新版 日本の農と食を学ぶ 中級編: 日本農業検定2級対応




はじめに

現在、我が国では農業への関心が高まっています。食の安全・安心といった面はもちろん、文化的・産業的な側面からも、農業は私たちにとって重要なものとして意識されるようになっています。

こうした背景のもと、日本農業検定は、小中学生から年配の方まで多くの皆様に、「農業の良き理解者・応援団」になっていただきたいという思いで実施しており、多くの皆様に「農業を具体的に理解できる能力=農業力」を身につけていただきたいと考えています。

この日本農業検定2級では、3級で学んだプランターでの栽培から、その規模を体験農園・市民農園・家庭菜園に広げて栽培する知識を習得するとともに、それらに関連する農業全般の知識や環境問題、食に関する知識の習得を目指しています。

ぜひ、このテキストで学んで、日本農業検定2級に挑戦していただきたいと思います。そして、検定試験合格後、「農」に関する興味がますます沸き、さらに自分自身を高めたいと思った方は、日本農業検定1級という次のステップへと進んでいただきたいと思います。

この検定試験を通して、多くの方が農業への理解を深め、将来様々なかたちで農業の担い手や応援団になっていただくことを期待するとともに、一人ひとりが食の安全や安心について、高い関心と必要な知識を持っていただくことを切に願っております。

2020年4月
日本農業検定事務局

日本農業検定事務局 (編集)
出版社: 全国農協観光協会; 新版 (2020/4/23)、出典:出版社HP

日本農業検定2級概要

日本農業検定
・農業全般分野
・環境分野
・栽培分野
・食分野

1.出題範囲
「農業全般」「環境」「食」「栽培」の出題範囲は下表のとおりです。

分野 出題範囲
農業全般分野 農業とはなにか/世界の食料農業事情/食料自給の現状/日本農業の現状/農畜産物の需給状況/農業・農村の多面的機能/スマート農業への技術革新/地域農業の動向
環境分野 生態系の基礎知識/地球規模の環境問題/農業の環境への負荷/農業が守る自然環境
食分野 食生活と健康/日本の伝統的食生活/食の表示と安全/日本人と食の実態/調理の基本/食品調理・加工と保存
栽培分野 植物の成長/栽培環境の管理/栽培作業の基礎/サツマイモ・ダイコン・ネギ・トマトなど、2級で取り扱う作物(16品目)の栽培

 

2.問題数
「農業全般」「環境」「食」「栽培」の4分野から70問を出題します。

日本農業検定事務局 (編集)
出版社: 全国農協観光協会; 新版 (2020/4/23)、出典:出版社HP

日本農業検定2級実施要領

1.検定会場・検定日・受検料
各年度の検定日程および受検料の詳細については、ホームページ等で確認してください。

種別 会場 検定日 受検料(2020年度現在)
個人受験 公開会場  東京・大阪 1月中旬 4,200円
CBT 会場 指定会場 1月上旬~中旬 4,700円
団体受験 学校 1月中旬 ・小中学生 1,600円
・特別支援学校生 小中学部 1,600円
・特別支援学校生 高等部 1,800円
・高校生 1,800円
・専門学校生 2,300円
その他団体 3,800円

CBTはあらかじめ設定された会場でパソコンを使用して受検する方法です。会場は、受検申込時に受検者が選択できます。

2.受検資格
特にありません。どなたでも受検できます。

3.検定問題数・解答時間・解答方法
検定問題数:70問
解答時間:70分
解答方法:4者択一方式にて、パソコンまたはマークシートによる解答方法

4.合格基準
正答率は原則60%以上。問題の難易度により若干の合格基準の調整を行なう場合があります。

5.申込期間
日本農業検定ホームページでご確認下さい。

6.申込方法
(1)個人で受検する場合
①日本農業検定ホームページから申し込む
②ファックスまたは郵便で申し込む

(2)団体で受検する場合
実施団体責任者が日本農業検定ホームページから申し込む

7.検定の結果について
試験実施年度の2月末に試験結果を郵送する。

8.実施主体
一般社団法人全国農協観光協会日本農業検定事務局
〒101-0021東京都千代田区外神田1-16-8(Nツアービル4F)
TEL:03-5297-0325
FAX:03-5297-0260
ホームページ:https://nou-ken.jp

日本農業検定事務局 (編集)
出版社: 全国農協観光協会; 新版 (2020/4/23)、出典:出版社HP

目次

はじめに
日本農業検定2級概要
日本農業検定2級実施要領

1.農業全般分野
農業とはなにか
・農耕のあゆみ
・農業の基本

世界の食料農業事情
・穀物需要の増加が進む2つの要因
・穀物需給の不安定化

食料自給の現状
・食料自給率とは
・食料自給率の推移

日本農業の現状
・農家戸数と農業就業人口の推移
・農地と耕作放棄地

農畜産物の需給状況
・米
・野菜
・果実
・畜産物

農業・農村の多面的機能
・環境保全への貢献
・地域社会の維持・活性化

スマート農業への技術革新
・無人農機の活用
・環境制御の新技術

地域農業の動向
・生産者と消費者との活発な交流
・女性農業者の活躍
・【コラム】農業競争力強化プログラム

2.環境基礎分野
生態系の基礎知識
・生物のつながりと生態系
・生態系を活かす環境保全型農業

地球規模の環境問題
・温暖化による影響
・地球温暖化の原因と対策
・オゾン層破壊・大気汚染
・生物多様性の保全

農業の環境への負荷
・農業が環境に及ぼす負の影響と対策

農業が守る自然環境
・里地里山の保全
・農業・農村を取りまく生き物
・【コラム】環境にやさしい生活

3.食の基礎分野
食生活と健康
・健康に良い食習慣
・日本型食生活(和食)の長所
・栄養素の種類と働き
・食事バランスガイド
・6つの基礎食品群
・保健機能食品と食品添加物
・年齢によって変わる食事摂取量
・主食(米飯)が持つ大切な価値

日本の伝統的食生活
・四季の行事食
・旬の食材
・各地の郷土料理
・世界に誇れる発酵食品

食の表示と安全
・食品表示の見方一生鮮食品
・食品表示の見方一加工食品
・食品の安全に関する制度

日本人と食の実態
・膨大な食品ロス(食品廃棄物)

調理の基本
・食品の調理と加工
・食材ごとの調理基礎

食品調理・加工と保存
・食中毒予防
・食品の保存法
・【コラム】もちの形と全国のお雑煮

4.栽培分野(1)
植物の成長
・種子のつくりと働き
・発芽の環境条件
・光合成作用と呼吸作用
・気孔と蒸散作用
・花芽分化と発達
・開花・受粉・結実

栽培環境の管理
・気候の利用と気象災害の防止
・気象の人工的調節
・おもな病害と防除の基本
・おもな害虫と防除の基本
・安全(効果的)な農薬の利用
・環境保全型の総合防除
・作物が育ちやすい土壌(物理性)
・作物が育ちやすい土壌(化学性)
・作物の生育と肥料
・化学肥料の種類と特徴
・有機質肥料の種類と特徴
・堆肥の種類と特徴

栽培作業の基礎
・連作障害と輪作の基本
・土壌の管理作業
・直まき栽培と生育管理
・移植栽培と育苗管理
・移植栽培と栽培管理
・移植栽培と栽培管理
・【コラム】野菜の種類とその分類

5.栽培分野
(2)おもな作物の栽培例
イネ[穀類] サツマイモ[イモ類] ジャガイモ[イモ類] ダイコン[根菜類] ニンジン[根菜類] ネギ[葉菜類] ハクサイ[葉菜類] ブロッコリー[葉菜類] ホウレンソウ[葉菜類] カボチャ[果菜類] キュウリ[果菜類] スイカ[果菜類] スイートコーン[果菜類] トマト[果菜類] ナス[果菜類] ピーマン[果菜類]

日本農業検定事務局 (編集)
出版社: 全国農協観光協会; 新版 (2020/4/23)、出典:出版社HP