも書式が不安で苦しい毎日
予備校によって模範解答が違う! 予備校の解答が常に正しいわけじゃない
口述試験対策 発表後10日も頑張れば何とかなる
口述試験実況中継 本当に合否に関係ない試験?
足切りの基礎知識 足切りを突破できたら合格は目の前
コラム 不合格になったらどうするか

第2部 司法書士試験合格の技術
第1章 司法書士試験とは?
こういう人は司法書士を目指せ!
あえて司法書士という資格の特徴をここで説明する理由
特に受験資格がない、研修など面倒な手続もいらない
独立開業ができることはメリットか?
訴訟代理権について
司法書士試験過去問徹底解析

なぜ過去問の解析か
択一試験の解析
司法試験との違い
記述問題(書式)の解析
どの程度の成績を取れば合格するか
司法書士試験の難易度
司法書士試験の出題科目・出題数
試験の日程・スケジュール
なぜ1回で合格しないのか
なぜ長期の受験生が出てくるのか
合格率をどう見るか

第2章 司法書士試験合格スケジュール
合格までの受験勉強カリキュラム
過去問至上主義のすすめ
スタートはスクールから
問題集・答練・模擬試験の利用
全体のスケジュール

第3章 司法書士試験勉強の技術
予備校の利用方法(1) 合格する講義の受け方
講義の選び方
講義は次々受ける。
講義の具体的な聴き方・その他の勉強の仕方
これが危ない講義の受け方だ!

合格する過去問の利用方法
まずは読む
次に解く
勉強量・時間
推論問題の対策の方法
予備校の利用方法(2)合格する答練の受け方
答練不要論の問題点
答練の取り方
答練の予習の仕方
答練の復習方法
模擬試験の判定・成績について

第4章 科目別対策方法
司法書士の試験科目 主要科目とマイナー科目の分類
主要科目
マイナー科目
本試験問題
対策
民法の特徴と学習方法
民法の特徴
民法学習方法

「推論型」問題に特別の対策は必要か?
不動産登記法の特徴と学習方法
不動産登記法の特徴
不動産登記法の学習方法
商法の特徴と学習方法
商法の特徴
商法の学習方法
商業登記法の特徴と学習方法
商業登記法の特徴
商業登記法の学習方法
刑法の特徴と学習方法
刑法の特徴
刑法の学習方法

民事訴訟法・民事執行法・民事保全法
民事訴訟法の特徴
民事執行法の特徴
民事保全法の特徴
民事訴訟法の学習方法
民事執行法、民事保全法
供託法の特徴と学習方法
憲法の特徴と学習方法
択一対策にかける期間
択一対策に使う教材
何回解けばできるようになるか?
コラム 司法試験と司法書士の出題傾向の違い

第5章 書式対策の方法
私の書式対策ガイダンス
書式対策はいつからすべきか
初心者と離型の関係
最近の書式問題
書式対策は必ず択一対策後に!
書式では致命的な間違いさえしなければ合格か?
書式演習の材料と方法

使用する問題
具体的に使用した書式問題の例
書式問題の演習方法(問題集以外)
問題集の演習方法
書式対策は短期集中で
問題数
対策をする期間
択一知識を、書式に表現する。の「技術」
書式演習の復習方法
復習方法の注意点
コラム 書式は択一試験の延長に過ぎないのか

第3部 受験アドバイス・解法テクニック・受験ツール
第6章 直前期・本試験当日の戦略
受験直前期のためのアドバイス
受験準備
直前期には何を勉強するのか
受験後から口述試験へのアドバイス
自己採点はすべきか
受験後の過ごし方
口述試験
コラム 択一解法テクニック

事例の読み方
組み合わせ問題
論問題
選択肢をヒントに
個数問題・単純正誤判定問題

第7章 教材・講座・予備校ガイド
各予備校の極私的感想
入門期編
答練
書式講座
過去問至上主義者のための参考書

いちばんのテキストは過去問集
択一問題集
書式問題集
択一知識整理本
雛型集

エピローグ(1) とてもにぎやか合格祝賀会
エピローグ(2) 新人研修・合格後最大のお楽しみ?
監修者結び
著者あとがき

柴田 幸 (著), 柴田 孝之 (監修)
出版社: ダイヤモンド社 (2003/4/17)、出典:出版社HP