最新珠算能力検定問題集 1級編




まえがき

この問題集は,基準問題を徹底的に分析することによって、珠算能力検定試験実施細則等の完全準拠を果たすとともに,基礎的な教材を精選・分類して指導の便を図りました。また,珠算学習の要点と受験の心構えを巻末に示し,日常の学習と受験とのいずれについても万全を期することができるように編集しました。

編集にあたっては,問題の作成・校正などについて細心の注意をはらって完璧を期しましたが、なお,いっそう充実したものにしていきたいと考えております。また、暗算の必要性を考え,後半に暗算問題を収録してありますので是非ご利用ください。

編者

珠算教育研究会 (著)
出版社: 暁出版 (2014/11/25)、出典:出版社HP

 

目次

省略算
練習問題(第1回~第15回)
暗算問題(第1回~第5回)
解答
勉強の心構え

珠算能力検定試験1級
程度および内容・合格基準

1. 程度および内容
A みとり算
10けたの円名数の加算又は加減算10題(1題10口,1題の総字数100字)
B かけ算
法・実合わせて11けたのもの20題(無名数のもの10題、円名数のもの10題で、小数第3位未満・円位未満四捨五入)
C わり算
法・商合わせて10けたのもの20題(無名数のもの10題,円名数のもの10題で、小数第3位未満・円位未満四捨五入)
※制限時間はA・B・C合わせて30分

2. 合格基準300点満点で、240点以上
※みとり算(100点)、かけ算(100点)、わり算(100点)の総合得点で審査

珠算教育研究会 (著)
出版社: 暁出版 (2014/11/25)、出典:出版社HP

 

省略算

ある位まで求めればよいという場合,不必要な計算を省略して行う方法を省略算といいます。1級の乗・除算では,この方法で計算すると手数が少なくてすむ問題があります。よく理解すると,他の計算の場合も能率よくできることと思います。

1. 加算
10口以下の場合は,求める位より1けた多く計算して,端数を切り捨てます。ただし,ある位未満の端数を四捨五入するときは,さらに1けた多く計算して、端数を四捨五入すればよろしい。

例1 下記の加算で,それぞれ示された位まで求めよ。

¥8,973,407,521 ア 千万円
3,857,624,190 ¥57,638,000,000…¥57,630,000,000

1,605,289,457 イ 百万円
5,318,025,864 ¥57,641,800,000…¥57,641,000,000

7,462,913,048 ウ 十万円
2,650,349,716 ¥57,642,150,000…¥57,642,100,000

4,329,170,873 エ 万円
6,841,536,209 ¥57,642,201,000…¥57,642,200,000

9,014,782,6357 オ 千円
7,589,106,392 ¥57,642,205,400…¥57,642,205,000

例2 例1の計算で,それぞれ示された位未満を四捨五入せよ。
ア 千万円 ¥57,641,800,000…¥57,640,000,000
イ 百万円 ¥57,642,150,000…¥57,642,000,000
ウ 十万円 ¥57,642,201,000…¥57,642,200,000
[注] 例1の計算で、全部を正しく求めると¥57,642,205,905になります。

2. 乗算
乗算では、加算の例2のようにして計算すればよろしい。

例 0.569317×0.04163=0.02370066671
筆算で全部を計算すると,次のようになります。

上の例を、1級の条件(小数第3位未満四捨五入)で省略算を利用して珠算で計算すると,次のようになります。
①そろばんに,実 0.569317をおきます。
②つぎに、位取りを行い、不要のf gけたの17をはらいます。
③3・4…1(2)
④9・4…36、9・1…(9)
⑤6・4…24、6・1…6、6・6…3(6)
⑥5・4…20、5・1…5、5・6…30、5・3…1(5)
⑦求める位より2けた多く計算したのであるから、その首位を四捨五入して,0.024を答えとすればよい。
[注]( )の中の数字は、九九の積のうち省略する数を示す。
○…定位基点 △…求める位(小数第3位)
▲…積の一の位 ◬…求める位より2けた多い位

3.減算
減数が10口以下の場合は,加算の場合と同様,求める位より1けた多く計算して、端数を切り捨てる。ただし,ある位未満を四捨五入するときは,さらに1けた多く計算して、端数を四捨五入すればよろしい。

例1 下記の減算で,それぞれ示された位まで求めよ。
¥68,973,407,521 ア 千万円
-3,857,624,190 ¥11,072,000,000…¥11,070,000,000
-1,605,289,457 イ 百万円
-5,318,025,864 ¥11,069,000,000…¥11,069,000,000
-7,462,913,048 ウ 十万円
-2,650,349,716 ¥11,068,600,000…¥11,068,600,000
-4,329,170,873 エ 万円
-6,841,536,209 ¥11,068,562,000…¥11,068,560,000
-9,014,782,635 オ 千円
-7,589,106,392 ¥11,068,558,200…¥11,068,558,000
-9,236,051,487

例2 例1の計算で、それぞれ示された位未満を四捨五入せよ。
ア 千万円 ¥11,069,000,000…¥11,070,000,000
イ 百万円 ¥11,068,600,000…¥11,069,000,000
ウ 十万円 ¥11,068,562,000…¥11,068,600,000
[注] 例1の計算で、全部を正しく求めると¥11,068,557,650になります。

4. 除算
除算では,商をおくことを考えにいれて,例2の場合よりさらに1けた多くとって計算すればよろしい。

例 0.1045796328÷0.743956
筆算で計算すると,次のようになります。

上の例を,1級の条件で省略算を利用して珠算で計算すると,次のようになります。
①そろばんに,実0.1045796328をおきます。
②つぎに,位取りを行います。
③不要のh i j k 1けたの96328をはらいます。商と法とをかけた積は、gけたまでひけばよろしい。
④商1をbけたにおき、法7,4,3,9とかけてひく。
⑤商4をcけたにおき、4・7…28、4・4…16、4・3…12、4・9…3(6)とひく。
⑥商5をeけたにおき、5・7…35、5・4…20とひく。
⑦次の商は5以上とわかるから,計算をここまでで打ち切って,答えを0.141とすればよろしい。

練習1
〔注〕 小数第3位未満四捨五入

No.
1 0.507386×95.418=
2 0.382615×0.02534=
3 0.06134×0.973286=
4 7.0691×0.459273=
5 0.876052×0.07263=
6 324,019.0865÷50,746=
7 0.2012636948÷0.09372=
8 2,436.6668504÷251.64=
9 0.1307028495÷0.06327=
10 0.1544551279÷0.03629=

 

練習2
〔注〕円位未満四捨五入

No.
1 ¥56,193×0.819237=
2 ¥395,017×0.07653=
3 ¥84,276×0.153892=
4 ¥716,089×0.06574=
5 ¥40,963×0.371468=
6 ¥166,756÷0.24576=
7 ¥258,334÷0.36802=
8 ¥34,526÷0.07195=
9 ¥50,649÷0.09482=
10 ¥749,013÷0.81569=

 

珠算教育研究会 (著)
出版社: 暁出版 (2014/11/25)、出典:出版社HP