Let’s Start! 新しい日商簿記3級 テキスト&問題集 2020年度版 (ベストライセンスシリーズ)




【日商簿記検定試験3級のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)】も確認する

はしがき

私がはじめて簿記3級に合格してから約20年、簿記の書籍を執筆するようになってから約12年経ちました。

「テキスト」という部門ではこれが3シリーズ目になります。ですから、独学者の目線に立って、初学者のための本を書き続けていた……と思っていました。

でも今回、初心に返って、「本当の簿記初学者が合格までするために必要な要素はなんだろう?」とよくよく考えました。試験会場にも行き、実際に受験をして、まわりの雰囲気なども見てきました。そしたら、いろいろなことがわかりました。

その「いろいろわかったこと」を盛り込んで、初学者が簿記を嫌いにならずに、最後まで迷うことなく学習を続けられ、そして合格できる本=本書を作りました。

とうぞ本書を活用して、簿記検定に合格してください。なんらかの形でみなさんのお役に立てたら幸いです(あ、これをきっかけに、簿記が好きになって簿記オタクになったよ!……なんていう人が増えてくれたら、とてもうれしいです!簿記オタク談話、しましょうね)。

本書の特徴

1勘定科目をキャラ化
前者までに、かなり初学者向けに読みやすいテキストを作ったと思っていましたが、まだ3級の学習者には「勘定科目」がとっつきにくい、と。

だから、勘定科目をキャラ化しました。なお、勘定科目キャラのうち、ホームポジション(後述)が借方(左側)のものは「さん」付け、貸方(右側)のものはくん」付けにしています(その他は「ちゃん」付けにしています)。かわいがってあげてくださいね。

2簡単な場面設定
最初に非常に簡単な場面設定の内容を入れています。これから学ぶ内容をイメージしながら読み進めてくださいね。

3テーマの末尾にそのテーマのまとめと仕訳一覧
どのテーマも見開き2ページにおさまるように、そのテーマで学んだ仕訳等が一覧できるようになっています。復習にお役立てください。

4テキスト&問題集
テキストの1テーマを読んだら、対応する問題がすぐに解けるようにテキストと問題集を1冊にまとめました。……ちゃんと問題まで解いてくださいね!

5本試験レベルの問題も収載…その1
問題を解いているとき、「この問題は本試験の何問目で出題される!」とか書かれていると、やる気が出ませんか?本書の問題編のテーマ別問題では、テキストの内容を確認する基本問題はもちろんのこと、本試験でもよく出題される問題や本試験レベルの問題にはマークをつけています。このマークがついている問題は、必ず、しっかり解けるようにしておきましょう。

6本試験レベルの問題も収載・・・その2
簿記といったら仕訳というくらい、仕訳は重要です。また、本試験では第1問(配点20点)で仕訳問題が5題出題されます。そのため、問題編に「本試験レベルの仕訳問題、完全攻略30題」として、本試験レベルの第1問で出題される問題を6回分、全30組(5×6回分)入れました。本試験レベルなので、これらの問題がしっかり解ければ本試験でも8割以上、得点できると思いますよ。

本書の効果的な使い方

1:テキストを読む
まずはテキストを読みます。最初に場面設定がありますので、取引をイメージしてみるといいでしょう。また、取引例が出てきますので、取引の仕訳もいったんは自分で考えてみましょう。

2:問題編の問題(テーマ別問を解く
テキストを読んだら、それに該当する問題(テーマ別問題)を解きます。1つのテーマを学習し終えたら、それに対応する問題を解いてください。知識があやふやな問題については1、2日中に再度解くようにしてください。

3:問題を全部解く
1→2を繰り返して、本書の内容をすべて学習し終えたら、今度は再度、同題編の問題を全部解きます。ここで間違えた問題は印をつけておき、テキストを読みなおすとともに、あとで再度解きなおしておいてください。

4:本試験レベルの仕訳問題完全攻略30題を解く。
最後に、問題の「本試験レベルの仕訳問題、完全攻略30題」を解きます。本試験の第1問は仕訳問題が5題出題されますが、「本試験レベルの仕訳問題完全攻略30題」では、6回分(5題×6回分%3D30題)の本試験と同レベルの問題が、本試験と同様の形で入っているので、これらの問題が完璧にできれば、本試験の第1問はほぼ制覇です。なお、問題は易しい問題から順番に出題しています。

5:過去問題集や予想間題集を解く
本試験の出題形式や本試験と同様の環境に慣れるため、通去問題集や予想問題集を解いておきましょう。本書の同シリーズ「新しい日商簿記3級過去&予想問題セレクション(別売)」がおススメです。なお、問題を解く際には、必ずA4サイズの下書用紙(計算用紙)を準備して、時間(2時間)を計って解くようにしてください。

日商簿記検定3級の概要

日商簿記3級の受験概要

受験資格 特になし
試験日 6月第2日曜日、11月第3日曜日、2月第4日曜日
申込方法 申込期間(試験の約2か月前から)は各商工会議所によって異なります。各商工会議所にお問い合わせください。
受験料 ¥2,850(一部の商工会議所では事務手数料がかかります。)
試験科目 商業簿記
試験時間 2時間(午前9時開始)
合格基準 70%以上
問い合わせ 各商工会議所検定試験ホームページ:https://www.kentei.ne.jp/

 

3級の出題傾向と配点

配点
第1問 仕訳問題が5題出題されます。 20点
第2問 帳簿に関する問題や勘定記入などが出題されます。 約10点
第3問 主に試算表を作成する問題が出題されます。 約30点
第4問 伝票や仕訳、勘定記入などが出題されます。 約10点
第5問 精算表や財務諸表の作成が出題されます。 約30点

 

本書を読む前に….

簿記の1年をかる~く見ておこう!

1取引があったら仕訳(または伝票に記入)する
会社は日々、いろいろな活動(取引)をしています。その取引の内容は、在誤という(ノートみたいなもの)に仕訳という形(簿記独特の記入方法)で記録します。ちなみに、仕訳ではなく、伝票に記入する方法もあります。仕訳がノートみたいなもので、伝票は単語カードみたいなものです。

2仕訳をしたら転記する
仕訳は取引を日付順にメモしたものなので、なにがいくらあるのか把握しづらいです。そこで、総勘定元帳という製簿に、項目(簿記では勘定科目といいます)ごとに金額を集計しておきます。これを「総勘定元帳に転記する」といいます。1で伝票に記入した場合も総勘定元帳に転記します。

3補助簿に記録する・・・こともある
取引が生じたつと、必ず1(仕訳)2(転記)をしますが、項目によっては詳しく管理したいものもあります。商品の管理を目的とした商品有高帳、仕入や売上の状況の把握には仕入や売上報といった帳(補助加といいます)があり、必要に応じて補助簿を作成します。

4試算表を作成する
会社は日々、(仕訳)(転記)をしますが、転記ミスを発見するため、算表という表を作成します。試算表は決算で作成するほか、月末ごとに作成することもあります(3級の試験の第3間で出題される試算表は月次で作成するものです)。

5決算手続きをする
決算日(会社の締め日)になったら、会社の儲けや財産の状況をまとめるため、決算という手続きをします。決算手続きは、1試算表の作成(上記O)→2決算整理→3精算表の作成→の損益計算書や貸借対照表の作成という流れで行い、最後に「今年の帳簿記入はここまで!」として5勘定(帳簿)を締め切ります。

ちなみに損益計算書は会社がいくら儲けたかを表す表で、貸借対照表は会社の財産がどのくらいあるかを表す表です。また、精算表は試算表から決算整理を経て、損益計算書や貸借対照表を作成するまでの道程をまとめた一覧表です。

6会社の儲けを株主に配当する
5の決算手続きをすることによって、会社の儲けが計算できます。この儲け(の一部)は、会社の出資者である株主に配当という形で分配されます。

目次

はしがき
本書の特徴
本書の効果的な使い方
日南海記検定3級の悪要
本書を読む前に・・・簿記の1年をかる~く見ておこう!

STAGE1 簿記の基礎
テーマ1簿記の基礎で学ぶ内容
1.簿記とは
2.簿記の基本用語
3.仕訳の作り方
4.簿記の5要素と貸借対照表、損益計算書
5.転記の仕方
テーマ1の全体像とまとめ

STAGE2 いろいろな取引1
テーマ2商品売買1で学ぶ内容
6.商品の仕入れ(分記法と三分法)
7.商品の売上げ(分記法と三分法)
8.掛け取引
9.クレジット払いによる売上げ
10.商品券による売上げ
テーマ2の全体像と仕訳のまとめ

テーマ3商品売買2で学ぶ内容
11.返品
12.諸掛り
13.前払金と前受金
14.消費税
15.商品売買に関する証ひょうの読み取り
テーマ3の全体像と仕訳のまとめ

STAGE3 いろいろな取引2
テーマ4現金と預金で学ぶ内容
16.第記上の現金
17.現金過不足
18.普通預金と定期預金
19.当座預金
20.当座借越
21.小口現金
22.現金・預金に関する証ひょうの読み取り
テーマ4の全体像と仕訳のまとめ

あとがきにかえて
索引

テーマ5手形と電子記録債権(債務)で学ぶ内容
23.約東手形
24.電子記録債権(債務)
テーマ5の全体像と仕訳のまとめ

テーマ6貸付けと借入れ、仮払いと仮受けで学ぶ内容
25.貸付金と借入金
26.手形貸付金と手形借入金
27.仮払金
28.仮受金
29.仮払金に関する証ひょうの読み取り
テーマ6の全体像と仕訳のまとめ

テーマ7立替金と給料の支払いで学ぶ内容
30.立替金
31.給料の支払い
テーマ7の全体像と仕訳のまとめ

STAGE4 いろいろな取引3
テーマ8貸倒れと貸倒引当金で学ぶ内容
32.貸倒引当金の設定
33.貸倒れの処理
34.償却債権取立益
テーマ8の全体像と仕訳のまとめ

テーマ9有形固定資産と減価償却で学ぶ内容
35.有形固定資産の購入
36.減価償却
37.有形固定資産の売却
38.未払金と未収入金
39.有形固定資産の貸借
テーマ9の全体像と仕訳のまとめ

テーマ10株式の発行で学ぶ内容
40.株式会社の設立
41.増資
テーマ10の全体像と仕訳のまとめ

テーマ11その他の取引で学ぶ内容
42.消耗品
43.通信費と租税公課
44.収益と費用
45.収益・費用の未収・未払い
46.収益・費用の前受け・前払い
47.訂正仕訳
テーマ11の全体像と仕訳のまとめ

STAGE5 帳簿の記入
テーマ12帳簿の記入1で学ぶ内容
48.仕訳帳と総勘定元帳
49.現金出納帳と当座預金出納帳
50.小口現金出納帳
51.仕入帳と売上
52.受取手形記入帳と支払手形記入帳
テーマ12の全体像とまとめ

テーマ13帳簿の記入2で学ぶ内容
53.売掛金元帳と買掛金元帳
54.商品有高帳
55.固定資産台帳
56.補助簿の選択
テーマ13の全体像とまとめ

STAGE6 伝票制度、試算表
テーマ14伝票制度で学ぶ内容
57.伝票
58.仕訳日計表
テーマ14の全体像と仕訳のまとめ

テーマ15試算表で学ぶ内容
59.試算表の作成
60.日商3級で出題される試算表
テーマ15の全体像とまとめ

STAGE7 決算とその後
テーマ16決算とその後1で学ぶ内容
61.決算手続き
62.売上原価の算定
63.法人税等の計上
テーマ16の全体像とまとめ

テーマ17決算とその後2で学ぶ内容
64.精算表の作成
65.財務諸表の作成
66.勘定の締め切り
67.剰余金の配当と処分
テーマ17の全体像とまとめ

問題編
問題
テーマ別問題
本試験レベルの仕訳問題、完全攻略300

解答・解説
テーマ別問題
本試験レベルの仕問題、完全攻略30

解答用紙
テーマ別問題
本試験レベルの仕訳問題完全攻略30題