改訂版 機械保全の徹底攻略[3級機械系学科・実技]




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はじめに

1 技能検定試験とは
技能検定とは、職業能力開発促進法に基づき、技能者の技能の程度を一定の基準によって検定することにより、技能者の技能がいっそうみがかれ、技能者の社会的・経済的な地位向上を図ることを目的とした国家試験制度である。

技能検定は検定職種ごとに特級、1級、2級、さらに2003年から3級が新設された。各級ともに、それぞれ学科試験と実技試験によって実施される。技能検定に合格した者には、特級、1級が厚生労働大臣名の、2級、3級が都道府県知事名の合格証書と技能士章が交付され、職業能力開発促進法に基づき「技能士」と称することができる。

2 本書刊行の趣旨・目的
1984年に機械保全技能士が制定され、当初は受検者約2000人余でスタートしたが、年々増加の一途をたどり、2014年度は特級・1級・2級で26000人を超える受検者を擁するほどになった。これは厚生労働省所管の技能検定ではもっとも多い受検者数である。

2003年度前期からは、新たに機械系保全作業の3級がスタートし、159人の受検者で実施された。さらに2004年度からは、機械系保全作業に加えて、電気系保全作業が実施され、2014年度の受検者は5400人を超えた。今後ますます、3級の受検者は増加すると思われる。JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)では、3級の受験者を対象として、本書を刊行する。

3 本書の構成と特徴
(1) 本書のベースとなっているものは、ジェイマック(日本能率協へコンサルティング)発刊の『新 機械保全技能ハンドブック』全6%である。ハンドブックは技能体系に基づき構成されているが、本書は検定試験の範囲と基準の細目どおりに、ハンドブックの要約をベースに編集したものである

(2) 本書は一貫して、問題、解答、解説という構成になっている。数多くの図表類を用いて、ていねいな解説を加えた。問題集という形式をとりながら、参考書的な要素も盛り込んでいるので、問題を解くだけでなく、出題内容を理解するような学習が望ましい

(3) 各章の初めに「学習のポイント」を掲載したので参照されたい。

(4) 本書はおもに機械系保全作業の受検者を対象として、第1〜6章を学科試験、後半は実技試験を掲載した(第1〜5章は電気系保全作業共通の範囲)

(5) 実技試験では、実際に出題されたものを参考に、写真、図などを豊富に用いて、より試験に近い問題を掲載している。改訂にあたっては、実技試験についての解説を追加して、より理解を得やすい構成とした

本書によって、読者諸氏が全員合格の栄冠を勝ちとられることを念眼している。

2015年2月
ジェイマック(日本能率協会コンサルティンク)
機械保全技能編集委員会

日本能率協会コンサルティング (編集)
日本能率協会マネジメントセンター; 改訂版 (2015/2/8)、出典:出版社HP

目次

はじめに
技能検定試験の試験科目およびその範囲ならびにその細目

学科試験
第1章 機械一般
機械の種類および用途

第2章 電気一般
電気用語
電気機械器具の使用方法
電気制御装置の基本回路

第3章 機械保全法一般
機械の保全計画
機械の履歴
機械の異常時における対応措置の決定
品質管理

第4章 材料一般
金属材料の種類、性質および用途
金属材料の熱処理

第5章 安全衛生
安全衛生に関する詳細な知識

第6章 機械系保全法
(1) 機械の主要構成要素の種類、形状および用途
(2) 機械の点検
(3) 機械の主要構成要素に生じる欠陥の種類、原因および発見方法
(4) 潤滑および給油
(5) 機械工作法の種類および特徴

(6) 非破壊検査
(7) 油圧装置および空気圧装置の基本回路
(8) 油圧機器および空気圧機器の種類、構造および機能
(9) 油圧装置および空気圧装置に生じる故障の種類、原因および防止方法
(10) 作動油の種類および性質

(11) 非金属材料の種類、性質および用途
(12) 金属材料の表面処理
(13) 力学の基礎知識
(14) 材料力学の基礎知識
(15) 日本工業規格に定める図示法、材料記号、油圧・空気圧用図記号、電気用図記号およびはめ合い方式

実技試験
1. ボルト・ナットの締結
2. 潤滑剤の判別
3. 工具の名称と用途
4. 空気圧装置の基本構成と点検
5. ころがり軸受の名称および特徴

6. ねじの種類と特徴
7. キー、ピンの種類と用途
8. 密封装置の種類・特徴・用途
9. バルブの種類・部位名称・特徴

日本能率協会コンサルティング (編集)
日本能率協会マネジメントセンター; 改訂版 (2015/2/8)、出典:出版社HP