合格するにはワケがある 脳科学×仕訳集 日商簿記3級【第2版】




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はじめに

近年の脳科学の発展には目覚ましいものがあり、脳の働きが随分と解明されてきています。それを「簿記の学習に活用するにはどうしたらいいのか」を思考し、“脳科学的に合理的”な学習ができるように本書を作成しました。

脳の働きと、本書の構成の関係は次のとおりです。
1.脳は、映像化することで記憶しやすくなる
本書では、仕訳の場面を逐一イラスト化することで、その場面の主人公になって、各取引を学べるようにしました。

2.脳は、高校生くらいから、無意味な記憶が苦手になる
単発の仕訳を覚えるのではなく、例えば固定資産(備品)なら、購入→減価償却→修繕→売却といった形で、関連する取引を一連のものとして学習できるようにしました。

3.何度もアウトプットすることで、脳は「重要なことだ」と認識し、記憶するようになる。
出題頻度順に並べ、毎日過去に学んだものを振り返ってから本日の内容に入っていくことで、出題頻度の高い重要な仕訳ほど繰り返し学習できるようにしました。

4.寝る前に学んだことは、寝ている間に脳が整理してくれる

5.耳からの記憶が、長期記憶になりやすい
1日の終わりには「夜寝る前に」のページで、その日に勉強した内容を、「仕訳から取引の内容を言う」という行動で復習し、口に出し、耳で聴くことによって脳を刺激し、寝ている間に頭の中が整理され、記憶に残るようにしました。

6.脳は、消去機能が特に優れている(だから人は忘れる)
復習のタイミングは、エビングハウスの忘却曲線を考慮し、Day1からDay7で学習した内容と、翌日には同じものを、1週間後には数字だけが異なる問題を、3週間後には同じ内容でも、問題文の表現や数字が異なる問題を解けるように設定しました。

これなら「仕訳を覚えなきゃ」と苦労していたあなたの脳に、確実に浸み込んでいくはずです。さあ、仕訳を機械的に覚えることは終わりにしましょう。本書で、脳科学的に合理的な方法で簿記を理解し、仕訳をマスターして、合格の栄冠を勝ち取りましょう!

改訂にあたって
2019年6月検定から、3級の出題範囲が改訂されるとともに「証ひょうからの仕訳」という新しい形式での出題が行われます。そこで本書は、出題範囲から外れた内容を削除するとともに、次のように改訂しました。

・出る順をDay1~Day5にまとめました
・Day5の後半、およびDay6を新範囲の仕訳集にしました
・Day7を新形式(証ひょうからの仕訳)の仕訳集にしました
この改訂により、なお一層、学習するみなさまのお役に立てれば嬉しく思います。

桑原知之 (著)
ネットスクール; 第2版 (2019/4/22)、出典:出版社HP

本書の使い方

1日目
「出る順」1位(商品売買)を学び、寝る前に「夜寝る前に」で復習をします。

2日目
1「夜寝る前に」で、昨日学んだ「出る順」1位(商品売買)の内容を思い出します。

2「復習(翌日)」の問題を解き、解けなかったところを、1週間後に備えて復習します。

3「出る順」2位(固定資産)を学び、寝る前に「夜寝る前に」で復習をします。

3日目以降
1「夜寝る前に」で、昨日までに学んだ「出る順」1位~「出る順」2位の内容を思い出します。こうすることで、順位の高いものほど何度も復習することができます。

2前日(2日目)に学んだ内容の「復習(翌日)」の問題を解き、解けなかったところを、1週間後に備えて復習します。

3次の「出る順」の内容3位(手形取引)~4位(仮払金・仮受金)を学び、寝る前に「夜寝る前に」で復習をします。

1週間後
「夜寝る前に」で確認しつつ、「出る順」1位(商品売買)の「復習(1週間後」の問題を解き、解けなかったところを復習します。取引が理解できるようになったら問題集などで問題文の表現に慣れるようにしましょう。

3週間後
“学んだ内容が異なる表現で出題される”のは本試験の状況と同じです。本試験の問題だと思って「復習(3週間後)」の問題を解いてください。

コラム 電卓の選び方・叩き方
みなさんは今、どんな電卓を使っていますか?プリンター内蔵のものやメロディー音の出るもの、そして電子手帳といったものは持込みが禁止されていますが、認められている範囲の中でもいろいろな電卓があります。

まず、「電卓の選び方」です。電卓の選択は意外と重要で、問題の解答時間に大きく影響します。日電卓は、自分の人さし指、中指、薬指の3本をあわせた幅と、電卓のテンキー(数字のキー)幅が一致するものが、使いやすいといわれていますし、私もそう感じます。

特に小さすぎる電卓をお持ちの方は、すぐに買い換えて、試験までに使い込んでおくようにしましょう。1級を視野に入れているのであれば、「N(ルート)」キーがあるものを選びましょう。

次に、「電卓のたたき方」です。理想は、左手でのブラインドタッチ(右利き)ですが、私のように「右手でないと叩けない」しかも「ブラインドタッチができない」という方もいらっしゃるかと思います。

でも、大丈夫です。電卓は早く叩けるのに越したことはありませんが、早く叩くよりも正確に叩くことのほうが大事です。ただ、鉛筆との持替えにかかる時間がもったいないので、小指と薬指とで鉛筆を握ったまま、中指、人さし指、親指(0または+キー専用)の3本を使って叩けるようにしておくといいでしょう。

ちなみに本試験では、鉛筆、シャープペンシル、消しゴム以外の筆記用具の持込みが禁じられていますので、注意しましょう。

ネットスクールのホームページに無料で開講している「らくらく電卓講座」があります。ぜひ一度みておいてください!

桑原知之 (著)
ネットスクール; 第2版 (2019/4/22)、出典:出版社HP

目次

簿記と仕訳の基本

出る順仕訳
1日目「商品売買」
2日目「固定資産」「手形取引」
3日目「仮払金・仮受金」「給料の支払い」「貸付金・借入金」
4日目「貸倒れ」「現金過不足」「商品券」

5日目「費用の支払い」
「クレジット売掛金」
「電子記録債権・電子記録債務」

6日目「会社の設立と利益処分」
「切手・印紙の決算整理と再振替」
「法人税等の処理」
「消費税の処理(税抜方式)」

7日目「証ひょうからの仕訳」

復習(翌日)
復習(1週間後)
復習(3週間後)
本試験対策

桑原知之 (著)
ネットスクール; 第2版 (2019/4/22)、出典:出版社HP