GTEC公式ガイドブック Basic
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はじめに
「GTEC」はベネッセコーポレーションが開発した中学・高校生向けのスコア型英語4技能検定試験です。現在では年間約100万人以上の学生が「GTEC」を受検しており、多くの大学・短期大学の入試で「GTEC」のオフィシャルスコアが活用されています。
本書は「GTEC」の検定を控えた皆さんが,短期間で効率よく学習することを目的とした公式の対策教材です。
本番検定と同じレベル・同じ形式の問題を1回分収録しており,検定直前の形式演習ができます。また、2019年から導入される新傾向の問題も収録しており、出題の変更にも事前に準備することができます。
さらに、問題を解いたあとの自己採点によって自分の今のCEFR2レベルの目安がわかりますので、目指すスコアの到達までの距離を確認してください。
本書が「GTEC」受検に向けての理解と試験準備の助けとなり、皆さんが4技能の確かな英語力を身につけ、希望されている進路を実現し,目標を達成されることを願っています。
ベネッセコーポレーション 育成商品編集部 一同
Contents
はじめに
本書の使い方
「GTEC」について
特集①
大学生が教える!「GTEC」学習法アドバイス
特集②
海外にはばたく学生が語る!留学生活で得たものとは
リーディング問題
リスニング問題
ライティング問題
スピーキング問題
自己採点の手順
解答解説(別冊)
リーディング解答解説
リスニング解答解説
ライティング解答解説
スピーキング解答解説
自己採点結果記入欄
本書の使い方
本書では「GTEC」の受検を控えた皆さんが,新傾向の問題も含む本番形式の問題に取り組み直前のリハーサルができます。また,自己採点を通じて今の自分のCEFRレベルの目安を知ろうきます。この一冊で4技能をバランスよく学習することができます。
[学習の流れ] STEP1 問題に取り組むまずは4技能の問題に取り組もう。リーディング,リスニングライティングは巻末のマークシートを使って解答しよう。スピーキングはパソコンやスマートフォンを使って解答音声を録音しながらのり組むと,後で自己採点しやすい。検定直前で時間がない人は、苦手な技能を優先して取り組もう。
WEB音源を活用しよう
CDの音声をWEB上でも視聴することができます。PC・タブレット・スマートフォンから,以下のURLもしくはQRコードにアクセスしてください。
URLhttps://www.benesse-gtec.com/official_basic
パスワードを入力後「WEB音源はこちら」をクリック
STEP2 解答解説を見ながら自己採点し、各パートのアプローチ法を確認する
問題を解き終えたら,解答解説を見て自己採点をしよう。リスニングとリーディングは正解一覧を,スピーキングとライティングは各パートの最後にあるチェックリストを見ながら採点し,正解した問題数を解答解説冊子P.87の自己採点結果記入欄に書きこもう。間違えた問題は解説を読んで理解し、各パートの最後にある「解き方のまとめ」を読んで、アプローチ法を確認しよう。
STEP3 自己採点WEBページに結果を入力、CEFRレベルを確認する
4技能の自己採点結果がそろったら、自己採点WEBページにアクセスして結果を入力しよう。現時点のCEFRレベルの目安がわかるので、今後の学習に役立てよう。詳しくはP.78をチェック!
自己採点結果入力ページへのアクセス方法
URLhttps://www.benesse-gtec.com/officialbasic
パスワードを入力後、「自己採点はこちら」をクリック
「GTEC」について
「GTEC」は、4技能の英語力「読む」「聞く」「話す」「書く」を絶対評価で測定するスコア型の検定試験です。日本の中・高生に大学入試で必要な英語力だけでなく、留学・大学卒業後も使える英語力を育むことを目的に作られました。長期的に技能別スコアの伸びが実感でき、学習のモチベーションを引き出します。
[「GTEC」検定概要]Core | Basic | Advanced | |
実施時間 | Reading 約32分 Listening 約20分 Writing 約25分 Speaking 約25分 |
Reading 約45分 Listening 約25分 Writing 約25分 Speaking 約25分 |
|
Total 102分 | Total 120分 | ||
問題数 | Reading 28問 Listening 32問 Writing 2問 Speaking 8問 |
Reading 36問 Listening 40問 Writing 2問 Speaking 8問 |
Reading 43問 Listening 40問 Writing 2問 Speaking 8問 |
上限スコア | 各技能 210点 | 各技能 270点 | 各技能 320点 |
Total 840点 | Total 1080点 | Total 1280点 | |
語いレベル 難易度目安 |
中学の学習指導要領の 範囲の語い | 中学~高校1年前半の範囲の語い | 高校の学習指導要領の 範囲の語い |
その他 | 検定料や検定日その他の最新情報は 以下のホームページをご確認ください。 URL http://www.benesse.co.jp/gtec/ |
*SpeakingはAdvancedタイプとBasicタイプが同一問題ですが、上限・Totaスコアは異なります。
[4技能オフィシャルスコア証明書の返却について] 技能ごとのスコアとCEFRレベルがわかるスコアレポートを検定の1か月半後を目安に返却します。CEFRごとにできることをスコアと照らし合わせて確認できます。
※この表は2019年度以降の検定日にご受検いただいた場合のみ発行します。
※デザイン・内容は発途中のため変更する可能性があります。 [「GTEC」の問題構成] リーディング
PartA(12問)
【語い・語法問題】単文レベルの英文の中で、文脈的なつながりを理解し、かつ文法的に,また語い選択上最も適切な表現をたに判断できる力を測定する問題。
PartB(12問)
【概要把握問題】与えられた英文の題材に対して、短時間で全体の概要を理解する力を測定する問題。
【情報検索問題】与えられた英文の題材に対して、短時間で必要な情報を引き出す力(情報検索力)を測定する問題。
PartC(12問)
【要点理解問題】まとまった量の英文に対して、英文の主旨に関する内容や詳細部分の要点について,英文を理解し、必要な情報を読み取る力を測定する問題。
リスニング
PartA(10問)
【写真・図表・イラスト説明問題】写真・図表・イラストなど与えられた視覚的情報をもとにある状況や場面,事物を描写説明した単文レベルの英文を正しく聞き分ける力を測定する問題。
PartB(10問)
【会話応答問題】事前予測ができる情報がない中で、会話的な不意の問いかけに対する適当な応答英文を素早く判断し、処理する力を測定する問題。
PartC(10問)
【課題解決問題】日本語で事前に与えられる状況設定および視覚的情報と音声情報から、その場面で求められている課題(タスク)を解決する力を測定する問題。
PartD(10問)
【要点理解問題】一定以上の長さの音声英文の中から、事前に与えられた英文質問に答えるために必要な情報を選択して引きし出し、求められている解答を導くための適切な判断を行う力を測定する問題。
ライティング
NEW PartA(1問)
【Eメール問題】Eメール形式で質問に対する返答を書く問題。
PartB(1問)
【意見展開問題】与えられたテーマに対し自分の考えを自由記述する問題。
スピーキング
NEW PartA(2問)
【音読】与えられた文章を、状況や英文を理解したうえで読み上げる問題。
PartB(4問)
【質問を聞いて応答する】図示された情報を読み取り、それに関する質問を聞き取ったうえで応答する問題。
PartC(1問)
【ストーリーを英語で話す】「日常の出来事の4コマイラストについて、話の流れを踏まえて状況を説明する問題。
PartD(1問)
【自分の意見を述べる】身近で社会的なテーマに対して、自分の意見とそれをサポートする理由を述べる問題。
※ライティングPartAとスピーキングPartAの新傾向の問題は、検定では2019年度実施からとなります。
[各CEFRレベルにおける、4技能で求められるスキル]各CEFRレベルにおいて、4技能で求められるスキルをまとめています。
Listening | Reading | Speaking | Writing | |
B2 | ある程度知っている話題 であれば込み入った論法を含む長い話や講義も 理解できます。ほとんどの時事問題に関する録音または放送される音声素材を聞いて理解できます。 | 現代社会の問題に対して、特定の考え方や視点から書かれた記事やレポートを理解できます。 | ネイティブスピーカーとの定期的なやりとりが可能なレベルで、流ちょうかつ自然に話すことができます。自分が興味をもっている分野であれば、幅広いテーマについて、明快かつ詳細に述べることができます。時事問題について、様々な選択肢のメリットやデメリットをあげながら、自分の観点を話すことができます。 | 興味のある分野に関して幅広いテーマで、明快かつ詳細な文章を書くことができます。特定の意見に対して賛成または反対の立場で情報を伝えたり理由を述べたりしながらエッセーやレポートを書くことができます。出来事や経験について、自分が大切だと思うことを強調しつつ、手紙やメールを書くことができます。 |
B1 | 学校や余暇などで普段から身近にふれる機会のあることについて、はっきりとした標準的な話し方であれば、要点を理解できます。比較的ゆっくり、はっきりとした話し方であれば、ラジオやテレビ番組で取り上げられる時事問題や個人的に興味のある話題の要点を理解できます。 | 大部分がよく目にする日常的な言葉で書かれている文章であれば理解できます。個人的な手紙やメールに書かれた出来事や感情、要望などの描写を理解できます。 | 自分自身の経験や出来事、将来の夢・希望・大志などについて、簡単な方法で文をつなげて述べることができます。意見や計画を話すとき、簡単 な理由と説明を加えることができます。 | 慣れ親しんでいる,あるいは関心のある話題について、簡単なまとまりのある文章を書くことができます。個人的な手紙やメールで、自分が経験したことや感じたことを書くことができます。 |
A2 | 最も身近なことがら(自分や家族、買い物,地域,職業など)に関する、最もふれる機会のある言い回しや語いを理解できます。短くはっきりとした簡単なメッセージやアナウンスの要点を理解できます。 | とても短い簡単な文章を読むことができます。広告メニュー時刻表などの日常生活でよく目にする素材から具体的で見つけやすい情報をさがし出し理解できます。また、簡単で個人的な手紙を理解できます。 | 単純で習慣的なことであれば、慣れ親しんでいる話題や活動についての簡単で直接的な情報のやりとりができます。とても短い社交的なやりとりができます。簡単な言い回しや文を使って、家族や知人、生活環境、学歴について述べることができます。 | 直ちに必要なことについて、短い簡単なメモやメッセージを書くことが できます。非常に簡単で個人的な手紙やメールを書くことができます。 |
A1 | ゆっくり、はっきりとした話し方であれば、自分自身や自分の家族、身の回りの具体的なことがらなどに関する。慣れ親しんだ語句や基本的な言い回しを認識できます。 | お知らせの掲示物やポスターなどに含まれる。慣れ親しんでいる人や物の名前、語句、簡単な文を理解できます。 | 直ちに必要なことや慣れ親しんでいる話題について、簡単な質問・応答ができます。簡単な言い回しや文を使って、自分の住んでいる場所や知っている人について述べることができます。 | クリスマスカードや年賀状のような、短い簡単なカードを書くことができます。ホテルの宿泊名簿のような用紙に、名前・ 国籍・住所といった個人情報を記入することができます。 |
特集1 大学生が教える!「GTEC」学習法アドバイス
皆さん、「GTEC」受検準備は万全ですか?何をしたらいいかわからない人もいるかもしれません。ここでは、高校時代に「GTEC」を受検した4人の大学生に4技能の学習法を語ってもらいました
リーディング
英語を前から読む癖をつけよう
英語の文章は前から読むのが基本です。日本語に訳しながら読もうとして、文の初めと終わりを行ったり来たりしている人がよくいますが、それだと時間がかかってしまいます。ネイティブのように、英語を英語として読むことが自然でない読み方なんです。英語のまま理解するのが難しければ、まずはフレーズごとに日本語に訳してみるのも手です。一つの文のなかでは主語と動詞をとらえるのが大切です。細かい部分がわからなくても、主語と動詞を押さえることで一文一文が速く読めるようになります。そうすれば文章全体を読むスピードも上がりますし、重要な部分も把握しやすいですよ。
次に僕が大切にしていたのは、文章の内容や場面をイメージすることです。文章を目で追いかけるだけでは、記号の羅列を見ているのと同じ。そうではなく、「この人は今こんなことをしている」「こういう状況なんだ」と想像しながら読み進めることが、深い読解につながるんです。文章の長さにかかわらず、ぜひ意識してほしいですね。
最後に、僕が使っていて効果的だった検定本番のテクニックを2つ紹介します。1つ目は、文章より先に設問に目を通すことです。あらかじめ設問を見て問題の内容を把握しておくと、正答の根拠を文章中から見つけやすくなります。2つ目は、各段落の最初と最後の文章をしっかり読むことです。英語の文章の構成上,重要な主張が書かれていることが多いからです。ぜひ、この教材の問題で試してみてください。
リスニング
内容の予測&音読が効果的
「GTEC」のリスニングの特徴は,「一度しか音声が流れない」ことだと思います。僕が初めて受検したとき,油断して聞き逃してしまい,解答できない問題がありました。しっかり音声に集中してください。
リスニングの精度を高めるポイントは,流れてくる音声の内容を予測することです。そのため,問題文はもちろん,図やイラストがある場合は必ず先に目を通しましょう。例えば普段、人と話をするとき、相手が何を言いたいのか、考えながら話を聞いていると思います。それと同じで、どんなことを問われているのかを先に考える。音声を聞いているときも「今こんな話をしているな」と考えるようにしてください。イメージを膨らませましょう。
リスニングのオススメの学習法は、声に出して文章を読んでみることです。基本的なことですが、英語の発音を知らない人が、英語の音を正しく聞き取るのは難しいですよね。だから自分が英語らしいリズムで発音できるようになることが大切なんです。読む英文は教科書など身近なものでOKです。あれこれ手を出すよりも、同じ文章を覚えてしまうくらい繰り返し声に出す方が効果的だと思います。
実際に取り組むときは、まず文章の意味をしっかり理解し、それから音読してください。CDなどの音源があるなら、音声に少し遅れて発話する「シャドーイング」もオススメです。もし音読の途中で発音しづらいと思う単語や表現があったら,重点的に練習してください。そのような単語や表現こそ、あなたがリスニングで聞き取れないものではないでしょうか。こうした対策を続けていくうちに、僕はだんだんと聞く力が身についていきました。
そのほかの攻略法!
リスニングの練習はスクリプトを見ながら
最初は、スクリプトを見ながら音声を聞いていました。文章を目で追いながら英語を聞くことで、「この単語はこう発音するのか」「この部分・この単語ははっきり発音しなくてもいいんだ」と、実際の発音に関する多くの気づきを得られます。同じ音声を繰り返し聞くことが大切だと思います。
(中川さん)
編集部より
解答解説冊子も活用しよう
ここで語ってもらった大学生からのアドバイスに加えて、技能・パートごとのより詳細なアドバイスを知りたい人は、ぜひこの教材の解答解説冊子にある「解き方のまとめ」を見てください。解答時に気をつけることや学習法を掲載しています。
ライティング
日本語で構成を考えてから英語で記述
ライティングのコツは、英文を書き出す前に日本語で内容を考えることだと思います。例えばあるテーマについて意見を記述する問題が出題されたとき、私はまずそのテーマに対して賛成か反対か,いくつかの理由と一緒に問題用紙にメモしました。それから,そのメモした理由のうち,英語で表現できそうなものを1~2つピックアップし,実際の英語の記述を始めました。何も考えずにいきなり英文を書き出すと,構成がわかりにくくなったり、時間が足りなくなったりしてしまうと思います。「GTEC」のライティングは時間制限が厳しいうえに、記述すべき量も多いと思うので、書くべき内容をしっかり整理してから書き始めるとよいと思います。ライティングのエッセイ問題は解答時間が20分なので、私の場合は5分で構成を考え、10分で書き,最後の5分で文法的なミスがないかをチェックするようにしていました。
事前の対策でオススメなのは、ライティングの“型”をつくっておくことです。自分の主張を説明するときは「I think…」,理由を述べるときは「First….」,まとめに入るときは「Therefore,…」と、英語には決まった場面でよく使われるフレーズがあります。こうしたフレーズを順序立てて組み合わせた“型”を決めておくと,日本語で考えた内容を英語にしやすくなりますし,“型”がしっかりしていれば論理的な文章を書けると思います。
もちろん,そのほかのよく使われる英語表現や単語を覚えることも私は大切にしていたので、覚えたい英語表現はノートにまとめていました。学校で学んだ表現や模試の解答解説に出てきた表現で使えそうなものを、例文と一緒に書いていました。そのノートを何度も見返して自然に覚えることができました。知らない単語を書くことはできませんし、使える表現や語いが少ないとワンパターンな文章になってしまいます。「この表現や単語をよく見かけるな」と思ったら、ぜひ積極的に覚えていきましょう!
ライティング表現集
主張を述べる
I agree [disagree] with…「私は…に賛成(反対)です」
I agree [disagree] with the opinion that…「私は…という意見に賛成(反対)です」
理由を述べる
…because~「~だから…です」
The reason is that…「その理由は…ということです」
The reason why … is that~「…である理由は~です」
順序を説明する
First,「第一に,」 Second,「第二に,」 Third,「第三に,」 Finally,「最後に,」
情報を追加する表現
Besides…「それとは別に、…」
What’s more…「さらに言うと、…」
in addition…「加えて、…」
※ライティングで活用できるフレーズの第、早速使ってみよう。
スピーキング
“英語を話す”ことに慣れるのが一番
僕は「GTEC」のスピーキングを受検したことがないのですが、高校時代からディベートを通して英語に親しんできました。その経験から,スピーキングで大切なのは英語をまず話してみることだと思います。単語1語を口に出すだけでもいいので、まずは恥ずかしがらずに英語を話すことに慣れましょう。休み時間に遊びの延長で友だちと英語を話したり、帰り道にふと思いついたことを語でつぶやいたりしてみてください。うまく表現できなかったときは、先生に聞いたり、自分で調べたりして、どう言えばよかったのかを確認してください。
ライティングと同様に、英語で相手に何かを伝える際は、2つのことに気をつけるとよいと僕は思います。1つ目は、話す内容の組み立て方を身につけることです。自分の主張をまず述べて,次にその理由を述べる。こうすると,わかりやすく相手に伝えられると思います。2つ目は、英語の表現の幅を広げていくことです。オススメの勉強法は、表現を丸ごと覚えてしまうことです。「これって会話でも使えそうだな」と思う表現を見つけたら、それをそのまま覚えて、暗唱できるようになりましょう。そして、覚えたいくつかの表現を組み合わせて言いたいことを話してみましょう。英語の表現の豊富さが、話す内容の幅広さに結びつくので、覚える表現の数を増やすことが大切だと思います。
慣れてきたら、ぜひ有名人のスピーチを聞いたり、読んだりしてください。スピーチは実践的な口語表現を学ぶのに最適な題材だと思います。例えばスティーブ・ジョブズやキング牧師のスピーチは内容がわかりやすいですし、難しい表現も少ないので取り組みやすいかと思います。
「GTEC」を受検する皆さんへメッセージ
部活を頑張るキミへ
部活が忙しくても、毎日1単語ずつでもいいので英語に触れましょう。英語は体で覚えるもの。コツコツ勉強を続けてください。
英語が苦手なキミへ
なぜ苦手なのか分析しましょう。単語、文法など、必ず原因があります。ぼんやりした苦手意識をなくすことが克服への第一歩!
英語が得意なキミへ英語を使ってやりたいことはありますか?目的を持って勉強することが、さらにやる気を高め、英語力を
「GTEC」対策を始めるキミへ
この教材を解く中で、苦手な技能やパートに気づくはず。苦手なところを集中的に勉強して、スコアアップを目指してください!
特集2 海外にはばたく学生が語る! 留学生活で得たものとは
皆さんは、今学んでいる英語を将来どのように生かしたいですか?
ここでは、学んだ英語を使って海外留学・進学をした4人の学生に現地での生活を語ってもらいました。
海外で求められる英語力とは
井上莉沙さん
語学学校からオーストラリアのTAFE→シドニー大学に進学。現地ではアルバイトにも挑戦した。※TAFE:公立の総合専門学校
塩崎大地さん
アメリカのオレンジコーストカレッジ→UCバークレーに進学。日本の高校生向けに留学生イベントを主催している。
高校時代の留学経験がきっかけに
井上 私が海外進学を考えたきっかけは、高2の夏にイギリスの大学に短期留学をしたことです。現地の大学生とアフタヌーンティーを楽しんだり、映画のロケ地を訪れたりして、異文化に触れながら学生生活を送ることの楽しさを知りました。この短期留学を終えて、もっと長期間海外の大学に滞在したいと思いました。
塩崎 僕も中1と高1での短期留学がきっかけです。アメリカで1か月暮らしたとき、人の個性を尊重する自由な空気にとてもひかれました。もう一度その空気を感じたいと思ってアメリカへの進学を決意。ただ、英語が得意なわけではありませんでした。高1のときのテストは赤点でしたし。英語は好きだったので勉強を頑張れたんですが、それでもリスニングは高校卒業までずっと苦手でした。
習った英語が全然通じない!?
井上 私は英語が得意教科だったので学校のテストで困ることも少なく,海外でもやっていけるかなと思っていました。ところが実際に渡航してみると、思うように英語が通じずとても焦りました。英語で書いた小論文は先生から「大学生のレベルではない」と言われましたし,授業中のディスカッションも言いたいことを全然表現できず,ただ座っているようなものでした。
塩崎 ディスカッションは会話のテンポに追いつくのがすごく難しい。それにスピーキングに慣れていないと、発言のタイミングを逃しやすいですよね。話したいことはたくさんあるのに,思ったように言葉が出てこない。すると友だちから「話題を変える?」とすぐに言われてしまうのでもどかしかったです。
でも、別の国から来た留学生は、ネイティブじゃないのに当たり前のように英語で会話しているんですよね。自分と何が違うのだろうとよく考えました。井上知らない単語があるとか、基本的な要因ものりましたが、結局は英語を使うことが未熟だったんだと思います。文章を書くのも、人と会話をするのもそう。英語で何かを行うことに不慣れだったんですね。
だから私は、それぞれの授業で友だちをつくり、その友だちとコミュニケーションしながら英語を使うこと”。塩崎さんが通う学校の授業風景。に慣れようとしました。勉強のことを聞くのにも、雑談をするのにも英語を使うから、自分の考えていることを英語で人に伝える練習になると思ったんです。
塩崎 僕の場合は、英語の動画を見て口語表現や発音を学んだり、他人がどういう表現を使うのか意識して聞くようにしました。すると、だんだん会話で使われる表現にパターンがあることがわかるようになりました。井上そう、場面によって適切な表現のバターンがあるんですよね。例えば、口語だとandやbecauseから話し始めることはよくあるんですが、書き言葉だとくだけた表現になるから、エッセイなどでやってはいけないらしいということも、現地に渡ってから初めて知りました。
目的を持って英語の勉強に臨んで
井上 はじめは本当にできないことばかりでした。でも、自分に足りないことが何なのかを考え、しっかり対策したおかげで、今は大きな問題もなく海外で生活できています。高校生の皆さんも、勉強する目的をちゃんと持って、それに合った英語力を伸ばしていくことが大切なのかなと思います。
塩崎 今の英語力がどのくらいかより,どのくらい向上心を持つかが大事だと思います。僕も,海外の人に負けたくないという気持ちがあったからこそ、苦手な英語でも勉強を続けられました。ぜひ自分なりの目的を持って勉強してください!
編集部より
「GTEC」で問われる「書く」力は海外でも役に立つ
井上さんの話にあるように、海外大学でエッセイを書くときは、語い。文法の正しさだけではなく、論理的な文章になっていることも重視されます。「GTEC」のライティングは、語い。文法だけではなく、構成・展開の観点も見ています。「GTEC」のライティングの学習をすれば、相手に伝わる論理的な文章を書く力を身につけることができます。
海外に行ったからこそわかる気づきとは
長谷川航さん
アメリカのディアンザカレッジに進学。車の運転免許を現地で取得し、休日はドライブを楽しんでいる。
山内美睦さん
早稲田大学国際教養学部に在籍。大学2年次をカナダのトロント大学で過ごした。お気に入りの場所は寮近くのマーケット。
想像と違った!現地の英語
(長谷川さん)僕はお店では店員さんは「May I help you?」と聞いてくると思っていましたが、実際にはあまり言われないですね。僕が一番よく言われたのは「How’s going ?」日本語だと「調子どう?」くらいの気さくなニュアンスです。現地の英語は?こう違うものだなぁと感じました。
日本と海外の生活はどれだけ違う?
長谷川 海外に行って驚いたのは、いたるところで“日本”を見かけることでした。例えば自動車。僕がアメリカの西海岸にいるからかもしれませんが、とにかく日本車が多い!アメリカの国産車より多く見かけます。それからアニメも浸透していますね。僕より日本のアニメに詳しい人もいましたよ。
山内 私は、同じ英語といっても出身国によって全然違って聞こえることに驚きました。私が渡航したカナダでは、英語を第二言語として話す人も多いです。私は大学の寮で暮らしていたのですが、人によっては英語のなまりがどうしても聞き取れず、何度も聞き返していました。世界にはこんなにいろいろな英語があるんだと身をもって感じましたね。
あと、大学の授業も日本とはけっこう違いますね。私が留学したトロント大学はとにかく宿題の量が多かったです。200ページ分を,1週間で読んでくるようにと言われるんですよ。当然英語ですし、大変でした。
長谷川 確かに違いますよね。僕も1週間で100ページ読みました。またアメリカの場合,先生が学生に意見を求めることも多いです。そんなとき、学生は「僕はこう思う!」「いや,こうだね!」と、どんどん発言します。自分の意見を表すことにためらいがないんです。僕も見習って言いたいことを言おうとするのですが,英語でどう表せばいいのかわからず,結局言えずじまいになってしまうことが多いです…。
今僕はコミュニティーカレッジに通って、一般教養を学んでいます。心理学,哲学,映画学などの様々な科目を受講しながら,今後の専攻を考えています。このような仕組みも日本ではあまりないと思います。
山内 私は言語学や言語教育を中心に学びました。トロント大学が強みとしている分野です。英語が好きで留学している身ですから、人が言語を習得していく過程や言葉の成り立ちについて学ぶのは、とても興味深かったです。
日本と海外の違いから気づいたこと
山内 カナダは多民族国家で、人によって国や文化のルーツは本当にバラバラだと日々感じました。例えば中国系カナダ人の友だちは、外見こそ中国系なのですが、移民二世で中国語を全く話せません。なのに、中国人留学生に中国語でよく話しかけられて困っているそうです。こうした人がとても多い国ですから、自分とは違う人に対してみんな寛容です。違うところがあって当たり前、それでいいという姿勢を持っているように思います。カナダの多くの人たちのような姿勢は異文化交流に欠かせないものだと感じました。
長谷川 国籍や抱える文化が違うからこそ、個人の意見を大切にしていると思います。学校の授業では生徒一人ひとりの発言する機会が多いのですが、みんなが生き生きと自分の意見を述べていたことに驚きました。みんな自分の考えを伝えようとしていて、周りもそれをきちんと受け止めます。自分の意見を求められるのはハードな環境ですが、日本ではなかなか経験できないことではないでしようか。意見を述べるといっても,相手のことを否定したりせず、まず複数の意見があることを認める。自分の価値観を絶対視しないこと、違いを受け入れることが、周りとうまく付き合っていくうえで大切なんだと気づきました。
山内 カナダもアメリカも、個性を大事にする土地柄があるんですね。人の個性を尊重すること、違いを認めることが当たり前だから、多くの人が、のびのびと生きている。日本にいたときは,誰かに合わせたり、誰かと比べたりすることが多かった。だからカナダの人たちの考え方に憧れましたし,同じように生きられたら楽しいだろうなと思いましたね。
海外での経験から見つけた将来の目標
長谷川 僕は今後,海外で4年制大学に進学し,教育学を学びたいと思っています。日本とは異なる海外の教育を受けたことで、教育の仕組みに興味を持つようになったんです。海外に来た当初は全く考えていなかった進路ですが、将来は日本に戻り、日本の教育をもっとよくするにはどうすればよいかを考えていきたいと思っています。
山内 私は今後、海外を拠点に働きたいです。日本は居心地がいいのでずっと住みたいと思っていたのですが、留学経験を通じて、もっといろいろなこと、新しいことを見てみたいと思うようになったんです。自分のよく知らない言語が話されている文化圏に住んでみるのも面白そうだなと思います。そして、日本のいいものを世界に広めていきたいと考えています。
こんな考え方もあるなんて! (山内さん)
とても寒い夜だったので、大学の寮でヒーターをつけたまま寝ると、夜中にそのヒーターが燃え始めたんです。パニックになって、英語で必死に守衛さんに助けを求めました。すると、守衛さんはいたって落ち着いて「明日、新しいヒーターを入れるから大丈夫だよ」と。物事に対するとらえ方の違いに驚きました。