サプリメント健康事典




はじめに

近年、世界はますますグローバル化し、貿易の自由化が進んで、さまざまな地域の産物が輸入されるようになると、私たちが口にする食品には、これまで以上に「見えない」リスクが生じるようになります。それとともに、安全で安心な食品への意識は、ますます高まるでしょう。

しかし、実際に安全の保証はどこにあるのか、誰が認めているのか、その情報は確かなのか、など、「安全・安心」の根拠はわかりにくく、容易に判断できないことが多いのも事実です。「リスクに関するあらゆる情報や意見を交換することを「リスクコミュニケーション」といいますが、何がリスクで、どう防げばよいか、という情報を共有し、学びあうことは、今後、とても大切になるでしょう。

そして、私たちはいつも信頼できる情報、活用できる情報を求めています。とりわけ「健康」に関わることは、老若男女に共通する関心事です。個人が、よりよい人生を生きるために、「健康」は大切な要素だからです。また、高齢化する日本の、持続可能な社会をつくるためにも、一人ひとりのセルフケア、セルフメディケーションは重要なテーマです。

本書は、こうしたテーマをサポートするものの一つに、食品のもつ機能性があり、その機能性を活かした健康食品やサプリメントがあると考え、それらの情報を中立的な視点で収集し、まとめたものです。「健康」は他人まかせにはできません。自分の体を自分で守るという自己責任の意識が必要です。そのためには、「CMでよく見るから」、「友だちがいいと言うから」、「流行っているから」といった根拠のない判断をせず、より高い情報リテラシーを身につけることを目指したいものです。

確かに、氾濫する情報の中から、信頼に足るものを見出すのは容易ではないかもしれません。しかし、情報には必ず目的があります。誰が、何を目的に出している情報なのかをよく考えて、俯瞰的に見る目を養いましょう。そうした個人の適正な「判断能力」と「購入行為」が、よい商品、よい企業、よい市場をつくり出すのではないでしょうか。

2015年2月 一般社団法人日本サプリメント協会理事長
後藤典子

一般社団法人 日本サプリメント協会 (著), NPO日本抗加齢協会 (監修)
出版社: 集英社 (2015/12/4)、出典:出版社HP

CONTENTS

はじめに

第1章 サプリメントの基礎知識
社会の変化とサプリメント
1 健康でいることが社会貢献になる
2 米国の法整備の神髄は「健康教育」にある
3 日本の情報リテラシーを育てるために
4 サプリメントは本当に必要か?
5 効くサプリメントの条件

体と栄養の基礎知識
1 体は、食べ物でできている
2 体は、毎日少しずつつくり直される。
3 命を守っている5大栄養素
4 3大栄養素の相互関係
5 食の三次機能を活かした「機能性食品」
6 食べ物でとらなければならない必須栄養素
7 栄養素の過不足を、食事摂取基準で見る
8 たんぱく質とはどんな栄養素か?
9 動物性たんぱく質か、「植物性たんぱく質か:
10 ブドウ糖と血糖と脳の関係
11 食物繊維=難消化性多糖類の重要な働き
12 脂質は、脂肪酸によって働きや栄養価が異なる。
13 脂肪酸の種類と病気との密接な関係
14 ビタミンの潜在的欠乏症が増えている。
15 ミネラルの4つの働き
16 生命の最小単位「元素」から「臓器」まで
17 8兆個の細胞の命に支えられる健康
18 傷ついた細胞を毎日、修復しているもの
19 細胞の生命力こそが自然治癒力になる。

薬の飲み合わせ・食品との食べ合わせ
1 サプリメントと薬を併用している人は多い
2 医療品に近づくサプリメント成分
3 吸収・代謝・作用の過程で起こる相互作用
4 薬とサプリメントの併用がよい結果をもたらすこともある
表 食品・サプリメントと薬の相互作用

第2章 気になる悩み別、サプリメントの選び方
頭痛でつらい
もの忘れが多い
ストレスを感じる
眠れない
薄毛・脱毛・白髪
目が疲れる
口内炎ができやすい
歯周病が心配
花粉症がつらい
アトピー性皮膚炎
シワ、シミが気になる
肌があれやすい
風邪をひきやすい
疲れやすい
肩がこる
貧血気味
冷えやすい
老けて見られる
胸やけ、胃もたれしやすい
胃が痛む
下痢しやすい
便秘しやすい
関節痛がつらい
腰痛がつらい
神経痛がつらい
月経痛、月経不順、PMSが気になる。
更年期の不調が気になる
むくみやすい
トイレが近い
精力減退
たばこがやめられない
飲酒量が多い
激しい運動で消耗する
太っている
動脈硬化が心配
血圧が高め
血糖値が高め
コレステロール値、中性脂肪値が高め
肝機能が心配
がんが心配
骨粗しょう症が心配

一般社団法人 日本サプリメント協会 (著), NPO日本抗加齢協会 (監修)
出版社: 集英社 (2015/12/4)、出典:出版社HP

第3章 サプリメントの成分と食品
サプリメント・ツリー
ベース・サプリメント
亜鉛
アスタキサンチン
アセチル-L-カルニチン
アミノ酸
アラキドン酸
a-リノレン酸
a-リポ酸
アントシアニン
イソフラボン
イヌリン
イノシトール
EPA
n13系不飽和脂肪酸
エリスリトール
オクタコサノール
オリゴ糖
オルニチン
核酸
カテキン
カプサイシン・カプシエイト
カルシウム
カルニチン
Y-リノレン酸
キシリトール
キチン・キトサン
ギャバ
共役リノール酸
クエン酸
グリシン
グルコサミン
グルコマンナン
クレアチン
クロム
ケルセチン
コエンザイムQ10
コラーゲン
コンドロイチン硫酸
システイン
シトルリン
食物繊維
スルフォラファン
セレン
中鎖脂肪酸

DHA
ナイアシン
乳酸菌
パントテン酸
ヒアルロン酸
ビオチン
ビタミンA
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB6
ビタミンB12
ビタミンC
ビタミンD
ビタミンE
ビタミンK
フェルラ酸
フコイダン
プロテイン
β-クリプトキサンチン
ベクチン
ペプチド類
ホスファチジルセリン
マグネシウムミネラル
メチルスルフォニルメタン
葉酸
ヨウ素、ヨード
ラクトトリペプチド
ラクトフェリン
リコピン
ルテイン
シチン
レスベラトロール
ファイトケミカルの大分類表・解説
表 第7の栄養素/ファイトケミカルの大分類表

ヘルス・サプリメント
アガベ
アサイヤシ
アセロラ
大麦若葉
オリーブ
カシス
クランベリー
グレープシード
黒酢
クロレラ
グァバー
ケール
コーヒー
ごま
サジー
しいたけ
シジミ
しょうが
プルーン
そば
チア、チアシード
豆鼓エキス
納豆
にんにく
はと麦
ビール酵母
ビルベリー
ブルーベリー
ラズベリー
食用油脂の機能性・解説
表 食用油脂の機能性
表 食用油脂/脂肪酸組成

オプショナル・サプリメント
アガリクス
アロエ
イチョウ
いんげん豆抽出物
ウコン
エキナセア
エゾウコギ
オオアザミ
オリーブ葉
カイアポイモ
カモミール
ガルシニア・カンボジア
カンカ
カンゾウ
キノコ類由来多糖類
ギムネマ・シルベスタ
キャッツクロー
クマザサ
桑の葉
ケイヒ
コレウス・フォルスコリ
サラシア
植物ステロール
セント・ジョーンズ・ワート
センナ
チェストツリー
朝鮮人参
冬虫夏草
杜仲
ノコギリヤシ
ノニ
バレリアン
フィーバーフュー
プラセンター
プロテオグリカン
プロポリス
紅麴
マカ
松樹皮抽出物
ミドリムシ
メグスリノキ
メラトニン
ルイボス
ルンブルクスルベルス
レッドクローバー
ローズヒップ
ローヤルゼリー

監修者紹介

第4章 食品表示法改正と商品紹介
食品の機能性表示
商品の信頼のキーワードは、「企業責任」

《巻末付録》
表 主な症状と関与成分の一覧表
索引

一般社団法人 日本サプリメント協会 (著), NPO日本抗加齢協会 (監修)
出版社: 集英社 (2015/12/4)、出典:出版社HP