スタンダード 二級建築士 2020年版




この本の特徴と使い方

年々難易度を増している建築十試験はもはや「よく出る」対束だけでは合格しません。本書は、過去の出題や新傾向の難問を吟味し、初歩から丁寧に解説しました。復習と整理、問題チェックがこの一冊でできる、建築士受験の王道をいく定番テキストです。

講義部(本文解説部)

各科よく出題されるテーマを厳選し、見開きで丁寧に解説しました。過去10年間の出題を網羅した重要事項が、基礎から学べるようあえてオーソドックスな教科書スタイルで講義することにこだわりました。各項目の冒頭では、「どらお」が試験での出題頻度、重要度を示しています。学習の進度に合わせて、頻出項目から取り組むのも一つの方法でしょう。また、特に気をつけたい項目の見出しには重要、注目のマークを示しています。

1太字とアンダーライン
太字は覚えてほしいキーワードを示し、アンダーラインはキーワードと関連する内容や重要な部分などを表しています。傍点は、注意が必要な用語などにつけられています。
(例)残響とは、音が壁・天井などに反射して、音源が停止した後も室内に音が残る現象。

2コラムの種類
出題パターン その項目の出題パターンの概要と学習のポイントなどをまとめました。
ミニ情報 試験対策、受験時の心構え、過去の傾向から分析した今後の出題情報などをアドバイス。

ひっかけ対策 試験にみられるひっかけ問題のポイントを分析。
覚えておこう 暗記すべき重要キーワードを簡潔に解説しました。
EXERCISE その項目で学んだ事項がチェックできる練習問題。決まったパターンで出題される直球問題、違ったパターンで出題される変化球問題を示しています。

3問題と解答
各ページの下部には、定番問題(左ページ)と解答(右ページ)とは不適当な語句を抜き出したり、適語を入れたり、一問一問取り組めるスタイルにしました

二級建築士試験「学科の試験」

問題
最新3年分の過去問を使いやすいように巻末につけました。模擬テストや、出題傾向の分析などにお役立てください。問題には、各年学科ごとに3回にわたる採点チェック欄を設けています。繰り返しトライし、実力UPに努めてください。各学科25問中、以下の点数が実力の目安です。

8問→まだまだ、顔を洗って出直そう
10問→もう一息、目標をもって前進あるのみ
13問→各学科の最低合格ライン、しかし、4学科ともこの点数ではだめ
16問→4学科合格ライン、この調子でがんばろう。
18問→合格圏内、あとは過去問以外の勉強を進めていこう

解答と解説
まず年度ごとの正解一覧を掲載し、それぞれの正解の理由や解法の手順を簡潔に解説しています。答え合わせや問題を見ながらの復習に便利なよう、切り取り線を入れ、用紙の色を変えましたので、この部分のみ切り取ってご利用いただけます。本書では、よく用いられる法令名等に以下のような省略表記を採用しています。

建築基準法→建基法(学科IIにおいては「法」)
都市計画法→都計法
勞働安全衛生法→劳衛法
建築士法→士法
建設業法→業法
宅地造成等規制法→宅造法
宅地建物取引業法→宅建業法
建築物の耐震改修の促進に関する法律→耐震改修促進法
高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律→ハートビル法
日本建築学会「建築工事標準仕様書」→JASS

各法の施行令、施行規則は、上記省略表記の「法」の字が「令」「則」になります。
(例)建築基準法第2条第二号
建基法2条二号(法2条二号)都市計画法施行令第25条→都計令25条

ページ組見本

建築資格試験研究会 (著, 編集)
学芸出版社; 2020年版 (2020/1/26)、出典:出版社HP

目次

はじめに
この本の特徴と使い方
二級建築士試験 受験ガイド
二級建築士試験 出題傾向

学科I 建築計画
1日本建築史
2西洋建築史
3近代・現代建築史
4環境工学用語・単位環境問題
5空気汚染
6温湿度
7換気・通風
8伝熱
9結露
10日照・日射・日影・採光
11音響・吸音・遮音・残響
12光・色彩
13專用住宅
14集合住宅・住宅地の計画
15商業建築・事務所建築
16公共建築1
17公共建築2
18各部の計画
19住宅生産
20設備用語
21空調設備
22冷暖房設備
23給水設備
24排水設備
25電気設備
26照明設備
27防災・消防設備
28省エネルギー設備
29搬送・ガス設備
受験の心得一の巻 建築士試験の出題傾向

学科Ⅱ 建築法規
30用語の定義
31面積・高さの算定
32確認申請
33建築手続き総合
34天井高・床高・階段等
35採光
36建築設備(換気・遮音等)
37構造計算
38構造強度
39耐火建築物等
40防火区画・間仕切壁等
41避難施設等
42内装制限
43道路・敷地
44用途制限
45建ぺい率
46容積率
47高さ制限
48日影規制
49防火・準防火地域
50実体規定総合 集団規定・団体規定
51建築士法
52関係法令総合
受験の心得二の巻 具体的な勉強のコツ

学科Ⅲ 建築構造
53用語と単位・断面の性質
54応力度・許容応力度
55力のモーメント・釣合・合成と分解
56反力
57静定梁
58静定ラーメン
59静定トラスの応力 節点法
60静定トラスの応力 切断法
61座屈・座屈長さ・座屈荷重
62荷重及外力
63地盤及基礎
64木構造
65補強コンクリートブロック造・壁式鉄筋コンクリート造
66鉄筋コンクリート構造
67鉄骨構造
68構造計画
69木材
70コンクリート 材料・強度
71コンクリート 調合
72鋼材・金属材料
73その他の各種材料
74建築材料 用途
75建築材料 全般
受験の心得三の巻 試験での留意点

学科Ⅳ 建築施工
76施工計画・工程管理
77材料管理・安全管理
78各種申請手続き・工事監理
79仮設工事
80地盤調査・地業・基礎工事
81鉄筋工事継手・定着
82鉄筋工事加工・組立て
83型枠工事
84コンクリート工事運搬・打込み
85コンクリート工事全般
86鉄骨工事
87補強コンクリートブロック工事
88木工事
89防水工事・屋根工事
90左官工事
91タイル工事
92塗装
93建具・ガラス工事
94内装工事・断熱工事
95設備工事
96各種工事・総合
97施工用語・施工機械器具
98積算
99測量
100工事請負契約・仕様書・設計図書

二級建築士試験「学科の試験」
【試験問題】
令和元年度
平成30年度
平成29年度

【解答と解説】
令和元年度
平成30年度
平成29年度

建築資格試験研究会 (著, 編集)
学芸出版社; 2020年版 (2020/1/26)、出典:出版社HP

二級建築士試験受験ガイド

二級建築士の資格とは

二級建築士とは、都道府県知事の免許を受け、設計、工事監理等の業務を行う資格を有する者のことである。建築十の種類により業務の範囲が決まっており、二級建築士が設計または工事監理ができる業務の範囲については、建染士法第3条に規定がある。「二級建築士」の名称を用いて仕事をするためには、建築士法第13条に基づきになされている二級建築士試験に合格し、免許登録をしなければならない。(二級建築士登録者数:771246人、平成31年4月1日現在)

資格取得までの流れについてだが、試験科目は、「学科の試験」4科目と「設計製図の試験」1科目であり、学科の試験合格者のみが、製図の試験を受験できる。ただし、学科試験に合格し製図試験に失敗した者は、翌年、翌々年に限り学科試験が免除される。「学科の試験」からの受験と「設計製図の試験」のみの受験では、申込み手続きが異なるので注意が必要である。

受験資格
二級建築士試験及び木造建築士試験の受験資格(建築士法第15条)

平成30年12月14日に公布された「建築士法の一部を改正する法律」により建築士法第4条、第14条及び第15条が改正され、建築士試験の受験資格の要件となっている実務経験が、原則として、建築士免許の登録要件に改められた。この改正は、令和2年3月1日から施行され、令和2年試験から適用される。改正後の二級建築士試験の受験資格は下記の通り。

1学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校若しくは中等教育学校、旧大子による大学、旧専門学校令による専門学校又は旧中等学校令による中等学校において、国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業した者(当該科目を修めて同法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)
2都道府県知事が前号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認める者。
3建築実務の経験を7年以上有する者。

実務経験要件

対象実務は、設計図書・施工図等の図書と密接に関わりをもちつつ、建築物全体を取りまとめる。建築関係法規の整合を確認する又は建築物を調査・評価するような業務で、下記がある。

1建築物の設計に関する実務
2建築物の工事監理に関する実務
3建築工事の指導監督に関する実務
4建築士事務所の業務として行う建築物に関する調査又は評価に関する実務
5工事の施工の技術上の管理に関する実務
6建築基準法第18条の3第1項に規定する確認審査等に関する実務
7消防長又は消防署長が建築基準法第93条第1項の規定によって同意を求められた場合に行う審査に関する実務
8建築行政に関する実務
9住宅行政に関する実務
10都市計画行政に関する実務
11建築教育に関する実務
12建築物に係る研究開発に関する実務
13大学院の課程におけるインターンシップ

なお、今回の見直しにより追加された実務を施行日(令和2年3月1日)前に行っていたとしても、実務経験としてカウントできない。施行日(令和2年3月1日)以後に行われた実務から実務経験年数にカウントされる。
※詳細は(公財)建築技術教育普及センターのホームページでご確認いただくか、問い合わせてください。

試験案内

例年4月に都道府県の建築士会で受験申込書が配布され、住所地の建築士会が指定する場所で受験が受付けられるとともに、インターネットでも受付けられる。現在「学科の試験」は7月上旬、「設計製図の試験」は9月中旬の日曜日に行われている。なお、試験案内は例年3月頃に発表されるので、受験に必要な書類を確認し、事前に必ず準備しておくこと。

合否の通知

「学科の試験」および「設計製図の試験」の受験者には、それぞれ、知事の行った合否判定が通知され(それぞれ9月初旬、12月初旬)、不合格者には試験の成績も併せて通知される。

試験問題の取扱い及び合格基準点等の公表

試験問題は、試験終了まで試験室に在室した受験者に限り、持ち帰りが認められる。また、「学科の試験」「設計製図の試験」とも、試験実施より約1週間後には、建築技術教育普及センター、都道府県建築士会事務所への掲示にて公表される。「学科の試験」では正答、配点、合格基準点が、「設計製図の試験」では採点のト、採点結果の区分、合格基準点が、上記掲示または、(公財)建築技術教育普及や、のホームページにて掲載される。

二級建築士試験結果データ

(1)過去5年間の受験者数・合格者数・合格率

平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年
受験者数 合格率 受験者数 合格率 受験者数 合格率 受験者数 合格率 受験者数 合格率
合格者数 合格者数 合格者数 合格者数 合格者数
学科 19940 30.10% 20057 42.30% 19649 36.60% 19557 37.70% 19389 42.00%
5996 8488 7197 7366 8143
製図 9456 54.00% 11159 53.10% 10837 53.20% 10920 54.90% 10884 46.30%
5103 5920 5763 5997 5037
総合 23680 21.50% 23333 25% 23735 24.30% 23533 25.50% 22715 22.20%
5103 5920 5763 5997 5037

(2)設計製図の試験の課題

平成27年3階に住宅のある貸店舗(乳幼児用雑貨店)〈鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建〉
平成28年景勝地に建つ土間スペースのある週末住宅(木造2階建て)
平成29年家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅(木造2階建て)
平成30年地域住民が交流できるカフェを併設する二世帯住宅(鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建て
令和元年夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅(木造2階建て)

問合わせ先

受験に関する情報は変更されることがあるので、問合わせは、以下の(有)建築技術教育普及センターの本部または、支部へ。最新情報は、同センターのホームページでご確認いただけます。
http://www.jaeic.jp/

本部
102-0094東京都千代田区紀尾井町3-6紀尾井町パークビル03-6261-3310

北海道支部
060-0042札幌市中央区大通西5-11大五ビル011-221-3150

東北支部
980-0824仙台市青葉区支倉町2-48宮城県建設産業会館022-223-3245

関東支部
102-0094東京都千代田区紀尾井町3-6紀尾井町パークビル03-6261-3310

東海北陸支部
460-0008名古屋市中区栄4-3-26昭和ビル052-261-6816

近畿支部
540-6591大阪市中央区大手前1-7-310MMビル06-6942-2214

中国四国支部
1730-0051広島市中区大手町2-11-15新大手町ビル082-245-8055

九州支部
812-0013福岡市博多区博多駅東2-9-1東福第2ビル092-471-6310

建築資格試験研究会 (著, 編集)
学芸出版社; 2020年版 (2020/1/26)、出典:出版社HP

二級建築士試験出題傾向

各年度に実施された二級建築士試験問題を、本書の項目別に分類しています。同年度に、○…1問、◎…2問、●…3問出題されていることを表します。

学科1<建築計画>

項目 R01 H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22
1 日本建築史
2 西洋建築史
3 近代·現代建築史
4 環境工学用語·単位と環境問題
5 空気汚染
6 温湿度
7 換気・通風
8 伝熱
9 結露
10 日照・日射・日影・採光
11 音響・吸音・遮音・残響
12 光・色彩
13 専用住宅
14 集合住宅・住宅地の計画
15 商業建築・事務所建築
16 公共建築
17 公共建築2
18 各部の計画
19 住宅生産
20 設備用語
21 空調設備
22 冷暖房設備
23 給水設備
24 排水設備
25 電気設備
26 照明設備
27 防災・消防設備
28 省エネルギー設備
29 搬送・ガス設備

 

学科Ⅱ(建築法規)

項目 R01 H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22
30 用語の定義
31 面積・高さの算定
32 確認申請
33 建築手続き総合
34 天井高・床高・階段など
35 採光
36 建築設備(換気遮音など)
37 構造計画
38 構造強度
39 耐火建築物など
40 防火区画・間仕切壁など
41 避難施設など
42 内装制限
43 道路・敷地
44 用途制限
45 建ぺい率
46 容積率
47 高さ制限
48 日影規制
49 防火・準防火地域
50 実態規定総合(集団規定・単体規定)
51 建築士法
52 関係法令総合

 

学科Ⅲ(建築構造)

項目 R01 H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22
53 用語と単位
54 応力度・形容応力度
55 力のモーメント・釣合・合成と分解
56 反力
57 静定梁
58 静定ラーメン
59 静定トラスの応力(節点法)
60 静定トラスの応力(切断法)
61 座屈(座屈長さ・座屈荷重)
62 荷重および外力
63 地盤およびきそ
64 木構造
65 補強コンクリートブロック造・
壁式鉄筋コンクリート造
66 鉄筋コンクリート構造
67 鉄骨構造
68 構造計画
69 木材
70 コンクリート(材料・強度)
71 コンクリート(調合)
72 鋼材・金属材料
73 その他の各種材料
74 建築材料(用途)
75 建築材料(全般)

 

学科Ⅳ(建築施工)

項目 R01 H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23 H22
76 施工計画・工程管理
77 材料管理・安全管理
78 各種申請手続き・工事監理
79 仮設工事
80 地盤調査・地業・基礎工事
81 鉄筋工事(継手・定着)
82 鉄筋工事(加工・組み立て)
83 型枠工事
84 コンクリート工事(運搬・打込み)
85 コンクリート工事(全般)
86 鉄骨工事
87 補強コンクリートブロック工事
88 木工事
89 防水工事・屋根工事
90 左官工事
91 タイル工事
92 塗装
93 建具・ガラス工事
94 内装工事・断熱工事
95 設備工事
96 各種工事・改修工事・総合
97 施工用語・施工機械器具
98 積算
99 測量
100 工事請負契約・仕様書・設計図書
建築資格試験研究会 (著, 編集)
学芸出版社; 2020年版 (2020/1/26)、出典:出版社HP