下水道管理技術認定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




下水道管理技術認定試験の公式テキスト

公式テキストはありませんが、ホームページでは研修制度の概要等を確認できます。
下水道管理技術認定試験公式HP

目次 – 下水道管理技術認定試験 管路施設 標準テキスト

はしがき

本書は,「下水道管理技術認定試験(管路施設)」の資格取得を目指す方々を対象として著したものである.本認定試験は,下水道分野のうち「管路施設」の維持管理の資格の登竜門として昭和62年に第1回が実施され,平成30年度で計32回を数えるに至っている。

我が国の下水道の管きょストックは総延長で約47万kmに達している.下水道管きょの標準的な耐用年数は50年とされているが,これを超過している管きょ延長は約1万kmで,全体の2%強となっている。加えて,布設後30年以上経過した管きょの延長も約8万kmに達し,計9万km(全体の約20%)が長期間使用による施設の老朽化に直面している。

特に,老朽管路の破損などによる道路陥没事故は,古くから管きょの整備を開始した大都市を中心に,毎年3,000~4,000件も発生しており深刻な問題となっている。さて,本書の構成および特徴は,次のとおりである。

1出題される内容を項目ごとに要点をまとめ解説
2各項目の重要度を☆で明示
3各項目のポイントを「ここでのポイント」として掲載
4練習問題は,最新平成30年度および直近問題に解説を掲載
5練習問題には「ここに注目」を掲載
6各章の各項目の終わりには、知識の再確認や試験直前対策として重要項目を厳選した「確認リスト」を掲載

なお,問題演習の際には,過去問題が出題分野別に分類され出題傾向が一目でわかり、さらに各選択肢に対して詳しい解説が付いている拙著『下水道管理技術認定試験管路施設攻略問題集』(オーム社)をお勧めする。

管路技術者は、個別の施設・設備について,いつ,どの時点で,調査・点検,更新,長寿命化,修繕などの措置を講ずることがベストなのかを、現状の把握と将来の予測を通して常に検討していかなければならない。老朽化施設今後とも増大する一方である。ライフサイクルコスト(LCC)の縮減化と増する下水道ストックというトレードオフの課題に対し、管路技術者に求めらる役割は、極めて重い。

最後に、本書を活用して1人でも多くの合格者が誕生し,日進月歩の下水術に精通したプロフェッショナルエンジニアとして活躍されんことを期待する。もとより浅学非才ゆえ,誤っている箇所があるかと考える、忌憚のない批判をいただけたら幸いである。

2019年3月
著者しるす

関根 康生 (著)
出版社: オーム社 (2019/4/13)、出典:出版社HP

目次

第1章 工場排水

1.1下水処理
1.1.1水処理施設の概要
1.1.2好気性生物処理の種類
1.1.3反応タンクの特徴
1.1.4各種活性汚泥法のフロー
1.1.5下水中の窒素の分類

1.2水質汚濁防止法と特定施設

1.3事業場排水が下水道に与える影響
1.3.1各水質項目が下水道施設に与える影響.
1.3.2油類,浮遊物質,溶解性有機物の流入とその影響

1.4特定事業場の業種と処理対象水質項目
1.4.1製造業と汚濁物質
1.4.2有害物質と発生源
1.4.3主な業種と水質項目

1.5除害施設と事業場排水の処理
1.5.1除害施設における主な処理方法
1.5.2事業場内における排水処理方法

1.6下水道施設の一時使用と水処理
1.6.1一時使用の申請
1.6.2一時使用に伴う措置

1.7汚泥の処理および有効利用
1.7.1汚泥濃縮
1.7.2汚泥消化
1.7.3汚泥脱水
1.7.4汚泥利用

第2章 維持管理

2.1管きょの計画下水量
2.1.1計画下水量
2.1.2計画汚水量
2.1.3計画雨水量

2.2計画下水量に対する余裕
2.2.1流量差の原因
2.2.2汚水管きょの余裕
2.2.3雨水管きょおよび合流管きょ

2.3水理特性曲線と流量計算
2.3.1流量の計算
2.3.2粗度係数
2.3.3水理特性曲線

2.4管きょの接合方法
2.4.1管きょの接合
2.4.2管きょの接合方法
2.4.3地表こう配が急な場合の接合
2.4.4合流する場合の接合

2.5管きょの流速・こう配
2.5.1汚水管きょの流速
2.5.2雨水管きょおよび合流管きょの流速

2.6管きょの断面形
2.6.1管きょの断面形の特徴
2.6.2断面形の利点と欠点
2.6.3管きょの最小管径

2.7管きょの種類と特徴.
2.7.1管きょの種類
2.7.2管きょの特徴

2.8管きょの埋設位置・深さと最小土かぶり
2.8.1施設の管理者との協議
2.8.2最小土かぶり

2.9管きょの基礎
2.9.1剛性管きょの基礎
2.9.2可とう性管きょの基礎

2.10管きょの設計縦断面図
2.10.1設計縦断面図の内容
2.10.2設計縦断面図の数値の取扱い

2.11マンホール
2.11.1マンホールの配置
2.11.2マンホールの種類,形状,構造など
2.11.3小型マンホールの種類,形状,構造など
2.11.4マンホールの点検および調査
2.11.5マンホールの清掃および修繕
2.11.6マンホールふたの飛散の原因と対策
2.11.7マンホール形式ポンプ場

2.12伏越し
2.12.伏越しの構造
2.12.2伏越しの点検
2.12.3伏越しの清掃

2.13ますおよび取付け管
2.13.1ますの位置,配置および構造
2.13.2取付け管の管種および配置
2.13.3ますおよび取付け管の点検と清掃

2.14排水設備
2.14.1排水設備の種類
2.14.2排水管
2.14.3宅地ます
2.14.4付帯設備

2.15雨水調整池
2.15.1雨水流出抑制施設
2.15.2合流改善と雨水滞水池

2.16雨水吐き室
2.16.1雨水吐き室の位置
2.16.2雨水越流量
2.16.3越流ぜき
2.16.4雨水吐き室の出入口
2.16.5汚水流出管きょおよび放流管きょ

2.17管路施設の保護および防護
2.17.1近隣工事の把握
2.17.2施設の防護
2.17.3復旧工事

2.18管路施設の点検および開。
2.18.1維持管理の目的
2.18.2計画的維持管理
2.18.3点検
2.18.4調査
2.18.5点検・調査結果の判定および診断

2.19管路施設の清掃
2.19.1清掃の分類
2.19.2清掃方法

2.20高圧洗浄車・吸引車清掃など
2.20.1清掃方法の適用範囲
2.20.2高圧洗浄車清掃
2.20.3吸引車清掃
2.20.4バケットマシン清掃

2.21発生土砂の処分
2.21.1処分に伴う法の適用
2.21.2発生廃棄物の扱い

2.22浸入水調査
2.22.1管路施設の機能的な異常について
2.22.2水密性調査

2.23誤接合調査
2.23.1誤接合の試験方法
2.23.2送煙試験
2.23.3音響試験
2.23.4染料試験

2.24テレビカメラ調査
2.24.1簡易テレビカメラによる調査
2.24.2テレビカメラによる調査

2.25管きょの改築・修繕
2.25.1修繕と改築の違い
2.25.2修繕工法の種類
2.25.3改築工法の種類
2.25.4布設替工法

2.26更生工法
2.26.1更生工法の種類
2.26.2更生工法の特徴
2.26.3反転工法
2.26.4形成工法
2.26.5製管工法
2.26.6さや管工法

2.27管きょの腐食
2.27.1腐食の原因
2.27.2硫化水素による腐食のメカニズム
2.27.3硫化水素による腐食の防止対策

2.28悪臭防止
2.28.1臭気発生源
2.28.2悪臭防除方式

2.29騒音および振動対策
2.29.1騒音・振動の特徴
2.29.2発生源
2.29.3騒音および振動の防止策

関根 康生 (著)
出版社: オーム社 (2019/4/13)、出典:出版社HP

第3章 安全管理

3.1管路施設における労働安全衛生対策
3.1.1道路交通対策
3.1.2流水対策
3.1.3墜落などについて
3.1.4堀削時の注意
3.1.5衛生対策

3.2管路施設にかかわる事故
3.2.1浸水が原因となる事故
3.2.2道路陥没が原因となる事故
3.2.3マンホールふたの飛散が原因となる事故

3.3下水道施設とガスの発生
3.3.1下水道施設で発生するガスの性状
3.3.2可燃性ガスについて。
3.3.3爆発性物質について

3.4酸素欠乏危険作業
3.4.1酸素欠乏症
3.4.2酸素欠乏危険作業と作業主任者
3.4.3酸欠危険個所におけるガス測定

3.5安全器具および保護具…
3.5.1呼吸用保護具
3.5.2その他の保護具
3.5.3ガス検知器具

3.6救急措置
3.6.1救急措置の心得
3.6.2傷の手当について
3.6.3止血法について
3.6.4電気傷の手当について
3.6.5ガス中毒の手当について
3.6.6人工呼吸について

第4章 法規

4.1下水道法の目的
4.1.1下水道法第1条
4.1.2下水道法第1条の解説
4.1.3下水道法の目的

4.2下水道法に定める用語の定義
4.2.1下水道法第2条に示す8項目
4.2.2用語の定義の解説

4.3下水道管理者に関する事項
4.3.1除害施設の設置等
4.3.2排水設備等の検査
4.3.3兼用工作物の工事
4.3.4公共下水道管理者以外の者の行う工事等
4.3.5兼用工作物の費用
4.3.6損傷負担金
4.3.7工事負担金
4.3.8使用料
4.3.9放流水の水質検査等
4.3.10発生汚泥等の処理
4.3.11設計者等の資格

4.4排水設備の設置及び構造の技術上の基準
4.4.1排水設備の設置等
4.4.2排水設備の設置及び構造の技術上の基準(下水道法施行令第8条)

4.5公共下水道に設ける施設又は工作物その他の物件に関する技術上の基準
4.5.1下水道法第24条
4.5.2行為の制限の要約
4.5.3工作物その他の物件に関する技術上の基準

4.6水洗便所への改造義務
4.6.1水洗便所への改造義務等(下水道法第11条の3)
4.6.2下水道法第11条の3の解説.

4.7下水道の管理
4.7.1下水道法第3条
4.7.2下水道法第3条の解説

4.8他人の土地の立入又は一時使用
4.8.1他人の土地の立入又は一時使用(下水道法第32条)
4.8.2下水道法第32条の解説

4.9供用開始の公示等
4.9.1供用の開始,処理の開始
4.9.2下水道法第9条の解説

4.10特定施設の設置等の届出
4.10.1特定施設の設置等の届出
4,10.2特定施設に係る各種届出について

4.11下水道台帳
4.11.1下水道台帳(下水道法第23条)
4.112台帳の種別と内訳
4.11.3台帳の内容
4.11.4補完図書
4.11.5閲覧
4.11.6利用用途

4.12事故時の措置
4.12.1下水道法第12条の9
4.12.2事故時に係る手続きと罰則
4.12.3事故時の措置の対象となる水質項目

4.13環境基本法
4.13.1環境基本法の目的(法第1条)
4.13.2用語の定義(法第2条)
4.13.3環境基準(法第16条)

4.14水質汚濁防止法
4.14.1水質汚濁防止法の目的(法第1条)
4.14.2用語の定義(法第2条)
4.14.3排水基準(法第3条)

4.15騒音規制法及び振動規制法
4.15.1騒音規制法及び振動規制法の目的
4.15.2特定建設作業の定義
4.15.3地域の指定
4.15.4特定施設の届出
4.15.5特定建設作業の実施の届出
4.15.6特定建設作業の内容
4.15.7改善勧告及び改善命令

4.16廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)
4.16.1廃掃法の目的(法第1条)
4.16.2用語の定義(法第2条)
4.16.3国,地方公共団体,事業者,国民の責務
4.16.4業の許可
4.16.5施設の許可
4.16.6産業廃棄物の処理の主体

4.17労働安全衛生法
4.17.1労働安全衛生法の目的(法第1条)
4.17.2安全衛生管理体制
4.17.3管理者等を選任すべき事業場と安全委員会等
4.17.4安全衛生教育と健康診断等

4.18道路交通法及び道路法
4.18.1道路交通法
4.18.2道路法

4.19建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編)
4.19.1要綱の目的
4.19.2作業場
4.19.3交通対策
4.19.4土留工
4.19.5排水の処理
4.19.6一般部の埋戻し方法

参考文献
索引

関根 康生 (著)
出版社: オーム社 (2019/4/13)、出典:出版社HP