最新珠算能力検定問題集 2級編




まえがき

この問題集は,基準問題を徹底的に分析することによって、珠算能力検定試験実施細則等の完全準拠を果たすとともに,基礎的な教材を精選・分類して指導の便を図りました。また,珠算学習の要点と受験の心構えを巻末に示し、日常の学習と受験とのいずれについても万全を期することができるように編集しました。

編集にあたっては,問題の作成・校正などについて,細心の注意をはらって完璧を期しましたが,なお,いっそう充実したものにしていきたいと考えております。また、暗算の必要性を考え,後半に暗算問題を収録してありますので是非ご利用ください。

編者

珠算教育研究会 (著)
出版社: 暁出版 (2014/12/20)、出典:出版社HP

 

目次

補数と簡便算
練習問題(第1回~第15回)
暗算問題(第1回~第5回)
解答
勉強の心構え

珠算能力検定試験2級
程度および内容・合格基準

1. 程度および内容
A みとり算
8けたの円名数の加算又は加減算10題(1題10口,1題の総字数80字)
B かけ算
法・実合わせて9けたのもの20題(無名数のもの10題,円名数のもの10題で、小数第3位未満・円位未満四捨五入)
C わり算
法・商合わせて8けたのもの20題(無名数のもの10題,円名数のもの10題で、小数第3位未満・円位未満四捨五入)
※制限時間はA・B・C合わせて30分

2. 合格基準
300点満点で,240点以上
※みとり算(100点)、かけ算(100点)、わり算(100点)の総合得点で審査

珠算教育研究会 (著)
出版社: 暁出版 (2014/12/20)、出典:出版社HP

 

補数と簡便算

1. 補数
ある数を,それより1けた大きい1にするには,どれだけたせばよいかという数を,一般に補数といいます。

(1) 補数の読みかた
例1 1,907の補数はいくらか。
答 8,093

例2 32,080の補数はいくらか。
答 67,920

(2) 加減補数計算
2級の見取算問題には,No.6~No.10のうち1題,答が補数になる問題があります。答を書く場合に,-の符号を忘れたり、そろばん面の数をそのまま書いたりしないように注意しましょう。
例1
¥218-¥987=-¥769
¥346-¥456=-¥110

練習1

No. 1 2 3 4 5
1 ¥106 ¥217 ¥462 ¥341 ¥136
2 237 309 175 432 824
3 314 431 604 -126 -598
4 206 -528 -791 -509 -172
5 -987 -869 -943 -758 -681

答の合計 -¥2,168

例2
¥128-¥793+¥541=-¥124

練習2

No. 1 2 3 4 5
1 ¥104 ¥530 ¥491 ¥968 ¥612
2 362 745 286 -401 -593
3 -975 -693 -307 -215 438
4 -148 -876 -729 -873 -907
5 293 124 164 392 216

答の合計 -¥992

例3 ¥421-¥865+¥793=¥349

練習3

No. 1 2 3 4 5
1 ¥247 ¥158 ¥371 ¥406 ¥583
2 -608 564 -247 -632 -790
3 -451 -937 -502 714 628
4 723 -295 849 -385 179
5 916 870 165 859 456

答の合計 ¥3,841

例4 ¥146-¥297+¥465-¥839=-¥525

練習4

No. 1 2 3 4 5
1 ¥206 ¥421 ¥194 ¥314 ¥521
2 -341 -685 -307 128 -602
3 584 803 285 -597 186
4 -729 -947 521 409 349
5 138 296 -763 -836 -754

答の合計 -¥1,206

例5 ¥245-¥617-¥983=-¥1,355

練習5

No. 1 2 3 4 5
1 ¥172 ¥284 ¥301 ¥216 ¥123
2 405 512 -623 -847 258
3 -238 -965 -510 -652 -460
4 -960 -493 -842 -739 -791
5 -613 -807 -975 -104 -845

答の合計 -¥9,193

2.簡便算
法の首位が1や9の場合に,計算の手数を少なくして,簡便に処理する方法を,一般に,簡便算といいます。簡便算のうち,加乗法,減乗法,減除法,加除法といわれている方法について,学習しましょう。

(1) 加乗法
乗算で法の首位が1の場合,その1をかける計算を省略して行う方法です。
例1 324×12=3,888

①法の首位1は省略して問題をおきます。法の首位の1(10)倍を省略しますから、実の一位cけたから1けた右に移った,dけたを一位とします。
②省略した法の首位1と実4とのかけ算はすでに終わったものと考えて,実4のけたを九九の十位として,4・2…8をdけたに加えます。
③同様に考えて,実2のけたを九九の十位として,2・2…4をcけたに加えます。
④同様に,実3のけたを九九の十位として,3・2…6をbけたに加えればよろしい。

例2 2,340×1.02=2,386.8
①例1と同様に,法の首位1は省略して,問題をおきます。法の首位の1倍を省略しますから,実の一位が,そのまま積の一位となります。
②省略した法の首位1と実4とのかけ算はすでに終わったものと考えて,実4と法02をかけて,4・2…8をeけたに加えます。
③同様に考えて,実3と法0 2をかけて,cけたを九九の十位として,3・2…6をdけたに加えます。
④同様に,実2と法0 2をかけて,bけたを九九の十位として,2・2…4をcけたに加えればよろしい。

加乗法による計算は,例2のように法が1.02 1.003…のような場合に能率よくできます。したがって,加乗法以外は,利用するのに便利な場合についてのみ説明します。

(2) 減除法
除算で法の首位が1の場合,その1でわる計算を省略して行う方法です

例 2,386.8÷1.02=2,340
①法の首位1は省略して問題をおきます。1でわることを省略しますから、実の一位が,そのまま商の一位となります。
②法の首位1でわることを省略したのですから、実の首位2を商と仮定して、法の首位1とかけてひくのは終わったものと考えて、法0 2をかけて、2・2…4をcけたからひきます。
③同様に考えて、残りの実の首位3を商と仮定し,法0 2とかけて,cけたを九九の十位として,3・2…6をdけたからひきます。
④同様に,残りの実の首位4を商と仮定して,法の0 2とかけて,dけたを九九の十位として,4・2…8をeけたからひけばよろしい。

(3) 減乗法
乗算で法の首位が9の場合,法の補数と実とをかけて,実からひく方法です。

例 327×0.98=320.46
①法は0.98の補数0.02として,問題をおきます。実はすでに1倍されたものとして、実の0.02倍をひけばよろしい。
②実の7と法の.02をかけて,dけたを九九の十位として,d・eけたから7・2…14をひきます。
③つぎに,実の2と法の.02をかけて、cけたを九九の十位として,dけたから2・2…4をひきます。
④同様に,実の3と法の.02をかけて,bけたを九九の十位として,cけたから3・2…6をひけばよろしい。

(4) 加除法
除算で法の首位が9の場合,法の補数と仮定した商との積を加えていく方法です。

例 229.32÷0.98 = 234
①法は0.98の補数0.02として,問題をおきます。実はすでに1でわったものとして,確商の0.02倍をたせばよろしい。
②実の首位2を商と仮定して,法の.02とかけ,bけたを九九の十位として,2・2…4をcけたにたします。
③つぎに残りの実の首位3を商と仮定して,法の.02とかけて,cけたを九九の十位として、3・2…6をdけたにたします。
④つぎは、残りの実の首位3より1大きく4を商と仮定し,法の.02とかけて、dけたを九九の十位として,4・2…8をeけたにたせばよろしい。

珠算教育研究会 (著)
出版社: 暁出版 (2014/12/20)、出典:出版社HP