’19-’20年版 ユーキャンの証券外務員一種 速習レッスン【赤シートつき】 (ユーキャンの資格試験シリーズ)




はじめに

金融商品取引業者等が証券業務を行うには、外務員資格が必要です。そのうち一種外務員資格は、二種外務員資格の上級資格に位置づけられ、原則としてすべての有価証券の取引に係る外務員の職務を行うことができ、お客様の幅広いニーズに応じることが可能になります。

一種外務員資格試験では、二種で学習する内容に、さらに一種特有の専門知識が必要となり、出題範囲がより広がるため、効率的な学習が重要になります。そのためには、まず体系的に理解し、問題演習を多くこなし、パターンになれることが合格への近道となります。

本書は、生涯学習のユーキャンが、通信教材の制作ノウハウを活かして編集・制作していますので、はじめて学習する方にもわかりやすく、しっかりと理解しながら実力をつけることができます。また、『平成31年版外務員必携』および令和元年9月現在の法令等に対応した最新の内容になっています。本書では、効率的に学習を行うために次のような工夫をしています。

●効率よく学習でき、得点アップがはかれる4部構成→外務員必携の構成に対応しているので、順序よく学習できます。
●レッスンごとに★の数で重要度を表示→試験に出題される要点を押さえた効率的な学習が可能!
●わかりやすさを追求&充実の解説群吹き出しやアイコン、見やすい図表・イラストを豊富に用いて、はじめて学習する方でも楽しく実力アップがはかれます。
※令和2年版外務員必携発行後はホームページにてフォローします。(https://www.u-can.co.jp/book)

また本書は、基本書の学習・理解→問題集での演習→基本書の再確認という流れで、姉妹書であるユーキャンの『証券外務員一種予想問題集』と併せてご利用いただきますと、より効果的に学習が進められます。読者の皆様方が、本書をフルにご活用いただき、短期間で試験に合格されることを念願いたします。

令和元年9月
監修 株式会社エフピー研究所
最高顧問 石田英憲

ユーキャン証券外務員試験研究会 (著, 編集)
出版社: U-CAN; 第12版 (2019/10/26)、出典:出版社HP

本書の使い方

STEP1 重要度の確認
学習を効果的に進める優先順位です。一通り勉強したあとでもう一度復習するときや、試験直前など、優先順位の高い部分を短時間で学習するときに利用すると便利です。レッスンごとに3段階で表示しています。法改正などがあって出題の可能性が高いと予想される場合も重要度は高くなっています。

STEP2 ポイント先取り!
このレッスンで何を勉強するのか、まず大まかに内容を把握しましょう。

STEP3 本文の学習
いよいよ本文の学習です。1回ですべて理解しようとせずに、まずはとにかく読み進めるよう頑張りましょう。アイコンやコメント、イラスト&図表を活用すると、より理解が深まります。

STEP4 問題にチャレンジ
レッスンの最後には、本試験と同じ○×形式の「確認テスト」があります。できなかった問題は、4人に戻ってもう一度確認しておきましょう。また、問題下の[解答]には、本文にないプラスaの解説もありますので、必ず読むようにしましょう。

ひとくちメモ
本文では説明しきれなかったことを補い、さらに理解を深めるための追加解説です。

ひっかけ注意!
言葉を入れ替えるなどのひっかけ問題として出題されやすいポイントです。

マメ知識
言葉の由来など、学習内容や用語を覚えやすくするためのヒントです。

ケース
具体的な事例で本文の理解をさらに深めるためのコーナーです。特に計算例などは、実際に電卓を使って計算してみましょう。

覚える
深く追求するよりも、まるっと覚えてしまいましょう。

ユーキャン証券外務員試験研究会 (著, 編集)
出版社: U-CAN; 第12版 (2019/10/26)、出典:出版社HP

Contents

はじめに
本書の使い方
資格・試験について
科目ごとの出題傾向の分析と対策

第Ⅰ部

第1章 証券市場の基礎知識
Lesson1金融システムと証券市場
Lesson2金融商品取引業と関係機関

第2章 金融商品取引法
Lesson1金商法と金融商品取引業
Lesson2業務に関する規制等
Lesson3金融商品取引業関係機関
Lesson4市場における不公正取引の規制
Lesson5情報開示制度等

第3章 金融商品の勧誘・販売に関係する法律
Lesson1金融商品の勧誘・販売に関係する法律

第4章 協会定款・諸規則
Lesson1協会員における投資勧誘と顧客管理等
Lesson2有価証券の寄託の受入れ等に関する規則
Lesson3協会員に関する規則等
Lesson4各種取引に関する規則等

第5章 取引所定款・諸規則
Lesson1取引参加者規程と有価証券上場規程
Lesson2業務規程と清算・決済規程
Lesson3受託契約準則と市場デリバティブ取引

第Ⅱ部

第1章 株式業務
Lesson1取引の種類と形態
Lesson2株式の売買取引等
Lesson3株式の各種取引と株価指数
Lesson4証券投資計算

第2章 債券業務
Lesson1債券の特徴と発行条件
Lesson2債券の種類
Lesson3債券市場と変動要因
Lesson4債券売買手法
Lesson5債券投資計算
Leson6転換社債型新株予約権付社債(転換社債)

第3章 投資信託及び投資法人に関する業務
Lesson1契約型投資信託のしくみ
Lesson2投資信託の分類と特徴
Lesson3証券投資信託の運用・販売
Lesson4証券投資信託の計算とディスクロージャー
Lesson5投資法人

第4章 付随業務
Lesson1日付随業務の内容
Lesson2株式累積投資等

第5章 セールス業務
Lesson1日外務員の倫理観とコンプライアンス

第Ⅲ部

第1章 株式会社法概論
Lesson1企業形態と株式会社の特色
Lesson2株式と株主の権利
Lesson3株式会社の機関と会社の計算
Lesson4株式の発行と社債等
Lesson5組織の再編等

第2章 経済・金融・財政の常識
Lesson1経済成長と景気動向
Lesson2経済の見方
Lesson3金融機関と金融市場
Lesson4ET

第3章 財務諸表と企業分析
Lesson1財務諸表の意義と役割
Lesson2財務諸表のしくみと読み方
Lesson3収益性分析
Lesson4安全性分析
Lesson5資本効率性分析と損益分岐点分析
Lesson6その他の分析と配当政策

第4章 証券税制
Lesson1証券関連税制の基礎知識
Lesson2利子・配当課税
Lesson3株式の譲渡による所得等の課税

第IV部

第1章 信用取引
Lesson1信用取引制度の概要
Lesson2信用取引の計算と利用方法

第2章 デリバティブ取引の概説
Lesson1先物取引の概要
Lesson2オプション取引の概要
Lesson3オプション・プレミアムの特性と価格形成
Lesson4オプションの利用方法
Lesson5スワップ取引
Lesson6デリバティブ取引のリスク

第3章 デリバティブ取引の商品等
Lesson1市場デリバティブ取引について
Lesson2国債先物取引と指数先物取引
Lesson3オプション取引
Lesson4店頭デリバティブ取引
Lesson5デリバティブ取引と法令・諸規則

INDEX

ユーキャン証券外務員試験研究会 (著, 編集)
出版社: U-CAN; 第12版 (2019/10/26)、出典:出版社HP

資格・試験について

金融商品取引業者等(いわゆる証券会社や銀行など)でお客様に有価証券の取引や勧誘などの業務を行う人のことを、外務員といいます。この外務員の職務は、外務員資格がなければ行うことができません。外務員資格試験は日本証券業協会が行い、対象業務の範囲や取り扱う機関によって、現在は、一種・二種外務員資格試験と、特別会員の一種・二種外務員資格試論が実施されています。

1一種外務員資格試験の受験資格
一種外務員資格試験は、2012年1月16日より一般に開放され、証券会社や銀行等金融機関に所属していなくても、また、二種外務員資格を持っていない方でも、受験することができるようになりました。もちろん、一般個人の方でも一種外務員資格試験を受験することができます。

2一種外務員資格を取得するメリット
二種外務員資格では、現物株式、債券および投資信託(複雑なしくみのものを除く)などの外務員の職務を行うことができますが、信用取引は単独で行うことができず、先物取引、オプション取引などリスクが極めて高い金融商品についての外務員の職務を行うことはできません。
一方、一種外務員資格は、二種外務員資格の上級資格に位置付けられ、信用取引、先物取引、オプション取引を含め、原則として、すべての有価証券の取引に係る外務員の職務を行うことができますので、お客様の幅広いニーズに応じることが可能になります。また、原則として、一種外務員の有資格者でなければ、会員内部管理責任者資格試験を受験することはできません。

3一種外務員資格試験の特徴
一種外務員資格試験では、先物取引やオプション取引などデリバティブの専門川語も頻繁に登場しますが、二種で学習する内容も含まれるため、出題範囲が広いいう特徴も併せ持っています。出題形式は二種と同様、○×問題と五肢選択問すが、専門用語の暗記を含め要点を整理しながら広く浅く学習する方が効果的な回題と、内容を理解していないと解答が困難な問題があります。詳しくは、との出題傾向の分析と対策」に記しています。
ます。

4一種外務員資格試験の実施方法
試験は、試験会場に備えられたPCによって行われます。PCといっても役雑な操作はありませんが、簡単な練習問題(サンプルテスト)がダウンロードできるので、事前に操作方法等を確認しておくとよいでしょう。
ダウンロード先:プロメトリック(株)受験手順※内容は外務員の試験とは異なります。
http://it.prometric-jp.com/tutorial/index.html

試験の概要

試験会場
全国の主要都市に設置されているプロメトリック(株)の試験会場(テストセンター)で実施

試験実施日
原則として、月曜日から金曜日の毎日(土日祝祭日、年末年始を除く)

試験時間
2時間40分

試験申込可能期間
申込日の翌日を1日目として5日目(土日祝祭日、年末年始を除く)の日から1ヵ月間に行われる試験について申込み可能

受験料
8,866円(消費税込み)

合否の発表
試験終了後、試験会場にて「外務員資格試験受験結果通知」により確認
(2018年度の一種外務員試験の受験者数は51,793人、合格率46.8%)

不合格の場合
不合格となった試験の受験後30日間は受験できない

5一種外務員資格試験の出題科目と範囲
日本証券業協会発行の「外務員必携(1~4)」を中心に出題されるほか、コンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項について出題される可能性もあります。

出題科目と範囲

法令・諸規則
1金融商品取引法
2金融商品の勧誘・販売に関係する法律
3協会定款・諸規則
4取引所定款・諸規則

商品業務
5株式業務
6債券業務
7投資信託及び投資法人に関する業務
8付随業務
9デリバティブ取引

関連科目
10証券市場の基礎知識
11株式会社法概論
12経済・金融・財政の常識
13財務諸表と企業分析
14証券税制
15セールス業務

ユーキャン証券外務員試験研究会 (著, 編集)
出版社: U-CAN; 第12版 (2019/10/26)、出典:出版社HP

科目ごとの出題傾向の分析と対策

金融商品取引法(以下「金商法」)の施行により、金融商品取引業者が取り扱うことのできる金融商品は拡大し、複雑なしくみをもった証券化商品も数多く誕生しています。こうした中、高度な専門知識をもった外務員が広く水のわれるようになりました。また、金融商品取引業者やその外務員等に対しては、コンプライアンスの重要性もより高まっています。

そこで、2012年1月16日より、一種外務員資格試験が一般に開放され、どなたでも受験できるようになり、二種のみで出題されていた「証券市場の基礎知識」と「付随業務」が一種に加わりました。また、出題数は従来の76問から100問に増加し、合否判定基準も440点中308点(7割)以上へとボリュームアップしています。一種外務員試験では、二種との共通分野である「法令・諸規則」「商品業務」「関連科目」の3つの分野に加え、一種特有の商品である「デリバティブ取引」が商品業務の一科目として出題されます。

出題科目と本書の対応

分野 出題科目 本書対応
法令

諸規則
金融商品取引法 第1部2章 金融商品取引法
金融商品の勧誘・販売に 関係する法律 第1部3章 金融商品の勧誘・販売に 関係する法律
協会定款・諸規則 第1部4章 協会定款・諸規則
取引所定款・諸規則 第1部5章 取引所定款・諸規則
商品業務 株式業務 第2部1章 株式業務
第4部1章 信用取引
債権業務 第2部2章 債権業務
投資信託及び投資法人に 関する業務 第2部3章 投資信託及び投資法人に 関する業務
付随業務 第2部4章 付随業務
デリバティブ取引 第4部2章 デリバティブ取引の概説
第4部3章 デリバティブ取引の商品等
関連科目 証券市場の基礎知識 第1部1章 証券市場の基礎知識
セールス業務 第2部5章 セールス業務
株式会社法概論 第3部1章 株式会社法概論
経済・金融・財政の常識 第3部2章 経済・金融・財政の常識
財務諸表と企業分析 第3部3章 財務諸表と企業分析
証券税制 第3部4章 証券税制

 

法令・諸規則
法令・諸規則は、専門用語だけではなく法律用語も多い分野ですが、独特な用語や言い回しに慣れてしまえば答えられる問題も少なくないので、あまり深刻に考えず、ある程度割り切って暗記に徹するのも1つの方法です。

1金融商品取引法
法令・諸規則の中では「金融商品取引法」がメインです。金融商品取引法は、2007年9月30日に旧証券取引法から改正施行された法律で、その後も段階的に改正が行われています。とくに、金融商品取引業者等や役職員に対する業務規制、禁止行為、内部者取引などが重要です。全体的には二種と大きな差はありませんが、信用取引やデリバティブに係る部分が、一種特有事項として加わります。

2金融商品の勧誘・販売に関係する法律
「金融商品の勧誘・販売に関係する法律」については、金融商品販売法、消費者契約法などを中心に基本的な内容の学習で十分です。前後の金融商品取引法と協会定款・諸規則と関連付けて学習すると効果的です。

3協会定款・諸規則
日本証券業協会が定める自主規制規則が中心で、中でも従業員に関する規則や禁止行為が重要です。信用取引やデリバティブ取引など一種特有の部分は、他の章と関連付けて覚えるとよいでしょう。学習時間と得点が比例しやすい科目の1つですので、着実に得点に結び付けられるよう、要点を確認しながら学習しましょう。

4取引所定款・諸規則
取引所関連では、二種と同様に、上場基準、上場廃止基準や受託契約準則が中心です。ただし、信用取引の委託保証金や代用掛目など一種特有の分野が加わるので、信用取引に詳しくない方は、第IV部の信用取引を先に学習するのもよいでしょう。

商品業務
商品業務には、一箱と世通する株式、債券、投資信託という代表的な商品とは分業務のほかに、2016年1日から一種特有の商品である「先物取引」「オプシュ、取引」「特定店頭デリバティブ取引等」を統合した「デリバティブ取引」があります。

1株式業務
一種では信用取引が加わり、学習するボリュームが増加するため、本書では第2部1章と第IV部1章に分けて解説しています。第II部には、二種で学習する株式の取引種類、外国株式、株式ミニ投資などが合まれますが、かなり範囲が広いので、要点を整理することが大切です。五肢選択相題では、PER・ROEなどの投資指標や売買の受渡代金を求める計算問題を確実にこなして得点を稼ぎましょう。

また、出題される可能性はあるものの、一般にはなじみが薄く、計算式を覚えにくいEV/EBITDA倍率の計算問題を解けるようにしましょう。第IV部の信用取引については、金利、信用取引貸株料、品貸料など、信用取引独特のしくみを理解することが大切です。また、委託保証金が不足した場合の追加保証金の計算は、確実にできるようにしておきたいところです。

2債券業務
「利回り計算や転換社債のパリティ乖離率などの計算問題は、得点に差がつきやすい科目といえます。債券の利率・利回りから購入価格を求める逆進の計算にも慣れておきましょう。第II部2章では、利回りと購入価格の計算問題の解き方について、図を使って易しく解説しています。

いずれにしても、債券価格と金利の関係、債券投資手法など、総合的な理解力が必要になりますが、「先物取引」や「経済・金融・財政の常識」など、他科目への波及効果も大きいので、注力したいところです。

3投資信託及び投資法人に関する業務
投資信託の具体的なしくみや特徴、分類方法などを整理する必要があります。投資信託の商品特性や税制なども重要です。さらに、投資信託及び投資法人に関す。法令等が加わり、学習範囲が広がりました。ETEBREITなど投資信託の形態が多様化しており、細分化して出題されやすい部分ですが、広範囲にこまめに行うことで、得点変動のリスクは小さくなるでしょう。

4付随業務
付随業務の範囲は広いので、そのすべてを学習することは非効率的です。まずは、付随業務に該当するものを覚えましょう。付随業務の具体的な内容に関する問題列策としては、重要度の高い「キャッシング業務」と「株式累積投資」を中心に学習することが効果的です。

5セールス業務
セールス業務は、ポイントをおさえておけば確実に得点できる科目といえます。金商法や協会定款・諸規則と関連付けて学習すると、より効果的です。

6デリバティブ取引
デリバティブ取引は、暗記が必要な部分もありますが、それぞれの商品の持つ特性やしくみを理解することに重点を置く必要があります。1問10点の計算問題の出来いかんが合否の決め手になりやすいので、重要な計算式を確実にマスターしておきたいところです。

個別の商品について、先物取引は、一般にハイリスク・ハイリターンのイメージがありますが、リスクヘッジとしても機能し、さまざまな取引手法があります。まずは、先物取引のしくみと特徴を理解することが大切です。指数先物や債券先物の取引概要については、個別商品ごとに取引単位や決済方法などをまとめておくことが大切です。

オプション取引については、まずはコール・オプション、プット・オプションそれぞれの買いと売りの基本4パターンを理解しましょう。4パターンそれぞれの取引の権利行使による損益計算を理解できれば、ストラドルやストラングルなどの合成ポジションの計算問題は、いかに慣れるかにかかってきます。

特定店頭デリバティブ取引等は、難易度が高い分野ですが、個別の商品について奥深く出題されることはあまりないと思われますので、試験対策としては、金利デリバティブやクレジット・デリバティブを中心に、基礎を固めることが大切です。

関連科目
この分野は周辺知識も含めて幅広い知識が問われます。二種と同様、全体的には基本事項を着実に理解することが大切ですが、とくに「財務諸表と企業分析」では、応用力を身に付けることで、得点力が大きく伸びます。

1証券市場の基礎知識
証券市場からの出題は少ないようですが、ほかの科目の主要な部分への橋渡し的な事柄が多く含まれています。発行市場と流通市場の違いや金融商品取引業と関係機関の業務内容などが出題されやすいところです。ここでしっかり基礎を固めましよう。

2株式会社法概論
二種で学習する内容はほとんど変わりませんが、比較的難易度が高いと感じられる成分です。会社設立の要件や設立時における規定、取締役会や株主総会の注、監査制度など、要点を絞って学習するとよいでしょう。株主の権利など「業務」と共通する部分は、関連付けて覚えましょう。

3経済・金融・財政の常識
範囲が広い科目の1つですので、ターゲットを絞って学習することが大切です。経済では景気指標と物価指数、金融では短期金融市場と金融政策、財政では予管期連が重要です。「債券業務」と重なるところも少なくないので、共通部分は関連付けて学習すると効果的です。

4財務諸表と企業分析
全体としては基礎的な学習で十分に対応できますが、一部、分析計算問題などで応用力が問われることもあります。簿記の知識の有無による差が反映されますので、簿記の苦手な方は、まず、貸借対照表と損益計算書のしくみをきちんと理解することが、分析計算問題を解く近道になります。

得点がばらつきやすい科目でもありますので、分析における重要論点の整理をすることと、指標の良否を判断する問題に対応する応用力を身に付けることに重点を置いて解説しています。

5証券税制
証券に関連する税制ということで、利子所得、配当所得、株式の譲渡所得、NISAが重要です。証券税制以外からの出題も若干ありそうですが、税制について本格的に学習するには大変な労力が必要です。落としてしまったとしても影響は小さいので、証券関連に絞って学習するとよいでしょう。

ユーキャン証券外務員試験研究会 (著, 編集)
出版社: U-CAN; 第12版 (2019/10/26)、出典:出版社HP