高圧ガス製造保安責任者 丙種化学(特別)徹底研究 (改訂2版)




はじめに

高圧ガス製造保安責任者試験制度は,高圧ガスによる災害を未然に防止するため,高圧ガスの製造に従事する方に必要な資格を付することを目的に行われています.

高圧ガス製造保安責任者免状のうち,丙種化学(特別試験科目)責任者免状は,石油化学コンビナート等製造事業所,充てん事業所,天然ガススタンド等において,製造に係る保安の実務的な業務を行う方(製造保安係員)に必要な資格となっています.

本書は,これまで皆様にご好評をいただいた「高圧ガス製造保安責任者丙種化学(特別)徹底研究」をさらにパワーアップさせて,改訂2版としてお届けします過去の出題傾向を分析し,要点と演習問題の組合せで効率良く学習することができるような内容にまとめてあります.

高圧ガス製造保安責任者丙種化学(特別)試験では,法令,学識,保安管理技術の各分野からそれぞれ20問ずつ出題されています.試験に合格するためには,これらの試験において,60%以上の正解を得ることが必要です.それぞれの問いでは,イ,口,ハ等3~5項目の記述に対し,五つの選択肢から正解を選ぶ形式になっていますが,それぞれの記述の正誤がわからなければ正しい解答ができません.

したがって,本書では,試験問題の出題形式にとらわれず,多くの演習問題を組み込むことにより,記述に対する正誤を正確に判断する練習ができることに重点をおいた構成にしました.また,なるべくコンパクトな大きさにまとめるように工夫したことで,常時携行して通勤などであいた時間でも手軽に学習できるよう配慮しました.

最後に,読者の方々が本書を用いて繰返し学習することで,高圧ガス製造保安責任者丙種化学(特別)試験に合格されますよう,心からお祈り申し上げます.

2013年7月
辻森 淳

本書の使い方

本書は,5編構成になっています.

1編から3編は,試験問題に対応し,法令(1編),学識(2編),保安管理技術(3編)の各分野の要点の解説と演習問題から構成されています.要点を確認した後,演習問題を繰返し練習することをお勧めします.これらの編では,単なる暗記ではなく,正解を得るための考え方や方法を学習できる内容になっています.

1編から3編の演習問題においては,試験問題の出題の形式である3~5項目の記述の方式とは異なり,各分野での必要事項を網羅するため,多くの問題を配置しておりますことに留意してください.

4編は,模擬試験となっています1~3編を何度も繰返し練習し,ほぼ確実に正解できるようになった後の仕上げとして,ご利用ください.

5編は,高圧ガス製造保安責任者丙種化学(特別)試験で過去において出題された,高圧ガス保安法,高圧ガス保安法施行令,一般高圧ガス保安規則,液化石油ガス保安規則,コンビナート保安規則,容器保安規則における重要項目に絞って構成しました.1編の学習の際に参照する箇所にもなっています.

なお,各編の要点の中の太字は出題頻度の高いキーワードであり,波線の部分は,問題の正誤を判断するために注意すべき箇所となっています.

辻森 淳 (著)
出版社: オーム社; 改訂2版 (2013/8/20)、出典:出版社HP

目次

1編 法令

1章 目的及び定義(高圧ガス保安法第1条から第4条)

2章 製造の許可・貯蔵(高圧ガス保安法第5条から第19条)
① 第一種製造者
② 第一種貯蔵所

3章 定置式製造設備・圧縮天然ガススタンドに係る技術上の基準(一般高圧ガス保安規則)
① 定置式製造設備
② 圧縮天然ガススタンド

4章 第一種製造設備に係る技術上の基準(液化石油ガス保安規則)
① 用語の定義
② 第一種製造設備に係る技術上の基準

5章 製造施設に係る技術上の基準(コンビナート等保安規則)
① 特定製造事業所
② 製造施設に係る技術上の基準

6章 完成検査,販売,届出,移動,消費,廃棄(高圧ガス保安法第20条から第25条)
① 完成検査
② 販売事業の届出
③ 周知義務
④ 輸入検査
⑤ 移動
⑥ 消費
⑦ 廃棄

7章 保安(高圧ガス保安法第26条から第39条)
① 危害予防規定,保安教育計画
② 保安統括者,保安技術者及び保安係員
③ 保安検査
④ 危険時の措置及び届出

8章 容器,帳簿,検査,事故等(高圧力入保安法第41条から第86条)
① 容器
② 容器檢查
③ 移動
④ 帳簿
⑤ 事故

2編 学識

1章 单位

2章 気体・液体性質
① 理想気体
② 相変化,状態図

3章 化学反応
① 化学反応式と化学平衡
② 燃焼・爆発

4章 ガスの性質

5章 材料
① 材料力学
② 材料
③ 溶接と非破壊検査
④ 腐食と防食

6章 高圧装置
① 圧縮機
② ポンプ
③ 塔類
④ 貯槽
⑤ 熱交換器
⑥ 容器

7章 計測機器
① 温度計
② 圧力計
③ 流量計
④ 液面計
⑤ 制御システム
⑥ 安全計装

8章 流動と電熱
① 管内流
② 電熱

3編 保安管理技術

1章 庄縮機及びポンプ
① 正縮機
② ポンプ
③ 軸封装置
④ 漏えい防止

2章 高圧設備
① 管,継手
② パルプ
③ ガスケット・パッキン
④ 安全升等

3章 保安·防災
① 安全装置
② 防災設備
③ 電気設備
④ 用役設備
⑤ 災害時の措置

4章 運転・設備管理
① 製造設備の維持管理・検査
② 製造設備の運転
③ 工事管理

5章 材料と防食

4編 模擬試験

1章 法令
2章 学識
3章 保安管理技術

5編 重要な法規

1章 高圧ガス保安法【高圧ガス保安法施行令】
2章 一般高圧ガス保安規則
3章 液化石油ガス保安規則
4章 コンビナート等保安規則
5章 容器保安規則

参考文献

辻森 淳 (著)
出版社: オーム社; 改訂2版 (2013/8/20)、出典:出版社HP